SSブログ

【2018年GWの旅】道南&桜紀行<その3:長万部・江差と奥尻島> [日本二周目]


4日目:4月29日(日)


この日の予定は、日本海側のせたなとその周辺をちょっと見た後に太平洋側に移動、地名に馴染みのある2つの町を見てから再び日本海側に戻るという、1日で太平洋と日本海をどっちも満喫しようという超贅沢な1日。太平洋と日本海との間が日本一狭いこのあたりだからこそ出来るスゴ技です。

まずは宿泊したせたな町に敬意を表して2つの公園を訪ねてみます。どちらも花が咲いていればきれいなのでしょうが、北海道の4月ですからそこは計画段階から期待薄。

最初の浮島公園は、池を取り囲む公園ですが、やはり花はまだ。

IMG_5067.JPG

そのかわりという訳ではありませんが、たくさんの野鳥が競って鳴いていて、野鳥の会の会員の皆さんには堪らないスポットなのかも知れませんね!?

次の玉川公園には水仙は咲いていますが、その他にはこれといった特徴がない公園。

IMG_5071.JPG

かなり公園は広そうですが、我々はさわりだけを見て先を急ぎます。


ここせたな周辺も、岩内あたり同様ガイドブックには殆んど載っていない町ですが、"塗りつぶし"を目論む我々は、ネットで観光スポットを探して訪ね歩いてゆきます。次のスポットは日本初の女医さん達が明治時代に理想郷を目指して建てた「今金インマヌエル教会」。

IMG_5079.JPG

失礼ながら理想郷にはほど遠い気がしますが、当時はこんなところに夢を託したのでしょうか? GWとは言え、勿論こんなところに来る物好きな観光客は我々だけのようです。


ここ今金にも鉄道遺産があるというので立ち寄ってみます。岩内線と同じく函館本線から分岐して日本海を目指した瀬棚線の今金駅跡。

IMG_5084.JPG

前日に訪ねた幌似駅のように駅舎がある訳ではなく、少しの線路と周辺の駅も含めた駅名標だけが残っています。

隣には巨大な風車のあるビルがありますが、近づいてみても何に使われているのかが皆目見当がつきません。

IMG_5089.JPG


太平洋沿いに出て、40年以上名前はずっと知っていたのに一度も行ったことがない町の代表格とも言える町「長万部」に行きます。まずは駅に行き北海道新幹線の停車駅にもなるらしい長万部駅にご挨拶。

IMG_5135.JPG

この駅にも何年後かには新幹線が停まるのですね… その時には、降りてみたいと思いました。


ここ長万部、せたなや岩内以上に観光スポットが見当たらず、観光案内を見ても温泉ばかり。なので、ここでは私には珍しく大学を訪ねてみようと思います。長万部駅にも看板があるように、ここには東京理科大学の長万部キャンパスがあるとのこと。

IMG_5138.JPG

基礎工学部という学部の一年生全員は、ここ長万部で全員寮生活を送るのだとか…? 高校生時代、猛烈に北海道移住に憧れ、北大の学生寮に憧れていた私。せめてここ長万部で憧れの巨大な田舎キャンパスライフと寮生活に夢を馳せることで、長年名前を見知った街、長万部の観光にすることとします。

IMG_5092.JPG

車で想像通り広大なキャンパスに入り、メインらしい建物の中の受付に名前を書いて図々しくも見学させていただきます。

食堂には立派な絵が掛かっています。明治時代に前身の東京物理学園を作った創始者たちなのだとか。

IMG_5109.JPG

たくさんある教室には、PCなども完備。この日は日曜日なのに一生懸命PCに向かっている学生さんもいました。

IMG_5112.JPG

体育館にはスキー用具もたくさん。全て学校の備品で学生は自由に使えるらしいというとても羨ましい環境。

IMG_5116.JPG

ゴルフクラブ(アイアン)を持って外に行く学生の後をついていくと、そこにはいわゆる"打ちっぱなし"のゴルフ練習場まであります。

IMG_5125.JPG

受付で貰った案内によると、すぐ裏のここが学生寮らしいのですが、さすがにそこまでは入れません。

IMG_5133.JPG

長万部の一風変わった観光を楽しみました。


長万部と言えば有名なのは駅弁の「かにめし」。高2で初めて北海道に行った時にも、この駅弁を食べたらしく40年前の包装紙が残っています。(実はあんまり記憶にはありません。)当然この日の昼食はこのかにめし。駅弁ではありませんが、駅弁の会社「かなや」のドライブインでいただきます。

IMG_5141.JPG

その後、北海道に来るたびに何度か食べてはいるので、懐かしい味でした。


太平洋沿いのもう1つの町は八雲。乗っていた急行や特急が何度か停まった記憶がある町なので、ここも塗りつぶしを試みます。1つ目の観光は八雲神社。この八雲神社は愛知県にある熱田神宮の分社という由緒ある神社とのことなので、ここでもステッカーがあるのを期待しての訪問。でも、反対側からアプローチしたせいで駐車場すら見つけられず、路駐して慌てて参拝したものの無人の神社でお札等の売店もありません。

IMG_5144.JPG

もう1つの八雲のみどころは、高速道路のサービスエリアと一体になった、「噴火湾パノラマパーク」。子供と遊べる広大な公園と噴火湾が見渡せるビュースポットなのですが、今回北海道に来て以来雨こそ降らないもののずっとパッとしない天気が続いており、この日もPM2.5を疑いたくなるようなすっきりしない曇り空。噴火湾の絶景はお預けでした。

IMG_5150.JPG

ここ噴火湾パノラマパークの「白い恋人ソフトクリーム」というのが最近かなりの人気らしく行列が出来ていましたが、"1日1ソフト"の我々が目指したのはすぐ横にあるソフトクリーム有名店。こっちも行列でしたが、白い恋人の方に並ばなかったのを後悔しないハイレベルな味でした。


八雲から日本海側に戻る雲石国道は、旅行前に毎日見ていた北海道峠道のライブカメラでは、最後の方まで雪が残っていた場所。出発数日前に路面の雪はなくなったようなので、真狩村の恐怖を思い出しながら結構急な峠道を走ります。峠付近にはまだかなりの残雪がありましたが、路面には雪はなく真狩村のように降りて写真を撮る程でもなく、無事に日本海側にたどり着きました。

再び日本海側のビュースポットへ。まずはせたな町の親子熊岩までちょっと戻って観光。

IMG_5155.JPG

桜の名所でもあるらしい「鮪(しび)の岬」では車を停めて散策してみましたが、早咲きの桜がちらほら咲いていて、今回北海道で最初に見られた桜になりました。

IMG_5165.JPG

ネットには「東洋のグランドキャニオン」と紹介されている「館の岬」。さすがに、”グランドキャニオン”と名乗るのはどうなのでしょう?

IMG_5177.JPG

江差に入り、このルートでは数少ないコインランドリーに洗濯物を放り込み、洗濯と乾燥が出来るまでの時間を使って、近くのホテルで日帰り入浴を楽しみます。

DSC_1891.JPG

こんな場所(失礼!?)で、バリアフリーを標榜している宿に大いに興味があり、敬意を表して"せめて日帰り温泉だけでも"と体験させていただきます。ロビーには、車椅子の方も何人かいらっしゃいましたが、皆さん温泉に入れるからかとても嬉しそうでした。車椅子で入れるスロープ付きの温泉は、写真で見るより若干小さめでしたが、車椅子で温泉に入る夢を与えてくれることに、障がい者のはしくれに連なる者としてただただ感謝でいっぱいです。


今日の宿は江差のビジネスホテル。繁華街にあるホテルなので居酒屋での夕食には困らない筈なのですが、今日は日曜日なので開いている居酒屋がとっても少なく事前には候補を絞り込めませんでした。ホテルのフロントで相談してみましたが、経験が浅そうなスタッフは全く頼りになりそうになく、「日曜日だからなぁ~!?」を繰り返しています。案の定、ホテルに紹介された唯一のお店は日曜定休。何十年もここ江差で営業しているレストランもないホテルなのに、夕食ガイドマップの1つもないなんて、やっぱり競合がない地域のホテルはダメですね!?

次に来る時までに、「東横イン」できないでしょうか?


そんなケースも薄々予想していたので日曜日でも開いている居酒屋をリストアップしていた抜かりのない我々は、そのうちの1つの小さな居酒屋に無事に入ります。この居酒屋の情報はネットでもあまりありませんでしたが、さすがに江差なので刺身は新鮮。

DSC_1893.JPG

小さいお店なのでメニューは少なく、好きなものをたらふく… とはいかなかったものの、それなりに満足してホテルに戻りました。


5日目:4月30日(月)


今日は午前中は江差の観光をして、昼過ぎのフェリーで奥尻島に渡る予定。朝食はこの旅唯一前日にコンビニ(北海道ですから、勿論セイコーマート)でパンを仕入れて、部屋でいただきます。失業中の日本一周の時には大半がこんな朝食だったのですが、今回は11日間でたった1回だけ! 全く贅沢になったものです。

8時過ぎにホテルを出て、まずは江差の町と観光スポットの距離感を掴みそれぞれのスポットにほど近い駐車場を下見。

観光のスタートは、まずは入場するつもりのないところから。旧檜山爾志郡役所は、資料館があるようなのですが我々は開館に関係なく写真に納めるのみ。

IMG_5182.JPG

入口横には、開陽丸沈没を嘆いた土方歳三が悔しがって叩いたら松がぐにゃっと曲がったという伝説の「土方歳三嘆きの松」もあります。昔の怪力は桁外れというより大袈裟ですね!?

IMG_5186.JPG

すぐ近くには法華寺が。ここの絵は有名らしく9時以降@300円を払えば見学出来るようなのですが、我々の興味はこのお寺の桜。ちらほらと咲いているのが見えましたが、まだ数日早かった感じでしょうか?

IMG_5193.JPG

次は「江差はここから始まった」とも言われるかもめ島を少し散策してみます。江差のシンボルにもなっている瓶子岩、根本が削られていて倒れないかどうかが少し心配です。

IMG_5209.JPG

このそばにはその沈んだ開陽丸が復元展示されていて、HPでは入場出来るように書いてあったのですが、どうやら外観だけのようです。

IMG_5222.JPG


江差観光のメインは昔の町並みが保存されている「いにしえ街道」。まずは江差のお祭りの時には主役になる小さな神社、姥神大神宮。

IMG_5228.JPG

下見のお陰でみどころの一番真ん中に金融機関の駐車場があることがわかり、今日は祝日なので停めさせていただきぶらりと散策します。

IMG_5233.JPG

こういう昔ながらの町並みが私は本当に大好きなのです!

IMG_5240.JPG


旧中村家住宅は、鰊番屋ではなく鰊で栄えた江差きっての近江商人の旧宅。狭くて急な階段を2階には上がれないので、1階と地下だけを楽しみます。

IMG_5243.JPG

江差のもう1つのメインは江差追分。江差追分会館では11時から実演があるのにあわせて入場。

IMG_5247.JPG

追分会館は山車会館(江差では"やま"かいかんと読むらしい)も併設していて、江差にはゆかりがない偉人(例えば水戸黄門)などのお祭りの山車(やま)が展示されています。

IMG_5250.JPG

江差追分は昔日本一になった名人の唄を聞きましたが、正直あまり違いはわかりません。

IMG_5258.JPG

フェリーのチェックインは12時20分までには行う必要があると言われていたので、急ぎお昼を。江差での昼食は名物のニシンそばと決めていたので、旧中村家と並ぶ旧家のニシンそば専門店の横山家に入ります。ここのメニューはニシンそばたった一品だけ(大盛すらない)だし、いくらGWだからとは言え11時半に席に着いた(=オーダー完了)のだから楽勝だろうと甘く考えていましたが、30分経って12時を越えても我々のニシンそばは一向に運ばれてくる気配はありません。断って席を立とうと真剣に考えていた12時10分頃ようやく我々のニシンそばが運ばれて来ます。

IMG_5264.JPG

忙しかった営業マン時代に急ぎ駅の立ち食いそばをかきこんだことを彷彿とさせる必死の昼食。これでは@1000円のニシンそばを味わう余裕は全くありません。


奥尻島へのフェリーには愛車を積み込みます。この自動車輸送料金は片道15000円を越える金額なので、当初は江差に車を置いて奥尻に渡ろうと目論んでいたのですが、2ヶ月程前に奥尻に1つしかないというタクシー会社に貸し切り観光のことを聞こうと電話したところ、「今、申し込んだ以降は、代金全額がキャンセル料としてかかります!」と、まるで詐欺のような超あくどい条件を突き付けられました。普通のタクシー観光で2ヶ月以上前に申し込んだ直後からフルチャージなんて、30年以上旅行業界にいた私も聞いたことがありません。独占企業だからこそ出来る常識外の条件がのめる筈もなく、怒りにうち震えながら「奥尻になんか行くものか!」と電話をブチ切りました。

少し経って冷静になると、「たったこれだけのことで奥尻を諦めることはない。」という気持ちになり、とは言え奥尻では絶対にあんなタクシーは使いたくないので、3万円の出費はとても痛いけれど、愛車を積み込むことにしたのです。

IMG_5266.JPG

つまり奥尻に行くのなら、普通の旅行者ならば絶対にレンタカーがオススメ。片手片足運転の私はレンタカーを運動出来ないのが本当に悔しいです!!

今日も風が強く、そのためか波も高くフェリーもかなり揺れています。念のため酔い止め薬のトラベルミンを埼玉から持っては来たものの、肝心な時に車の中に忘れてきたという失態を犯した私は結構酔ってしまい、酔いに苦しむ我慢の2時間でした。


奥尻島着は3時過ぎ。奥尻島滞在はたったの24時間なので、せっかく愛車を持ち込んだのですから、この日の3時以降の時間も無駄にはしません。まずは島を横断して奥尻ワイナリーに向かいます。

IMG_5270.JPG

島で栽培したブドウでしか作らないという奥尻ワインは、島で採れるそのブドウには塩気があり、「これがワインとしては意外に旨い!」という噂を何人かの知人から聞いていて、ワインはそれほど好きではない私も興味津々。ワイナリーでワインが買えればいいのですが、見学は事前予約が必要とのことなので、ちゃんと予約を済ませています。

IMG_5275.JPG

「ワインはブドウが採れただけしか作らない。」などの説明を受けた後はお待ちかねの試飲。とは言え、運転手の私は試飲できないので、試飲役はワイン好きの妻にお願いし、土産で仕入れるワインのチョイスは妻に委ねます。

IMG_5281.JPG

地域活性化などと偉そうな事を言うつもりはありませんが、今回の旅のお土産はせめてもの気持ちを込めてその大半を奥尻島で買うつもりにしていたので、奥尻ワインをそれなりに仕入れて車に積み込むのを手伝っていただきました。

IMG_5830.JPG

(埼玉に持ち帰って美味しくいただいた奥尻ワインです。)


ワイナリーのすぐそばには、奥尻島でも有名な神威脇温泉があります。

IMG_5282_censored.jpg

地元民に愛される銭湯のような雰囲気の温泉は、「一階は熱いけど二階に上がれるならばそんなに熱くはないよ!」と受付のおばあさんに言われましたが、もとより事前情報収集で"展望風呂"の二階に上るつもり。何とか二階に上がっれましたが、眺望はともかく二階のお風呂もかなり熱く、これ以上という一階のお風呂がとても気になりました。次回は必ず一階に入ります!


奥尻の宿は旅館と民宿の中間ぐらいで、"御宿"と名乗る宿。料理の評判で選んだ宿なので夕食の時間6時半には間に合うように宿に向かいます。まだウニの季節ではなく、イカにも少し早いけれど、奥尻の海鮮をたらふく食べ、それなりに満足しました。ここで初めて奥尻ワインを味わいましたが、ワインをたくさん仕入れたことが間違っていなかったことがとても嬉しい一夜でもありました。

IMG_5292.JPG


6日目:5月1日(火)


毎年、5月1日には奥尻フェリーのせたな航路がオープンし、港では海開きならぬ「島開き」のイベントが開催されるという記事をネットで読み、楽しみにしていたのですが、今年の開催告知等はどこにも記載されていなかったので宿の方に聞いてみたのですが、「島開きは10年開催したので、昨年からはもうやっていない。」とのこと。フェリーの割引キャンペーンも繁忙期だけの取り組みだったり、どうも奥尻の観光行政は(GWなのに)繁忙期でない時期に来る観光客には極めて素っ気ないようです。


気を取り直して、今日は午後のフェリー出航まで奥尻を一周してその魅力を見倒す予定。まずは宿すぐ近くにある宮津弁天宮へ。

IMG_5303.JPG

駐車場から見るとほぼ同じ高さにある弁天宮なのですが、そこまでのアプローチは急な階段を下って昇ることは事前のリサーチで知ってはいたのですが、手すりはあるものの想像通りの急階段なので、予定通り対面から写真を撮るだけで満足することにします。


ちょっと右に曲がったラグビーボールのような奥尻島を時計周りに観光。数時間後にはまた来なくてはいけないフェリーターミナルを過ぎ、奥尻の象徴ともいえる「なべつる岩」へ。

IMG_5313.JPG

ネットや写真で散々見た奥尻島のシンボルですが、やはりこの場に立つと感無量。「色々あったけど、奥尻に来て良かった??」と思った瞬間。


奥尻のもう1つのシンボルは「うにまる」。ゆるキャラのうにまる君に会えるかどうかはともかく、うにまるモニュメントは車で走っていると見落としそうな場所にあります。

IMG_5335.JPG

向かい側のうにまる公園の中には、我々古いプロ野球ファンにはとっても懐かしい、奥尻島出身の阪急ブレーブスの背番号11番佐藤義則投手の記念館があります。妻には全然知らない人なので全く興味はなさそうですが、強引に入口まで連れて行ったものの何故か無期限の休館中。妻はほっとしていましたが…

IMG_5329.JPG

奥尻島最下部は青苗地区。ここには奥尻観光の際に避けては通れないと言われる「奥尻島津波館」があります。 まずは入口近くにあるモニュメント「時空翔」。

IMG_5338.JPG

地震・津波の日である7月12日には、この窪みにちょうど夕陽が沈むように設計されているのだとか。


北海道南西沖地震と奥尻島の津波被害については、勿論一般的な知識としては知ってはいたのですが、その後東日本大震災をリアルタイムに報道で見て、その後の惨状も見ている者としては、どうしても「あれ程ではないでしょ?」的に考えてしまっていたことも事実です。奥尻島津波館に入り、「時間があれば、説明します」との申し出を素直に受け、その時の状況をご説明いただいた途端、私の持っていた一般的な常識などでは計り知れない、その状況が映像を見る以上のリアリティをもって、我々に迫り来たのです!


1993年7月12日夜10時17分、突然来たその地震の揺れは1分半続き、早いところでは揺れが収まってからたった1分半後に、10メートルを越える津波が押し寄せたとのことですから、その恐怖を比べることは出来ないものの、ある意味逃げる時間を与えない突然の深夜(朝が早い奥尻の町民にとっては、10時過ぎは深夜!!)の津波の恐怖は想像出来ないくらいだったのでしょう。話を聞き始めてからは、我々夫婦も唖然として一言の言葉も発することができずに、ただただ目に涙を浮かべながら展示物を凝視することしかできない約1時間でした。

「奥尻観光には絶対に欠かせない場所」の意味が十分に理解出来ました。


青苗岬は津波館のすぐそば。こんな低い土地には、いつ来るやも知れない津波に備えてあれ以来住居は作りません。

IMG_5342 - コピー.JPG


気分を切り換えて奥尻島の観光を再開。青苗地区のすぐそばには奥尻空港があり、函館から1日1本の小型機が来ているのですが、時間が合わない今は全く航空機もいないただの野原?? この後、奇岩が連なる西海岸を観光。対向車も殆んど来ないので、眺めがいい場所で遠慮なく車を停め、パチリ。

IMG_5346.JPG

IMG_5367.JPG

北追岬公園にはらしくないモニュメントが… よくよく探すと、作者の名前が極めて控えめに表示されています。

IMG_5373.JPG

この辺りには、昨日来たワイナリーと神威脇温泉がありますが、今日は勿論通過。


奥尻観光のもう1つのハイライトは、球島山。頂上すぐ近くまで車で来られて、ほんの僅か手すりのある階段を登れば頂上に着き奥尻の雄大な景色が見下ろせる私にも嬉しい風景です。

IMG_5385.JPG

この日も天気は何となくすっきりしない1日でしたが、ここで晴れた絶景が見えてしまうともう一度奥尻に来る理由が無くなってしまう気がしたので、これでいいのです。

IMG_5398.JPG

奥尻島には観光で立ち寄れるレストランもさほど多くはなく、この日の昼食は最北部のドライブイン。名物のうに丼はまだその季節でないのは判っていたのですが、店員さんの挨拶代わりのフレーズは「すみません。うに丼はまだ出来ないのです」 。一縷の望みは抱いていたものの、諦めてここでしか食べられない「なべつるカレー」と焼いたツブ貝を注文。

IMG_5400.JPG

海産物がたくさん入った奥尻らしいカレーと言えなくもないのですが、レトルトカレーに海産物をたくさん入れて煮込んだような味。最近、レトルトカレーのクオリティが上がっているので、決して悪口ではありません。

IMG_5401.JPG

最北部のみどころは賽の河原。海難者などの幼少者を祀る道南五霊場の1つなのだとか。

IMG_5403.JPG

我々も将来ある筈だった幼少者の鎮魂のために、線香を上げます。

ちなみに、この辺りが地震の揺れが収まった僅か90秒後に津波が押し寄せた場所とのこと。その時の犠牲者の方々にも鎮魂します。

IMG_5411.JPG


これで、奥尻島一周観光を終えてフェリー乗り場へ。タクシー観光では僅か3時間のコースらしいのですが、我々はゆっくり6時間楽しみました。

最後は島最大のお土産屋さんで、今回の旅のお土産を揃えます。奥尻復興祈念のささやかな気持ちです。


折り返しのフェリー到着に会わせて、埠頭にはうにまる君がお出迎え。

IMG_5420.JPG

うにまる君に再訪を誓って奥尻港を後にします。

帰りのフェリーにはトラベルミンを飲んで備えたのですが、行きほど揺れず快適な船旅。就航1年目の新型船の実力はさすがのようです。


6時過ぎに江差港に戻り、今日の宿であるすぐ近くの「寿司屋民宿」に向かいます。

上ノ国の岬に建つこの日一軒宿民宿のウリは、日本海に沈む夕陽。私の計画では夕陽が沈む5分前に宿に着き感動的な夕陽ショーが見られる完璧な予定でしたが、くもり空のこの日太陽が顔を出すことはありませんでした。


夕食は当然のようにお寿司。(首都圏の)デパート物産展の常連らしいご主人ですが、昨年私と同じ病気で同じく右半身に麻痺が残ったらしく、現在寿司は若いお弟子さんらしい女性が握っていました。

IMG_5429.JPG

病気に負けず、お互いに頑張りましょう!!

コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

【2018年GWの旅】道南&桜紀行<その2:雪景色と積丹とせたな> [日本二周目]


2日目:4月27日(金)


何度もフェリーで旅をしたお蔭なのか、フェリーにも大分慣れたので爆睡することができ、9時前に床に着いて以降全く目覚めずに4時半頃に目覚めます。そういえば昨日フェリーのインフォメーションに今朝の日の出時刻が4時半過ぎと書いてあった記憶があったので、ロビーに出て外を眺めてみます。残念ながら既に太陽は雄大な太平洋から顔を出していますが、「おはよう!良い旅を!!」と言ってくれているようで気分のいい朝のひとときでした。でも、船の窓越しの写真はやっぱりダメですね!?

IMG_4892.JPG

フェリーの朝食代金@800円は個人的には少し高い気がしているので、前2回は朝食用にパンを仕入れて乗船し、船室で小さな窓から海を見ながら食べたのですが、今回のスイートルームは朝食付きなので、初体験の朝のレストランに向かいます。"朝は洋食派"になった私には、パンの種類が少なく朝の内容はちょっと不満。やっぱり次の時には朝食は持ち込むことになると思います。

船室のTVで退屈しなかったお蔭で、毎回楽しんでいたロビーでのピアノコンサートにも行くのが面倒になり、結局パス。くだらない長年のささやかな疑問に答えを出すチャンスだったのですが…


苫小牧着は定刻11:00。下船はいつも通りとてもスムーズで、あっという間に苫小牧の地を走ります。でも、毎度のことながらナビにはなかなかこの状況が理解できないようで、仙台市内を表示したりだだっ広い海の上を走ったりを繰り返し、5分ぐらい経ってようやく「北海道に入りました!」と高らかに宣言。でも、ナビが本調子になるまでには、この後まだ10分程度は時間が必要です。


苫小牧での昼食は北海道最初のお楽しみ。前々回はネットで見つけた定食屋さん弐七(ニイナナ)で美味しい海鮮を味わい、前回は超有名店マルトマ食堂にトライしたものの行列1時間以上でしたので、今回は行列に並ぶ気はないので、もう一度弐七でもいいけれど出来ればお店のレパートリーを増やしたくなって苫小牧唯一の高級回転寿司と言われる店を目指します。この旅では、この日以外には回転寿司の昼食は食べられそうにないこともあり、このチョイスになりました。

高級回転寿司店「旬楽」は、まだ12時前なのでガラガラ。

DSC_1872.JPG

「人気ないのかな?」と一瞬不安がよぎりますが、気にせずにまずは苫小牧と言えばホッキですから、何はともあれホッキから。

DSC_1862.JPG

DSC_1868.JPG

(生のホッキと炙りのホッキ)

その後も、「北海道、来たぞぉ~!!」という勢いで値段を気にせず名物を食べたので、会計は予想通りそれなりの額に。

DSC_1866.JPG

北海道で、はじめて回転寿司で感動した「なごやか亭」に匹敵する(上回る)お店にはなかなか巡り会えません。


過去2回の苫小牧では、お昼を食べたらすぐに先を急いで苫小牧では何も見なかったので、1箇所くらいは観光地を見て行こうと思い選んだ場所は「樽前山神社」。これから8日間の北海道ドライブの安全を祈願しようと思ったのと、前回の北海道ドライブでは殆んど神社に行かなかったため、マイカー後部の安全祈願ステッカーが北海道だけは一つもありません。仕方なく北海道に上陸した証として「宗谷岬」のステッカーを貼っているのですが、もしかしたら交通安全のステッカーが手に入るかも?と思っての訪問です。

樽前山神社のかなり大きな鳥居が遠くからでも見え、ステッカーへの期待が高まります。まずは鳥居同様予想外に立派な神社に交通安全を祈願。

IMG_4903.JPG

お札等の販売所には何となく見覚えのあるオレンジの交通安全ステッカーがあり、嬉々として購入します。

DSC_2065.JPG

「でも、このオレンジ色のステッカー、絶対どっかで見覚えがあるぞ!?」とずっと考えていたのですが、昭和の時代北海道のバス会社(確か中央バスだったと記憶しています)の何台もの大型バスに漏れなく貼ってあったことを、その日のうちに思い出しました。

この旅の目標の1つを、2日目にして早くもクリアです!


予定ではこの日、久し振りに白老のアイヌ民俗村に行くつもりでしたが、3月末をもって2020年までの長期改修に入った情報を直前まで知らず、4月になってHPで知りいささか慌てました。やっぱり業界を離れて早3年、情報にはめっきり疎くなりましたね。

ということで白老もスルーして高速道路で一路洞爺湖を目指します。今回北海道最初で最後の高速を降りて、最初の目的地は「道の駅とようら」。今回の旅でソフトクリーム好きの我々夫婦のささやかな目標は、「1日1つソフトクリームを食べる!」という日頃ダイエットに取り組んでいる高齢者夫婦とはとても思えないものなのですが、「この旅行期間はダイエットはお休み」ということにしています。洞爺湖付近のソフトクリームと言えば、2回連続で行った「レイクヒルファーム」を思い出すのですが、3回連続というのはいささか芸がない気もして、イチゴで有名な豊浦町の名物を選択。写真を見る限り、大きなイチゴがゴロゴロとソフトに載っているイメージでしたが、実際は小さくカットされておりいささか期待外れ。

DSC_1875.JPG

この後レイクヒルファームを通り過ぎた時、「やっぱりここにしておけばよかったね!?」と反省しきり。さすがにダイエット休憩中とは言え、1日2個のソフトはこの年齢では無理です。

ところでここ豊浦は、ボクシングの元世界王者内藤大助さんの出身地だそうです。

DSC_1879.JPG


洞爺湖畔に立ち寄り3年振りの洞爺湖にご挨拶。この日というかこの旅行全般で何となく視界がぼやけているようなはっきりしない天気で、いつもならはっきりと見える中島もぼやけています。

IMG_4911.JPG

洞爺湖の全景を楽しむべくいつものサイロ展望台まで昇って見ましたが、展望台からの洞爺湖もやっぱりぼんやり。

IMG_4918.JPG

この後は羊蹄山のビュースポットをいくつか回り、日本海側の宿泊地までドライブの予定なのですが、実は今回の旅行を計画するにあたり、一番悩んだのは4月とは言え「峠道に雪が残っていないかどうか…」。例年であればこの時期なら大丈夫なことが大半のようなのですが、それでも天気のことですから「絶対に大丈夫」はありません。関東の軟弱ドライバーでノーマルタイヤしか持っていない私は、結構直前までこのために「4月に北海道に行くべきかどうか」を実は大いに悩んだのです。フェリー代金を支払い覚悟を決めた後も、毎日北海道の峠道のライブカメラを見ながら一喜一憂していました。洞爺湖からルスツに抜ける道には危惧した残雪は全くなく、安心してナビに道案内を任せて運転していたのですが、そのうち徐々に高度が上がって行き、豪雪地帯として有名な細川たかしの故郷「真狩村」に入ると路肩に残雪がポツポツと現れ、嫌な予感が…  徐々に路肩の雪は増え始め、あっという間に道路以外は一面の銀世界になり、大いに慌てます。

IMG_4927.JPG

でも、一番雪深いエリアでも路面には雪はなく、高度も徐々に下がると路肩の雪もどんどん減ってゆきます。結果だけ見ればスリリングでいい体験をさせていただきました。


そんな思いをしてまで拘った羊蹄山のビュースポットですが、曇りがちの天気で雲はかかっていないのに羊蹄山がはっきりとは見えないのです! いくつか訪ねたビュースポットからのベストショットがこれだなんて、すぐ近くまで来ているのに好きな人に会えないようなとってももどかしい気持ちで、悲しくなってしまいます。

IMG_4945.JPG


この旅の北海道最初の宿泊地は日本海に面した町岩内。昭和の時代には函館本線から分岐したローカル線「岩内線」があったので知ってはいたのですが、結局このローカル線にも乗らずに廃線になってしまいました。まだ近くの山にも雪が残る岩内の宿は温泉。この日と翌日は有名な温泉旅館ではなく、地元の人たち向けの銭湯というか健康ランドを兼ねたような温泉ホテルで、両日共に値段は高くはない旅館の中では最高級の料理を頼んでいます。


確かに風呂は地元の人たちで混んでいましたが、夕食を食べている宿泊客は我々ともう一組だけ?

でも、さすがに夕食は豪華でした。

IMG_4951.JPG


3日目:4月28日(土)


朝風呂は予想通り貸切。明け方の露天風呂を堪能しますが、やっぱりまだ北海道は寒い! 露天風呂は寒すぎてすぐ出てしまいました。

人数が少ない寂しい宿の朝食を食べると、ホテルではもうすることがないので8時半前にはチェックアウトしてこの日の観光の開始。


まずはホテルすぐ近くの円山展望台を目指します。展望台への道は車で昇れる道だったのですが、坂の途中に雪が残っています。昇り(下り)の道で雪によりスリップした時の展開が予想できず、ビビった私は歩いて登るのも大変そうなので、あっさりこの展望台をパスしました。各地で次に来る理由を残しておくことで、"3周目"のモチベーションにするためではありませんが、どうしても来たかった場所でもないので、旅の最初に無理は禁物と考えた故です。ホテル駐車場から撮った写真はこれです。無理してここに上ればもう少しいいダイナミックな風景が見られたのかも知れませんね?

IMG_4950.JPG


岩内町内で見たかったお寺はまだ9時前なのでちょっと後回しにして、昨日岩内の観光案内所で貰ったパンフレットで見つけた隣町の鉄道遺産へ。幌似鉄道記念公園というその場所は、旧岩内線幌似駅の駅舎や駅名標がそのまま保存されています。

IMG_4964.JPG

「大学生時代、仮にこの岩内線に乗っていたとしてもこの駅には絶対降りなかっただろうなぁ!?」なんてことを思いながら、列車と駅舎をパチリ。

IMG_4967.JPG

残雪ながら駅舎には入れません。駅舎の公開は5月からなのだそうです。今日からGWなのに!?


岩内町内に戻って、帰厚院という「東日本以北では最大級」という大仏さまを見に行きます。ごく普通のお寺に入場料も払わずに入ると、すぐにお寺の建物内にしては意外に大きな大仏さまとご対面。

IMG_4977.JPG

お寺の中では、法要の準備をしている感じで何人かが忙しそうにしています。クチコミでは「親切に由来等を案内してくれた」こともあったようですが、我々には親しげに「どこから来たの?」などと話しかけてはくれたものの、期待した由来等には一切触れずに終始雑談ばかりでした。


この日午前中は、積丹半島西海岸のドライブがメイン。積丹半島には何回も来ていますが、いつも小樽側より東海岸を神威岬までが定番で、西海岸に私の足跡はありません。西海岸には東海岸ほどの有名観光地も遊覧船もないのですが、ここにも足跡を残して塗りつぶします。

岩内から積丹半島に入って最初の村は泊村。泊と言えば原発が有名ですが、原発を見ても仕方がないので我々は唯一の観光資源に近い「鰊御殿とまり」を訪ねます。

IMG_4979.JPG

今回の旅では、日本海各地でかっての鰊漁の栄華と鰊が取れなくなってからの衰退をたくさん目の当たりにしましたが、「本当に華やかだったんだろうなぁ~!? 」と在りし往時をしばし夢想します。

IMG_4985.JPG

その後もネットで懸命に調べた積丹西海岸の観光スポットを探しながらのドライブが続きますが、案内看板が殆んどなく、"見たい!"と考えていたビュースポットがどうにも見つかりません。確かに我々ドライブ観光者は 地元自治体に殆んどお金を落としませんから、そんな通りすがりのツーリスト用に案内看板を出すのはお金の無駄とお考えかもしれませんが、そうなるとここ積丹西海岸がメジャーな観光地になる日はいつまでも来ないのではないでしょうか? そうは思いませんか? 神恵内村さん??
案内看板も何もないので、いい景色をたくさん見逃したことと思います。ネットにもパンフレットにも力を入れて紹介している展望台なんて、往復2回必死に探しても昇り口さえ見つからないのです。


積丹西海岸の終点は神威岬。ここ神威岬には小樽方面から何度か来ていて、ここは4年振りです。徒歩10分程度歩き、前回同様女人禁制の門あたりまでは行こうと考えていたのですが、駐車場に着くと信じられないくらいの激しい強風が吹いていて、大袈裟ではなく車のドアが開けられない状態。(開けても強風ですぐにバタンと閉まってしまうのです。) 数分経ってどうにか車からは出られたものの、今度は強風にこの巨体が持っていかれそうになり、さすがにこの状態では岬への歩行を断念します。思えばこれが日本海側の強風に悩まされ続けたこの旅の、最初の強風の洗練でした!


積丹西海岸を戻りながら、「あの時の襟裳岬と今日とでは、どっちの風が強かったか?」を妻と議論。普段はともかく、この日の風はあの時の襟裳岬以上だったと思います!帰りもいい景色を見ながらのドライブが続きますが、いい景色だからと止まるタイミングも駐車スペースもなかなかありません。この景色が関東あたりにあれば看板も駐車場もすぐに出来るのでしょうが、ここは北海道ですからいちいちそこまでの対応をしていたら、看板や駐車場がいくつあっても足りない… からなのでしょうか?

IMG_4992.JPG


宿泊した岩内を過ぎて寿都の町へ。本日の行程のメインイベントである寿都名物のカキの昼食に向かいます。ところがナビが示した地点にレストランはなく、よくよく見ると「2キロ先に移転しました。」という小さな案内看板を発見して、急ぎ向かいます。着いたところにはバラックのような建物が建っていますが、大きな駐車場はほぼ満車状態で係員が交通整理にあたっています。もう1時を過ぎた時間ですが、カキ小屋には待っている人が10人以上。勿論、我々も迷わずその仲間に加わります。

IMG_4998.JPG

この「吉野カキ小屋」の名物は蒸しカキの食べ放題らしいのですが、今や食べ放題で元が取れる程の食欲は我々老夫婦にはとてもないので、カキは二人で3キロ(約15個)をオーダー。カキめしも頼んでカキが蒸し上がるのを待ちます。

IMG_5002.JPG

さすがに寿都のカキは有名なだけあって、とっても美味。レモンを絞ったり味変でタバスコをかけたりすることを薦められましたが、どうやって食べても抜群のその美味しさは変わりませんでした。

IMG_5003.JPG


昼食ですっかり満足した後は、せたなまで日本海沿いをドライブ。このルートでもいくつかのみどころをチェックしていたのですが、ちゃんと寄れたのはここ弁慶岬ぐらい。でも、ここも凄く風が強かった!!

IMG_5017.JPG

実際には一度も北海道には渡っていないはずの弁慶。一度も来ていないこんな岬に自分の名前が付き、(本当に似ているかどうかはともかく)自分の銅像が建っていることを弁慶が知ったら、いったいどういう気分なのでしょうか?


せたなが近づき、いくつかの観光地では車を降りて写真を撮りながらのドライブを続けます。

突然見えた「横滝」に慌てて車を停めて、シャッターを切ります。

IMG_5035.JPG

ここにも積丹と同じ名前の岩がある「窓岩」。積丹との違いはちゃんと案内看板があるかどうか…

IMG_5040.JPG


せたなが近づくと、せたなを象徴する三本杉岩が見えます。でも、「三本杉岩」と言っても3つの岩のうち一つだけは少し離れていて、1枚の写真に収めるのは私の腕では無理でした。

IMG_5049.JPG

近くからパチリと撮った後、全体が見渡せる展望スポットから眺めますが、ここでも1つの岩は隠れてしまいます。

IMG_5061.JPG

せたなには、風海鳥(かざみどり)という日本唯一の海上の風力発電があります。

「ここもやっぱり風が強いんだろうなぁ~!?」と思わせる風景でした。

IMG_5058.JPG


今日の「1日1ソフトクリーム」はここせたなでリストアップしていたのですが、4時までの営業時間はもう過ぎてしまい、仕方なく宿に向かいます。ソフトクリーム屋さんの営業時間は明日は11時かららしいので、せたなでのソフトクリームも"3周目の宿題"になりました。


本日のせたなの宿も健康ランド的な温泉。ローマ風のお風呂は、子連れや試合終わりらしい中学生運動部などで大混雑でした。でも、予想通り翌日の朝にはこの大きいローマ風呂を独占できたのですから満足です。


夕食は、最高級メニューを頼んだだけあり、すごい品数で大満足でした。

DSC_1882.JPG

(夕食のメイン 鮑のしゃぶしゃぶ)




コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

【2018年GWの旅】道南&桜紀行<その1:宮城県とフェリー> [日本二周目]


すごく久し振りの投稿です。前回の投稿は正月明けの静岡県の旅行記でしたからおよそ4ヶ月振りとなります。
以前は病状の回復&リハビリの様子を、「ブログ作成もリハビリの1つ」というコンセプトで、病気になった2010年から数年間はほぼ毎日投稿していたのですが、次第に病状も固定化するとともにこのブログに書くこともなくなり、徐々に投稿も減ってゆきました。2015年に32年間勤めた会社を退職してからは日本一周の夢を追いかけるようになり、このブログはその日本一周のレポートというより「自身の備忘録」的なために投稿しておくだけになりました。なのでこのブログは人に読んでいただくというより、自分とごく親しい人だけに(あとで)読んで貰えればいいと考えていますので、たまたま訪れた方には退屈極まりないと思います。(申し訳ありません。)

今回の旅行記は2018年ゴールデンウイーク、北海道道南地方への11日間の旅です。高校2年生の時の夏休みに、バイトで貯めた僅かなお金と当時の旅行者の必需品「北海道ワイド周遊券」をショイコに担いで、津軽海峡を青函連絡船で渡ったのは今から41年前。情報の少ない当時、数少ないガイドブック「ブルーガイドパック」と新宿の紀伊国屋書店にだけ売っていた「北海道時刻表」を擦り切れるほど読んで綿密に計画を立てたにもかかわらず、ユースホステルや列車で知り合った人の「クチコミ」により、半年以上掛けたプランはたった3日で全く別のプランと化してしまいました。
それでも、17歳の高校生はその日から完全に北の大地の虜となり、その後は大学4年間だけでも5回は北海道に渡り、冬を中心にのべ半年近くは北海道で過ごしました。

旅行会社に入って以降も北海道に行く機会は多く、最初の頃は主には添乗員として、40歳を過ぎた頃からは会議や販売促進などで合計すると数十回は北海道に来ており、その折には仕事の前後に休みを入れてちゃっかりプライベートな旅行も楽しんだりもしたものです。(勿論、添乗員の時ではありません。)病気になる前年には1週間の休暇を取って、妻と道東をレンタカーでぐるりとドライブもしています。

病気になってからは、2013年に片手片足での運転に復帰し、翌年にはその改造車で1週間の道央のドライブを決行。(記事はこちら)その時に美瑛の美しい丘を眺めながら、「そうだ、会社を辞めよう。」と決心した思い出深い旅になったのです。(ブログにはそんな決心のことはひとことも書いていませんが…)
翌年、会社を辞めて取り組んだ日本一周の時には、フェリーで苫小牧に上陸し反時計回りに2週間掛けて北海道をぐるりと回っています。(記事はこちら

それら私の北海道に残した足跡を改めてじっくりと眺めてみると、ほとんど道東や道北が中心だったことに気付き、道南エリアがあまり塗りつぶされていないことに今更ながらに気づきます。勿論、函館には何度も行っていますし、洞爺湖・支笏湖や登別温泉などには特に前職の仕事では何度となく行ってはいますが、特に北海道の入口であり有名な観光地や温泉が他のエリアと比べても決して多いとはいえない渡島半島の部分が殆んど塗りつぶされていません。そういえば前回の北海道一周の時にも、登別温泉で高速に乗り次の見学地は大沼公園、その日の泊りはこの時も函館でした。

ということで、今年のGWの旅は渡島半島を中心にと半年前に目標を定め、今回もプランニングに没頭する楽しい時間をたっぷりと。今はネットのお陰で関東でも十分に情報収集はできるし、現地で旅行者同士が会話をすることも殆んどないので、基本的にプランの変更をすることもなく、極めて計画通りの旅行になることは他の旅行と同じです。
今回も、まるで綿密なる旅行計画を検証するようなサプライズやハプニングのない,ある意味では退屈な旅でしたが、プランナーとしては十分に満足できる旅でした。
いつものように、健忘症が進んだ私が忘れてしまう前に、急いでだらだらと綴ることにします!

1日目:4月26日(木)

ゴールデンウィークの旅といいながら、出発は少し前の木曜日から。GWになるとフェリーの料金が繁忙期料金になり2万円近くも高くなるため、会社にわがままを言って2日前から休暇をもらいこの日の出発になりました。
今回も片手片足運転の私はレンタカーは運転出来ないため、マイカーをフェリーに積み込みます。往路のフェリーは迷わず今回で3回連続となる仙台発苫小牧行きの太平洋フェリー。妻の実家がある仙台でお見舞いに行く必要があったのと、このフェリーの運航スケジュールが夜発午前中着でクルーズを楽しむにはほどよい時間であること、GW期間中以外は料金がリーズナブルなこと等が3回連続でこのフェリーを選んだ理由です。

自宅から仙台までは東北道を走れば4時間程度。フェリーの出航時刻は19:40なので、仙台市内での見舞の時間を入れても埼玉県の自宅をお昼に出れば十分に間に合うのですが、私(と妻)が「旅行当日になるとのんびりしたり他の用事を済ませることができず、結局朝から出発してしまう。」という習性であることは十分に判っているので、フェリーの時間まではいつも通り仙台付近での観光を考えます。前回は福島に行ったので、今回は宮城県内で探そうと試みましたが、ここだけ間際までプランが決まらなかったのですが、10日ほど前にたまたま見たTVの花の情報がヒントになり、プランを決めることができました。

マイカーに万一のためのダウンなどの防寒具までいつも通りたくさんの荷物を積み込み、出発は8時半。まだGWなんて雰囲気は全くないいつも通りの東北道を快適にドライブします。今年のGWの天気は前半は悪くないという予報で、この日もまずまずのドライブ日和です。

宮城県に入り、寄り道というか(時間潰しの)観光をするために山形道へ。宮城川崎インターで降りたら、蔵王方面に向かい最初の目的地である地元で有名なピザ屋さん"森のピザ工房ルヴォワール"を目指します。このピザ屋さんは、廃校になった分校をそのまま使って営業をしていることをTVで何度となく紹介された影響で、週末は2時間待ちは最低でも覚悟しなくてはいけないという超人気店なのだとか。地元仙台では大変有名で、後で話したら妻の妹も北海道よりこのピザ屋さんの方が何だか羨ましそうでした。
周囲に何も無さそうな店に近づきながら、「本当に、こんな場所(田舎)に行列が出来るの? 今日は平日で、しかもまだ12時前だよ?」なんて考えていましたが、旧分校の校庭だった駐車場には情報通りかなりの自動車が…
IMG_4806.JPG
何とか車を止め、学校らしく下駄箱で靴を脱いで校舎に入ると、意外と狭いお店の1テーブルだけあたかも我々を待っていてくれたかのように空いています。今回の旅の幸先は、何となく良さそうです。
一番の名物である「蔵王のお釜ピザ」とデザート感覚の「りんごのピザ」を頼み、妻とシェアして味わいます。
IMG_4823.JPG
IMG_4826.JPG
味は確かに美味しかったのですが「でも、2時間は並ばないかも!?」というのが偽らざる感想。
私には小さな分校の経験もないので、校舎を見ても懐かしさも感慨もありませんでした。
IMG_4821.JPG
校庭の片隅にはまだ桜が咲いています。今回の旅のテーマの一つが「桜紀行」なので、最初の目的地でいきなり桜が見られてとてもラッキー。
IMG_4832.JPG
ここからもう少し進めば2年前の夏の旅でガスがかかっていて全く見えずに悔しい思いをした蔵王のお釜があり、所要時間を計算するとお釜に行ってもフェリーの時間には十分に間に合うのですが、出発初日から慌てたり焦ったりするのは嫌なので、お釜は次の機会にして昔営業で何度となく通った川崎町の懐かしい風景に密かに感動しながら、次の目的地「国立みちのく杜の湖畔公園」を目指します。
IMG_4835.JPG
釜房湖すぐ近くに広がる公園に着いた途端、妻が「ここ、来たことある!」と予想外の一言。どうやらまだ1歳だった娘を連れて、妻と妹とで来たらしいのです。当時1歳だった娘には、今や2歳の息子(つまり私たちにとっては孫)がいるのですから、紛れもなく昭和の時代の記憶です。
でも入場してみると、やはり昭和の時代とは大きく変わっているようです。最近流行りの芝桜が写真に載っていたので芝桜の広大な景色を期待したのですが、スケールは今一つ。
IMG_4833.JPG
でも、それなりにきれいな公園で来た価値はありました。
IMG_4855.JPG
ここの広場にはまだ桜が満開の木もあり、ここでも「桜紀行1日目」としてはこの旅の幸運を予感させてくれます。
IMG_4862.JPG
仙台に向かいながら、懐かしの釜房湖に感動し、車を停めて思わずパチリ。
IMG_4874.JPG
30年前は、年に5~6回はセールスで通っていた記憶にある景色です。

仙台市内でお見舞いをした後は、前回も行ったフェリー乗り場近くの日帰り温泉で入浴を楽しみます。今回の旅では日帰り温泉も数ヶ所楽しむ予定ですが、この日帰り温泉施設「仙台コロナの湯」はフェリー乗り場にも近く前回も時間調整を兼ねてゆっくりと楽しんでいます。今回、仙台市近郊の秋保や作並の有名温泉ホテルの日帰り入浴も検討したのですが、快適なお湯にのんびり浸かると、そこが有名温泉でも健康ランド的な日帰り温泉でもどうでもよくなるから不思議です。(つまり、私はそこまで温泉通ではないということでしょうか…!?)

仙台でのフェリーチェックインは、ここ5年間で3度目ですから勝手知った手続きに抜かりはなくスムーズ。この日の船もこの路線では一番ベテラン船の「きたかみ」。フェリーオブザイヤーを受賞した新しい他の2船に乗りたいところですが、そのために予定を変えたりGWの高い運賃に変えるほどフェリー好きではないので、3年振りの「きたかみ」に"久し振りだね!"とご挨拶。
IMG_4881.JPG
しかし、今回は前2回とは少し違いがあります。それは船室。前回はツインルーム(それでもこの船の中ではかなり贅沢なのですが)に泊まったのですが、今回は妻と侃々諤々の議論の結果、セミスイートを奮発したのです!!
「自分や妻へのご褒美」というつもりではありません。"今までとは、少し違った体験がしたい"という気持ちでした。「それならば、"セミ"なんて言わずに船最上級のスイートにすればいいじゃん!?」とも思ったのですが、スイートルームに入るには階段を昇る必要があるということで、階段が苦手な私は断念した経緯があります。
乗船すると船のスタッフが荷物を持ってくれて船室まで案内してくれる高級旅館のような対応は、さすがにツインルームとは異なる「スイートのおもてなし」。部屋そのものは想像通りだったのですが、やはりバスルームなどを含めて全体的に余裕のある作りです。
IMG_4884.JPG
何とも嬉しかったのは大型を含めてTVが2台あり、航海中でも地上波の放送がほぼ途切れることなくずっと見られたこと。お蔭で、退屈せずに済みました。
IMG_4888.JPG
船室は船の前側に位置していて、船の進行方向が見える窓があるのですが、「夜の航海には光が邪魔なので、夜は必ずカーテンを閉めて下さい」との案内があり、そこだけはいささか残念ではありました。

セミスイートの部屋代金には船でのビュッフェの食事(夕・朝)が含まれているので、19:40の出港を待たずに夕食へ。船の夕食はいつも混むのでオープン直後にレストランに行きます。夕朝食無料以外には、スイートの特別待遇は当然のことながらありませんが、何とか窓際のテーブルを確保したものの、船はまだ出港前なので港の作業風景しか見えません。
DSC_1856.JPG
ビュッフェ代金を下げた代わりなのかアルコールのサービスはセルフになったので、料理を取る前にまずは自販機のハイボールで旅の成功と無事を祈念して乾杯。
DSC_1853.JPG
そういえば、ここ仙台って"ニッカの町"だったことを今更ながら思い出しました。昭和の時代には、"熊襲発言"でサントリーの不買運動もあったっけ。
でも、自動販売機にない日本酒などを飲むのは結構大変でした。一旦レストランを出て、お土産やお酒・つまみ等を売っている売店に行き、レジの行列に並ばなければいけないのです。
ビュッフェは昔と違って寿司やデザートはなくなっていましたが、値下がりした@1500という値段にしては、船会社の経営努力が見てとれる十分な内容でした。
DSC_1859.JPG
夕食後にはコンサートなどもあるのがこのフェリーの魅力なのですが、久し振りのアルコールと運転疲れでゴロンと横になった途端すぐに眠りについてしまいました。
寝心地はスイートもあまり関係ないようでした。

コメント(3) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。