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【2017年夏の旅 山陽・山陰PARTⅡ】<その1> 赤穂~牛窓 [日本二周目]

今回の夏休みの旅は、8月4日(金)~20日(日)の17日間。会社(大学)の夏休みに有給休暇を5日間プラスすることにより、2年前のニート時代の最長旅行とほぼ同じ長期間の旅を普通にサラリーマンをやりながら楽しめるのですから、最高の贅沢といえますね。

今回の旅先は山陽と山陰。山陽山陰は2年前の日本一周の5月にぐるりと一周しているのですが、いくら一周したとはいえそこはとっても広い日本全国ですから、見ていない場所だけでも想像がつかないくらいにたくさんある筈です。今回は、前回訪ねていない場所中心の旅にする予定で例によって1月に入ってすぐにプランニングを開始しました。今回のメインを決めるにあたり、下記の3つを2017年夏の旅のメインテーマに設定しました。

1、前回の日本一周では47都道府県を全て回ったのですが、そのなかでも(それ以前も含めて)十分には見て回れなかった都道府県もいくつかありました。自分的に一番見足りなかった県は岡山県なので、その反省を込めとりあえず今回岡山県だけは出来るだけ早くしっかりと見ようと以前から決意していました。

2、今年から始めた”離島シリーズ”。山陰には中学生時代から憧れだった隠岐島(理由は本編で後述します)がありますので、隠岐4島を全島ゆっくりと訪ねてみようということは早々に決めていたのですが、山陽地方に行くのならば、離島シリーズとしてやはり瀬戸内海の島も訪ねておきたいのです。瀬戸内海には橋でつながっている島もたくさんあり、しまなみ海道やとびしま海道には一周目でも橋づたいに訪れていますので、”離島シリーズ”と銘打つからにはやっぱり船で訪ねる島こそがこのシリーズにはふさわしい気がしています。
そんな思いで資料を眺めていると、学生時代に”何もない島とユースホステル”として知人から何度かその名前を聞いた岡山県笠岡諸島の真鍋島の名前が目に止まり、更に真鍋島にある新鮮な漁師料理を食べさせる完全予約制の食堂”漁火”(りょうか)の存在を知り、今回の旅のメインイベント候補の一つになったのです。

3、前回の山陽・山陰の旅では、山陰の海沿いを京都からずっとドライブし、本州の端下関で折り返してからは、今度は山陽の海沿いをドライブと、どう見ても外周だけしか旅ができていません。”日本全国塗りつぶし”が目標の私としては、これでいい筈はありません。
ということで、今回は今まで未訪の地であった中国地方の真ん中の各地を訪ねようと決意したのです。

この三本柱を中心に、半年に渡ったプランニング作業が続きました。でもいくら17日と長い旅行ができるとは言え、離島をゆっくりと訪ねた上に中国地方全県を訪ねるにはいささか無理があります。そもそも2周目はいそぐ旅ではないので、駆け足で全県を回ることにはあまり魅力を感じなかったこともあり、今回は岡山・島根・広島の3県を中心とした日程にしました。山口と鳥取は次の機会に満喫することにしたのです。(行程上、鳥取にはちょっとだけ行きましたが…)

ところで、真鍋島の食堂”漁火”を予約するまでには本当に苦労しました。とりあえず旅の前半である8月7日(月)に行くことを決めて、2月に「予約はいつから受付しますか?」と電話して聞いて見ますが、「不定休で、その日に営業するかどうかは6月ぐらいにならないと判らない。」との返事。とりあえず7日(ダメだったら8日)に漁火に行くことで隣島に宿を確保し日程作りを進め、6月に改めて電話をしてみたところ、7日は休むことが決まっていて翌8日のオープンは未定とのことで、「7月に改めて電話下さい。」とのことです。私のプランでは8日でも対応可能なようにはしておいたのですが、これでは万一8日もダメだったら全く打つ手がなくなるということで、どうしても漁火に行きたい私としては考え直す必要に迫られ、急遽7日と8日の宿泊を入れ替えることにし、8日がダメでも9日でも対応できるようにしました。7月になってようやく8日の漁火の予約を何とか取ることができ、元の日程に戻そうかとも一瞬考えたのですが、結局そのままにすることにしました。
結果、この入れ替えが今回の旅最大の大ヒットになることなど、この時点では知る由もありません。

ということで、いつもの通りダラダラと長い旅行記を始めることとします。

1日目:8月4日(金)

旅が始まる1週間前からは、訪問地の天気予報を見て一喜一憂するのが私のいつものパターン。中国地方の天気予報は決して悪くはないのですが、当初は私の訪問前に通り抜けてくれる筈だった台風5号がずっと停滞しており、その進路予想は近年の精度の高いシステムでも予想が難しいらしい複雑な動きをしています。このままスローペースで台風が通ると、最悪のケースとしてはあれだけ苦戦してようやく予約したあの真鍋島の漁火の予約日に、台風があのあたりを直撃する恐れさえあるのです。離島の旅で一番怖いのは何といっても”船の欠航”。船が出なければどんなにじたばたしても離島へは行きようがありませんし、帰りの船が欠航すれば帰ってこられなくなりその後のスケジュールが滅茶苦茶になります。その他にも”魚を食べに離島に行くのに、台風で漁に出られなかった!”という事態までを想像すると、不安はますます募り、毎日何回も天気予報を見ながら一喜一憂する毎日を送っていました。

過去にも、2年前の山陽山陰の旅では城崎温泉で台風に激突、昨年夏の東北では陸中海岸で台風に正面衝突の経験があるので、慣れたと言えばそれまでなのですが、覚悟を決めていつも通り朝6時半には愛車をスタートさせます。

今回の最初の目的地は兵庫県の赤穂。そう、”義士と塩の街”として名前だけはよく知っているものの、訪問するのは初めてです。
日本一周を始めた2年前の春には、まだまだ1日に長距離を稼ぐドライブには自信が持てずに、最初は1日で埼玉から四日市まで行く自信もなくて初日は静岡市内に一泊しています。その後徐々に初日に走る距離を伸ばしてゆき、秋の四国旅行の時には初日に関西を越えて姫路まで走っています。その時も姫路までドライブするのが精一杯ではありましたが、とりあえず姫路まで行けたことは自分の大きな自信になっています。今回の目的地赤穂は同じ兵庫県ですが姫路よりも更に先、とりあえず夕食の時間前には着けて、海の見える露天風呂に夕食前に入れればよいのです。

とは言え、渋滞は出来るだけ遇わずに快適にドライブしたいというのはドライバーの偽らざる本音なので、事前に高速の渋滞予想のサイト(ドラぷら)をチェックして、高速道路に7時前に乗れば渋滞には当たらないとの予想を信じて7時前には高速に入ります
ところが、ここ最近の圏央道の渋滞は結構激しく、予想に反して中央道とのジャンクションを先頭に早くも渋滞が始まっています。予想より遅れて東名に入り、その後新東名は極めて順調だったものの、四日市の先には「渋滞10キロ」の文字が…
でも四日市が近づくにつれて渋滞のキロ数は少しずつ減って来ているので、四日市直前のサービスエリアのフードコートでゆっくりと昼食に名古屋名物の味噌煮込みうどん(このあたりのSAはどこも名古屋名物ばかりです)を食べ、改めて渋滞があるらしい区画に入ったところ、期待通り渋滞はほぼ解消されていました!

順調に関西圏まで進みますが、大阪に入るとまたもや渋滞情報が… でも”関西圏の渋滞は東京圏とは違ってノロノロと進む”という誰かの噂話を思い出して、とにかく先に進みます。
「中国道が渋滞してたら、入ってすぐに右側に見える”太陽の塔”をゆっくりと見られるかも!?」と期待していましたが、岡本太郎さんをゆっくりと偲ぶ間もなく、あっという間に太陽の塔のすぐ横を通過し、順調に山陽道まで行くことが出来ました。渋滞なら写真を撮るチャンスもあったのでしょうが、そのチャンスすらありませんでした。

赤穂到着は、結局ドラプラサイトの予想通りの3時過ぎ。本日の宿である海辺のホテルに入る前に播州赤穂駅にある観光案内所で情報収集をしましたが、ネット以上の情報は得られませんでした。播州赤穂駅が、この旅で撮った最初の写真です!
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赤穂での初日の夜の目的は、海に面した露天風呂と鱧。当初は、日帰り温泉で露天風呂を楽しみ、駅前の東横インに泊って近くの料亭で鱧を食べるプランでしたが、ロングドライブする運転手(つまり自分)へのご褒美としてその露天風呂のある宿の宿泊をついつい予約してしまったことが、今回の旅では最初で最大の大失敗!
確かに露天風呂は素晴らしいのですが、食事も気取っただけで全く美味しくはなく、鱧も”とりあえず食べました”といった味もそっけもない代物。おまけにサービスレベルは極端に低く、信じられないくらい不快な一夜になりました。これで一人1万5千円を遙かに超える宿泊代なので、怒りを通り越して自分のホテルを選ぶ目のレベルの低さに自分で呆れてしまいました。
元プロと言っても全く修行が足りませんね!?

夕食前には海岸沿いを散歩。美しい海の風景と赤穂らしく大石内蔵助のゆかりの風景を見られたのがせめてもの救いでした。
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2日目:8月5日(土)

日帰り温泉に勝る宿泊のメリットは、朝にもう一夜海に面した露天風呂に入れること。ホテルへの怒りは収まらないものの、怒りを収めるよう眺めの良い露天風呂にどっぷりと浸かりながら必死に自分を宥めにかかりますが、お茶さえも出てこない朝食でその怒りはまたもや再燃してしまいます。
やっぱり駅前の東横インにしておけばよかった…

こんなホテルにはこれ以上1分たりともいたくもないので、早々にチェックアウトを済ませてトボトボと重い荷物を担いで遠い遠い駐車場の愛車に向かいます。妻も珍しいくらいに激昂しているようですが、「まぁ、ホテルは最悪でも赤穂に罪はないので、切り替えて赤穂を楽しもう!」と、切り替えて朝早くからの観光をスタートです。

赤穂最初の観光は「赤穂大石神社」。まずは最初に、四十七士に今回の旅の安全を祈願するために選んだ観光地です。
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神社の入口からは、四十七士の像が出迎えてくれますが、もとより赤穂義士ファンでもない我々は、大石親子以外には堀部安兵衛ぐらいしか聞き覚えのある名前はなかったのですが、とりあえず四十七士一人一人に挨拶しながら神社に向かいます。
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一番最後の一番立派な像は、やっぱり大石親子でした。
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ところで大石神社は、「大願成就の神社」なのだとか。普段はお願いしないような大願をお願いする神社なのでしょうが、この年になると”大願”も思いつかず、ただただこの旅の安全と成功と近づきつつある台風の影響が最小限に留まることをひたすら祈りました。結果的に祈った通りになったのですから、大石神社には感謝しかありませんね。
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大石神社の周辺には、義士の資料館や大石内蔵助の家の門などもあるので、義士に無知な自分への反省も込めてゆっくりと見てまわります。
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今年の夏、関東は雨ばっかり降って全然暑くない8月だったようですが、我々の旅の前半は全くそんなことはなく、相変わらずの猛烈な日射しがジリジリと照りつけます。

赤穂大石神社のすぐ近くには赤穂城址があります。
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のんびりと周辺を散策してみますが、門をくぐると本当に城跡しかなく、近づいてみると”ここは台所だった”などの説明があります。赤穂の歴史は不勉強だったので、昔のロマンに思いを馳せるまでには至りませんでした。
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これで赤穂の観光は終了。不快なホテルを朝早く出て観光を始めたので、ゆっくりと見たのにまだ10時前です。車で10分も南下すると、もう岡山県、いきなり今回のメインである岡山県の観光が始まります。
兵庫県から岡山県に入った最初の街は、”カキオコ”で有名な日生(ひなせ)。プランでは最初に名物のカキオコの昼食を食べる筈でしたが、流石にまだその時間ではありません。とりあえず暑いこともありTVでよく見る「カキフライソフト」を食べることに。流石にまだ人は少なく、ソフトクリームにカキフライが載っているという摩訶不思議な味を楽しみました。
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味は… まぁ、「何事も経験!」というレベルでした。ただ、フライがまだ温かいので、ソフトが早く溶けて食べるのに一苦労でした!

カキフライソフトにしてもカキ入りお好み焼きであるカキオコにしても、カキは夏の時期には味わえない筈なのですが、今は冷凍技術のお陰で楽しむことが出来ます。食べログ高得点のお店で、夏でもなければ行列必至のお好み焼きの有名店「もりした」にすぐに入れるのは、汗がダラダラと流れるこの季節のお陰というよりまだ11時過ぎという時間のお陰、というよりこの暑い中ですからお好み焼き屋さんにはまだ我々だけでした!
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我々のオーダーは名物の冷凍カキオコと夏の定番エビオコ。ソースと醤油で半分づつ食べ比べることを薦められ、特に醤油味が思いの外美味でした! 今度は冷凍じゃない時期に、醤油だけで食べに来たいと思いました。
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岡山県の最初のランチに大満足した後は、いよいよ岡山県内の観光です。まずは江戸時代からの庶民の教育機関として「日本遺産」に認定されている閑谷学校。
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岡山の名君池田光正公が建立した学校ですが、今日は土曜日なのに人も少なく、のんびりと見学できるのはとにかく暑いからでしょうか… 岡山県が日本で一番晴天率が高く「晴れの国」と呼ばれていることを改めて実感し、この時期に来たことを少しだけ後悔した瞬間でした。
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次は岡山と言えば有名な焼き物である備前焼。備前焼の中心である伊部(いんべ)駅に車を停め、駅ビルにある観光協会で観光のアドバイスを仰ぎます。
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「まずは駅の2階にある『備前焼伝統産業会館』で各作家の作品を見て、2階で買ってもいいし大半の作家の作品を扱っている店は徒歩圏内にあるので、気に入った作家がいたらそのまま散歩がてら歩いて行かれたら如何?」 というアドバイスをいただいたので、アドバイス通りまずは2階で各作者の作品をじっくりと見てから何となく良さそうな作家さんの工房を目指して、”工房通り”をとぼとぼと歩きます。
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途中、何となく良さそうな店をいくつか見たものの、何故か目指すべき工房は見つからず。地図の通り正確に記載があるはずなのに、どうにも見つからないのです。
とは言え、そこまで気に入ったというか拘ったお店でもないので我々の諦めは素早いものがあります。結局行きにあたりを付けたお店で妻の弟と妹に備前焼を送ることにしました。”備前焼=高い”というイメージがありましたが、そうでもない作品も多くあり、当然ながら”そうでもない”ものをです。

本日の宿は”日本のエーゲ海”とも言われる岡山のリゾート地牛窓。牛窓のペンションを予約していましたが、ペンションに向かう前に翌日食べる予定だった牛窓オリーブ園のソフトクリームだけを1日早く食べに向かいます。理由は、どうやら明後日には台風が来そうなので、この段階で「明日の分と明後日の分の岡山県内の観光を、凝縮して明日一日で済ませてしまおう!」と考えていたからです。明日の午前中ゆっくりと牛窓と周辺を見てお昼を食べてから、その後に午後からオープンする有名な牛窓のソフトクリームを食べようというプランでしたが、台風により計画変更するためです。かなり混んでいるソフトクリームのお店はさすがの味でしたが、1日2個目のソフトクリーム… 太るわけですよね!?

今日8月5日(土)は岡山では有名な牛窓の花火ということで、高台にあるペンションにチェックインしながら花火について聞いてみましたが、「花火会場である牛窓の港には、混雑していて車でもとても行けないでしょう…」 とのこと。部屋からは、高く上がる打ち上げ花火なら見られるようですが、やっぱりすべての花火を見るのは無理なようです。「確かに、部屋から花火がいい条件で見られるのなら、料金が通常価格のわけはないよね…?」と思いながら夕食後に部屋に戻り花火の開始を待ちます。
予定通り8時には始まり、会場の熱狂ぶりは何となく伝わってきましたが、見える花火は本当に時折です。
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睡魔も襲ってきてしまい、結局花火を楽しむことはできませんでした。


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