SSブログ

【日本2周目開始!】韓国に一番近い島へ!<その2:壱岐> [日本二周目]


3日目:5月1日(月)


この日から、待望の離島めぐりの開始です。いよいよ本格的な"2周目"が始まるということで、少々エキサイティングな夜明けを迎えています。

離島めぐり最初の目的地に選んだ島は、壱岐と対馬。日本の最果てとして頑張っている対馬に是非一度は行きたいという悲願があり、今回の第1回目の旅を決める最大の決め手でした。

壱岐については、それほどの強い理由があったわけではありませんが、この島の多くの扱いが「壱岐・対馬」といういわば対馬とのセット販売のようになっていて、交通の便も2島めぐりに便利なようにできていますので、迷わず壱岐・対馬行きを選択しました。世界遺産登録を目前に控えた沖ノ島にも行きたかったのですが、交通機関の関係等で断念、次回に回すことにします。

勿論、壱岐と言えば何と言っても魏志倭人伝の"一支国(いきこく)"。そんな昔から国家として栄えていた島に、興味がないはずはありません。短い壱岐滞在中に、その歴史を満喫できればと、タクシーでの島めぐりを楽しみにしていました。


福岡港からのジェットフォイルは8時発。これに乗れば9時過ぎには壱岐に着き、すぐに観光が始められます。

IMG_1775.JPG

いつもは車を積んでののんびりフェリーの旅で、デッキに佇み島影やカモメとのふれあいを楽しむのですが、「基本はシートベルト着用」のジェットフォイルにはそんな旅情はありません。船内に流れるBS放送のメジャーリーグ中継を見るうちに、あっという間に壱岐に到着します。


壱岐郷ノ浦港にて迎えてくれたタクシーの運転手さんは、地元出身のいかにも朴訥そうな人。壱岐という場所的にも京都の時の運転手さんのように、歴史を能弁に語るタイプでもそんな土地柄でもありません。でも、的確に壱岐の魅力を案内してくれました。


港近くの高台にてまずは壱岐を一望。島の最高地点とは言え標高200メートル強では、そこまでのダイナミックな眺望は期待できません。人気観光地であれば、この上にタワーでも立つのでしょうが…

IMG_1784.JPG

2周目を始める前、「1周目の今までは、いわば日本のオールスター観光地を回ったけれど、2周目特に離島めぐりには、そこまでの観光地がない場所もたくさんあるので、そこは理解してくれないとこれからの旅は辛いかも。」と妻に宣言して2周目の旅を始めたことを、いきなり思い出しました。


次は島らしい海の眺めを2つ。最初は鬼の足跡という海が割れている眺めを高いところから見渡す場所。鬼が踏ん張ってできた窪みとのことで、もう片足を踏ん張った跡は、壱岐島のずっと先にあるのだとか…  何とも、スケールの大きな伝説です。

IMG_1796.JPG

すぐ近くにはゴリラの横顔に見えるというゴリラ岩もあります。確かによく見ると似ていなくはないのですが、似た名前の男鹿の「ゴジラ岩」に比べるとイマイチな印象。少なくともCMにはならないであろうと思われます。

IMG_1799.JPG

次は壱岐のポスターなどで一番見た風景である「猿岩」。ここに来て、壱岐に来られたことを実感しましたが、写真で見る以上の感動があるわけではありません。

IMG_1807.JPG

このタクシーに乗ってすぐの頃に、「お客さん、古墳に興味はありますか?」と聞かれたので、「そりゃぁ、人並みにはありますけど…」と答えたので、"古墳好き?"とみなされたのか、次は壱岐の古墳の三連発。壱岐には、長崎県(そう、壱岐と対馬は長崎県なのです!)にある古墳の2/3の古墳がこの島に集中しているのだとか。すぐ近くにあるその3つの古墳も、時代が微妙に違うのか身分が違うのかは不明ですが、3つ共に趣の違う古墳で、どれも中々興味深いものでした。

IMG_1811.JPG

どの古墳も中に入ることができ、じっくりと見ることができます。以前に訪ねた奈良の古墳はみんなそれなりにお金を取るのに外からしか見られないことに比べて、"壱岐はみんなタダで見られていいね!"なんて妻は言っていますが、奈良の古墳はその歴史的価値も知名度も段違いなので、いささか見当違いですね。

IMG_1817.JPG

3つの古墳共にゴールデンウィークなのに観光客は見事に我々だけなのですから、有料にしたらかえって赤字が増えるだけでしょう。

IMG_1823.JPG

壱岐と言えば、酒好きには名高い壱岐ブランドの麦焼酎。7つぐらいあるらしい蔵元では、オリジナルの焼酎の味を競っているようです。いつも車で旅をすると、酒蔵に来ても試飲は叶わないので、イメージだけで土産と自分用とを選んでいたのですが、嬉しいことに今日は思う存分試飲をして選ぶことができます。空腹だったので、予想以上に酔いが早く回ってしまいましたが…

DSC_1623.JPG

壱岐のお昼と言えば名物は"ウニ丼"。タクシーに乗る前から運転手さんには、「ウニ丼のお昼を中心に予定を組んで下さい。」とリクエストしていました。ウニ漁は解禁されたばかりとのことでしたが、噂通りの壱岐名物のウニ丼は超絶美味でした。自分史的には積丹半島で食べたウニと頂点を争う過去最高のウニ丼で、前菜(?)として先に出された地元産らしい豆腐とあおさの味噌汁が超絶品 。付け合わせまで含めると自分史上最高のウニ丼でした!

IMG_1830.JPG

昼食後、港を見下ろす高台に昇ります。ここには朝鮮征伐の時に戦国大名オールスターズが来たそうなのですが、何と総大将の豊臣秀吉もここまでは来て、軍を鼓舞したのだとか… 私は秀吉は名護屋城にデンと構えていたとばっかり思っていたのですが…

戦国時代を彷彿とさせる石垣跡です。

IMG_1835.JPG

「運転手さん、魏志倭人伝から秀吉の朝鮮征伐と、大陸と日本の歴史的舞台に何度となく登場する壱岐ですが、神功皇后や元寇の歴史はあるのですか?」という質問と期せずしてほぼ同時に着いたところが元寇の古戦場。残念ながら壱岐では神風は吹かなかったようで、圧倒的な兵力の元軍に蹂躙されたとのこと。ここでも昔日本史で勉強した史実が、圧倒的な迫力で訪れた我々の胸に迫ります。

IMG_1837.JPG

ちょうど壱岐島を半周して海の綺麗な北の突端に来たので、「綺麗な海を見るには遊覧船がいいですよ!」という運転手さんのオススメに従って、およそ1時間の遊覧船に。

IMG_1856.JPG

本当に海の色は吸い込まれそうになるくらいキレイで、合計4人の乗客でこの素晴らしい景色を独占するのは、とっても勿体ない素晴らしい1時間でした。

IMG_1861.JPG

船は、途中無人島までの送迎の役割も兼ねているようで、無人島からは冒険を終えたイギリス人カップルが乗り込んで来ます。ゆっくり来たなら、是非とも散策してみたい無人島ではありました。

IMG_1869.JPG

後半は島の反対側である東側を観光します。東海岸にもみどころは豊富。海のキレイな”左京鼻”を見ながら、「右京はないのかな?」と、"相棒"好きの妻は呟きます。

IMG_1875.JPG

波打ち際に立つ「はらほげ地蔵」。満潮の時には地蔵の半分ぐらいまで海に浸かるようなのですが、今はほぼ全体が出ていて、被写体としてはイマイチ。

IMG_1879.JPG

でも、ここので観光客の数がこの日の観光地の中では最も多く、10人ぐらいはいました。さすがは、ゴールデンウィーク!?


干潮時には小島までの道ができて、満潮時にはその道が無くなるという小島神社。「小豆島のエンジェルロードみたいですね!?」と言うと、「あっちの方が、ネーミングセンスが全然良いですよね!?」と島同士の対抗意識からかちょっとばかり羨ましそう。この時は半分沈んだ状態で、観光的にもまさに中途半端な状態でした。。

IMG_1883.JPG

次は一支国を偲べる「一支国博物館」。個人的には魏志倭人伝の世界を味わえるかと凄く楽しみにしていましたが、展示品の順序というか順路が大いにわかりにくく、いささか期待外れでした。展示品の順序または事前説明が必要に感じましたが、もしかしたら我々が入るちょっと前に係員さんが色々と説明されていたので、我々がトイレを探してるうちに聞き逃したのかもしれませんね。


博物館からすぐ近く近くに、遺跡を再現した施設があります。近くだけど同じ敷地内ではありませんし、入場料を払うような受付も見当たりません。

IMG_1890.JPG

施設そのものは、吉野ヶ里遺跡のミニ版といった感じで、魏志倭人伝によると、一支国を過ぎて(大きな)邪馬台国に着くのですから、やっぱり吉野ヶ里を邪馬台国とした方が、私的にはスッキリとします。(学説的には旗色は悪いようですが、信じています!)

IMG_1888.JPG

タクシーの6時間チャーターの拘束時間は過ぎているのですが、今日の観光の最後に我々の宿近くで運転手さんイチオシの「松永安左エ門記念館」に行くことに。事前にネットなどで情報は仕入れていたものの、"電力の鬼"と称された方の記念館には、正直あまり興味が沸かなかったのですが、運転手さんの今日イチの強いリコメンドに触発された格好です。

IMG_1903.JPG

見学者が誰もいない記念館に入り、@100円の入館料を払うと館長さんが一つ一つ丁寧に説明をはじめてくれます。早くホテルに入りたい妻を気遣い、多少は急ぐふりをしましたが、私がよく知らなかっただけで、実は本当は凄い人だったのです。おまけに友人の母校の創設にも寄与していて、大いに興味が湧きます。何より感心したのは、私が生まれる前後のあんな昔に、今を見通した様々な提言を政府などに対して行っていたこと。記念館に展示されているそれらの提言を、ゆっくりと読んでみたくなりました。


「あんまり、みどころはないのかなぁ~!?」というややマイナスイメージで始まった壱岐一周でしたが、1日で体験しきれないくらいのたくさんの素晴らしいものが見られて、超大満足です。

「離島めぐりのスタートに、壱岐を選んで本当に良かった!」という感謝で一杯になりました。


今晩の宿は料理のクチコミで選んだ宿。刺身もシーフードの創作料理もとっても美味でしたが、隣の客席に「お待たせしました。壱岐牛です!」と壱岐牛のステーキが運ばれて来て、「そうだ! (追加料理と言われていた)壱岐牛を頼むのを忘れてた!!」と、自分の失態に気づくはめに。この旅での壱岐での食事はもうないし、ステーキは今からでは頼めないし… シーフードですっかり満腹になりつつあった老夫婦なので、ステーキが無事にお腹に収まったかはいささか疑問ではありましたが、もう一度壱岐に来る”宿題”が残った気分でした。


4日目:5月2日(火)


今日は昼前のジェットフォイルで対馬に渡る予定です。意外に広い壱岐ですので、宿から昨日来た港と違う港までは、タクシーを使えば3000円以上らしいので、ここは時間を指定するなどの贅沢は言えないものの、費用を節約できる宿の送迎サービスを利用させていただくことに。

ということで出発時間までやや時間があるので、宿のある印通寺港付近を散策します。ここは唐津からの定期フェリーの発着地ですが、次のフェリーまでは時間があるので人もいなくてとっても静かです。

IMG_1909.JPG

お土産屋さんで働く人たちも手持ちぶさたな感じ。

特にみどころもないのであてもなく歩くうちに、昨日最後に訪ねた松永記念館に。何となく改めて外に展示されている福岡の市電を昨日の話を思い出しながらぼんやりと見ていると、昨日案内してくれた館長さんが再び登場します。

IMG_1905.JPG

「もう一度、ご案内しましょうか?」と誘われますが、丁寧にご辞退申し上げて、散歩を続けます。やっぱり、壱岐には親切な人が多いのです。


対馬行きの港までの送迎車の乗客は我々だけ。運転手さんは開口一番、「対馬沖では、昨日カールビンソンが目撃されたみたいですよ!?」と、いよいよキナ臭くなっている国境の島に向かうことを実感します。運転手さんは運転しながら、壱岐の景色を一生懸命ガイドしてくれています。我々も、"昨日、聞きました"なんて野暮なことは言わずに、熱心に聞き耳をたてます。

親切な運転手さんは、少し遠回りして小島神社に寄り道。昨日は中途半端でしたが、今日はしっかりと道ができていました。

IMG_1913.JPG

いよいよ、昨日と同じこのフェリーで、”国境の島”対馬へ向かいます!

IMG_1923.JPG

コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

【日本2周目開始!】韓国に一番近い島へ!<その1:福岡へ> [日本二周目]

昨年12月に京都と大阪の旅で日本一周をめでたく達成してから、早5ヶ月が経過しました。目標を見失うと、"旅ロス"状態になるので、早く"2周目"を始めなくては自分がダメになるということは、自分の怠惰な性格と過去の経験から十分に知ってはいたので、正月休みから何度か旅行プランの計画は練っていたのですが、全て計画直前にさまざまな事情により計画断念に追い込まれてしまい、結局5ヶ月ものブランクを作る羽目になってしまいました。

とはいえ、その5ヶ月もの間、自分が廃人にもならずに何とか生活することができたのは、この旅のプランニングに没頭できたお陰です。自分が落ち込みそうになるたびに、旅先の青空と美味しいであろう食事を夢想して自分を励ましたことが、何とかめげずに約半年を過ごすことができた、最大の功労者と言えるでしょう。

ところで、"日本2周目"のマイルール作りは一向に決まりませんでした。何度かルールを作っては破棄してまた作り直しを繰り返す毎日で、"本当にルールなんて作る必要があるのか?"とか、"ただあてもなく旅すればいいんじゃない?"とかを大いに悩んだ時期もありました。
悩んだ末に、"一体、お前は何がしたいの?"と改めて自分に問いかけてみましたが、自分がしたいことはただひとつ、「自分の足跡で日本地図を真っ黒に塗りつぶしたい!」というのが希望で、真っ黒に塗りつぶすことが唯一のゴールと言えばゴールなのですが、これは恐らく自分がお墓に入るまででも達成は不可能だし、達成感というかモチベーションをキープし続けるのも至難の業です。
ついては、究極の目標である「日本全国を塗りつぶす」ことを最大のテーマに掲げつつ、その究極の目標のために改めて都道府県を周り、一旦今回を"日本2周目"として、47都道府県をもう一度周り終わったら、その次からは"日本3周目、4周目…"とすることに決めました。 これでは2周目に何年かかるかはちょっと想像ができませんが、これなら何周目のどの辺りで道半ばで刀折れ矢尽きても、後悔しないであろうと思えたからです。各都道府県の達成ルールなどの細かいことは決めずに、自分が"2周目達成"と判断すれば、その都道府県の2周目は達成ということにすることにしました。今のところ、これで何とかモチベーションは保てそうです。

"日本2周目。塗りつぶしの旅"と命名した旅は、毎回"旅のサブタイトル"をつけることにしました。記念すべき第1回目つまりこの旅のサブタイトルは、"離島めぐり開始。まずは韓国に一番近い島へ!"に決め、プラン作りを楽しむことにしました。離島めぐり以外でもGWで時間はたっぷりとあるため、ゲートシティの福岡では、10歳の時以来なので46年振りの従兄に会うこともメインイベントのひとつとなり、更に2年前の九州一周の旅では時間の関係で断念した福岡県の柳川、大分県の日田や費用の関係で断念した熊本県の黒川温泉までも組み入れたとっても贅沢なプランが出来上がったのです。

前回の日本一周の旅では、朝から晩まで貪欲に回れる観光地はとにかくすべて回ろう!というスタンスだったのですが、2周目以降はもう少し余裕を持ったスケジュールにしようとずっと考えていました。でも、プランを考えていると、「ここも行きたい、あそこにも行きたい。」という生来の欲張り癖が出てしまい、結局昔のような盛りだくさんな日程になってしまいました。それでも妻に、「今後はもっと余裕を持った旅にします!」と宣言した手前、以前よりは慌ただしくはしなかったつもりなのですが…

前述の通り、今回のメインは壱岐・対馬の離島めぐり。2島共に長崎県なのですが、アクセスは福岡からが定番なので、福岡市を離島の発着地に決め、離島の前には福岡の親戚とリタイアして故郷福岡に隠居した友人ともアポを取り、離島の後にはちょうど開催されているお祭りである「博多どんたく」を見てから前回の九州一周の見残しの地を訪ねる、ゴールデンウィークをフルに休む9連休を活用した7泊8日
の相変わらず贅沢なプランになったのです!

今回の交通機関は車ではなく航空機利用。2年半前の日本一周スタートの沖縄旅行以来、"陸マイラー"としてせっせとカードで貯めた特典無料航空券(2人分)での旅です。GWの期間なので特典航空券の予約は困難が予想されましたが、はじめから高望みをしなかったお陰で、何とか特典無料航空券を2席確保することができました。片手片足運転の私は、残念ながらレンタカーには乗れないので、現地ではタクシーも利用することになります。

1日目:4月29日(土・祝)

予約が取れたJALの特典無料航空券の出発時間は昼過ぎ。いつもは早く家を出る我々夫婦も、"2周目の旅はゆとりの旅"というポリシーの元、予定通り9時前に自宅を出ました。
いきなり予期せぬことと言えば、宇都宮線のグリーン車が満席で座れなかったこと。宇都宮線グリーン車は土日は平日より200円安いので、平日以上に人気だとは聞いてはいたのですが… ようやく座れたのは妻が赤羽で私が上野。旅のスタートなので、グリーン料金を奮発したのに…

上野東京ラインの恩恵は、羽田に行く時にもあります。従来なら上野で乗り換え浜松町でモノレールに乗るという二回乗り換えが必要でしたが、上野東京ラインは快適に品川まで運んでくれ、1回だけ京急に乗り換えれば、 もう羽田空港なのです。この日の誤算はグリーン車に座れないことだけでした!

2年半振りの羽田空港。いつもならJALのカウンターに立ち寄り、クラスJの空席を確認し、ダメな場合でも僅かな可能性に期待して空席待ちを入れるのですが、今回の旅はゴールデンウィーク。当然の如く全てのフライトは満席で、羽田もいつも以上に混んで(2年半振りなのであくまで以前のイメージと比較してですが…)いるので、長蛇の列になっている(数少ない)有人カウンターに立ち寄るという無駄なことはしません。私のプランニングでは羽田で久し振りに空弁を仕入れて機内でゆっくりと食べる予定でしたが、「混む前に先にお昼、食べちゃおう!」という妻のリクエストもあり、空港のフードコートで何の旅情も感じられない"トンカツ定食"が、この旅最初の食事でした。

次も以前ならクレジットカードのゴールドカードで無料で入れるラウンジで休憩して100円でマッサージ機を使うのがいつものパターンだったのですが、GWなのでラウンジも混雑すると勝手に判断して、ゲートの椅子でぼんやりと出発を待つことにしました。福岡で会う友人に土産を買うので、ゲート近くに土産屋さんがたくさんあると記憶していたのですが、思ったよりはるかにお土産屋さんは少なく、早くに手荷物検索を済ませたことをちょっと後悔しました。
久しぶりに見るJAL。旅行会社時代には見慣れた風景だったのですがとっても久しぶりだったので、無性に懐かしくなりました。
IMG_1618.JPG
久し振りのJALはwifiが無料で使えて、機内で退屈することはありませんでした。添乗員現役の時には、添乗員の座席はすぐに動ける通路側と決まっていたので、何回飛行機に乗っても、窓際に座ることは叶わぬ夢でしたので、その反動もあるのかこの年になってからは、出来る限り窓際に座るようにしていますので、今回もしっかり窓際を確保したのですが、この日の飛行ルートの関係か富士山も見ることができず、どこだかわからない山だけがみえます。「ここも、いつか塗りつぶすぞぉ~!」と自分に誓いますが、いったいいつになることやら…?
IMG_1630.JPG

出発して1時間後には、本州のはじっこ山口県が見えて来ます。あれに見える島は橋でつながっている角島? 橋らしいものが光って見えたので、恐らくそうでしょう。
2年前の5月の旅を懐かしく思い出しました。
IMG_1642.JPG

福岡空港へのアプローチは博多湾から。子供の頃に連れてってもらったらしい(あんまり記憶がない)志賀島や能古島が地図の通りに見えます。
IMG_1648.JPG
ヤフオクドームが見えると、間もなく市内中心部に最も近い空港として名高い福岡空港に到着します。
IMG_1650.JPG

この福岡空港、昔の福岡市民は空港のある地名から「板付」と呼んでいたようです。博多っ子だった私の親父もよく板付と呼んでいて、幼い私はその空港からよく東京に来るおばあちゃん(父親の母親)が、いつもお土産に「板付けかまぼこ」を持って来るので、空港の名前も”板付”になった? と、本気でそう思っていました。私が小学校低学年の頃の話です。

福岡空港には、先頃仕事を引退して故郷福岡に転居した友人夫妻が出迎えてくれました。前職時代の元取引先という関係でしたが、今では単に飲み仲間の大先輩です。そのご夫婦と福岡の1日目を満喫して、天神近くのホテルに宿を取りました。

2日目:4月30日(日)

今日のメインイベントは夕方。久し振りに会う親戚、中でも46年振りに会う従兄との"感動の(?)再会"です。その前の時間を利用して、ここも2年前には時間の都合で断念した、"水郷柳川"を観光することに。
柳川には行ったことは絶対にあるのですが、いつ頃どうやって行ったのかについては、とんと記憶が曖昧です。でも、川下りですごく低い橋をくぐるのに船の乗客全員でしゃがんだシーンなどの記憶は不思議なくらいに鮮明なのです。私が旅に目覚めた高校1年の夏、福岡での初盆の後に長崎の精霊流しと熊本の阿蘇に行ったので、その前後に柳川に行ったのか? はたまた高校卒業した3月に、親父の墓参に福岡に来ているのでその時に来たかのどっちかであることは間違いないのですが、柳川や大宰府には宿泊を伴わず福岡から日帰りだったと思われ、一向に思い出せません。

柳川へはホテル近くの西鉄福岡(天神)駅から。「水郷柳川にはこの列車をご利用下さい。」と盛んにアナウンスしており、「やはり柳川は大宰府と並んで福岡県観光の目玉なんだね!」と改めて妻と実感します。
有料特急ではないようですが私鉄特急で50分ということなので、鉄ちゃんとしても観光客としても期待していたのですが、ロングシートの通勤仕様の列車が来て、旅情はいささか期待はずれ。
IMG_1651.JPG
でも、結構スピードを上げて駅を次々通過する列車は、特急の名に相応しく流石という感じ。駅と駅との間に決まって車掌さんが列車内を回るのも関東の列車にはないサービス。平日の通勤時間帯には混んでこんなこともできないのでしょうが、この日は日曜日です。でも、お客さんのほとんどが電子マネーで乗っている(我々夫婦もSuicaで乗っていました)と思われる現在、10分おきに社内を歩く車掌さんに声をかける人は誰もいません。

柳川駅でも記憶は一向に甦る気配はありませんが、とりあえず柳川観光のハイライトである川下りについての情報収集に観光案内所を訪ねます。
柳川川下りについては、足が悪い私には、船についていささかの不安がありました。昔の記憶でも小さい船で低い橋をしゃがんでくぐったし、ネットの写真を見ても椅子などはなく、船に直接座っています。それでは足の悪い私にはちょっと厳しいので、事前に観光協会に対して「船の運行会社は複数社あるよようですが、乗り降りの階段と椅子を考慮した場合、どの会社の船が障害者には乗りやすいですか?」との質問を投げかけたところ、「どの会社でも階段は少しだけで乗り降りはヘルプしてくれ、椅子も対応はしてくれます。」との優等生的な回答だったので、更に少しでも多くヒントを得るためです。
観光案内書で同じ質問をしたところ、船の椅子については何も言わずに、「船着き場まで歩くのは大変だろうから、この横から出ているシャトルバス(の会社)がいいですよ!」とのことだったので、素直に隣で川下り代金を払い、シャトルバスの行列に並び、ピストル輸送で同じ特急列車の乗客を手際よく捌いている会社に運命を委ねることにします。
バスで5分ほどの船着き場に着き、記憶を甦らせようと周囲を眺めていると、「船、出ますから進んでください。遅れてますよぉ~!」と、まるでツアー客のように言われますので、船頭さんにご協力いただき、何とか船に乗り込みます。ありがたいことに、この会社の船には外側に低いけれど座れる椅子があり、これなら私でも大丈夫です。
IMG_1655.JPG

同じ特急列車の乗客を乗せた五台ぐらいの船の最後尾として出発した船は、最初は記憶にないほどの広い川をゆっくりと漕ぎます。船頭さんの掛け合いで船が進んでいく様は記憶通りだったのですが、船頭さんが"笑い"を取りにいっても半数のお客さんは無反応、そうこの日はGWの日曜日と言えども、半数以上は韓国と中国・台湾からの観光客のようです。船頭さん、思うように笑いが取れずにペースが掴めなさそうですが、こんなことにはもう慣れっこになっているようにも感じます。せめて、言葉のわかる少数派の我々が、オーバーリアクションしてあげることにしました。

しゃがんで通る最初の橋を過ぎると、ぐっと川というか堀割が狭くなり、正にこれぞ私の記憶の中にずっとずっとあった柳川です。
IMG_1686.JPG
かなりしゃがまないと越えられなそうな低い橋、生活感溢れる家並み、咲き誇る花など、さすがに福岡有数の観光地です。
IMG_1697.JPG
船頭さん曰く、「柳川の堀割には柵がなく、子供はすぐに川に飛び込んで遊ぶ。」とのことですが、さすがにまだ4月なので川遊びをする子供たちはいません。ここ柳川にもモンスターペアレントはいて、その影響で柵が少しできたのだとか。
IMG_1720.JPG
我々の世代で柳川と言えば、あの江川とも名勝負を演じるなど甲子園で活躍した柳川商業(現、柳川高校)野球部と、テニスの松岡修造なのですが、さすがに今でも人気の松岡修造は、船頭さんの話にもたびたび登場します。
IMG_1729.JPG
これも昔の記憶がある、"待ちぼうけ"を船頭さんが唄うと、1時間の船下りもゴール。ゴールは柳川を代表する名勝の御花ですが、船頭さんが最後に北原白秋について語ったことに触発された我々は、その余韻が消えないうちに北原白秋の記念館と生家へ。

白秋と言えば、詩よりも短歌よりも何と言っても童謡のイメージ。待ちぼうけ以外にも"雨雨降れ降れ母さんが"の雨降りやこの道、ペチカetc. 数十年振りに口ずさみながらの博物館見学は意外に楽しいものでした。
IMG_1745.JPG
甲子園で、「えっ、ここの校歌って北原白秋なの!?」と驚いた記憶があったのですが、白秋って校歌もたくさん作っているようでした。何となく歴史上の偉人というより親しみやすい先輩といった親近感を覚えました。

柳川での食事と言えば何と言っても"うなぎのせいろ蒸し"。名物だけあってうなぎ屋さんもたくさんあり、食べログで高評価の店もいくつかあるのですが、GWのこの日に行列は嫌なので、食べログを見ずにすぐに入れそうなお店でうなぎを楽しむことにしました。飛び込みで入ったお店ですがギリギリ満席になる前に入れたのが何よりでした。味は、有名店と互角ということにしておきましょう。
IMG_1752.JPG
食事後に食べログ高評価の店の前を通りましたが、予想通り凄い大行列でした。今の時代、有名店はネットの口コミでどこも凄い人気になり、そこまで根気やガッツのない我々には手が届かなくなりつつあります。

タクシーで西鉄柳川駅に戻りながら、「鉄ちゃんだったのに西鉄に乗った記憶がない。」と運転手さんと雑談したところ、「その頃なら国鉄佐賀線で来たのかも?」と言われて、何となく記憶が甦ったのです。当時貧乏旅行者の交通手段は周遊券。鈍行に揺られて柳川に来たことをおぼろげに思い出しました。貧乏高校生だったので、うなぎを食べた記憶はありません。

午後は福岡市内の親戚宅を二軒訪問、46年振りに二人の従兄と会うことができました。46年前、私が小5の夏休みに福岡に来て、その二人の従兄と会ったのが最後の記憶で、二人の従兄は当時高校生と中学生。「もう、絶対顔なんてわかんないだろうな!?」と思いながら46年振りに対面をしたのですが、初見の瞬間、「うん、こんな人だった!!」と思ったのですから、やっぱり「血がつながっている。」ことを改めて実感しました。

お酒を酌み交わしながら、親戚の皆さんの話を聞かせていただきます。小学生の私が知らなかったまたは誤解していた話を、大人に近かった従兄から事実をカミングアウトされ、46年振りの真実にびっくりしたり戸惑ったり…

ところで、私はもうすぐ57歳になるのに、髪は年相応に薄くはなっているものの、いまだに白髪は一本もなく一度も染めたこともないのですが、二人の従兄ももう60過ぎなのに二人共に真っ黒な髪で、やっぱり「染めたことはない」のだとか…
こんなところでも「血のつながり」を実感してしまいました。

勿論、「みんな、酒好き!」のところもですが…


コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。