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日本一周の旅 総括 [日本一周(一周目)]


2014年9月から始めた日本一周を、振り返ってみようと思います。

<データ編>

1.旅行期間
 日本一周を開始したのは:2014年9月23日
  2015年3月31日までは前の会社に勤務(旅行会社)
  2015年11月1日からは今の会社に勤務(学校法人)
 日本一周を完遂したのは:2016年12月4日

2.全旅行数
 日帰りを含む全旅行は:26回
  内、日帰りの旅は:9回
  宿泊を伴う旅は:17回  でした。
 長かった旅のBEST5は:
  ①九州一周(2015年9月 18日間)
   2位は同日数で2つ
  ②山陰・山陽周遊(2015年5月 16日間)
  ②北海道一周(2015年6~7月 16日間)
  ④東北一周(2016年8月 15日間)
  ⑤四国一周(2015年10月 14日間)
 全旅行日数は:146日でした。

3.ドライブ
 車で行った旅行は:全17回 128日
 (公共交通機関での旅行は:全9回 18日)
 全ドライブキロ数(一部推定値を含む): 25,666キロ
 ※勿論、自分で運転したキロ数のみで、タクシー観光等のキロ数は含まず
 最も運転した旅行BEST3
  ①北海道一周(2015年6~7月 全4,011キロ)
  ②九州一周(2015年9月 全3,724キロ)
  ③東北一周(2016年8月 全3,093キロ)

4.徒歩
 万歩計全歩数(一部推定値を含む):1,507,020歩
 最も歩いた旅行BEST3
  ①九州一周(2015年9月 全236,872歩)
  ②四国一周(2015年10月 全176,567歩)
  ③東北一周(2016年8月 全176,450歩)

5.宿泊
 全宿泊数:120泊
 120泊のうちには、フェリー泊が4泊あるので、
 47都道府県宿泊数:116泊 宿泊地数:105
 最多宿泊都道府県は:①北海道(12泊) ②宮城県(8泊 但し実家を含む)
 その他では4泊した都道府県が:青森、山形、三重、京都、兵庫
 反対に、1泊しかできななかった都道府県は:
 茨城、栃木、群馬、山梨、奈良、滋賀、大阪、岡山、福岡、佐賀 
 と10もありました。2周目の課題ですね.
 泊まっていない都道府県は埼玉と東京(日帰りの旅各3回)
 うち、温泉に宿泊した数:39 と全体の約1/3
 特に、前半ケチケチだったため、全体的には温泉泊はやや少なかった気がします。

6.旅行中の天気
 以前に、「この日本一周が終わる頃には、自分が晴れ男かそうではないかがわかる。」という投稿をした記憶がありますが、結論としては、「これだけ長い間旅をしていると、当然ではあるが晴れの日もあるし雨の日もある。」というごく当たり前の事実が判ります。つまり私は、「晴れ男でもなければ雨男でもないごく普通の人。」ということになりますが、全体的には”ここ”という晴れて欲しい日には全体的に晴れが多かったような気がします。 今回の7回のロングトリップを天気的に分類してみると

・天気に恵まれなかった旅
 2015年4月 紀伊半島 旅行中、ほぼ毎日ずっと雨ばかりでした。吉野の桜も雨中でした
 2015年6~7月 北海道 北海道らしい眺望はほぼ全滅でした!

・どっちともいえない旅
 2015年8月 長野・岐阜・北陸 雨が多い旅でしたが、ハイライトである上高地、新穂高、アルペンルートは全部晴れでした!
 2016年8月 北東北 前半戦は最高の天気続きでしたが、後半に台風が来て以降残念な天気が続きました

・天気には恵まれた旅
 2015年10月 四国 全く雨に遭うことがありませんでした
 2015年5月 山陰・山陽 城崎で台風に遭遇、山口でも豪雨に遭いましたが、この2日以外は天気に恵まれました
 2015年9月 九州 九州滞在中は宮崎での1日と門司での最終日以外はいい天気でした!

 と、例外はありますが、やっぱり「私は晴れ男」とポジティブに信じるようにすることにします。

7.費用について
 額の公表は控えさせていただきますが、ほぼ2年前に立てた計画通りでした。
 いくらケチケチと言っても、夫婦二人で毎晩ホテルor旅館に泊まる旅ですから、それなりにかかるものはかかり、結果再就職を早めざるを得ない事態になりました。

 今回の日本一周では、全国各地で「身障者割引」の恩恵を大きく受けたことも事実です。バリアフリーの対応が全くないのに身障者割引もない施設も全国にはかなりありましたが、反面バリアフリー対応が万全なのに身障者割引もあり、こっちが恐縮してしまう施設も本当にたくさんありました。例えば沖縄の美ら海水族館なんて、バリアフリー対策もしっかりしている上に、2千円もする入場料が身障者と随行者共に無料になるのですから、思わず「せめて、半額ぐらいは払いたい…」と窓口で申し出たい気分にすらなりました。そう、大阪城もバリアフリーは完璧なのに、ここも随行者共に入場料免除で、身障者用のエレベーターを呼ぶ都度、「申し訳ない」という気持ちになりました。お城は、全国的に身障者と随行者は無料になるところが大半でした。

<個人的印象編>

ここからは、データではなく個人的な印象で書きます。
あくまで行った時の天気やタイミングなどさまざまな条件が重なっての主観ですので、完全な個人的な意見であることをご了解ください。写真は全てこのブログに1回は掲載した写真です。全部の写真を掲載したいところですが、ブログの制限もあるので、テーマ毎に代表的な1枚だけにさせていただきます。
全体的に南のほうが多く北海道や東北が少ないのは、私が若い頃から北志向で北海道と東北ばっかり旅していたので、北海道・東北には”新たな発見”が少なかった故で、決してその2方面の感動が少なかったわけではありません。

◇印象的な山岳風景
何といっても上高地。
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同じ日に続けて訪ねた新穂高
その数日後に訪ねた、アルペンルート
結果的に、同じ旅の3つの山岳風景が強く印象に残る格好になりました。
その他も大山などの秀峰、阿蘇や私の初恋の山開聞岳など、感動した山岳風景も枚挙にいとまがないほどたくさんありました。

◇印象的な海の風景
沖縄の古宇利島に負けず劣らずの山口の角島
瀬戸内海はどこも良かったけれど、とびしま海道としまなみ海道の亀老山展望台は、本当に素晴らしくってため息が出ました。
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何故か痛烈に印象に残っている島原の原城址から見えた海
それこそ日本を代表するような風景が、あちこちにありました。

◇滝
滝好きとして、本当にたくさんの滝を見られて、幸せなひと時でした。
何といっても那智の滝はやっぱり凄かったなぁ~!
知床半島の遊覧船から見られたたくさんの滝も壮観でした
群馬の吹割の滝、茨城の袋田の滝、日光のたくさんの滝、岐阜の養老の滝… 忘れられない滝は本当にたくさんありました!
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◇湖
今回、初めてじっくりと見ることができた琵琶湖。
サロマ湖では、33年振りに突端まで行くことができました。
でも自分が無知だった分、三方五湖には感動したなぁ~!
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◇岬めぐり
高知では念願の足摺岬と室戸岬のダブル制覇を達成できました。
本州最南端の潮岬など、たくさんの岬に立つことができたのは、日本一周の旅ならではではないでしょうか!? でも、襟裳岬で体験した強風は本当に驚きました。この巨体の私が本当に飛ばされそうになったのですから…
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◇好きな町並み(寅さんがいそうな街)
寅さんがいそうな街を探す"ことが今回の大きなテーマでした。日本の原風景がある街にたくさん出会うことができましたが、特に印象に残った町は
実際に寅さん映画の舞台にもなった宮崎県の飫肥
もっともっとゆっくり見たかった、京都の伊根
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郡上八幡 今度は晴れの日にゆっくり散歩してみたい
北海道の港町増毛。列車が廃止になる前に、散策することができました。
比叡山麓の町、坂本も忘れられません。

※つい先日、今年の10月の終りに訪れ、「この町、いいなぁ~。今度ゆっくり散歩してみたいなぁ~。」と思った新潟県の糸魚川。このとき、「いいなぁ~」と思ったこの場所が、先日の大火ですべて燃えてしまった場所でした。
糸魚川の皆様、復興に向けて頑張ってください! また、行きます!
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◇好きな街並み(その2)
寅さんはともかく、とっても気に入った街
平戸 港もお城もいいけれど、教会のある風景は秀逸
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宇和島 何といっても旨い魚と郷土料理が最高でした!
萩 高杉晋作と寅さんが会話したら最高ですよね!?
福島県の山奥にひっそりとあった、前沢曲家集落
四国の内子も大洲もやっぱり良かったなぁ~!

◇有名な観光地ですが、予想以上に良かったところ
倉敷 町並みも大原美術館も良かった
鳥取砂丘 実は結構感動してしまいました
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宮島と厳島神社 ここにも、もう一度行ってみたい!
それ以外にもたくさんたくさんありましたが、とりあえずこれだけにさせていただきます。

◇遊覧船(海)
さまざまな場所でたくさん遊覧船にも乗りました。どれも強く印象に残っているのですが、海から鳥取砂丘が見えた浦富海岸の島めぐり遊覧船、伊勢志摩クルーズ、瀬戸内海で渦潮が見えるかもしれない来島海峡観潮船、山口の青海島遊覧船などどれも感動的な航海でした。
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無名ながら意外に感動したのは、宮崎南郷町の遊覧船。遊覧船がほぼ貸切状態でガイドをしてくれる方がいたことが良かったのかもしれませんね。!

◇遊覧船(川)
最上川や熊本の球磨川などの船下りや、紀伊半島瀞峡のジェットフォイルも楽しめましたが、先日の京都保津川下りの感動がまだ生々しく、強く記憶に残っています。
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◇お城
その地域を統治した象徴がお城なのですから、いい場所にある象徴的な存在で、どこに行ってもその旅のハイライトになれたのがお城です。
昔からのお城が残っている中では、やっぱり群を抜いていたのは世界遺産姫路城ですが、それ以外のお城もどれも素晴らしいものばかりでした!
個人的には、戦国時代好きの私が最高に歴史のロマンを感じることができた岐阜城(私的には今でも稲葉山城)が、戦国時代にタイムスリップできた感動の瞬間でした。
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◇棚田
たくさんの日本を代表する素晴らしい棚田を見ました。日本一の棚田と称する新潟の星峠の棚田や三重の丸山千枚田、能登半島では2時間ドラマによく登場する白米千枚田などが、強く印象に残っています。でも、ベストシーズンの感動的な時間に行った山口の東後畑の棚田が特に印象的でした。
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◇花を愛でる旅
桜の旅も紅葉の旅も、日本の良さを実感できる本当に素晴らしい旅で、「日本に生まれてきて良かった!」と改めて思えた瞬間でした。
茨城のネモフィラ、栃木の藤、埼玉の曼殊沙華や芝桜、神奈川のあじさい 関東にも素晴らしい花のみどころがたくさんありました!
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◇鉄ちゃんとして
殆どが車での旅でしたが、東西南北の鉄道の駅を全て制覇し、それ以外にも鉄ちゃんとしても大いに楽しませていただきました。
何といっても、”聖地”余部橋梁には本当に感動しました。
まだ乗ったことがない北海道新幹線。青函トンネルから出てくる新幹線をパチリと撮れた時には、感動で体中が震えました。
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◇廃線跡を走るトロッコ列車
鉄ちゃんとしては微妙な部分もありますが、北海道美幸線を走るトロッコも感動的でしたし、高千穂橋梁を走る高千穂トロッコも忘れ得ぬ貴重な時間でした。
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◇宗教の力はやっぱり凄いことを、改めて感じました
伊勢神宮も出雲大社も何となく気が引き締まって、不思議に神聖な気持ちになれましたが、やっぱり高千穂には強いパワーを感じました。
今回、仏教宗派の総本山もいくつか訪ねましたが、やっぱり高野山と比叡山のパワーは群を抜いているような気がします。特に高野山は、今度は最低でも2泊してのんびりと歩いてみたいものです。
憧れ続けてきた、大分の臼杵の石仏もやっぱり素晴らしかったなぁ~!
奈良の女人高野室生寺も、とっても印象的でした
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◇温泉
39の湯+日帰り温泉の全てが印象深かったけれど…
個人的にはやっぱり大好きな霧島温泉の巨大なお風呂
明け方に入った、無人の酸ヶ湯温泉も感動的で忘れられません。。
開聞岳が見える日帰り温泉も、開放的で最高でしたよ!
(温泉には、写真がありません)

◇美味しいもの
こればっかりは、本当に個人的趣向なので何とも言えません。旅館での美味しいものは、前半は特にケチケチ旅行が中心だったため、十分に味わえたとは言えません。
安い民宿のようなところで、美味しいものをたらふく食べられた経験だけで言えば、サロマ湖の船長の家、青森県のペンション深浦、天草の大漁丸と、毎回訪れている北海道のきりたっぷ里etc…
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各港町での海鮮丼、回転寿司、居酒屋もどこも超絶美味でした!

その他にも書き出すとキリがないのですが、この辺で総括を終わることとします。
2017年からは、新たな気持ちで新しい旅にチャレンジしたいと思います!


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13.日本一周達成!<その3:大阪+神戸> [日本一周(一周目)]



3日目:12月2日(金)つづき

いよいよ47都道府県の最後、大阪府です。京都から大阪までは新幹線を使わずとも、新快速で30分以内と本当にすぐ近くです。大阪には、病気になる前の6年以上前には本当にたびたび来ていました。大半が日帰りの出張で、行く場所と言えば、本町付近のビジネス街ばかりではありましたが…

今回、今まであまり馴染みのなかった大阪市以外の大阪府の各市にも行ってみたかったのですが、どうも大阪の他の市町村というとベッドタウンのイメージが強く、どうにも”ここに行きたい!”という場所が思いつきません。他の地方の人が、関東の市町村に行ってみたい街があまりないことと同じようなイメージです。
ついては、大阪市以外の街は二周目に取っておくことにして、とりあえず大阪市内のメジャーな観光地を回ることにします。大阪市のメジャー観光地と言えば、何といってもUSJですが、個人的にはUSJには行ったことがあり、洋画好きでもテーマパーク好きでもない老夫婦なので、妻にも全く興味はない… という事でスルーすることにします。
今回の大阪観光のキーワードは、”高いところ”。今日からは天気も良さそうなので、秀吉の気分になって高いところから関西を見下ろしてみようと思います。

地下鉄に乗り換えるために新快速を新大阪で下車。出張族当時に一番利用した地下鉄御堂筋線を目指しますが、6年振りの新大阪駅で見事に出口を間違えてしまいました。「大阪市内は勝手知った場所なので大丈夫。」と妻に散々言っていただけに、いきなり「この人、大丈夫?」と心配させる大阪観光のスタートです。

「関西地区のエスカレーターは、東京とは違い右側に立つのがルール。」のはずですが、京都駅は関西にも関わらず地元民より観光客の数が圧倒的なので、みんな東京のように左に立っています。私の知る限り、一番半々に競合するのが新大阪駅のエスカレーターなので、毎回周囲の人を見て合わせていたのですが、この日は出張族の到着時間としてはちょっと遅い11時前だったからか、普通にみんな関西風に右側に立っています。右麻痺の私にはいささか辛い右立ちですが、これから3日間は、郷に入っては郷に従わなければなりません。

御堂筋線を懐かしの本町まで、本町での乗り換えは順調に進み、天保山のある大阪港駅までは地下鉄中央線で向かいます。ところが、大阪港駅に着いて、天保山までの道をまた間違えてしまいました。「大きな観覧車を目印にすればいいので、方角を間違える筈がない!」と思っていたのですが、実際にはビルが多くて観覧車が見えなかったためです。初めて来る天保山なので、一度立ち止まって地図を確認すべきでした。
添乗員としての信頼を大きく失いながら、ようやく天保山に到着。とりあえずお昼に向かいます。大阪でのお昼は”お好み焼き”、おやつは”たこ焼き”と、夫婦の希望は一致していたので、天保山にあるのは古くからの老舗ではなくチェーン店であることを承知の上で入り、大阪のお好み焼きに満足しました。でも、焼いてくれる店員さんの怪しげなカタコトの日本語に、少しだけ嫌な予感がしました。
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大阪観光の第一段は海遊館。沖縄の美ら海水族館と並ぶ日本を代表する水族館に、敬意を評しての訪問です。水族館は大きな水槽の上部から螺旋状に下に降りる構造で、みどころもたくさんあります。
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何となく美ら海水族館や、たくさんのクラゲの展示は山形鶴岡の加茂水族館など、あちこちの水族館のいいとこ取りをしているような気もします。
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平日ですからちびっ子がいる訳はないのですが、水族館内にはちびっ子がたくさん… でもちびっ子はみんな中国語を喋っています。学校はどうしているんだろう? と、余計な心配をしてしまいます。

”大阪の高いところその1”として海遊館のすぐ横にある大きな観覧車に乗ってみます。行列は何台かあるシースルー観覧車の順番待ちらしいのですが、バカと煙のように高いところが好きな癖に、実は高所恐怖症だったりするので、行列のない普通の観覧車に乗ります。
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大阪港やUSJや大阪ドームなども見えていますが、案内のテープはUSJという単語を言えないらしく、滅茶滅茶回りくどくUSJを説明していました。
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地下鉄からJRの大阪環状線に乗り換えます。大阪環状線に乗るのは凄く久し振りです。記憶をたどると、15年前に二人の子供を連れて当時まだ出来たばかりのUSJに来て以来です。大阪の中心部はそれだけ地下鉄の路線網が発達しているので、出張族は環状線に乗るニーズがないのです!
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環状線を天王寺で降り、高いところその2として”あべのハルカス”を目指しますが、ハルカスに登る前にまずは行きたいところがあります。
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超高層ビルハルカスの裏に元気に営業しているそのお店は、たこ焼きの有名店”やまちゃん本店”。
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お店のイチオシ、何も着けずに食す”ベスト”を買い、食べる場所も座る場所もないので、立ったまま妻と半分づつ食べ始めましたが、噂通りカリッカリのたこ焼きの中が強烈に熱いのです。二人共に最初の一口で口じゅうに大やけどを負ってしまいます。ドリンクも持たずにこのたこ焼きにチャレンジしている暴挙に気付き、横にあるコンビニに飛び込んでとりあえずドリンクで口じゅうをクールダウンして、再び二口目にチャレンジしましたが、火傷しそうに熱いことには変わりありません。何とか半分の4個づつを完食しましたが、とにかく熱くて味わう余裕は最後までできませんでした。
このたこ焼きは、家に持ち帰って食べるのがベストなのですね!?

あべのハルカス展望台の受付は16階、ここでも既にもう”高いところ”ですが、入場料を払って更に上を目指します。休日には入場まで1時間以上待ちのような報道がありましたが、この日は平日なのですぐに入場できました。
スカイツリーを彷彿とさせる眺望ですが、いくら日本一とはいえビルなのでタワーの高さには敵いません。今回、これから行く通天閣と大阪城を探しましたが、すぐ近くの通天閣ってあべのハルカスから眺めると「こんなに低いの?」ってちょっと驚くほどに小さく見えます。
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大阪城は、周囲をビルに囲まれながらもよーく目を凝らすと何とか見えます。周囲に「頭が高い!」と威張っているかのようです。
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反対側には関空や和歌山や奈良も見えていますが、あまり馴染みがないので感動もありません。

あべのハルカスからタクシーで基本料金の場所にあるのは、先ほどハルカスから見下ろした通天閣。高いところその3の予定でしたが、ハルカスから見るとあまりに小さなタワーだったので若干訪問のモチベーションは下がりぎみです。とはいえ、昔から東京での東京タワーに対峙する大阪を代表する通天閣に生まれて初めて登れるのですから、エキサイティングな瞬間です。
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通天閣からの眺めは、特に何と言うこともなかったのですが、「今、自分は通天閣の上にいるんだ」という気持ちが何にも換えがたいひとときでした。ハルカスではずっと上から見下ろした大阪城が、自分と同じ世界にきたようで少しだけほっとしました。
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ハルカスは… 通天閣からはあまりに高すぎて別世界でした!
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通天閣の回りに広がる”新世界”が、実は今回の旅での大阪のハイライト。周囲には串カツの店が並び、大阪の典型的な下町風景です。新世界をゆっくり散歩するのは初めてですが、予想以上に観光化されていて外国人客も多いのには少々驚きましたが、街には自転車に乗った”大阪のおっちゃんとおばちゃん”がちゃんといます。
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暗くなってきたので、大分早いのですが”新世界の串カツ”で夕食にします。串カツの有名店もあるようで今の時間ならどこでも並ばずに入れそうなのですが、下町らしい普通の店で、カウンターではなくテーブルで食べられるごく普通のお店を選択、予想通り串カツとどて焼きは安くて美味でした。
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本日のホテルはこの日本一周で唯一のシェラトンホテル。ロビーに入りチェックインを待つ間、その風景に唖然としてしまいました。そう、聞こえてくる言葉は全て英語と中国語で、日本語が全く聞こえて来ないのです!
思わず、添乗員時代を思い出して、英語で話しだしそうになりました!?
(と言いながら、英語なんてすっかり忘れていますが…)

4日目:12月3日(土)

このホテルは、我々の日本一周の旅には珍しく朝食付きで予約をしていました。昨年の無職時代にはビジネスホテルの無料朝食以外はホテルでの朝食は食べないという徹底振りでしたが、シェラトンホテルで朝食を食べるなんて、1年以上経って本当に贅沢になったものです。一周のゴールが迫っているが故の贅沢なのです。
チェックイン時に中国人が多いことは自覚していて、朝のビュッフェにおける中国人客の傍若無人振りは以前に何度も経験していたので、朝食付きで予約したことを若干後悔しながら席に向かったのですが、流石はシェラトンホテル。レストランの数多い従業員が、さりげなく中国人客の傍若無人な振る舞いを間際で防いでくれました。「流石にシェラトンホテルの日本人従業員のクオリティは高い!」と感心しきりでしたが、やっぱりこの朝食会場でも日本人客は一人も見ることはありませんでした。

今日はもう少し大阪を見てから、日本一周のゴールを祝うべく予約した有馬温泉の(私的には)超高級旅館に泊まり、豪勢にゴールを祝う予定です。まずは荷物を持って観光をしたくない一心で探したクロネコヤマトのサービスのためになんばのOCATへ。OCATといっても飛行機や長距離バスには我々は全く関係ないのですが、ここのクロネコヤマトで、「朝10時までに荷物を持ち込むと、関西地区の主要ホテルに当日中に荷物を送ってくれる。」というサービスがあり、有馬温泉も対象エリアだということを調べておいたためです。荷物を託し、再び身軽になって大阪観光2日目のスタートです。

まずは歩いて近くのなんばエリアを観光します。地下道を歩きながら、初めて大阪に来た時に大きくカルチャーショックを受けた「動く歩道」を見て、懐かしい思い出が甦りました。高一の夏に、初めて一人旅で大阪に来た時、梅田で初めて大阪の動く歩道に乗ったのですが、当然のように歩道に立って乗っているのは私だけで、他の全員が全く普通に動く歩道上を歩いているのです! これは、全くカルチャーショックでした。新宿の地下の動く歩道を歩く人は東京では当時はきわめて稀で、ほぼ全員が大人しく立って乗っていたので、他の人が全員「邪魔!」的に私を一瞥して追い抜いて行く大阪との文化の違いを、こんなところで実感してしまったのです。お陰で、「関西人はせっかち。」というのが、この後しばらく私の先入観として残っていました。
その後は、郷に従うために大阪の動く歩道では私も必ず歩いていたので、病気以来久し振りに関西の動く歩道に立ち、40年振りに多くの関西人に抜かれました。
土曜日の朝なので、ラッシュの人並みではありませんでしたが… でも大阪の動く歩道って、東京のそれより大分遅いのに今更ながら気が付きました。歩道の上を歩くことが前提で遅くなっているのでしょうか? 確かに、この遅さなら歩きたくもなりますよね!?
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この日最初に訪ねたのは、たこ焼きの有名店”わなか本店”。昨日、イートインスペースのないたこ焼き屋さんで十分に満足できなかったので、イートインスペースがあるこのお店を選択、土日は8時半から営業しているのも嬉しいところです。
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観光客用(?)の4つの味が楽しめる”大入り”を、座ってゆっくりと味わうことができ、妻共々満足しました。
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わなかのすぐ隣には、有名な「なんばグランド花月」があります。実は今回の大阪観光でも本場のここで公演を見ようかとも計画していたのですが、出演者に好きな芸人がいなかったので逡巡しているうちに、一階席のチケットが取れなくなり、いくら本場でも二階席はちょっと… と諦めたのです。でも、この場に立つとやっぱり観たくなりますね!? 今度、大宮で見ることにしましょう。
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なんばと言えば道頓堀に行かない訳にはいきません。懐かしのグリコサインの場所は何といっても大阪を代表するスポットです。修学旅行らしい人たちも多く、やはり大阪を代表する風景なのですね。TVでしか見たことはありませんが、阪神タイガースが優勝した時の盛り上がり振りは半端ではありませんね。今でも1985年の凄く久し振りの優勝時の光景が忘れられません。
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なんばを離れて次は大阪城。大阪城に来るのは1970年以来だから45年振りです。1970年に10歳(小5)だった私は、記憶がある最初で最後の親子三人の家族旅行で、前日に家族旅行のメインイベントである大阪万博を見て、その翌日の午前中に大阪城に来たのです。当時はまだ歴史になんて全く興味がなかった私が、少しでも大阪城を見て歴史に興味を持ってくれたらいいと考えた母親の発案だったらしいのですが、その目論見に見頃に嵌まり、それ以降図書館にあった伝記を片っ端から読み漁る”歴史好き”になったきっかけがここ大阪城なので、忘れもしないその時以来の訪問です。
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大阪城は、中国人も多いのですが、何よりも真田丸人気が凄く、土曜日なので物凄い人です。真田丸はまもなく最終回で、毎週大阪城が舞台で大いに盛り上がっているのですから、大阪城だけを考えると、最悪の訪問のタイミングですね。
(このブログ投稿時には、既に真田丸は終わっていますが、この旅行の時点ではラスト二回でした。)

大阪城にエレベーターがあることは記憶ではなく知識として知っていたのですが、大阪城のバリアフリーの対応は完璧でした。身障者と見るや普段は通過する各階でのエレベーターの呼び方を教えていただき、結局最上階から下までの全ての階を一度も階段を使わずに全て見学出来たのですから… ”大阪の高いところその4”として秀吉の気分ではなく10歳の時の自分に戻って、ビル群の景色を楽しみました。
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次は”水の都大阪”を楽しむべく水上バスの乗り場へ。出発15分前なのにもう満員の水上バスの最後のチケットを何とか入手し、大阪最後の観光のスタート!
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船から見る中之島などもなかなか良い感じでした。
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大阪駅に出て遅めのお昼を食べ、大阪の観光を終了。時間があれば高いところその5として梅田の空中回廊にも行こうとも考えていたのですが、もうその元気はありません。新快速で神戸三宮まで行き、電車を乗り継いで有馬温泉を目指します。いよいよ、ここ有馬温泉が日本一周のゴールなのです!

有馬温泉駅には旅館の車が出迎えてくれ、2年にわたる日本一周がついにここで完遂したことになります。誰にも祝福されるわけではないのですが、妻と顔を見合せて「やったね!」と頷き合います。もっと若ければ妻とハグする感動の瞬間なのでしょうが、初老の夫婦は照れがありさすがにハグまではできませんでした。

ゴールとして設定した宿は、私的には思いっきり贅沢に一人一泊3万5千円の高級温泉旅館。勿論、今回の日本一周の中では飛び抜けて最高値で、もしかしたら自分史上自分でお金を払った宿泊としても、最高額だったかもしれません。

早速、温泉を楽しむことにしますが、ここで一つの失敗に気付きます。片手なので浴衣が着られない(帯が結べない)私は、旅館に入ると簡単に着脱できるスウェットの上下を着るため、寝間着兼用でバッグに入れて旅をしているのですが、今日はそのバッグを朝に宅急便でこの宿に送ってしまっていたのでした!
ヤマトに確認してもらったところ、当日便はいつも20時前後の到着とのこと。そういえば、確かに預けた時にも「今日中着で時間指定はできません。」と言われたことを思い出しました。今はまだ16時前なので、荷物到着まで温泉を我慢するのも嫌なので、外出着のまま温泉に入ることとなりました。旅館に着いてからのことを考えていなかった、私のケアレスミスです。

3万5千円の夕食なので、期待しない訳がありません。「でも、あんまり期待しすぎると感動しないかも?」と多少の心配をしていたのですが、料理は十分期待以上で、最後の夜を飾るフィナーレとして十分に満喫しました。

5日目:12月4日(日)

朝はまず、ホテルの貸切露天風呂を楽しみます。有馬温泉の特徴である金銀2つのお風呂が付いていて、6~7人は入れるであろうお風呂を二人で独占できるのですから、とても贅沢な時間です。この貸切風呂も料金の内なのは、さすがに3万5千円ですね。私は泥湯のような金の湯、妻は無色透明の銀の湯をそれぞれ独占して悦に入りました。
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十分に美味しい朝食を食べて、満足の旅館を後にします。そういえば、予約時の旅館のアンケートに、「当日は、何かの記念日ですか?」という問いがあったので、「この日で、日本一周を達成する予定なので、その記念日です!」と書いたことを旅館を出た直後に思い出しましたが、見事に無視された格好です。まぁ今更言っても詮ないことですが…

今日は有馬温泉から六甲山を降りて神戸市内へ戻り、ちょっとだけ観光してから帰途につく予定です。まずは六甲山ロープウェイで六甲山頂を目指します。六甲山でも紅葉が見られるのではとちょっとだけ期待していたのですが、残念ながらもう紅葉は終わりの感じでした。
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六甲山頂駅を降りると、満員の乗客は一斉に展望台に向かって歩き出すので、我々もついてゆきます。着いた展望台にはデジャヴ感があり、すぐに思い出します。「この展望台、4年前に神戸市内をタクシー観光した時に最初に案内されたあの展望台だ?」(投稿はこちら) あの時の記憶では、この展望台から見える大部分が大阪だったという運転手さんの案内があって、あの時にはちょっとだけがっかりした記憶があるのですが、今回は予期せぬ大阪観光のゴールとしてのこの風景に、何だかとっても嬉しくなりました。大阪観光の、"高いところその5"は、最終日に無事達成です!
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次はバスに乗ってケーブルカーを目指します。途中にはいくつか魅力的そうな観光スポットもあるようだったのですが、今回はスルーします。その後、ケーブルカーに乗り換え、さらに六甲山を下ります。
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ケーブルカーからは普通の路線バスに乗り換えて電車の駅を目指します。この辺りは確か前回もタクシーで観光した神戸大学がある学園都市ですが、路線バスに乗っていてもわかるくらい坂がきつく、運転手さんがバスの中での立ち上がり等に関東ならば異常と思われるほどうるさいのですが、確かにこの坂道で不用意に立つと事故につながる危険性が高そうで、再三の注意も頷ける路線バスでした。
阪急電車にも久し振りに乗りたかったので、阪急の駅前でバスを下車して三宮へ。お昼まではまだ時間があったので、神戸の中心部をぶらぶらしながら生田神社に参拝。生田神社と言えば藤原紀香の一回目の結婚式で更に有名になった場所ですが、今やその効果もないとは思うのですが、昔から関西では愛され続けた神社なので、相変わらず参拝の人はたくさんいました。
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更に神戸市内を散策して、お昼を食べる予定の中華街である南京町に向かいます。神戸の南京町と、26年くらい前には私のセールスエリアだった横浜の中華街には、何か不思議な共通点があるような気がします。神戸南京町の最寄り駅は元町ですが、横浜にもすぐそばに元町があり、今や鉄道の最寄り駅は「元町中華街」です。横浜の古い人たちは、中華街のことを”南京町”と呼び、それも神戸と同じです。それ以外にももっとたくさん共通点はありそうなので、探してみようとも思いましたが、さすがにこの日は日曜日で、南京町の混雑は想像以上です。
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特に目的のレストランを決めていた訳でもないので、人波のプレッシャーに疲れてすぐ近くの呼び込みに釣られて昼食を取ります。なので味は、”中華料理”という以外の共通点は発見できませんでした。
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ゆっくりと南京町を見てゆっくりと昼食を楽しむ積もりでしたが、満員のお店に急かされ、早々に追い出されてしまいます。南京町は相変わらず凄い人だし、食事の後にはこの凄い人ごみの中を散策する気分にもなれませんので、少し早めに新神戸に向かい、列車を早い時刻に変更して帰途につきました。

これで2年にわたった日本一周の旅もめでたくフィナーレ。今年中に総括を投稿して、一周目を無事に終わることにします。



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13.日本一周達成!<その2:京都(後編)> [日本一周(一周目)]

 
2日目:12月1日(木)

昨晩、早く寝た分いつものように早く目が覚めてしまうという、毎度の老人的な起床です。
昨日はホテルの部屋の窓を開けて外を見る余裕すらありませんでした。そういえば京都駅内のこのホテル、「運が良ければ部屋から新幹線のホームが見える。」と何かに書いてあったのを思い出してカーテンを開けてみると、確かにすぐそこには新幹線のホームが見え、鉄ちゃん魂を大いに揺さぶります。
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今日も引き続き、京都市内を楽しむことにしています。今日は人気の嵯峨野トロッコ列車と保津川の舟下りを楽しめる定期観光バスを予約しており、その定期観光バスは京都駅発なので、その意味でも駅ナカのホテルはベストなのです。

トロッコ列車はその予約が取りにくいことでも有名で、予約を取るには1ヶ月前に旅行会社に行かなければなりません。埼玉や東京の旅行会社では、滅多にこのトロッコの個人予約をすることはないので、担当にあたった窓口の方にしてみれば、マニュアルを見ての慣れない予約も面倒だし、おまけにこの列車の単価はすごく安いので、手間ばっかりで儲からないし… と、招かれざる客になるのが昔の経験上100%確実なのですが、当日の予約では、立ち席になるか最悪乗れないこともあるので、何らかの手間のかからない手段で予約はしておきたいところです。
おまけに、トロッコ列車の終着駅と保津川下りの船の発着場所は近いとは言え歩くことはできません。馬車もあったりタクシーもいるようなのですが、何となく乗り継ぎも面倒そうです。

その点、この定期観光バスをポチっとネット予約すれば、トロッコ列車も保津川下りも自動的に予約が完了するのです。観光バスのスケジュールでは、保津川下り後に嵐山で2時間のフリータイムがあり、渡月橋や今年のJR東海の紅葉CMの舞台になった天龍寺も見られるので、バスの値段は1人1万円近くと決して安くはないけれど、利用価値は高そうという判断です。(船下りとトロッコ列車だけでも、普通に買ったら@5000円はします。)

昨晩泊まった京都駅ナカのホテルでは、宿泊者には無料でコインロッカーを使わせてくれるので、バッグ+リュックまで預けてすっかり身軽になり観光バスに乗り込みます。

紅葉のピークは過ぎているとは言え、このトロッコのコースは大人気で、この日も平日なのに二台での運行です。満員のバスはまず市内を抜け、1時間後のトロッコ列車を目指します。
たった25分のトロッコ列車ではあるものの全席指定席で、バスの中で座席指定を配られます。
10時発のトロッコ列車、すでに前の列車の混雑でやや遅れているらしく、数分遅れでの到着です。
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トロッコ列車は予想通り満席で、立っている人も多くいます。「眺めはどっちでも見られますからご安心ください。」とバスガイドさんは言い、確かに最初は我々が指定された左側に保津川の流れとややシーズン終り感満載の紅葉が展開します。
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景色は途中から右側に移り、その後の左側の景色はずっと単調。次に来るとき座席が指定できるのであれば、絶対右側にしようと思った瞬間でした。
呆気なく25分でトロッコ列車を降りると、小雨が降っています。そう、今朝の天気予報では関西でも京都だけが”曇り時々雨”。でもこの旅で雨に降られたのはこの駅でバスに乗り換えるこのタイミングだけでしたので、やはり我々はラッキーでした。

意外と遠かった船下りの乗り場までは朝とは別の貸切バスで移動します。「トロッコ列車のお客様を、前のバスで追いかけるのは時間的に無理。」なのだそうで、そうするとこの定期観光には2台の貸切バスを手配する必要があるのですから、そのコストを考えても定期観光バスが暴利ではないことが頷けます。

2台口のバスの乗客は、5艘ぐらいの船に分かれ、いよいよ保津川下りのスタートです。
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この保津川下り、急流をこぎ手3人で二時間近く船を操るので、今までに乗った熊本の球磨川や埼玉の長瀞の急流下りに比べても随分とスリリングで、乗り応えはMaxです。
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時折、本当に急流のところではスリル満点で、右端に座っている私はその都度かなり水しぶきを浴びます。
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横を走るのは、さっき乗ってきたトロッコ列車の線路。トロッコ列車とすれ違う時には、お互いに手を振りあいます。
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紅葉はもう終りの季節でしたが、それでも時折、美しい紅葉を眺めることができます。
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三人のこぎ手は、前と後ろで漕ぐ人と、進む位置を修正する役割を何度か交代しながら進みます。案内も関西風にユーモア溢れた掛け合いもあり、"2時間は、ちょっと長いかな?"とも思っていましたが、全然そんなことはありませんでした。
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ようやく嵐山に着いてフリータイムが始まったのは1時頃。観光客で大混雑の嵐山では、ピーク期間中は2時間あっても食事ができない人が続出するらしく、バスガイドさんは行きのバスの中で「昼食難民にならないように」と必死に万一の時の非常手段を説明していましたが、ピーク過ぎのこの日は渡月橋に近いごく普通の洋食屋さんに並ばずに入ることができました。

昼食後は、まず久し振りの渡月橋を往復。紅葉は終わっていたけれど、ここの風景は何回見てもいいものです。
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バスの乗客の皆さんの興味は天龍寺だったようですが、我々の興味はすぐ近くの宝巌院。もう紅葉が殆ど終りの天龍寺のすぐ近くでありながら、まだ紅葉が楽しめるという情報を得ていた故です。(今日のバスガイドさんは、一言もそんなことは言わなかったけど…)事実、宝巌院は美しかった! 昨日行った永観堂と甲乙つけがたいほどのギリギリ最後の紅葉で、散りもみじの風情とともに素晴らしい眺めでした。
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昼食にあまり時間を使わなかった分、天龍寺を見る時間もまだあります。いくら紅葉が終わっているとは言え、ツアー代金には天龍寺の入場料は含まれているし、何といっても世界遺産です。
JR東海のCMで散々見た紅葉の風景はありませんでしたが、世界遺産と池の風景は全くそのものでした。
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CMで使われた紅葉の風景は確かに終わってはいましたが、その周辺を散歩すると、あちこちにまだ紅葉はたくさん残っています。
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ちょっとだけ見るつもりの天龍寺でしたが、意外に見応えがありました。

天龍寺の奥には竹林もあり、周辺をゆっくりと観光したかったのですが、ぼちぼち3時20分のバスへの集合時間が迫っています。このバス、後は京都駅に帰るだけなので、別にこのバスに乗る必要もないので、「連絡さえしてくれれば、戻って来なくてもいいですよ。」とバスガイドさんからも戻って来ない人がいる想定で案内があります。我々も戻ろうかもう少し嵐山のお店やさんでのんびり見ようか少し迷ったのですが、途中、同じバスに乗っていたお年寄りから、「バス、こっちでしたっけ?」とまるで添乗員のように頼られたので、「こっちです。一緒に行きましょう。」と言わざるを得なくなってしまい、結局時間前に集合時間に戻ることになりました。でも、皆さん意外と真面目と言うか律儀で、結局集合時間前にはほぼ全員がバスに帰って来ていました。

京都駅で無料のホテルのロッカーから荷物を出して、今晩の宿である祇園にある料理旅館に向かいます。
京都を日本一周のゴールに考えていた時には、京都でも有名な純和風の名旅館に最後の宿泊をイメージしていたのですが、まだ最後の宿泊ではないので、一泊数万円までは出せません。とは言え、今回の旅ではまだ京都の美味しい料理を全く味わっていないのと、実はこの日12月1日は32回目の結婚記念日なので、ゴールの日ほどではないにせよ、少しは贅沢したいと思い、八坂神社そばの料理旅館の”記念日プラン”を数ヵ月前から予約していました。元気が良ければ夕食後にすぐ近くの高台寺のライトアップを見に行こうと目論んでもいました。
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料理旅館という名前に恥じずに、どの料理も京都らしい素晴らしい味でした。鍋のところで、”まる鍋”つまりすっぽんが出てきたことに妻は感激してくれたようです。最後のサプライズにホールケーキが出て来て、結婚記念日のセレモニーも無事終了。ケーキまでとっても美味でしたが、さすがに全部は食べられませんでした。

夕食に満足して、ほろ酔いの老夫婦にはもういくら近くでもライトアップ観光に行く元気はありません。早々に床についてしまいました。

3日目:12月2日(金)

旅館からほんの数分歩くと八坂神社、さらに少し歩くと円山公園があるのは地図を見て知っていましたので、早起きの老人は贅沢な朝の散歩で両方に行くことを考えていました。
私は5時半頃にはもうスタンバイ完了だったのですが、この時期の京都の日の出は6時45分頃なので、時間を潰してようやく6時半頃に散歩を始めます。
まだ朝が明けないうちに八坂神社で参拝を済ませます。
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朝の紅葉を眺めながら、八坂神社を隣の円山公園までぶらり。
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円山公園では地元の人たちがラジオ体操をやっていてます。いずこも同じ風景ではありますが、何をやっても絵になる場所(京都)には、そうでない場所(例えば、埼玉)はどうしても歯が立ちませんね!?円山公園の景色を愛でながら散歩を続け、至高のひとときです。
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公園の奥には坂本龍馬と中岡慎太郎の像があり、もみじでおめかししています。
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そういえば、龍馬たちが暗殺された近江屋は確かこの近くだったような記憶が…

朝食を食べ、京都旅行の荷物を我が家に送り返して、大満足の料理旅館を後にします。京都の最後の観光として、昨晩ライトアップに行かなかった高台寺に向かいます。
高台寺ですが、昨晩行かなくて正解でした。予想以上に坂が多く、暗い中を歩くことは私にとってはかなり危険で、ほろ酔いで来ても恐らくは引き返していたであろうと思われるからです。
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秀吉の妻ねねゆかりの高台寺で、この旅最後の京都の紅葉を満喫しました。
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次はいよいよ日本一周最後の地、大阪です!

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13.日本一周達成!<その1:京都(前編)> [日本一周(一周目)]


日本一周を始めた2年前から、「日本一周のゴールは、紅葉の京都で!」とその華麗なるフィニッシュを実は密かに意識していました。
昨年、無職になりせっせと日本のあちこちを訪ねていた時には、昨年11月のフィニッシュは十分に可能なペースだったのですが、我が家の家計的事情つまりお金が底を尽きはじめてきていて、早急に再就職しなければ、元々決して豊かではない我が家がギリシャ的な財政危機に瀕してしまうという危惧から、予定より数ヵ月早く昨年11月から再就職してしまいましたので、その時点で2015年中のゴールは諦め、翌年(つまり今年2016年)に一年間延期をしていたのです。

今年になってからも、11月のゴールを目標に1月には神奈川と千葉、GWには滋賀と愛知、そして夏には北東北と順調に踏破を増やし、いよいよ2年前に日本一周をはじめてからまだ踏破していない都道府県は京都と大阪の2府だけになり、順調にゴールが見えてきていました。

という事で、まだ多少は残っている有給休暇を取って、京都と大阪を踏破すればめでたく日本一周は達成なのですが、フィニッシュを決める旅ですから「ただ、行けばいい」というものではなく、美しい景色の下で「ゴ~ル!」という達成感と感動を味わいたいので、出来れば美しい古都の紅葉の下でフィニッシュしたいというのが憧れでした。
しかしながら、近年紅葉時期の京都の観光客の数は、JR東海のお陰で(!?)半端ではないらしく、いくら綺麗でももみじより人間の方が多い京都は流石に勘弁です。ついては、より美しく静かなゴールを目指し積極的な情報収集を1月からはじめていました。

4月のGWに比叡山に来たときに、京都で乗ったベテランの個人タクシーの運転手さんにその質問をしたところ、
「11月後半の勤労感謝の日のある週は絶対来ちゃダメ!どこに行くにも車も人も大渋滞で、ろくに観光なんてできないよ!」
「じゃあ、いつがいいの?」
「その翌週、出来れば12月に入ってすぐが人も減るのでオススメ!」
「でも、そうすると紅葉終わってない?」
「自然のことなので、毎年変わるからあるでは意味ギャンブル。でも、例年12月の最初までは恐らくは大丈夫。」
という地元のプロのアドバイスを参考に、プラン作りを進めます。

ピークを外したとは言え、この時期のホテル確保も容易ではなく、半年前に予約開始の東横インチェーンの予約は、発売日の午後には既に京都市内は全館満室になっているといういささか驚くべき京都人気です。

最初は2府の内、大阪を踏破してから京都に乗り込みたかったのですが、それだと休暇の関係で京都が週末に当たってしまうのと、やはり12月だと紅葉を楽しむには1日でも早い方が良いだろうと考え、理想のゴールとは残念ながらいかないのですが、京都→大阪の順番で回ることにしました。最後が京都ではなく大阪ということにいささかの抵抗はありましたが、「ゴールの旅」に京都が含まれていることで強引に自分を納得させたのです 。
この旅の最終日には、日本一周のゴールとして自分たちへのご褒美で少しはいい宿に泊まりたいと考えていましたので、温泉に拘った我々は最終宿泊地に有馬温泉を選択し、2府と言いながら結局京都・大阪・神戸の”三都物語”の旅になってしまいました。

1日目:11月30日(水)

この日はギリギリ11月なので、早速京都の紅葉を満喫する予定です。とは言え、始発で家を出る元気もなく、いつもと同じ時間の通勤電車へ。普段はギュウギュウの通勤電車ですが、グリーン車を奮発したお陰で何とか妻と二人分バラバラですが座席を確保でき、まずは幸先いいスタートです。

東京駅で朝食にと全国各地の駅弁を選び、8時半ののぞみで京都駅を目指します。
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ところで、この日本一周では再三富士山には嫌われ続けて、2年前一回目の沖縄行きの飛行機の窓から眺めて以来、一度も晴天の富士山をパチリと撮るチャンスはありませんでした。運転中には何度か富士山が見えた瞬間はあったのですが、片手運転の私は運転中にパチリと撮ることはできません。富士山の勇姿を収めようと慌てて次のパーキングに向かいますが、その時には意地悪な富士はもう姿を隠してしまっています。何度も中央や東名を走った各地への往復だけではなく、伊豆、静岡、山梨の旅の時も富士山のご機嫌はず~っと悪かったのです。
今回の行きの新幹線がこの日本一周でのラストチャンスなので、進行方向右側の窓際で運命の瞬間を駅弁を頬張りながら待ちます。
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本日は静岡・京都共に曇りの予報でしたが、神奈川県内走行中に綺麗な富士が遠くに見えます!
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「やった~! 遂に富士山とご対面だぁ~!」と、新しいデジカメの連写機能を準備して富士山に最接近する瞬間を待ちます。ネットで調べた情報通りに東京駅発の45分後にその瞬間を迎え、バチバチと連写します!
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この2年間の日本一周のさまざまなシーンが、走馬灯のように甦って感無量になった瞬間でした。

京都では到着後すぐにタクシーで観光する予定です。2013年、長崎でタクシー観光の魅力に取りつかれて以来何度目かの貸切タクシー利用ですが、足が悪いことを除いても、時間と利便性と料金を比較すると、市内の観光はタクシー貸切がベストであることを疑う余地はありません。

昔、修学旅行の添乗員として学生を引率して降りた懐かしの京都駅八条口には早速ドライバーさんのお出迎えです。このドライバーさん、出発前にはご丁寧に打ち合わせの電話を2回もいただきました。1月以上前の最初の電話では
「当日は、何処に行きたいですか?」
「まだわからないでしょうが、その時点で紅葉がベストの場所をお願いします。」
というやり取りがあり、2週間前の電話では、「今年は、紅葉が早い!」という情報を教えてくれました。

そうです、この1ヶ月京都の紅葉情報を毎日のようにネットでチェックしていましたが、ネットの情報でもとにかく2016年の紅葉は早く、例年なら12月上旬までは見頃が続く箇所も含めて大半の紅葉スポットが「見頃終わり」。おまけに「2日前の雨で、僅かに残っていた葉も落ちた。」というショッキングな報道で、思わず4月の運転手さんの発した”ギャンブル”というフレーズを思いだし、出発前から大いにモチベーションが下がったのですが、今更旅行を延期や中止する筈もありません。

「そんなに悲観することはなく、まだ紅葉が楽しめる場所はありますよ! じゃぁ、行きましょう!」運転手さんの力強い励ましに一度は萎んだ期待を膨らませて、京都の市内へと進みます。

紅葉を見たい場所とその状況は自分なりにしっかり下調べしていたのですが、信頼できそうな運転手さんのプランをベースにして、私が行きたい場所を加えてもらう方向で今日の方向性が決まります。
まずは運転手さんオススメの龍安寺方面に進み、最初に訪れたのは数少ない”今もまだ見頃”らしい「北野天満宮」。高校生時代、受験の願掛けで来て以来の北野天満宮で、まずは礼儀として紅葉の前に学問の神様に参拝をします。とは言え、今は学問の神様にお願いする対象者もいないので、まだハイハイもできない生後7ヶ月の孫の学問成就をお祈りします。そのお陰なのか、その翌日に孫がはじめてハイハイをする画像が娘より送られて来ます。「さすがに菅公、やっぱりそのご利益は凄い!」と密かに感動してしまいました。
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有料のもみじ園は、終わりかけの感じではあったものの、十分に楽しむことができました。
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運転手さんは車からずっとガイド役を務めてくれています。もみじの景色にはガイドは不要かなぁとも思っていましたが、そこは京都ですから深い歴史があり、プロのガイドさんに変身した運転手さんの口からは、我々の知らない天皇の名前が何人も出て来て、非常に新鮮です。日本史にもかなり詳しかったという自負はあったのですが、18歳の大学受験以来触れていないので、久し振りの日本史は新鮮です。「もう一度日本史の勉強をしなおさなきゃ!」と思い返した瞬間でした。
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次の見学地は龍安寺。龍安寺と言えば枯山水の庭園のイメージがあまりに強かったため、紅葉の観光としてはノーマークでした。
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高校時代もしくは昭和の時代修学旅行の添乗員として頻繁に京都に来ていた頃以来の龍安寺の枯山水を久し振りに見て、古寺+紅葉という京都の魅力を満喫しました。
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ここでも、運転手さんの歴史案内が旅を大いに盛り上げてくれました。
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次もすぐ近くの仁和寺。仁和寺も名前は知っていたけど、来るのははじめてかもしれません。勿論、紅葉スポットとしても恥ずかしながら構想外でした。
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仁和寺は、紅葉はともかくやはりお寺としての魅力に溢れたスポットで、心地よいひとときでした。
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次は遅めの昼食。運転手さんからは「美味しいお店を手配しましょうか?」というお誘いはあったのですが、この日は我々的には、「食事よりも紅葉」の気分だったので、ごく普通のうどん屋さんでのランチです。もう1時半を過ぎているのにタクシーの運転手さんたちが入ってきます。運転手さん仲間には定番のお店なのでしょうか?

昼食後は東山地区へ。今日最初に回った金閣寺(行ってませんが)周辺エリアは、運転手さんによると紅葉は少し遅めとのことでしたが、逆に東山地区にはみどころは多いものの今年はもう紅葉が終わりかけているとのネット情報でしたが、それでもまだみどころが残っていることを信じての訪問です。
東山最初のみどころは運転手さんおすすめの青蓮院。私も、ライトアップでマークしていた紅葉スポットでしたが、「昼も夜もいいよ!」という運転手さんのお薦めでの訪問です。
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さすがに紅葉スポットが集まる東山でも有数の人気スポットなので、景色と一緒に紅葉はまだ楽しめました。何よりも意外なほど観光客が少ないことに心からびっくりしました。あのピーク時からたった1週間後なのに…(とは言いながらピーク時の混雑を見た訳ではなく想像上だけですが…)
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ここまで来たら、「次は永観堂に行きたい!」と運転手さんにお願いします。私の事前リサーチによれば、「東山の中では、一番紅葉がまだ残っている場所」なのだとか。
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永観堂は予想以上に紅葉が残っていて、十分に見応えがありました。おまけに高台のみどころに行くには嬉しいことにエレベーターがあるのです!
大満足の永観堂でした。
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この時点で時刻は4時半になり、まもなく日没になります。京都の紅葉スポットの殆どはライトアップ営業をしているので、一旦5時にクローズして、6時に夜の部をオープンするので、しばらくは紅葉のみどころはどこも見られません。今日の最後は清水寺の参道でタクシーを終了して、参道付近で適当に夕食を取ってから清水寺のライトアップに行く予定にしていたのですが、さすがに今から清水寺に行くのはいくら何でも早すぎます。運転手さんは、「紅葉じゃぁ全然ないけど、三十三間堂にでも行きますか?」と提案してくれましたが、まだほんの僅か日没まで時間がありそうだったので、伏見稲荷に向かってもらうことにしました。
伏見稲荷は知ってはいたものの訪問経験はありません。昔はさほどメジャーな観光スポットではありませんでしたが、外国人から火がついてメジャー観光地化した代表例でしょう。有名になったあの千本鳥居を歩きたいための訪問で、紅葉スポットではないのでライトアップもありません。
ギリギリ日没直前の到着だったので、何とか真っ暗になる前にまず参拝だけは片付けます。
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秋の日はつるべ落としなので、あっという間に真っ暗になってしまいます。数分後、伏見稲荷目的地の千本鳥居に着いた時には、結構真っ暗になっていましたが、フラッシュで写真を撮った後、灯りが僅かにともる千本鳥居を歩きます。
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この時間、日本人はあまりいませんが、さすがに海外での有名観光地だけあって、外国人はたくさんいます。ここでも運転手さんの案内でとても興味深い見学ができました。

予定通り清水寺の参道まで送っていただき、大満足の貸切タクシーを終了します。大人気の清水寺のライトアップはオープン直後は激混みとの情報から、最初は運転手さんが電話で予約してくれた参道の京料理のお店に向かいます。この時間、清水寺に向かう人波は凄く、確かに今清水に行かない方が良さそうです。
私が修学旅行の添乗員としてしょっちゅう来ていた頃は、この参道のお店は修学旅行向けのお店ばかりだったので、今晩の夕食に大きな期待はしていません。4月に南禅寺で食べて以来の湯豆腐をいただきますが、期待していなかった分、4月の時とあまり変わらない印象でした。

夕食後、いよいよ清水寺に向かいます。予想通りこの時間は清水見学を終えて降りてくる人たちがとても多く、慌てて行っても相変わらずの人間渋滞に巻き込まれるだけだと思ったので、妻と参道のお店をゆっくりと覗きながらいつも以上に超スローペースで歩きます。7時半近くなって清水寺に着きましたが、想像通り人はかなり減っていて、これなら快適な見学ができそうです。
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清水の舞台上や、舞台と紅葉が見られる展望スポットでは、スタッフが、「立ち止まらないで下さい!」と連呼してはいましたが、それでも有名な風景の写真を撮る余裕は十分にありました。
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それにしても、先月買った新しいカメラ、夜景もバッチリで大満足です。思い切って買って大正解!
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今日の宿泊は京都駅の中のホテル。直前まで市内のビジネスホテルを押さえていたのですが、出発の数日前に”間際キャンセルの空室”を狙ってサイトを見てみると、期待通りの”直前割引”が出ています。半年前から、ずっと満室だったホテルなのに… です。

フロントで自宅から送った”京都分の荷物”を無事受け取ります。この旅のロジスティクスについては、荷物を持って観光することができない私の大きな課題でした。人気観光地故に連泊はできないし&京都のこの時期は寒いと言うし… 結局、荷物を2日分づつ2つに分けて京都と大阪のそれぞれのホテルに送ることにして、それぞれの翌日にも、荷物を持って観光をしない工夫を考えたのです。

1日観光してとにかく疲れた老夫婦は、部屋に入るなりあっという間に眠りに落ちてしまいました。

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【日帰りプチトリップ】大糸線と糸魚川の旅 [日本一周(一周目)]


東北旅行から2ヶ月が過ぎ、またぞろ「旅に出たい!」といういつもの私の病気がムクムクと起き出してしまいました。次の旅、つまり「日本一周最後の旅」までは残すところあと1ヶ月、「我慢しろよ!お金、無いんだからぁ…」という自身の理性と、「う~ん。わかっちゃいるけど… でも、行きた~い!」というもう1人のやんちゃ坊主とが心の中で朝から夜中まで生議論を続ける日々が毎日のように続きます。

そんな葛藤の日々が続くある日、いつもは降りない駅での買い物の帰り道、その駅にあったパンフレットを何とはなしに眺めていたところ、「大糸線の旅」というパンフレットに目が止まります。大糸線を走るリゾートトレインのパンフレットなのですが、学生時代以来の大糸線にも大いに興味を引かれますし、何より終点の糸魚川という名前は、鉄道とフォッサマグナのお陰で40年以上知ってはいたものの未だに訪問を果たせていない憧れの街。咋夏の日本一周でも、日程の都合で泣く泣く通過した場所なのでした。そして帰りには、長野以降にはまだ未体験の北陸新幹線にも乗れるじゃん!と、家に帰りつく前に早くも旅のマスタープランが出来上がります。
「この列車に乗りに行くだけなら、日帰りで行けるし費用も抑えられるし、いいでしょ!? ちょうど紅葉だって見られるかも知れないし…」と、やんちゃ坊主が僅かな理性を全力で口説き落としにかかります。家に帰ってすぐに列車のダイヤを調べ、二週間後の日曜日の指定席が無事に確保できることが判った段階で、私の理性も渋々了解してくれたようです。

新宿から中央線で松本に行き、大糸線で糸魚川まで行って、そこから北陸新幹線で大宮まで戻れば、費用も節約できる長~い片道切符での旅が出来るのでその予定で指定券を揃えましたが、前日に急遽仙台に日帰りする用が出来たため、土日の2日間JR東日本線が乗り放題のきっぷ「週末パス」に切り替えたので、この旅に限ってのコストとすれば、更に抑えることができました。鉄ちゃん気分で殆ど列車に乗るだけの1日なので、勿論一人旅です。

実施日は10月30日(日)。当日はいつもの通り4時には目が覚めてしまい、早めに家を出ます。新宿発7時半のあずさの指定券を持っていたのですが、新宿に早く着いたので、一本前のスーパーあずさの自由席の窓側を確保します。7時発のあずさ1号は「スーパーあずさ」だし、新宿も松本も始発&終着駅だし、そしてなんと言っても1号ですから何となく気分がいいのでは?と思った故の行動です。

朝のあずさは、平日ならばすれ違う満員電車や人が溢れているホームを見ながら、大いなる優越感に浸ることが出来る列車なのですが、この日は日曜日なのでそんな小市民の儚い優越感もなく、淡々と郊外のマンションだらけの住宅街を走って行きます。立川・八王子と停まるたびに乗客は増え続けて、八王子を出る頃には通路には座れない乗客が溢れます。立っている人に恨めしそうに睨まれて、自由席に乗ったことを今更ながら後悔します。

この日の天気は曇り~晴れの天気予報でしたが、山梨県に入ると山は小雨に煙っているような感じです。
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今回も残念ながら富士山はその姿を全く現してはくれません。「また今回も勿体振りやがって…」と、今回も会えない富士山に独り言で毒づいてみます。埼玉の自宅からは、この季節になると結構頻繁に富士山は見えるのに、この日本一周で近くまで会いに行くと、恥ずかしがり屋のこの旅での富士山は、決まってその姿を隠してしまうのです。日本一周で富士山を仰ぎ見るチャンスは、いよいよあとたった一回だけになってしまいました。「一周目は全滅」だけは何としても避けたいのですが…

今回、日帰りでも旅に出たかった理由の一つに、新調した新しいデジカメを早速試してみたいという理由もありました。以前のカメラでは日本一周で本当にたくさん写真を撮って、最近は老人の眼のでように、ピントがすぐには合わなくなって来ていたので、孫の写真でカメラ需要が益々増えるこのタイミングで、思い切って買い換えたのです。ちょっとだけ紅葉している車窓風景を、早速パチパチと撮影してみます。
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列車から見える韮崎の平和観音も望遠でパチリ。新しいデジカメの調子は上々のようです。
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雨は止んだようですが、雲は晴れず、反対側の車窓からも八ヶ岳は見えそうにありません。でも小淵沢を過ぎて長野県に入った辺りから、少しずつ日が射しはじめてようやく旅行日和になってきました。
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諏訪湖を車窓から眺めるのは、恐らく15年くらい振りです。「車窓から撮影ポイントってあったかしら…?」とカメラをずっと構えたままにしていましたが、結局一度もシャッターを押しませんでした。
塩尻。駅前のビジネスホテルは1年前に上高地に行く前日に泊まり、「驚くほど駅前には何にもない!」ので、夕食場所を探して随分と歩き、ようやく繁華街らしき場所を発見した記憶が甦りました。

一本早いあずさで着いたので、終点の松本では40分以上の余裕があったので、とりあえず駅前広場に出てみます。
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タクシーに乗れば松本城を眺めるだけくらいの時間はありそうでしたが、何となくその気にもならずに駅前をただぶらぶらして、お目当てのリゾートトレインの到着を待ちます。列車を待つ間、暇なので新しいカメラの機能をいろいろと試してみます。一回のシャッターで数枚の変わった趣の写真が撮れる新機能では、こんな昔っぽい写真も白黒の写真も、たった一回のシャッターで撮れるのです!
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私は右手が使えないので、左手でカメラを構えて左手でシャッターを押すのが難しく、背面のモニターにタッチして撮影する”タッチシャッター”を愛用しています。新しいカメラも当然タッチシャッターを使えること前提で選んだのですが、今度のカメラは今までのものよりもサイズが小さく、左手でカメラを構えながらシャッターを押すことも可能なのです! いくらタッチシャッターがあるとはいえ、やっぱりシャッターを押すことで使える機能もありますので、その意味でも今回のカメラは大正解だったと云えます。
今回のカメラは”デジカメの専門店”で買いましたが、店頭価格は価格ドットコムの最安値よりもさらに△6,000円! ネットよりも店頭のほうがこんなに安いことがあるんだぁ~ と、いい勉強になりました!
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(宣伝料をもらっているわけではありませんが、感謝を込めて。アフィリエイトではないので、リンクはありません。)

本日のメインであるリゾートトレイン”ふるさと”は長野駅発。日本三大車窓の姨捨を通って松本から大糸線に入ります。メインなのだから始発駅から乗るべきなのかも知れませんが、姨捨の風景は昨年夏に”車で”行っているので、予算の関係もあり松本からの途中乗車にしていました。
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松本に到着したリゾート列車は、予想以上に空いており、私同様ここ松本からの乗車が多いようです。
”えきねっと”で座席を指定して予約していた席は、前から二列目の左側の窓際。さすがに一番前は既に埋まっていますが、隣には誰も来ずにゆっくりとくつろげる感じで、鉄ちゃんとしてはありがたい余裕です。
列車は快速らしく松本付近の小さな駅を飛ばして行きます。車窓はまだ住宅地の風景で、信州らしい山並みは広がっていないからなのか、早速リゾートトレインらしい地元の演芸タイムが始まっています。
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松本を出て最初の停車駅は穂高。この駅では20分以上の停車時間があり、駅近くの穂高神社まで案内してくれるのもこのリゾートトレインのウリとのことで、当然の如くゾロゾロと途中下車すると、駅には巫女さんがお出迎えです。
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穂高神社までは徒歩5分とのことですが、団体で歩いていると観光バスの乗客にでもなったような気分になります。巫女さんから神社についての説明を受け、三々五々参拝をします。穂高神社は交通関係の神様らしいので、車で来てはいないものの車に貼るステッカーをこの旅唯一のお土産として仕入れます。
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帰りは神社から駅までバラバラに帰りますが、ゆっくり観光してもまだ時間がたっぷりある絶妙のダイヤで、列車に乗るだけで穂高神社を満喫することができました。

その後は特に長時間停車するような駅もなく、グリーン車以上にゆったりと広い座席に座って車窓風景を満喫します。ようやく天気も良くなってきて、少しずつ北アルプスの山並みも見えてきます。
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美しい川を渡り、いよいよ信州らしさ全開になって来ました。川の名前はリゾートアテンダントさんがちゃんと説明してくれた筈なのですが、既に老人性健忘症が始まっている私は、見事に失念してしまいました。(というより、てっきり梓川だとこれを書くまで勘違いしていました)また、リゾートアテンダントという職業は、てっきり女性だという先入観を持っていましたが、今回のアテンダントさんは若い男性の方でした。
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信濃大町に停車。ご存じアルペンルートの玄関口ですが、今回は途中下車できません。駅のスタッフはあの手この手でリゾートトレインを歓迎してくれて、次はここで降りたいと思わせてくれる駅でした。
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大糸線の沿線のメイン仁科三湖、まず木崎湖です。
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山々の紅葉は思ったほどではありませんが、少しずつは始まっているようです。
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青木湖と遠くに見える美しい山並み。リゾートトレインは撮影しやすいように速度を落として運行してくれますが… でも、「電線が、邪魔!」なのです! でも、こればかりは如何ともできません。
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いつの間にか、この日も「最高の晴天」になってきました。やっぱり私は、富士山には縁はないけれど、晴れ男なのかな?
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(新しいカメラの効果も使っています)

終点近くの白馬で、この列車の大半の乗客が下車します。スキーをしない(今は、もうできない)私ですが、やっぱり白馬への憧れはそれなりにあります。白馬といえば何といっても長野オリンピックのジャンプ団体戦で、原田が、”ふ~なきぃ~!”と絶叫したシーンがとにかく印象に残っていますが、個人的には大学の時のゼミの夏合宿で来たことも印象に残っています。(ここでも、電線が邪魔ですね!?)
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列車の展望スペースを独占していたちびっ子たちが白馬で降りたので、ようやく鉄ちゃんらしく展望スペースに陣取ってみます。まずは、特急あずさとのすれ違い。
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いくつになっても先頭から眺める景色は本当に楽しいものです。
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リゾートトレインの終着駅は南小谷。なんでこんな途中駅が終着駅? という気もしますが、じつはこの南小谷はJR東日本の”終点”で、ここから先は”JR西日本”なのです。でも、駅はどう見てもJR東日本の駅で緑のレイアウトが基本のようです。西日本らしい青いレイアウトは駅内にはどこにも見当たりません。
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リゾートトレインを終点で降りた人は僅かに5人。3人は駅前にいたホテルの送迎車(懐かしのゼミ合宿で泊まったホテル。ということは35年前の私もこの駅で降りていたのかもしれません!?)に吸い込まれていきましたので、どうみても鉄ちゃんで駅から出てくる気配のない人もいて、早くも終着駅前に降り立ったのは私一人になりました。駅前は、何もなくいきなり風光明媚な川と山の風景です。
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とりあえずお昼をたべようと、食べログで人気のそば屋さんに向かいます。信州でこの時期なのできっと美味しい新そばが食べられるに違いない! と思って誰もいない道をトボトボと歩いて向かいますが、行ってみると駐車場には車が溢れていて、1時過ぎのこの時間でも順番待ちの大混雑です。次の列車まで2時間近くあるので辛抱強く待ってようやく待望のそばにありつけましたが、味は… ちょっと期待外れでした。お客さんが多すぎて店員さんも殺伐としていたせいでしょうか??
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昼食を終えて駅に戻ると、30分後発の列車はもう到着しています。JR西日本区間の切符を買うと、JR東日本の駅員さんは「もう乗っていいよ!」という感じで、自社の顧客でない私に興味はなさそうです。一両の列車に乗り込んで発車を待つことにします。
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1時間強の乗車時間でしたが、早起きとお昼に飲んだビールのせいでウトウトしてしまい、半分以上景色を楽しまずに夢の中を楽しんでいました。でも、ちょっと残念だったのはJR西日本の列車の窓がかなり汚れていたこと…
前に乗ったのがリゾートトレインでしたのでそれと比べるのは辛いのかもしれませんが、もうちょっと風景を楽しませてほしいものだと思ってしまったのは、私だけでしょうか…?(でも、熱心に景色を見ていたのも私だけでしたが…)
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この旅最後の目的地糸魚川に到着。糸魚川の滞在時間は僅か2時間弱なので、まずは駅前に出て40年以上憧れ続けた駅とのご対面です。
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「海に一番近い新幹線の駅」らしく海までは徒歩5分程度。日帰りの旅としては望外の日本海とのご対面です!
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日本海展望台から反対側の糸魚川市内を眺めてみます。正面に見えるのが糸魚川駅です。
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糸魚川の街並みも結構風情があります。次には、もっとゆっくり歩いてみたいものです。
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糸魚川と言えば、最近人気のB級グルメ「糸魚川ブラック焼きそば」。”ブラック”で想像できる通りイカ墨の入った焼きそばですが、イカ墨のスパゲティを最初に食べた時のような感動とまでは行きませんでした。
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糸魚川最後の見どころは駅内にあります。本物の列車を静態保存して待合室にしている「キハ52待合室」。
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その先には、鉄ちゃんには堪らないであろう「ジオラマ鉄道模型ステーション」があり、時間があればのんびりと見たいところです。
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この旅のファイナルは北陸新幹線。以前のカメラには連写機能がなかったため、走行中の北海道新幹線のベストショットが撮れずに悔しい思いをしていたので、新しいカメラでは連写機能も要件の一つにしていて、今回の糸魚川駅で停車直前とはいえ、初テストを実施して、イメージ通りの写真が撮れました!
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早くも、次の旅が楽しみになってきました!


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12.東北一周の旅<最終回:宮城県>  [日本一周(一周目)]


12日目:8月18日(木)続き

いよいよこの旅最後の県である宮城県です。宮城県は6年住んだ県で妻の実家もあるので、埼玉、東京、神奈川と並んで関東以外では唯一地元意識もある馴染み深い県です。今回の日本一周を始めてからも、ここ宮城には何度も立ち寄っています。
・昨年のGWに妻の帰省のドライバーを務め、白石と気仙沼や女川の震災地をめぐる(レポートはこちら
・昨年6~7月の北海道旅行の往復に。 往路は仙台から苫小牧行きのフェリーに乗り、復路は実家で北海道土産のカニを食べる
・昨年10月の南東北紅葉紀行の最後に立ち寄り、ここでニートをとりあえず卒業!

という感じです。”宮城県制覇”は既に達成といえば達成なのですが、今回は住んでいたくせに今までに行ったことがない場所や、懐かしい場所や人に会うことを中心にプランを組みました。

宮城県に入り、最初の目的地は唐桑半島。「宮城県に住んでいて、三陸には何度となく来た。」とあれほど言っていたくせに、実は唐桑半島は初めてです。本来であれば、風光明媚な海岸線のみどころである「巨釜・半造」に最初に行く予定にしていたのですが、朝から降り続く雨が更に激しさを増していたので、海岸線の観光は諦めて、半島突端の「津波体験館」に行くことにします。
津波体験館という名前なので、「東日本大震災を忘れない!」というために作られた施設かと思っていましたが、建物は存外古くどう見ても2011年以降の建築には見えません。
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受付で聞いたところ、「震災前から地元の教育用の施設として存在していた。」そうで、「とは言え、映像は2011年の津波で入れ替えた」とのことです。我々も、あの大震災がなければ決して訪ねることはなかったでしょう。
津波体験では画面から風が来たりちょっとだけ冷たい水が観客席に来たりするようですが、近年のテーマパークのアトラクションのような派手な演出がある筈はありません。USJのようなスリルを期待した私が愚かでした。でも何年後でも語り継ぎとこの津波体験館で、1人でも多くの方が津波の怖さを知って欲しいと切に願うばかりです。人間は、忘れてゆく生き物なので…

「唐桑半島の風光明媚な海岸線を楽しめないのであれば、せめて美味しい海の幸を満喫したい!」と思ったので、体験館の人に美味しいお店を聞きます。教えていただいたお寿司屋さんで、地物のネタの美味しい寿司を食べ、このお寿司と津波体験で唐桑半島に来た目的を達成したということにします。

気仙沼に入ります。気仙沼には昭和の時代には営業先もあり、昨年のGWにも来た馴染み深い場所です。雨のこの日の訪問先に選んだのは、「リアスアーク美術館」。美術品を見たい訳ではなく、この美術館に常設展示されている震災と津波の写真展を見るのが目的です。

圧倒的な津波の爪痕の写真に圧倒され、しばしば言葉を失い写真を前に立ちすくんでしまいます。何年後かに写真を見ているだけの我々ですら、しばしば何もできなくなるような茫然自失の状態にされるほどの凄い状態なのに、実際に現場にいてシャッターを押し続けた人の精神力には本当に感服してしまいます。ある意味、鹿児島で見た「知覧特攻平和会館」の衝撃と同じように、強烈なインパクトを受けました。

今日の宿泊地として選んだのは、気仙沼大島。車ごとフェリーで渡るとフェリー代が高くつくので、気仙沼港の無料駐車場に車を停めて、リュック一つで大島まで向かいます。フェリー出港まで時間があったので、港にある渡辺謙さんの喫茶店に立ち寄ってみます。入り口に謙さんの昨日付けの手書きのメッセージがあったので、「昨日、謙さん来たんだ!?」と聞くと、「これはFAX。ほぼ毎日送られてくる」のだとか。翌日、TVで見た謙さんはニューヨークにいました。
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気仙沼大島では特に観光する予定もなく、ただ「未訪の地なので、一度は行ってみたい。」ためだけに選んだ宿泊地です。フェリー乗船時間は僅か30分弱。ウミネコと遊ぶ間もなく、大島に着きます。
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大島港には、宿泊する国民宿舎の車が迎えに来てくれています。港付近にはかなりの数の自動車が雑然と停められています。運転手さんに聞くと、「毎朝、気仙沼まで通勤している人の車。大半の人は、気仙沼にもう一台車を持っていて、会社まで通っている。」のだそうです。
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気仙沼大島の宿泊も休暇村。乳頭温泉ですっかり休暇村ファンになった私でしたが、その熱も一晩で一気に冷めてしまいます。
その理由は夕食会場。最近流行りのメイン以外はビュッフェとなるハーフバイキングスタイルの夕食なのですが、ビュッフェなのに途中に高い段差があり、何も持たない時には私でも何とか昇降できるものの、料理を持つともう移動はできません。係員は見て見ぬふりというより完全に無視を決め込んでいて、団体客にのみ関心があるようで、結局ビュッフェを全く楽しめない苦痛の夕食でした。
公共宿泊施設と言えども、「バリアフリーなんて全く関心がない」という施設があるという、いい勉強になりました。

13日目:8月19日(金)

この日は、宮城県県北部を訪ねて日本三景の(この日本一周では)最後の一つになる松島に泊まります。

少しでも気仙沼大島の観光がしたい気持ちはあるのですが、車は対岸の気仙沼港に置いて来たので、意外に大きい気仙沼大島を回る足はありません。それを承知でただ「行くだけ」のためだけに来た大島だったので、後悔はありません。曇り空の中、再び気仙沼港に戻り久し振りに愛車を見たときには、少しだけホッとしました。

まずは45号線を走り昔県北地区の営業担当だった私の当時のセールステリトリーの中心地だった登米市を目指します。
気仙沼から仙台方面に向けて30分以上も走ったのに、奇妙なことにここでまた「岩手県」に入ります。この辺りは営業マン時代にも何度も通った懐かしの場所なのですが、こんなところに数十年も後に観光で来ることになるとは思いもしなかったのですが、今回の旅の岩手県最後の観光地が、ここにある「大籠キリシタン殉教公園」です。
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「こんなところ」と言っては大変失礼ですが、ここにも隠れキリシタンがいて、江戸幕府に弾圧された歴史が間違いなくあるのだそうです。今回はクリスチャンの妻もキリストの墓の時とは違って、神妙に展示に見入っていました。マスメディアや情報伝達手段がなかった安土桃山~江戸時代に、こんなところまでキリスト教が短期間で浸透したのですから、やっぱり宗教の力って本当に偉大だなぁ~! と改めて感心しました。

前にも書いた通りこの辺りは昔の馴染みの場所だったのですが、今回の旅では平成元年に私が横浜に転勤して以来ずっと会っていなかった「昭和の時代のお客様」の家に行ってみることを、一つの楽しみにしていました。27年間ずっと会ってはいなかったものの、この間年賀状だけはずっとやり取りさせていただいていました。その方は私より10歳以上は年上で、仕事でも大変お世話になったのですが、仕事以外でも大変に仲良くさせていただいた方です。
初めてその方たちとこの地でお酒を飲むことになった時、近所の旅館を予約して宴席に臨んだ私は、その方から大いに叱られたことが強烈な思い出です。駅から遠いその地で、その方ととことん飲みたいと思っていた私なので、当然の如くどこまでもお付き合いする覚悟で宿を取って宴会に臨んだのですが、「何て他人行儀な! 何故、我が家に泊まらない!?」と言われ、驚いたというか嬉しかったというか… その後の約2年の間には、当然のごとく何度となくその方の家に泊まらせていただき、遠慮なく深夜まで飲み、翌朝奥様の心のこもった朝御飯を毎回ご馳走になりました。
とは言え、27年も会っていないと行くのも何となく照れ臭いものです。アポイントを取って行こうにも、「何しに来るの?」と言われれば返事のしようもありませんし、「この日、都合悪いから別の日(時間)に来て。」と言われても、日程をやりくり出来るかは?です。という事で、「いなければいなくとも仕方がない。万一、不在ならばメッセージで来たという意志が伝えられるだけでも、それはそれでいいじゃない…」という気持ちで、ノーアポでお伺いすることにしていたのです。
さすがに27年振りなので、ナビがあっても多少道に迷い、その方のご自宅はリニューアルされていたのでちょっとだけ戸惑いましたが(考えてみれば、いつもご自宅にお邪魔していたのは深夜遅くだったので…)何とか家を探すことができ、幸運なことにその方は在宅されていました!
突然の27年振りの客にも関わらず歓迎していただき、1時間余り昔話と震災の話(この辺りは海からは大分遠いので、直接の被害はなかったようですが…)などですっかり盛り上がり、本当に「来て良かった」と思える訪問になりました。その方が私以上に当時のことを覚えていて下さったのが、何よりも嬉しいことでした。

積もる話はきりがないのですが、お昼時間を前にその方のご自宅を出ます。昔、お酒と朝御飯をたくさんご馳走になったので、「少しでも恩返しを」と思って東北各地でせっせと仕入れたお土産を渡しますが、昔受けた恩はまだまだ全然返しきれていません! もう一度大量に手土産を持って来たいと、改めて思いました。

本日のランチは南三陸町の志津川。ここで町おこしの「キラキラウニ丼」を食す予定でしたが、目指すお店に行きウニ丼を注文すると、「スミマセン。台風でウニは無いんです!」との残念な一言が… やむなくイクラ丼に切り替えましたが、イクラ丼も大満足の味でした。頑張れ、南三陸!
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「南三陸さんさん商店街」には、昨年のGWにも立ち寄っていて、売上に少しでも貢献すべくいくつかお土産を買って帰りましたが、「あの時の海苔が買いたい!」という妻のリクエストにより再訪して、海苔とそれ以外でささやかながら売上に貢献することにしました。
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南三陸にいくつかあるらしいモアイ像、でもゆっくりと探したわけではないので、今回もこれしか見つけられませんでした。
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去年のGWにはすぐそばまで行けた防災庁舎は、工事をしていて立ち入り禁止になっています。「まさか? 壊すの?」と気になりましたが、2年掛けて震災公園として残すための工事と聞いて、少し安心しました。

北上川の雄大な流れに沿って、次に向かったのは前回行けなかった震災遺構である「大川小学校」。ここでの悲劇は、子ども達がその悲劇の中心だったため、他の震災遺構と同等もしくはそれ以上に、心に訴えて来るものがあります。
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ここでもしばし立ちすくんでしまいました。
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石巻では震災ですっかり有名になった高台にある日和山公園にも立ち寄ります。ここからの津波の映像は本当に何度も何度も繰り返し見ていますので、改めてあの頃のことを思い出していました。
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本日の宿泊は松島。仙台で旅行会社の営業マンをしていた時代に、個人的にも好きで何度も使わせてもらったホテルが、今は経営も変わり「大江戸温泉物語」になっているものの、懐かしいし料金も安かったので28年振りに予約したのですが…
夕食のバイキングは予約も受け付けず、夕食会場に行くと30分以上の待ち時間が… 『大型旅館でオペレーションが×だと、悲惨な目に遭う…』ということを改めて痛感させられた松島の一夜でした。

14日目:8月20日(土)

長かったこの東北旅行最後の観光地は松島。まずは「松島と言えば…」という遊覧船を楽しむことにします。松島の遊覧船と言えば、松島で乗って隣町の塩釜で降りるコースが東北旅行では超定番なのですが、車を松島港近くに停めた我々は、泣く泣く妻の結婚前の勤務地だった懐かしの塩釜行きを諦め、松島周遊して戻る船に乗船します。朝イチの船なのでガラガラかと思いきや、出航前にはかなりの混み具合になりました。流石は、日本三景ですね!
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松島の遊覧船も約30年振りですが、その昔には10回以上は乗っている筈なので、何となくは覚えている自信はあったのですが… 30年振りに遊覧船に乗ってみて、「あれぇ~!? 何となく、島少なくなってない??」と感じてしまったのです。震災時にも松島の津波は他と比べるとそれほどでもなかった… と聞いていましたので、この「島が減った?」という感想は、どうやら私の錯覚のようです。念の為妻にも聞いてみましたが、「記憶にない…」とのこと。
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松島観光の定番と言えば、遊覧船+五大堂&瑞巌寺なので、30年振りにその定番コースを回ってみます。五大堂に渡る通路は足の悪い私には若干スリリングでしたが、ちょっとビクビクしながらの五大堂を楽しみます。
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伊達家の菩提寺である瑞巌寺。久し振りの瑞巌寺は入り口から改修工事をしています。昔、団体で来ると必ず瑞巌寺のガイドさんを頼み、そのガイドさんの説明が結構面白かった記憶がありますが、二人で来てガイドを頼むほどの大名旅行は出来ないので、昔の記憶を辿りながら巡ったのですが、記憶は殆ど忘却の彼方で、唯一覚えていたのは、入口すぐそばにあるお土産屋さん&昼食場所でした!
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松島でのお昼は、以前妻と結婚前のデートで来たレストランというか食事処を予約していました。30年振りに訪ねたお店「田里津庵」は松島の眺めも良く、食事も美味だったので値段は20代で貧乏だった私にはいささか贅沢でしたが、奮発して「いいところを見せたかった」のでしょうか?(実は、あんまり記憶にないのです。)
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( 「田里津庵」から松島の眺め。昔、ここで釣りをした記憶が…)
妻もここに来たことはよく覚えていて、「建物は、昔のままね。」などと私が覚えていなかったことまで思い出したようです。席にご案内いただいた20代の店員さんに、「30年以上前にも来たんですよ!」と自慢げに話しています。
この日頼んだ料理は、「あなごのひつまぶしとカキフライ」。松島の二大名物と言えばカキとアナゴなので、両方味わえる贅沢なメニューです。”あなごのひつまぶし”は美味しかったのですが、何となく鰻のひつまぶしを意識しすぎている気がして、何となく”鰻の代用品”という気がしないでもありません。個人的には鰻も穴子も大好物なのですが、やはりその二つは別物で、穴子は穴子として楽しみたいと思うのですが…
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カキは、美味は美味なのですが、小ぶりな松島のカキなので、たった3個では食べた気がしませんでした!

ここでこの旅のすべての観光を終え、午後は親戚のお見舞いを2箇所。うち一人は妻の叔母さんですが、何と100歳を超えられているのにまだ矍鑠としてとてもお元気です。このまま、世界最高齢を目指してほしいものだと思いました。

そのお見舞いの合間に、昭和の時代に一緒に働いた会社の先輩の家を、こっちもノーアポで訪ねました。幸いにも先輩も在宅されていて、こちらも10年振りぐらいに会った先輩と、久しぶりに昔話をさせていただきました。

このまま仙台に一泊して、翌日の日曜日は次の日からの2週間振りの会社に備えて、午前中のうちに埼玉の自宅に帰り着きました。


これで「47都道府県全周遊」も45都道県を制覇し、残すは大阪&京都の2府だけになりました。
予定通り、今年の秋には「日本一周目」を達成します!


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12.東北一周の旅<その6:岩手県(陸中海岸編)>  [日本一周(一周目)]


10日目:8月16日(火)続き

いよいよ再び岩手県で、ある意味今回のメインとも言える三陸に入ります。
ここ三陸の岩手県野田村は、云わば私の第2の故郷。大学生時代の夏休みには毎年、野田村にあったユースホステルで、ヘルパー程には仕事を手伝わない”居候”として、この地でほぼ夏休み中ずっと過ごしていたのです。会社に入って仙台にいた時期にも、数日間の休みがあればとにかく車を飛ばしてボケーっとしに来ていたので、野田村滞在は合計でざっくり6ヶ月程度にはなるでしょうか?

私的な野田村のハイライトは大学3年の時のこと。経営不振(つまり、それだけ宿泊者が来なかったということです。)でこの秋にはユースホステルを閉鎖するという村役場の方針に、存続を切に願う我々常連が何かしようという情熱に突き動かされて、「せめて、ささやかな抵抗として署名運動でもやってみよう!」と、閉館(このユースホステルは元々季節営業で、10月から翌年の4月まではクローズ)までの2ヶ月の間、必死になって署名をかき集めたのです。
そして最後の閉館パーティーになるかもしれないと全国からこのユースを愛する人たち30人弱が集まって大宴会をした翌日、集まった人たちの代表4人(タクシーに乗って役場まで行ける人員)が、村長に会って署名を手渡しに行きました。「署名の数を一番集めた。」という功績(実際は大学の後輩たちに酒を奢って協力を頼んだだけなのですが…)により私もその4人の中に入れていただき、学生の身分で生まれて初めての村長室に入ることができました。
野田村の人口に匹敵する3000名を越える署名に村長も圧倒されて、存続の検討を約束してくれた結果、翌年春には存続が決まり、再び開所を喜ぶ数十人が野田村に集結し、歓喜の雄叫びを挙げたのでした。
署名を持って行ってから半年の開、毎日吉報を心待ちにしていましたが、開館が決まった時には間違いなく「いままで生きてきた中で、一番幸せ!」な瞬間だった記憶があります。

ユースホステルはその後約10年存続し、最後は建物の老朽化によりその役割を終えたのですが、その時には少しだけ年を取った我々には、もう署名運動をする気力もなく、建物の老朽化という現実の前には、「署名運動をしても、今回ばかりはもう無理」という大人の諦めもありました。

そのユースホステルの雇われペアレント(宿主)だった人が、私が昨年春に滋賀県の琵琶湖のほとりまで会いに行き、10年以上振りに再会を果たした人。ところが今年の春、信じられないことにその人の訃報に接し、その魂はここ野田村に来ているに違いない…と考えたので、今回その初盆に会いに来たのです。

この日のお昼は、野田村で頑張っている南部曲がり屋の民宿”苫屋”。未だに電話のない民宿で、宿泊したい時は往復ハガキで申し込むという超レトロな民宿です。私も2008年にこの宿に泊まった時には、高校生時代以来超久し振りに往復ハガキで宿泊の申し込みをしました。今回、宿泊はしないものの8年振りにお昼を食べに行って、経営者ご夫妻にご挨拶して、最近メディア等にしばしば取り上げられるその盛況ぶりを確認しようと思っていました。田子町に立ち寄ったお陰で、苫屋到着は1時を大きく過ぎてしまいましたが、それでも民宿のテーブルにはまだ数組のランチ客がいて、メディアですっかり有名になったのは正しく事実のようです。あんな田舎の野田村の中心街から更に車を30分も走らせないとたどり着かない超僻地(誇張ではなく、事実!)なのに… です。
ご夫妻と昔話(といっても2008年のことですが)や野田村の観光についてしばし歓談し、改めて次回は宿泊に来ようと自分に誓いました。
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野田村近くの都会と言えば隣町の久慈。地方都市特有のシャッター商店街がありその行く末がやや心配になる町でしたが、数年前朝ドラ”あまちゃん”の舞台になったお陰で超有名になり、”じぇじぇじぇ”と驚くような勢いで超メジャーな観光地になった町です。
三陸鉄道の久慈駅はマスコミには常に取り上げられていますが、隣にあるJRの久慈駅は悲しいくらいにスポットを浴びることはありません。多少リニューアルされているようですが、佇まいは35年前そのまんまです。
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(駅前の青い車はマイカーです)
勿論野田村に何ヵ月もいた私は、あまちゃんで有名になった久慈のスポットの大半はよく知っていましたが、わざわざ久慈まで戻って来た理由は、35年前によく買って帰ったお土産を久し振りに手にしてみたかったからです。
35年前からの久慈の定番土産といえば”ぶすのこぶ”。そのネーミングだけで話題がひとつできる、シャレで持って帰るには最適なお菓子ですが、命名の由来は当時の記憶では久慈渓流にある岩の名前なのだとか… 30年振りに久慈では有名なお菓子やさん沢菊の本店に行き、意外と(失礼!)美味しかった記憶の”ぶすこぶ”(我々の愛称)を今回もお土産にします。30年も経つのですからぶすこぶも進歩していて、オリジナル味の他にゴマ味も出来ていました!
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野田村に戻り、懐かしい場所を訪ねてみます。まずは野田村でも美しい砂浜を持つ十府ケ浦海岸。
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我々が”玉川銀座”と呼んでいた部落で2軒だけ商店があった場所も、今では一軒だけ残った酒屋さんがコンビニのような業態(といっても24時間営業ではない)になっています。我々はいつも夕方に、この酒屋さんでサッポロジャイアントを買い、隣のよろず屋で丸い栄養豆腐やイカをつまみに買って毎晩の酒宴に備えていました。
今は三陸鉄道の駅になった野田玉川駅。当時は1日に5本しか列車が来ない国鉄久慈線の駅でした。
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初めてこの駅に降りた時、車掌さんにユースホステルへの行き方を尋ねたところ、線路を指差して「ここを歩けば近いよ!」と国鉄職員にあるまじき貴重なアドバイスを貰ったことが、つい昨日のことのようです。35年前に何度も歩いた懐かしの線路です。
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三鉄になり、列車の数もかなり増えて、今では反対側にもうひとつホームができていて列車のすれ違いができる駅に進化しています。1日5本時代には夢のような、列車のすれ違いを見て何故だか感無量になりました。
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野田玉川駅周辺の観光地と言えば、西行屋敷跡。昔、今にも潰れそうなユースホステルも、いつかは「跡地になってこの駅名標に西行屋敷と並んで載るかも!?」なんて自虐ネタをいつも言って笑っていました。不幸にもそのジョークは現実となってしまいましたが、勿論駅名標に”ユースホステル跡”が載る訳はありません。
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でも、無性に落書きしたくなりました!

ユースホステルの跡地は2008年に来た時と変わってはおらず、ただの空き地です。足が良ければズカズカと空き地に入り込んで、海が見える女子トイレがあったあたりに献花したいところですが、そこまで悪路を歩くことができないので、入り口に佇んでしばし思い出に浸りながらペアレントさんの霊と会話をしていました。
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本日の宿泊は野田村に昔からある国民宿舎。毎年、海の日近辺にユースホステルの残党が集まる時のベースになっている場所で、私も2010年にはここに来る予定にしていたのですが、その1ヶ月前に脳卒中になり、その頃は病院のベッドの上でした。なので35年以上前からその名前は知っていたものの、実際に宿泊するのは初めてでした。とはいえ、昨日呑んだ友人からも、「よく、(このお盆期間中に)予約が取れたね?」と驚かれたぐらい人気の宿になっているようです。この日は、小学校の昔は臨海学校と呼ばれていた今は修学旅行(?)が来ていました。
世田谷区で育った私の、小学校5年生の時の臨海学校は、三浦半島だったことを思い出していました。

11日目:8月17日(水)

自宅発から10日間、素晴らしい天気がずっと続いていましたが、今日は台風が近づいていて、初めての雨音で起こされた朝です。日本一周を始めた頃、「この日本一周が終わる頃には、自分が晴れ男か雨男かが明らかになる。」とこのブログに書いた記憶があります。雨ばっかりだった紀伊半島や北海道の旅もありましたし、九州や四国の時には、本当に天気に恵まれました… 結論としては、「これだけ長く旅すると、晴れ男も雨男もなくなり平均化する。」ということに落ち着かせることにします。

この日は、三陸のどこかで台風に正面衝突する最悪の天気予報でしたが、日程を決めている私は、正面衝突を覚悟して車をスタートさせます。(因みに、岩手県沿岸部に大きな被害を与えた台風は、この台風ではなく、次の台風でした。)何度となく来た三陸の地ではありますが、まだ見ぬ震災の遺構を中心に、ドライブしながら雨の中でも出来るだけの観光はする覚悟です。

野田村の隣村である普代村は、震災時に被害が少なかったことで一躍有名になった村。昔から、防災対策に力を入れ、この普代水門がたくさんの人を津波から救ったのです。
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普代村を救った元村長の座右の銘が記念碑として建立されています。
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黒崎~北山崎あたりは北部陸中海岸のハイライトなのですが、雨と霧のお陰で全く何も見えません。懐かしい北山崎に車を停めてはみたのですが、当然のように店は全て閉まっていて、雨とガス(霧)で景色は全く見えそうにはありません。
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個人的には一番好きだった鵜の巣断崖にも、行くのは早々と断念します。
この辺りにはコンビニもないので、飲み物を買いに三鉄の田野畑駅へ。かって見知った田野畑駅は、幸いにも震災被害が少なかったらしく、昔の面影を残しつつキットカットとのコラボで昔と違ってカラフルな外観になっています。
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駅の人からの情報によると、三鉄も今はまだ運行しているけど、台風が近づけばどうなるか… なのだそうです。プランでは30年以上振りにこの近くから遊覧船に乗るつもりだったのですが、遊覧船が運航する筈もなく、当然の如く先を急ぐことにします。

ナビには、この旅に備えて最新の道路データを入れていた筈なのですが、やはり三陸の道路は新しい道や無くなった道路も多く、今日からしばらくは、ナビを頼るドライブは難しそうです。早速、いきなり普通ならナビが絶対に案内しない筈の超狭い道路を案内され、激しい雨中のスリル満点のドライブに、大いに冷や汗をかかされます。

何とか田老に着きます。田老の駅は、大学1年生の東北旅行の時の記念すべき一泊目の駅(つまり駅での野宿)で、その際「この高さまで津波が到達!」というモニュメントを初めて見た地がここ田老だったので、個人的には「津波対策はできているんだろう」と思っていましたが、今回の津波は遥かにそれ以上だったようです。
震災遺構で保存が決まったという「たろう観光ホテル」。事前に申請すれば中まで入れるという震災遺構ですが、勿論私は予定通り外から眺めるだけにします。
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戻る道も工事中などで迷路のようになっているので、なかなか国道45号線に戻れずに、15分以上迷路の中を彷徨してしまいました。

北三陸の中心地宮古。みどころは浄土が浜なのでとりあえず向かってみようとしたのですが、雨風が益々激しくなり、いよいよ暴風雨圏内に入った感じです。浄土が浜に行こうとして極楽浄土に行ってしまっても仕方がない(!?)ので、とりあえず近くの道の駅で雨宿りします。道の駅で台風情報を見ると、正にここ宮古でまもなく台風と正面衝突する感じなので、しばらく昼食を含めて嵐が過ぎ去るのを待つことにします。
本来なら、宮古では新鮮な海産物のランチを満喫する予定が叶わず、ごく普通のラーメンで腹を満たした直後にスマホの調子がおかしくなり、大いに慌てます。このままでは、台風が過ぎ去ってもすぐに旅を再開することができないので、この豪雨の中を車に戻り、スマホが使えないため何とかナビを駆使して宮古市内のドコモショップを見つけて、台風に向かっての決死のドライブです。
何とかたどり着いたドコモショップは、さすがにガラガラですぐにみて貰うことができ、30分後に無事に元に戻ったスマホが帰って来たのと時を同じくして、台風が少し遠ざかった感じになったので、ドライブを再開します。

三陸のドライブを再開し、次の目的地は大槌町旧庁舎。震災遺構として保存するとかしないとかの議論を見た記憶があったのですが、既に解体工事が始まっていて、間もなく見られなくなりそうな感じです。雨もやや小降りになったので、旧庁舎の周辺を散策して震災時の気持ちに少しだけ近づこうとします。時計の針が3時過ぎで止まっているのが、一層生々しさを感じさせてくれます。
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元々釜石では、明確な観光プランはありませんでした。世界遺産になった橋野鉄鉱山は、知人に言わせると「つまんないよ!」というところらしいのですが、世界遺産になったことに敬意を表して行きたかったのですが、釜石市内と言えども随分と遠い場所で、むしろ約1週間前に訪ねた遠野のすぐ近くなので、今から行くのはしんどそうです。釜石大観音にも、上にあがるのはエレベーターではなく階段のようだし、苦労して上に登ったところで、今日の天気では眺望も期待薄です。国道を走りながら遠くに大観音が見えたので、それで満足することにします。

今日の泊まりは大船渡。大船渡と言えば、国道沿いにある「ようこそ大船渡へ。新沼謙治のふるさと」と書かれた大モニュメントの印象が昔から超強い町です。「最近、新沼謙治見ないけど、あの看板、まだあるかな?」と思いながら運転していましたが、今でもちゃんとありました!でも、今の若者たち、新沼謙治って知っているのでしょうか?
ホテル名が「大船渡温泉」という名前で、宿泊費もかなり安いので、どんなホテルなのか大いに謎でしたが、知人曰く「震災後に建った新しいホテルで、評判もいいよ。」とのことでしたが、着いてみると、完全な「日帰り温泉」で、宿泊より地元の方のための健康ランドのようでした。少し早めのチェックインだったので、のんびりと温泉に浸かってリフレッシュすることにしました。

12日目:8月18日(木)

台風一過の翌日は、「風は強いけど好天!」というのが多いパターンなのですが、台風は抜けたもののこの日もザーザーと激しく雨が降っています。という事で、今日も雨中の観光を楽しむことにします。

大船渡の海岸と言えば碁石海岸。何度も見た穴通磯は津波で形が変わってしまったのではないかと心配していましたが、昔通りの荘厳な姿で我々を迎えてくれます。
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碁石海岸の中心地に車を停めて、海が見える場所まで少し歩きます。
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平成に入ってすぐの頃に、添乗員としてここのレストハウスに来て、お客様と歓談したことを何故か忽然と思い出しました。勿論、お客様の顔も名前もどんな話をしたかについても、全く思い出せないのですが、あそこの椅子にこっちを向いて座って、タバコをくゆらせている自分の姿だけが鮮やかに甦ったのです。
当時の私は、自分でも呆れるほどのヘビースモーカーでした。

新沼謙治の大船渡の隣は、千昌夫の陸前高田。ヒット曲としては千昌夫の方が多いと思うのですが、大船渡のような個人名を出した大きな看板はないようです。私が見つけられないだけなのか、その後借金王となったイメージが悪いからなのかは不明ですが…
ここ陸前高田の観光としては、震災直後からずっと見たかった「奇跡の一本松」。
この辺り、津波が来る前は「高田松原」という松が群生した名勝地だったというのが、全く信じられないくらいに、本当に一本だけがポツンと残っているのです。
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これで岩手県陸中海岸沿いの観光を終えて、この旅最後の宮城県に入ります。台風と雨に祟られたため、十分な観光はできなかったのですが、何度となく来た場所でもあり、「もう一回おいで!」と言われたような気がしました。
勿論、また来ますよ!

実は微妙な県境線の関係で、明日もう一ヶ所だけ岩手県の見学スポットが残ってはいるのですが、次の宮城県の中でレポートさせていただくことにします。

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12.東北一周の旅<その5:青森県> [日本一周(一周目)]


7日目:8月13日(土)続き

午後、秋田県を出ていよいよ青森県に入ります。この日本一周で青森県には、昨年7月の北海道一周の帰りにフェリーで下北半島の大間に降り立ち、本州最北端の大間崎と恐山を訪ねて以来二度目になります。(投稿はこちら)

今日は日本海側を海に沿ってドライブし、鉄ちゃんとしては日本で恐らく一番か二番に好きだった五能線(因みに対抗馬は、こっちも毎年冬には必ず乗りに行っていた大好きだった只見線です。)の車窓風景を(車からですが)楽しんで、五能線の中心であり昔は五能線の乗り継ぎ時間に何度かブラブラした深浦の町に泊まります。五能線と津軽地方には、5年前の病気後初の旅(投稿はこちら)でリゾートしらかみに乗りに28年振りに来ています。その時、リゾートしらかみの車窓から「そのうち運転にも復帰して、次はあの道路を思う存分走ってやるぞぉ~!」と誓った地でもあるので、五年後しの宿願達成です!

また五能線は、生前母が「人生最後の旅は五能線に乗ってみたい!」と病気になってから常々言っていた地なので、ここに来るとどうしてもその事を思い出してしまいます。前回同様位牌を持って来ようかとも随分と悩みましたが、今回も写真を持って来るだけにとどめます。元気だった頃、私の勤める旅行会社以外の会社の安いパックツアーで、しょっちゅう日本全国を旅していた母、今度会ったらきっとお互いの日本全国の旅の話が尽きないでしょう!

海岸線と五能線に沿ったこの道を走るのは初めてですが、五能線の車窓から何度となく眺めたイメージでは、線路と国道が競うように常に海岸線を走るイメージだったのですが、なかなかそのようなイメージの場所にはたどり着けません。時折見える線路に、「今ここでリゾートしらかみが来たら、最高に絵になるんだけど…」と願いますが、列車のダイヤも調べて来ていないので、運転本数の極めて少ない五能線ですので、列車に巡り会うことは翌日も含めてついぞありませんでした。

このルートの内陸側には世界遺産である白神山地が広がっています。白神山地を代表するお手軽な観光地としては十二湖なのでしょうが、十二湖の青池には5年前に来ていますので、それ以外に足が悪い私でも気軽に世界遺産を味わえる場所がないかと散々探して見ましたが、ネットやガイドブックをいくらみてもそんな都合の良いところは見つかりません。思い余ってネットの掲示板に”教えて!?”と投稿してみたのですが、驚いたことに初めての”回答ゼロ”… やっぱり白神山地は私にとってはハードルが高い世界遺産のようですね?

今晩の宿泊が民宿のようなところなので、私が入れる風呂があるかどうかが不明だったこともあり、チェックイン前に日帰り温泉でスッキリしてから宿に向かうことにします。五能線沿いの温泉と言えば、何と言っても「不老ふ死温泉」の海のすぐそばの露天風呂が超有名ですが、有名な海沿いの露天風呂にはどう見ても手すりはないので、早々に諦めて近くの「ウェスパ椿山」の日帰り温泉を選びます。写真で見る限り窓が大きくて開放的なお風呂に見えましたが、入って見ると大きな窓どころか半露天で、日本海が見渡せる最高のお風呂でした!

この日宿泊したのは、ペンションと名が付いた洋風民宿。ベッドの部屋が今の私にはとてもありがたいのです。とにかく海産物中心の食事がたっぷり新鮮で美味しいというクチコミで選んだ宿でしたが、夕食の豪華さは温泉旅館と比べても決して劣らず…というより妻はずっと「あのペンションの夕食が今回の旅で一番だった!」と言い続けていたほどの豪華な食事でした。この旅では、この日の倍の料金を払った温泉旅館にも泊まったのに… です。

でも私が何より感動したのは、食堂から見えた日本海に沈む夕陽。元々深浦は夕陽スポットとしても名高い地ですが、高台の上に建つペンションからの夕陽は最高!美味しい海産物を食べながら、徐々に日本海に沈む夕陽は超感動的でした。二階の部屋にカメラを置いてきた事を心から後悔しました。雲などに邪魔されずに、日本海に沈む夕陽をじっくりと眺められたのはもの凄く久し振りな気がします。
初めて日本海に沈む夕陽を見たのは高2の夏、忘れもしない北海道礼文島のユースホステルでのことです。あの時、沈む夕陽を見ながらユースホステルのみんなで大声で歌った曲が吉田拓郎の「落陽」。あの時から、私の夕陽の生涯のテーマソングになったその「落陽」が、この日も私の頭の中で何度となく繰り返し流れていたのです。

8日目:8月14日(日)

この日は津軽半島突端の龍飛崎まで行くなど走行距離だけでもそれなりにある上に、見たい場所もたくさんあるこの旅で最も忙しいことが予想される1日です。おまけに今日はお盆期間中の日曜日ですから、観光地と名がつく場所ならどこも大混雑が予想されます。
それに加えて貪欲な私は、弘前近くの田舎館村の名高い田んぼアートを見に行こうかをずっと迷っていました。人気の田舎館村の田んぼアートはピーク時には1時間以上の待ち時間があるということですから、行くのならば深浦の宿を6時前には出て、田んぼアートオープンの8時半前には行列に並んでいる必要があります。結局。田舎館村の田んぼアートは次回の楽しみに取っておくことにして、普通通りの時間に大満足のペンションを出発しました。
五能線の線路には相変わらず列車の姿はありません。でも海岸線の景色は”この辺りが、五能線車窓風景のハイライト!”と言わんばかりの素晴らしい風景が続きます。列車でも写真停車がある千畳敷などでダイナミックな日本海を満喫します。
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今日最初のみどころは、「鶴の舞橋」。前から絶対に来たいと願っていた場所でしたが、タイミングよく旅の1ヶ月ほど前から、JR東日本の「大人の休日倶楽部」のCMの舞台となり、吉永小百合さんとここの風景の映像が何度となく流れています。毎回、そのCMを見ながら、「この場所、天気が悪くってバックの岩木山が見えなければ、行く意味なさそうじゃん?」と危惧していたのですが、今日も朝から晴天でそんな心配はどうやら杞憂のようです。実際の風景もCM以上で、思わず自分のFacebookページのカバー写真を、1年振り変えてしまうほどの最高の景色でした!
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いよいよ津軽半島に入ります。津軽半島と言えば、高校生時代の数年間に、異常と言っていいほどに心酔した太宰治の故郷金木があります。初めて東北に来た1979年には金木やそれ以外の小説「津軽」に書かれていた津軽半島各地を貪欲なほどに見て回り、太宰治の生家「斜陽館」が当時は旅館をやっていたので、「次は、何としても太宰治の家に泊まるぞぉ~!」と固く誓ったのですが、いつのまにか旅館ではなくなり、太宰への強い思いも徐々に風化してゆきます。とはいえ、金木に行って今では記念館になった生家斜陽館を見れば、きっと当時の思いが甦り、今日のスケジュールが滅茶苦茶になるかもしれないという自分の弱さには十分に気づいていたので、今回の旅では金木をルートから外していました。次に金木に来る時には、日程に丸1日以上余裕を持たせて来るようにしようと思います。

津軽半島最大の湖十三湖。十三湖駐車場は意外にも満車で、「流石はお盆!」とちょっと驚きましたが、よく見ると殆どが地元ナンバーのファミリーカー。どうも有名な十三湖のしじみの潮干狩りに来ている人たちの車のようです。
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(十三湖越しにも岩木山が眺められます)
十三湖の散歩を楽しんだ後、お店で名物のしじみ汁を味わいます。濃いしじみの味が大変美味でしたが、しじみなのでその小さい実を食べるのには大いに苦労しました。
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津軽半島突端の地と言えば龍飛崎。実はこの龍飛崎には、以前から(仕事以外で)結構な頻度で訪れています。私が中学生の頃に吉田拓郎とムッシュかまやつのデュエット曲に「竜飛崎」という曲(確か「シンシア」というシングルのB面だったような記憶が…)があってよく聞いていたため、その曲の影響で行きたくなった故だからでしょうか?
「竜飛崎」の作詞は岡本おさみさん。サビの「竜飛崎よ、どてっ腹をぶち抜かれちゃったね。」という歌詞が、中学生の私に不思議な衝撃を与えた曲でした。おさみさんの歌詞では「秋にあじさい咲くという」とありましたが、真夏のこの日もすでにあじさいが咲いています。
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竜飛崎の何がそんなに好きなのかとよく聞かれますが、好きなのは昔からすぐにも手が届きそうに近い北海道です。毎回、ここから北海道を眺めて、無性に行ってみたい気になるのです。
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岬にいる間には、いつもその「竜飛崎」と「ご覧あれが竜飛岬北のはずれと~」と夏なのに津軽海峡冬景色を口ずさむのもいつも通りです。
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ランチの目星はつけていたものの、あらゆる場所が大混雑していたので、とにかく空腹を満たすこと優先で待ち時間が少なそうな観光地の食堂へ。味は全く期待して
いなかったのですが、観光地の食堂にしては出色の刺身定食でした。
昼食後は、すっかり有名観光地になった「階段国道」を見てから青函トンネル記念館へ向かいます。
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青函トンネル記念館には来たことがあったのですが、妻が見てみたいというので斜坑線に乗って実際に海底にあるトンネルを見学します。
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前回も見ていて、「こんなもんか…」というイメージでしたが、約10年振りでも同じような感想でした。それにしてもすごい観光客とちびっこの数でした!
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その青函トンネルの新幹線が通る本物の(?)トンネルの出入口が見たいと、青函トンネル入口公園にナビをセットしたのですが、龍飛崎から随分と遠く離れているようです。確かに鉄道が海の底より更に深くまで潜るのですから、出入口が岬のすぐ近くではないとは思っていましたが、「それにしても…」という感じで「また、ナビ間違ったかな?」と疑い始めた頃に、ようやく公園に着きます。念のため、列車の予想通過時間をメモしてきたのですが、ラッキーなことに10分後にトンネルから北海道から来た新幹線が長い長いトンネルを抜けて出て来るとのこと。
ここにもたくさんいた鉄ちゃんに混じって、トンネルの出口がよく見える展望スポットに何とか割り込んで新幹線を待ちます。トンネルの奥から列車の通過音が聞こえて来たと思った直後に、すごい勢いでトンネルから飛び出してきた新幹線は、あっという間に青森駅に向かって瞬時に消え去ってゆきました。
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新幹線がトンネルを出た直後に慌ててシャッターを切ったので、ちょっと姿を表した新幹線は何とか撮影できたものの、連写機能のない二枚目の写真では、もう一番後ろの景色でした!
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さすがに新幹線は早い!!

青森県と言えば、私の大好きな日本酒のブランド”田酒”が有名です。ネットで田酒を買おうとすると、プレミアがついて一升瓶だと5000円近くもします。とはいえ、青森に来ても買えろお店はかなり限られているらしく、そんな田酒を置いていることが多いという有名な酒屋さんがこの近くにあるというので向かって見ます。私の記憶では、漫画”美味しんぼ”にも登場したその酒屋の外観は、記憶にある美味しんのカットそのまんまでした。店に入ると美味しんぼでは旦那さんが登場したように記憶していましたが、この日は奥様が店番をされています。「田酒、ありますか?」と聞くとカウンターの裏に隠してあるかの如くの田酒を、勿体ぶるように出してくれます。この田酒は知人への土産ではなく自分用で、今でもチビチビと味わって晩酌で楽しんでいます。
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因みに一升瓶で2700円ぐらいでした。

昔、青函連絡船で何度も通った陸奥湾の風景。あちらに見えるのは下北半島ではなく浅虫温泉近辺でしょうか。
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今日の宿泊は十和田湖に行く途中にある酸ヶ湯温泉。今日の日程では青森市内に行く時間は全くないことは判ってはいたのですが、出来れば三内丸山遺跡には行きたかったのですが、さすがに日暮れまでに酸ヶ湯温泉に着くのが精一杯でした。
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千人風呂で名高い酸ヶ湯温泉は、もう日が暮れるというのにまだ日帰り入浴の人たちでごった返しています。我々はチェックインして、まだ大混雑らしいお風呂には入らずに、すぐに夕食を楽しみます。千人風呂は8時からは女性専用タイムになるので、妻は早速テレビの旅番組でずっと憧れていた千人風呂の初入浴を果たして満足そうでした。

9日目:8月15日(月)

昨晩、千人風呂にも入らず9時前には床についた私の作戦は、「明日、4時頃に起きて人の少ない時間に千人風呂に入る!」。9時に寝ると4時頃には目が覚めてしまう年取った自分の習慣を十分に理解しているので、目覚ましは掛けません。予定通りほぼちょうど4時に目覚めて、暗い通路を千人風呂へと向かいます。脱衣場には人の姿はなく、「よし、千人風呂貸切だぁ~!」と勇んで風呂に入ると、貸切ではなく人の姿があります。よく見たら女性で、湯浴着を着ているようです。勿論、ジロジロ眺めることはせずに、慌てて大きな浴槽の正反対の方に入ります。その女性は5分ほどで出て行きましたので、それからは念願の「千人風呂貸切状態」を10分以上も楽しむことができました!
千人風呂に手すりがあるのは、「熱湯」という一番大きな湯船だけなのは判っていたので、私は入れるのはその湯舟だけなのですが、その名の通り熱いお湯だと、猫舌ならぬ「猫肌」の私は長湯できないなぁ~と思っていましたが、その名とは違って丁度良い適温で、4時から30分以上もほぼ独占状態で千人風呂を満喫しました! 熱湯以外の湯船には… やっぱり入れませんでしたので、温度は不明です!

この日は十和田湖近辺を観光して、昨年に続いて八戸に泊まる予定です。朝から酸ヶ湯を大満喫した私は、まずはすぐ近くの城ヶ倉大橋の風景を楽しみます。
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本日もいい天気です。この旅に出てから9日間… 見事なほどの晴天が続いている最高の天気でしたが、どうやらこの晴天続きも今日が最後らしく、明日以降は台風も近づいていますので、最後の晴れ間を十分に満喫することにします。

次に八甲田のロープウェイに登り、八甲田山のハイキングコースの散策を楽しもうと思います。八甲田のハイキングコースの階段の度合いは確認できていなかったのですが、八幡平での成功体験の影響で、「まぁ、大丈夫だろう。」と甘く考えていました。ロープウェイの山頂駅に現地の方がいたので、聞いてみようかとも一瞬思ったのですが、「まぁ、大丈夫だろう…」と、甘く考えて歩き出しました。
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ところが、そのハイキングコースの階段が思いの外キツく、私には異常に大変だったのです。最初、階段は緩やかでしたが、徐々に急な階段が増え、上がるのにも苦労をする段差が大きい階段も登場します。登りより下りが苦手な私的には、登るのにこれだけ苦労すると、下りを考えたら空恐ろしくなります、一周コースも中間に差し掛かり、予想通りの急な下り階段が待っていましたが、何度も階段に腰かけて一歩一歩降りるというとても恥ずかしい状況が続きます。
天気も良く景色も良いのですが、景色を楽しむ余裕は全くありません。十年以上前の映画八甲田山の名セリフ、「天は、我々を見はなしたぁ~!」と私一人で叫びたいくらいでした。
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所要30分のハイキングコースにたっぷり1時間以上掛かって、ようやくロープウェイ駅に戻ることが出来ました。このハイキングコースの状況を調べていたら、「止めとけ」と言われることは間違いないのでしょうが、結果的に何とか言って帰ってこれたのですから、「結果オーライ」としなければいけないのかもしれませんね!?
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本日のメイン観光スポットである、奥入瀬渓流から十和田湖を目指します。奥入瀬渓流~十和田湖には、30年以上前に妻と結婚する前の初めての旅行で来ていて、妻はそれ以来なのでとても懐かしそうです。本来なら奥入瀬渓流をのんびりと散策したいところですが、渋滞ではないものの車の流れは非常に激しく、滅多に車を停めて景色を眺めることも出来ず、とりあえずノロノロと進みながら車窓風景を楽しむだけなので、私には写真も撮れませんが、何とか少しだけ停車して滝と渓流の風景を楽しむことが出来ました。
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十和田湖観光の中心地休屋。何とか駐車場に車を停めて、湖畔まで散歩します。本来なら十和田のB級グルメ「十和田バラ焼き」をこの日の昼食にしたかったのですが、店の混雑具合に圧倒され、やや早く食べられそうなお店で「稲庭うどん」をいただきます。そう、ここは青森と秋田の県境近くなので、稲庭うどん以外にも秋田名物もたくさん置いてありました。遊覧船に乗ることも考えていましたが、何となくその気も失せたので湖岸を乙女の像まで散歩します。
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やはり、田沢湖の辰子姫よりも観光客はたくさんいます。
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十和田湖の全景を眺めたいと、秋田県側の展望台である「発荷峠」に向かい、久々の発荷峠からの眺望を楽しみます。
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昭和の時代、10月の連休に仕事でここに来た時、ものすごく鮮やかな紅葉に文字通り言葉を失って立ちすくんだ記憶があります。紅葉の時期にもう一度ここに来たいものです。

次に私がどうしても来たかった場所が、「キリストの墓」。初めて東北旅行に行く1979年に、旅のプランを立てるために買ったガイドブックが「ブルーガイドパック東北」で、ネットもない時代なので、東北旅行の情報を集めるために毎晩貪るようにそのガイドブックを何度も何度も読んだので、ガイドブックの文言はすっかり覚えてしまう程でした。そのガイドブックの忘れもしない最終ページに、「青森県の戸来(へらい)という地には、キリストの墓がある!」という小さな紹介記事があり、大いに興味をそそられたものの、鉄道旅行で行くにはあまりにも僻地(失礼!)で、その後はすっかり忘れていました。

今回のプランニング中に突如その記憶が蘇ります。「そういえば、あのキリストの墓って、まだあるのかしら…?」早速ネットを調べて、その墓が十和田湖から八戸に行く途中にあることを知ったので、その結果今回の旅のプランが決まったと言っても誇張ではない程です。
クリスチャンの妻に、「次は、キリストの墓に行くよ!」というと、「??」と何の事だか訳が分からないという状況のようです。当然と言えば当然ですが、クリスチャンの世界では全く話題に上ってはいないようです。
国道に「キリストの墓」という看板が現れると、「遂に、キター!!!」という高揚した気分になります。
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墓はキリストと弟(聖書には登場しない)イスキリの2つの墓があります。十字架にキリストのかわりに掛けられたのは弟のイスキリで、難を逃れたキリストはその後2度目の来日を果たし、この地で100年に及ぶ天寿を全うしたのだとか…
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すぐ横には「キリストの里伝承館」とう施設があり、まことしやかに日本に渡ってきたキリストのことを伝えています。
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妻は熱心に見ていますが、相変わらず「???」という感じです。クリスチャンの友人にもこの話はするのでしょうか?しないのでしょうか?
東北には「義経=チンギスハン伝説」もありますが、キリストですから少なくともそれより千年以上前のことです。伝承館によると、「キリストは2回も日本に来ている。」とのことですが、航海技術が発達していない2千年も前のことですから、普通に考えたらリアリティゼロの話ではあります。とは言え、毎年6月には地元では「キリスト祭り」も開催されているようです。今度は、このお祭りにも来てみたいなぁ~!?

夜は八戸市内で昨年7月にも同じ八戸市内で呑んだ旧友と一献。旧友から、「〆に、せんべい汁食べに行こう!」という誘いは、B級グルメ好きとしては大歓迎です! B級グルメがいくつかある青森県ですが、呑んだ後の〆に食べるラーメンのようなポジションを地元で得ているのであれば、何より嬉しいことです。
せんべい汁も前に食べたものより美味しいような気がしました。

10日目:8月16日(火)

この日は、お昼前には岩手県三陸に入る予定です。朝食は、この旅2度目の朝食イベントとして、市場に朝ごはんを食べに行く日です。ホテルを早めに出て、盛岡の時同様コインランドリーに洗濯物を放り込んだ後に市場に向かいます。
市場そのものは特に大きいわけではありませんが、最近この「市場の朝ごはん」がTV等にも取り上げられていて、観光客にも人気のようです。市場での朝食と言えば、釧路の和商市場がその発祥の「勝手丼」などの丼物が有名ですが、ここはあくまで「刺身定食」が基本のようです。この内容で朝食代は、ごはん・味噌汁を合わせて二人でちょうど2000円。新鮮な刺身は、食べ切れないくらいにたくさんあり満足の朝ごはんでした。
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市場には「明日からお盆休みです。」の看板が… 我々はここでもラッキーだったようです。

八戸の海岸線の観光は、まずはウミネコの島である蕪島。とは言え、季節柄なのか以前に来た時のように「ミャーミャー」といううるさい鳴き声は聞こえず物静かです。以前来た時は何度もフンを掛けられましたが、残念ながらその被害も今日はありません。
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次の観光地は緑が広がる海岸線が珍しい種差海岸。ここも20年振りぐらいの訪問です。初めて八戸線の車窓からこの景色を見た時のワクワク感は、いまだに忘れることができません。
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ここで青森県の観光を終了して岩手県に向かうつもりでしたが、昨晩八戸在住の旧友から「田子町のタッコーラ」の話を聞いて妻が興味を示したので寄り道してみることにします。田子町(たっこまち)と言えば、にんにく生産量日本一の青森の中でも、その中心地として有名ですが、「その田子町には、『タッコーラ』というガーリック味のコーラがあり、『にんにく×コーラなんて絶対に合わないだろう!?』と思っていると、これが意外と合うんだよね…!?」というレア現地情報です。
田子町のにんにく観光の中心がガーリックセンター。レストランはかなり有名らしく12時前なのに観光客の行列が凄いようですが、我々はレストランには見向きもせっずに売店へ行き、「コーラ2本!」。
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肝心な味ですが、思ったよりニンニク味が強くなく、合うというか…
続いて「にんにくソフトクリーム」もいただきましたが、個人的にはソフトの方がお気に入りでした。

次はいよいよ三陸へ向かいます。

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12.東北一周の旅<その4:秋田県> [日本一周(一周目)]


5日目:8月11日(木)続き

午後からはいよいよ秋田県に向かいます。この日本一周を始めてから、最後まで足を全く踏み入れていない都道府県がここ秋田県だったので、一昨年10月の沖縄旅行(投稿はこちら)から始めて、ようやく47都道府県全てに、その足跡を残したことになります。
当初の計画では県境の八幡平を見てからそのまま秋田県に入り、山を下って田沢湖を目指す予定でしたが、結局安比高原まで降りて来てしまったため、東北道を盛岡まで戻って、その後国道46号線を雫石方面に向かって秋田県を目指します。このルートからは、あの小岩井農場にも近く、妻は子供の頃に行った思い出を熱心に語りますが、「今、初老の二人で行く?」と聞くと首を横に振ります。数年後、もう既に溺愛が始まっている孫となら来たいのでしょうが…

JRの線路沿いの国道46号線。知識として知ってはいたものの、このローカル線の線路に、突然秋田新幹線こまちの鮮やかな赤い車体が現れると、元鉄ちゃんとしては大興奮です。写真を撮りたいものの、元々片手運転なのでカメラを構えることすら出来ず、ゆっくりと車を追い越していく秋田新幹線をどうしても手が届かないアイドルを眺めるかのような羨望の眼で見送ります。翌日までの2日の間に何度かすれ違った秋田新幹線が、鉄ちゃん的には最も印象深い秋田県の車窓風景でした。

午後は予定を変更して秋田県を代表する渓谷である「抱き返り渓谷」に行くことにします。その理由は、昨日盛岡のE先輩から聞いたYさんが今いると思われるホテル(E先輩も名前は知らない)というのが、私の予想ではこの抱き返り渓谷のすぐ近くのホテルではないかと予想したので、「それなら訪問候補にしていて行くかどうか最後まで迷っていた抱き返り渓谷を観光してから行ってみよう!」と思い立った次第です。
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抱き返り渓谷と言えば東北を代表する紅葉の名所。駐車場から片道30分以上細い遊歩道を歩きますが、途中の眺めはやはりなかなかのものです。
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遊歩道のゴールは「見返りの滝」。滝好きには終点に滝があるというのが、長い散歩のモチベーションになり、結構疲れたけど楽しいひとときでした。
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抱き返り渓谷の長い散歩の後に、いよいよYさんが勤めているかもしれないホテルを訪ねてみます。もう夕方なので、訪ねたホテルのフロントでは当然宿泊客と思われたのでちょっと憮然とされますが、「実は…」と切り出すと、「少々お待ちください」と奥に入って行くので、どうやらこのホテルでビンゴのようです。

数分後、変わらない姿のYさんが現れ、十数年以上振りの再会です。まもなく70になるYさんは、このグループの非常勤の役員をされているらしく、不定期の出勤でこの日もずっと会議に出ていたとのことですから、会えたのは本当に運が良かったとしかいいようがありません。このグループはこの近辺にいくつもの施設を持っているグループですので、この日のこの時間にこのホテルに来なければ恐らく会うことは叶わなかったでしょう。Yさんは妻とも面識があるので、久し振りに昔話に花を咲かせました。
「何でうちのホテルに泊まらないの?」と皮肉たっぷりに言われたので、次回は必ず泊まる約束をして別れました。こういうところは、意外に義理堅い私です。

本日の宿泊は「休暇村乳頭温泉」。意外にも休暇村には初めての宿泊です。
乳頭温泉と言えば、何と言っても「鶴の湯」などが有名で湯めぐりを楽しめる東北有数の名湯ですが、私が調べた限りでは浴槽に手すりがあって私でも入浴できる乳頭温泉は、どうもこの休暇村のお風呂だけのようです。Yさんと会ったため乳頭温泉到着は6時を大きく過ぎてしまいましたが、有名な鶴の湯にはまだ車の行列が出来ています。鶴の湯は混浴ですから妻一人で入ることはないので、休暇村のお風呂で乳頭温泉を味わうことにします。でも休暇村の2つの源泉も流石にすごくいい泉質で、ずっと入っていたい最高のお風呂&露天風呂でした!
初めての休暇村も、サービスも意外に良く、一回の宿泊ですっかり休暇村ファンになったのですが、どうも「このホテルが特に良かっただけ!?」というのが正直なところのようです。夕食ビュッフェの「秋田名物オンパレード」も十分に満喫しました。

6日目:8月12日(金)

この日は秋田県内を観光してから、男鹿半島の男鹿温泉を目指す1日です。この日の観光プランは時間に応じていくつか考えていたのですが、朝から乳頭温泉にもう一度ゆっくりと浸かったりなどと珍しくホテルでかなりのんびりした(それだけ、満足感の高い宿泊だったということです。)ため、殆んどのプランが無駄になってしまいました。どうも遠野であのカッパ釣りを見て以来、貪欲に観光地を回る気がかなり減ったようです。おまけに、昨日八幡平と抱き返り渓谷と長いハイキングを二回もしたため、妻はしきりに足の不調を訴えて来ます。もう若くはない我々なので、無理は禁物です。

今日はまず昨日見残した田沢湖へ。遊覧船に乗る気は元々なかったので、湖岸を車で一周します。田沢湖岸は一周約20キロぐらいでしょうか? 車ではゆっくり走ると30分ぐらいの感じですが、夏休みらしく仲間でランニングしている学生をたくさん見かけます。何の合宿かまではわかりませんが、結構早いスピードで走っているマラソン選手のような軍団から、ゆっくりとウォーミングアップをしている人たち、中には明らかに集団から大きく遅れても必死に走っている人もいます。
今更ながら走れない自分がちょっとだけ悲しくなりました。
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田沢湖の一番のビュースポットは辰子姫の像。昔は何度も見た筈なのですが、「こんな大きかったっけ?」
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どうも私の記憶は相変わらず曖昧です。

次のみどころは「角館武家屋敷」。有料駐車場の係員さんに無料の身障者用駐車場を教えていただいたので、その親切に応えることにします。
角館武家屋敷の観光では、場合によってはと人力車観光の情報収集もしていたので、妻の足の不調もあり迷わず人力車乗り場に向かいます。

以前に乗った小樽などの人力車は、確か二人で30分6000円だったと記憶していますが、ここ角館は30分で5000円と良心的。おまけに我々を案内してくれる人は、何とうら若い女性です?
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何と言っても桜の時期が名高い角館武家屋敷ですが、真夏の深緑の時期もなかなか良いものです。秋田佐竹藩武士のさまざまなエピソードをバスガイドさんのような女性車婦(?)さんにご案内いただいた30分は、とても得難い時間でした。でもフェミニストを目指す私としては、重い人力車をうら若き女性に引かせてその上に乗ることには、ちょっとばかり抵抗があったのも事実ですが…
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人力車を降りた後、1つぐらい武家屋敷の中も見たいということで一番有名な青柳家を見学します。
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その後妻は、早くもこの旅の最後に立ち寄る実家へのお土産を仕入れたので、私も有名な味噌しょうゆ蔵で自分とこの旅で出会うであろう人へのお土産を仕入れます。
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醤油と言えば、1年前に熊本の人吉で買った醤油がとても美味しく、その後我が家の食卓に欠かせない調味料になったので、秋田でもそんな調味料に出会えないかと考えた故の訪問です。
そういえばあの人吉の味噌しょうゆ蔵は大丈夫だったのでしょうか? 次回購入の時に尋ねてみようと思いました。

この日のお昼は予定では湯沢に行って、本場の稲庭うどんを食べる予定でしたが断念。近くの道の駅で稲庭うどんをいただきましたが、稲庭うどんも讃岐うどんと同じく関東でもそのクオリティがかなり上がってきているので、地元で味わう感動はありません。

午後は予定していた観光地をパスして秋田市内へ行き、秋田市のシンボルである千秋公園に向かいます。混雑していて何とか車は停められたものの、公園は想像していたよりかなり大きいようです。おまけに、妻が突然思い出したように、「ここ、来たことある! 足も痛いから車で待ってるね。」などと言い出すものですから、散歩する気も一気に萎えてしまいます。
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じゃあ歩かないで済むところにしようと、秋田港が展望できるポートタワーへ向かいます。港すぐ近くのタワーからは秋田港をはじめ秋田市内も男鹿半島も見えるのですが、嬉しいことに入場無料です。
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これから向かう男鹿半島も地図で見るみたいに見えています。
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男鹿半島入口の観光案内所には、巨大ななまはげ像があるようなので男鹿半島最初の観光スポットとして向かいますが、夕方近くのこの時間、なまはげ像は完全な逆光で、目を細めて眺めるだけに終わりました。
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男鹿半島に来るのは2回目です。初めて来たのは大学2年の夏休み。青森の宿が取れなかったため、ねぶたを諦めて弘前でねぷた祭りを見てから秋田で竿燈祭りを見て、その翌日国鉄で男鹿半島を訪ねてユースホステルに泊まったことまでは鮮明に覚えているのですが、どうやって観光したのかなどは全く覚えていないのです。その意味では、初めての妻と五十歩百歩ですね。

この日の宿泊は男鹿温泉ですが、予算をけちったためか肝心な温泉がとってもぬるくって、温泉に入った気が全くしません。旅館のウリは新鮮な海産物らしいのですが、「これがウリ?」という余りに貧弱な値段相応というよりそれ以下の夕食。昨日、Yさんに薦められた男鹿にあるというYさんの系列ホテルにその場で予約を変えなかったことを激しく後悔しました。

でも男鹿でとても楽しみにしていた「なまはげ太鼓ライブ」は予想以上に大満足でした。通常500円のライブが金曜日は無料で、お盆直前のこの日は立ち見も含めたぎゅうぎゅう詰めの超満員でしたが、その迫力に大いに満足した晩でした!
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7日目:8月13日(土)

今日から数日間は、お盆の最混雑を覚悟しなければいけません。丁度1年前のお盆の土曜日は、超混雑するであろうという群衆心理の裏をついた私の作戦が見事に効を奏して、信じられないほど快適に上高地を満喫できたのですが(投稿はこちら)、上高地に匹敵するような超人気スポットであっても、二匹目のドジョウは期待できそうにはありません。この日は、男鹿半島のみどころを見てから、いよいよ青森県に向かう予定です。

まず、八望台から男鹿半島の全景を眺めます。この日の天気も快晴で、この旅の前半は本当に天気に恵まれています。
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昨晩、なまはげのライブは見たけれど、あくまでなまはげの格好をした太鼓ライブがメインだったので、地区毎にたくさんいるというさまざまななまはげが見たくなり、「なまはげ館」へ。そんなに広くはないここ男鹿半島に、本当にこんなにたくさんの顔をしたなまはげがいることに改めて驚かされます。
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近年、男鹿半島観光のメインとしてよく取り上げられる男鹿水族館にも、勤務先の共済の券でただ同然で入れるらしいので行くつもりにしていましたが、予想以上の駐車場の混雑とちびっこの大行列で、中の混雑を想像しただけで行く気も萎えてしまい、駐車場からの景色を眺めるだけで満足することにします。
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男鹿半島突端の入道崎。ここで観光とお昼を食べる予定にしていたのですが、水族館をパスしたのでまだ11時前です。とりあえず男鹿半島突端の風景を満喫します。
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念のため昼食候補にしていた食堂群を覗いてみます。どのお店も既にオープンしており、年最高の掻き入れ時の1日に向けて、臨戦体制を整えています。
結局、「今日はこの先、普通に考えたら超混雑でちゃんとしたお昼になんかありつけないかも?」と思ったのと、流石に11時前なので食べログ最高評価で混雑時には2時間待ちとクチコミに書かれている食堂でもまだ空いていたので、ついつい入ってしまい、空腹でもないのに高価なウニ丼を注文してしまいました!
空腹ではないので、美味しく感じられるかどうかが心配でしたが、流石にウニはウニでした!
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昼食後は男鹿半島をゆっくりとドライブしながら景色を楽しみます。次の目的地である「ゴジラ岩」をナビに入力すると、当然のように北海道知床半島のゴジラ岩を表示します。昨年、「ゴジラ岩観光」という会社の遊覧船に乗った時の我が身に降りかかった惨劇(投稿はこちら。ちなみに、この会社が悪いわけではありません。)を思い出して、思わず苦笑いです。

そのゴジラ岩ですが、近年TVのCMで話題を呼び、人気観光地になった故なのでしょうが、駐車場がいかにも急ごしらえの臨時駐車場的で、ちょっとびっくりします。駐車場からゴジラ岩が見えるスポットまでの道も全く整備されておらず、ラフな道が苦手な私は岩がゴロゴロする悪路に大いに苦労させられます。それでもここまで来てゴジラ岩を眺めずに引き返すわけにはいかないので、必死に歩いて何とか岩がCMのように見えるところまではたどり着きました。他の人たちはまだまだずんずん進み、ゴジラ岩のもっと近くまで行こうとしているようですが、私はここで満足して引き返すことにします。
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男鹿半島最後のみどころは寒風山展望台。15分でぐるっと一周するハイテクな回転展望台なので、勿論上まではエレベーターがあると思っていましたが、何とエレベーターはなく階段で最上階まで上がるのです。ちょっと慌てましたが、手すりがあるので事なきを得ました。
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秋田県最後に私が特に行ってみたかった場所は、八郎潟の干拓地。子供の頃、日本有数の湖が埋め立てられて広大な農地に変わった話を社会の教科書で見て以来、私の憧れの地の1つになりました。
まっ平らの農地に北海道のような真っ直ぐな道、道の左右にはどこまでも続くちょうど満開のひまわりが咲き誇っています。数十年前までは、ここがだだっ広い湖だったなんて想像もできない風景です。
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八郎潟を作った人たちの「遊び心」が覗けるのが「日本一低い山」の「大潟富士」。日本で一番低い富士山は勿論私でもあっという間に登れ、周囲に他に高い地やビルのない八郎潟の「お山の大将」になれるのです。
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もっとも、この頂上で海抜ゼロメートル。どうやら一番低いところにいる「お山の大将」のようです。
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12.東北一周の旅<その3:岩手県(内陸編)> [日本一周(一周目)]


4日目:8月10日(水)

山形県を後にして、本日からはいよいよこの旅のメインである北東北未制覇3県に向かいます。まずは岩手県、個人的には6年間住んでいた宮城県に次いで何度となく訪れた思い入れのとても深い岩手県なので、改めてじっくりとその魅力に触れたいと考えています。
とても広い岩手県、今回は内陸部を観光しながら北上し、一旦他県を楽しんだ後、北東北の最後に思い入れの強い三陸を海岸線に沿って南下するという2回訪問のプランを考えていたので、今回はまず一回目として岩手内陸部の観光です。

東北道で宮城県から岩手県に入ると、最初の街が一ノ関。一ノ関には仕事でも何度となく来たし、昭和の時代には会社の同期も住んでいたので、何度か飲みにも来た懐かしい街です。近くには猊鼻渓で舟下りを楽しむことができますし、何と言っても隣町平泉には世界遺産の中尊寺があるのですが、猊鼻渓と平泉は病気直後の自分的一大イベント「温泉復帰の旅」(その投稿はこちら)で訪ねていますので、今回はスルーさせていただきます。

本日最初の見学地は、「えさし藤原の郷」。奥州藤原氏がテーマの東北では数少ない歴史的テーマパークなので、以前から一度は訪れてみたい施設でした。
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平安~鎌倉時代のテーマパークなのですが、その時代だけではなくさまざまな時代の映画や大河ドラマなどにもよく使われるらしく、最近では戦国時代が舞台の真田丸でも利用されたとのことですから、見知った風景に出会えるかも…とも楽しみにしていました。
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広いテーマパークを全部ゆっくりと見るには、数時間以上はかかるようなのですが、今日もみどころをてんこ盛りにしている我々は、迷うことなく「お急ぎコース」を選択します。
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確かに昔見た大河ドラマなどで使われていたようなセットもあり、それなりに楽しむことはできました。
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でも、いくら今日が平日の午前中とは言え、お盆休み直前の夏休み期間中です。団体客も殆んどいないし家族連れもパラパラのこの状況には、正直経営が大丈夫なのかとても心配になってしまいます。
せめて奥州藤原家のように三代はもってくれたら嬉しいのですが… 当初の予想よりロケもそんなには多くはないみたいなので、その意味でも非常に心配です。
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次の目的地は遠野なのですが、出発前には「どう考えても、間に合わないであろう」と思っていたものの、念のため時間を控えてきた「銀河鉄道」の通過時間にひょっとしたら間に合うかも…という時間だったので、事故を起さず違反で捕まらない程度に、少しだけ先を急ぎます。

「銀河鉄道」とは正しくはSL銀河。このSLは週1往復の週末のみの列車なのですが、お盆期間中の臨時列車として本日も運転されているようです。一番有名な撮影スポットとしては、遠野郊外の宮守のめがね橋を渡るSLが、さながら宮沢賢治の銀河鉄道のようだということで人気を集めているのだとか…
何とか通過予定時刻5分前にはそのビュースポットである道の駅に着くことができ、重装備したたくさんの鉄ちゃんに混じって、SLを待ちます。
すぐに遠くに煙が見え、ポーっという汽笛が聞こえるというベストタイミング!でゆっくり橋を通過するSLを撮ることができました。
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SLはゆっくりのスピードなので、連写機能のない私のカメラでも、何回も撮影できるからありがたい…と、改めて後日痛感することになりました。
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遠野でのランチに決めていたのは、遠野名物らしいジンギスカン。ジンギスカンと言えば、35年くらい前の貧乏旅行者にとっては大のごちそうで、「あの民宿は、ジンギスカン食べ放題だよ!」なんて評判を聞くと、予定を強引に変更してまでジンギスカン目当てに行くというぐらいのぜいたくな食事でした。(当時は、20代前半でしたので勿論食う量も半端ではありませんでしたが…)その後、我々も年を取り、昔は高嶺の花だった牛肉の値も徐々に下がって来た影響で、ジンギスカンは食卓から徐々に消えて行きます。ですからジンギスカンを食べるのなんて恐らく10年以上振りです。
久し振りのジンギスカンに、思わず妻と食らいついてしまいました!!

実は遠野に来るのは、私の初めての東北旅行であった1979年以来です。大学1年の時の夏休み、夜光急行を花巻で降りた我々は、花巻市内をぐるっと見てから、釜石線に乗り遠野に降り立ちます。旅するにあたって、柳田国雄の遠野物語を俄知識として仕込んでいたことはいましたが、まだまだ若かった19歳の私には、遠野の観光スポットを見ても、「何だ、こんなとこか!?」とがっかりしたことだけが強く印象に残っていたので、今まで再訪する気にならなかったのです。
あの時から37年、「ようやく私も、柳田国雄が分かる年になったかもしれない!?」という期待を込めての再訪です。

遠野物語の昔話を聞くのには、昔はなかった「とおの物語の館」で地元の語り部さんの話を聞くのが一番と、語り部さんの講演時間に合わせて訪ねてみます。夏休みなので都会から来たらしいちびっこも多かったので、語り部さんは我々にも理解可能なようにソフトな方言を使ってくれたようですが、それでも私には8割しか理解できませんでした。東北出身の妻は100%だったそうですが…

語り部さんの話ですっかり遠野物語の雰囲気になった我々が、次に向かったのは物語の舞台でもあるカッパ淵。そこで見た観光客の余裕ある旅の姿が、私に大きな衝撃を与えることになるのです。
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カッパ淵にいたその若い女性二人は、釣り竿にカッパ釣りの定番であるきゅうり一本を丸々結びつけて、お喋りしながらもずっと竿を動かし続けています。まるで、本気でカッパを釣りたいと言わんばかりの勢いです。その状況には大いに興味があったので、近くを散歩した後に再びカッパ淵に戻ってみましたが、あの二人は何かに笑いながらも相変わらず竿を動かし続けているのです。
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この余裕を見て、改めてこの二人の旅がとても羨ましくなりました! どこから来たのかは知りませんが、こんな絶好の天気なのに、他のみどころには見向きもせずに、ひたすら釣れるはずのないカッパ釣りをしているなんて… 私には考えられない余裕で、とにかく猛烈に羨ましくなったのです。

もうすぐ日本一周を達成できるので、その後にはもう少し地に足を着けた余裕のある旅をしたいと心から思いました。あの娘ぐらいの年の女性に教えられました。

本日の宿泊は盛岡市内。盛岡は妻が中学生の頃に父親の転勤で数年間住んでいた地で、折角なので妻が通った中学校を訪ねることに…
今はナビがあるので、学校名さえ入力すればちゃんとその地まで運んでくれるのでありがたいのですが、学校の周りをウロチョロすると、すぐに不審者の疑いを掛けられるのも、今の時代ならではです。

今晩の夕食はホテル近くの専門店で盛岡名物「じゃじゃ麺」を食べることに決めていました。盛岡と言えば冷麺やわんこそばなどの麺も有名ですが、何と言っても懐かしいじゃじゃ麺を食べ、大いに満足したのでした。
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夕食後、昭和の時代に数年間一緒に働いたE先輩と数十年振りの再開を果たし、ホテル近くで2時間近くの昔話を。その時、Eさんから「当時我々の上司だったY先輩が、風の噂では田沢湖周辺のホテルにいるらしい!?」という情報を聞いたので、それ以上の詳細はE先輩もご存知ないようですがいくつかヒントになりそうな情報もあったので、明日田沢湖方面に行くつもりの私は「出来るだけのことをしてでも出来るものならば是非Yさんにも会いたい!」と、その晩遅くまでネットで情報を収集したのでした。

5日目:8月11日(木)

この日は初めての「山の日」です。現在、学校法人に勤めている私にとっては、夏期休暇中の祝日なので、「嬉しさも、中くらいなり」ではありますが、海の日以来久し振りに増えた祝日なので、嬉しくない筈はありません。旅行プラン的にも、この日は丁度山がメインの1日だったのですが、初の祝日を歓迎するような最高の晴天が広がっています。

今回の旅でホテルで朝食を食べないのはたった二回だけなのですが、その二回共にとっておきの朝食プランを計画していて、今日はその一回目です。6時過ぎにホテルを出て、まずはネットで調べておいた24時間営業のコインランドリーに洗濯物を預け、7時開店の近年TVなどでしょっちゅう取り上げられる超有名になった盛岡のパン屋さんの「福田パン」を目指します。開店の10分前には着いたものの、駐車場はすでに満車で開店に並ぶ行列は既に50人を越えています。まだ、朝の7時前なのに?
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近くのコインパーキングに何とか車を停め、行列に加わりますが、パンを買うだけとは言え名物のコッペパンにその場でジャム等を塗るので、行列は遅々として進みません。改めて先頭の人たちを見てみると、一人でパンを10個以上注文している人ばかりです。TVの影響で観光客ばかりの行列かと思っていましたが、どうやら地元の方々が早朝から並んでいるようです。
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(室内に並んでいる様子) 
少しして列の進みが早くなりました。一人の注文個数もぐっと少なくなったので、我々のような観光客中心になったようです。
結局パンを買えたのは8時前、朝から丸1時間以上の行列に並ぶとはゆめゆめ思わず、コインランドリーではとっくに洗濯が終わっていました。
ようやくコンビニの駐車場で福田パンのコッペパンにありつきます。ここ一番の名物は「アンバター」なのですが、実は私の高校のすぐ横のパン屋さんにも40年前から「アンバタ」というほぼ同じパンがあったのですが、比べて抜群に旨いとはどう考えても思えません。もう1つ有名な「サラダパン」もオーダーメードのパンも、平均よりはずっと美味しいけれど、「朝から1時間並ぶまでのことはないなぁ?」というのが我々の結論でした。

本日は、最初に安比高原で働いている大学時代の友人を訪ねた後、八幡平をハイキングをしてから秋田県に向かう予定だったのですが、安比の友人から「朝イチは都合が悪くなった。ゆっくり来て!」という連絡が入り、八幡平に先に行くことに。仕事中のホテルにお邪魔虫するわけですから、文句は言えません。

八幡平アスピーテラインは蔵王同様つづら折りの道。頂上に近づくとガスがかかる御釜の時の悪夢を思い出しますが、今日は山の日なので山の神様もそんな悪戯はしないようです。
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岩手県と秋田県の県境にある駐車場、私の中ではまだ拘って岩手県側に停めます。
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八幡平の遊歩道については、事前に観光協会に階段等の状況を問い合わせていて、「(左回りで行くと)最後に150段の(下り)階段があるだけ。」という情報を得ていましたので、躊躇なく右周りでまずは情報通りの階段を上ります。
その後のハイキングコースは至って順調。前にも書きましたが、階段は上りの方がずっと楽なのです。
おまけに今日は、第1回目の山の日にふさわしい、これ以上ない晴天です。
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みどころの沼などもしっかりと見ながら、八幡平の頂上に到達します!
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一時間のお散歩コース、やはり私には1時間半はかかりましたが、久々のハイキングに満たされた気分になりました。

安比高原のホテルで働いている友人は、大学のゼミの同級生。大学を出て、地元岩手県で就職した彼と会うのは、確か昭和60年に私が盛岡に出張した晩に、居酒屋で酒を酌み交わして以来です。仕事中の彼とそんなに長話をしてはいけないことは判っているつもりなので、積もる話は山ほどあるのですが、30分ちょっとで再会を約束して席を立ちました。


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