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13.日本一周達成!<その1:京都(前編)> [日本一周(一周目)]


日本一周を始めた2年前から、「日本一周のゴールは、紅葉の京都で!」とその華麗なるフィニッシュを実は密かに意識していました。
昨年、無職になりせっせと日本のあちこちを訪ねていた時には、昨年11月のフィニッシュは十分に可能なペースだったのですが、我が家の家計的事情つまりお金が底を尽きはじめてきていて、早急に再就職しなければ、元々決して豊かではない我が家がギリシャ的な財政危機に瀕してしまうという危惧から、予定より数ヵ月早く昨年11月から再就職してしまいましたので、その時点で2015年中のゴールは諦め、翌年(つまり今年2016年)に一年間延期をしていたのです。

今年になってからも、11月のゴールを目標に1月には神奈川と千葉、GWには滋賀と愛知、そして夏には北東北と順調に踏破を増やし、いよいよ2年前に日本一周をはじめてからまだ踏破していない都道府県は京都と大阪の2府だけになり、順調にゴールが見えてきていました。

という事で、まだ多少は残っている有給休暇を取って、京都と大阪を踏破すればめでたく日本一周は達成なのですが、フィニッシュを決める旅ですから「ただ、行けばいい」というものではなく、美しい景色の下で「ゴ~ル!」という達成感と感動を味わいたいので、出来れば美しい古都の紅葉の下でフィニッシュしたいというのが憧れでした。
しかしながら、近年紅葉時期の京都の観光客の数は、JR東海のお陰で(!?)半端ではないらしく、いくら綺麗でももみじより人間の方が多い京都は流石に勘弁です。ついては、より美しく静かなゴールを目指し積極的な情報収集を1月からはじめていました。

4月のGWに比叡山に来たときに、京都で乗ったベテランの個人タクシーの運転手さんにその質問をしたところ、
「11月後半の勤労感謝の日のある週は絶対来ちゃダメ!どこに行くにも車も人も大渋滞で、ろくに観光なんてできないよ!」
「じゃあ、いつがいいの?」
「その翌週、出来れば12月に入ってすぐが人も減るのでオススメ!」
「でも、そうすると紅葉終わってない?」
「自然のことなので、毎年変わるからあるでは意味ギャンブル。でも、例年12月の最初までは恐らくは大丈夫。」
という地元のプロのアドバイスを参考に、プラン作りを進めます。

ピークを外したとは言え、この時期のホテル確保も容易ではなく、半年前に予約開始の東横インチェーンの予約は、発売日の午後には既に京都市内は全館満室になっているといういささか驚くべき京都人気です。

最初は2府の内、大阪を踏破してから京都に乗り込みたかったのですが、それだと休暇の関係で京都が週末に当たってしまうのと、やはり12月だと紅葉を楽しむには1日でも早い方が良いだろうと考え、理想のゴールとは残念ながらいかないのですが、京都→大阪の順番で回ることにしました。最後が京都ではなく大阪ということにいささかの抵抗はありましたが、「ゴールの旅」に京都が含まれていることで強引に自分を納得させたのです 。
この旅の最終日には、日本一周のゴールとして自分たちへのご褒美で少しはいい宿に泊まりたいと考えていましたので、温泉に拘った我々は最終宿泊地に有馬温泉を選択し、2府と言いながら結局京都・大阪・神戸の”三都物語”の旅になってしまいました。

1日目:11月30日(水)

この日はギリギリ11月なので、早速京都の紅葉を満喫する予定です。とは言え、始発で家を出る元気もなく、いつもと同じ時間の通勤電車へ。普段はギュウギュウの通勤電車ですが、グリーン車を奮発したお陰で何とか妻と二人分バラバラですが座席を確保でき、まずは幸先いいスタートです。

東京駅で朝食にと全国各地の駅弁を選び、8時半ののぞみで京都駅を目指します。
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ところで、この日本一周では再三富士山には嫌われ続けて、2年前一回目の沖縄行きの飛行機の窓から眺めて以来、一度も晴天の富士山をパチリと撮るチャンスはありませんでした。運転中には何度か富士山が見えた瞬間はあったのですが、片手運転の私は運転中にパチリと撮ることはできません。富士山の勇姿を収めようと慌てて次のパーキングに向かいますが、その時には意地悪な富士はもう姿を隠してしまっています。何度も中央や東名を走った各地への往復だけではなく、伊豆、静岡、山梨の旅の時も富士山のご機嫌はず~っと悪かったのです。
今回の行きの新幹線がこの日本一周でのラストチャンスなので、進行方向右側の窓際で運命の瞬間を駅弁を頬張りながら待ちます。
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本日は静岡・京都共に曇りの予報でしたが、神奈川県内走行中に綺麗な富士が遠くに見えます!
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「やった~! 遂に富士山とご対面だぁ~!」と、新しいデジカメの連写機能を準備して富士山に最接近する瞬間を待ちます。ネットで調べた情報通りに東京駅発の45分後にその瞬間を迎え、バチバチと連写します!
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この2年間の日本一周のさまざまなシーンが、走馬灯のように甦って感無量になった瞬間でした。

京都では到着後すぐにタクシーで観光する予定です。2013年、長崎でタクシー観光の魅力に取りつかれて以来何度目かの貸切タクシー利用ですが、足が悪いことを除いても、時間と利便性と料金を比較すると、市内の観光はタクシー貸切がベストであることを疑う余地はありません。

昔、修学旅行の添乗員として学生を引率して降りた懐かしの京都駅八条口には早速ドライバーさんのお出迎えです。このドライバーさん、出発前にはご丁寧に打ち合わせの電話を2回もいただきました。1月以上前の最初の電話では
「当日は、何処に行きたいですか?」
「まだわからないでしょうが、その時点で紅葉がベストの場所をお願いします。」
というやり取りがあり、2週間前の電話では、「今年は、紅葉が早い!」という情報を教えてくれました。

そうです、この1ヶ月京都の紅葉情報を毎日のようにネットでチェックしていましたが、ネットの情報でもとにかく2016年の紅葉は早く、例年なら12月上旬までは見頃が続く箇所も含めて大半の紅葉スポットが「見頃終わり」。おまけに「2日前の雨で、僅かに残っていた葉も落ちた。」というショッキングな報道で、思わず4月の運転手さんの発した”ギャンブル”というフレーズを思いだし、出発前から大いにモチベーションが下がったのですが、今更旅行を延期や中止する筈もありません。

「そんなに悲観することはなく、まだ紅葉が楽しめる場所はありますよ! じゃぁ、行きましょう!」運転手さんの力強い励ましに一度は萎んだ期待を膨らませて、京都の市内へと進みます。

紅葉を見たい場所とその状況は自分なりにしっかり下調べしていたのですが、信頼できそうな運転手さんのプランをベースにして、私が行きたい場所を加えてもらう方向で今日の方向性が決まります。
まずは運転手さんオススメの龍安寺方面に進み、最初に訪れたのは数少ない”今もまだ見頃”らしい「北野天満宮」。高校生時代、受験の願掛けで来て以来の北野天満宮で、まずは礼儀として紅葉の前に学問の神様に参拝をします。とは言え、今は学問の神様にお願いする対象者もいないので、まだハイハイもできない生後7ヶ月の孫の学問成就をお祈りします。そのお陰なのか、その翌日に孫がはじめてハイハイをする画像が娘より送られて来ます。「さすがに菅公、やっぱりそのご利益は凄い!」と密かに感動してしまいました。
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有料のもみじ園は、終わりかけの感じではあったものの、十分に楽しむことができました。
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運転手さんは車からずっとガイド役を務めてくれています。もみじの景色にはガイドは不要かなぁとも思っていましたが、そこは京都ですから深い歴史があり、プロのガイドさんに変身した運転手さんの口からは、我々の知らない天皇の名前が何人も出て来て、非常に新鮮です。日本史にもかなり詳しかったという自負はあったのですが、18歳の大学受験以来触れていないので、久し振りの日本史は新鮮です。「もう一度日本史の勉強をしなおさなきゃ!」と思い返した瞬間でした。
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次の見学地は龍安寺。龍安寺と言えば枯山水の庭園のイメージがあまりに強かったため、紅葉の観光としてはノーマークでした。
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高校時代もしくは昭和の時代修学旅行の添乗員として頻繁に京都に来ていた頃以来の龍安寺の枯山水を久し振りに見て、古寺+紅葉という京都の魅力を満喫しました。
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ここでも、運転手さんの歴史案内が旅を大いに盛り上げてくれました。
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次もすぐ近くの仁和寺。仁和寺も名前は知っていたけど、来るのははじめてかもしれません。勿論、紅葉スポットとしても恥ずかしながら構想外でした。
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仁和寺は、紅葉はともかくやはりお寺としての魅力に溢れたスポットで、心地よいひとときでした。
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次は遅めの昼食。運転手さんからは「美味しいお店を手配しましょうか?」というお誘いはあったのですが、この日は我々的には、「食事よりも紅葉」の気分だったので、ごく普通のうどん屋さんでのランチです。もう1時半を過ぎているのにタクシーの運転手さんたちが入ってきます。運転手さん仲間には定番のお店なのでしょうか?

昼食後は東山地区へ。今日最初に回った金閣寺(行ってませんが)周辺エリアは、運転手さんによると紅葉は少し遅めとのことでしたが、逆に東山地区にはみどころは多いものの今年はもう紅葉が終わりかけているとのネット情報でしたが、それでもまだみどころが残っていることを信じての訪問です。
東山最初のみどころは運転手さんおすすめの青蓮院。私も、ライトアップでマークしていた紅葉スポットでしたが、「昼も夜もいいよ!」という運転手さんのお薦めでの訪問です。
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さすがに紅葉スポットが集まる東山でも有数の人気スポットなので、景色と一緒に紅葉はまだ楽しめました。何よりも意外なほど観光客が少ないことに心からびっくりしました。あのピーク時からたった1週間後なのに…(とは言いながらピーク時の混雑を見た訳ではなく想像上だけですが…)
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ここまで来たら、「次は永観堂に行きたい!」と運転手さんにお願いします。私の事前リサーチによれば、「東山の中では、一番紅葉がまだ残っている場所」なのだとか。
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永観堂は予想以上に紅葉が残っていて、十分に見応えがありました。おまけに高台のみどころに行くには嬉しいことにエレベーターがあるのです!
大満足の永観堂でした。
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この時点で時刻は4時半になり、まもなく日没になります。京都の紅葉スポットの殆どはライトアップ営業をしているので、一旦5時にクローズして、6時に夜の部をオープンするので、しばらくは紅葉のみどころはどこも見られません。今日の最後は清水寺の参道でタクシーを終了して、参道付近で適当に夕食を取ってから清水寺のライトアップに行く予定にしていたのですが、さすがに今から清水寺に行くのはいくら何でも早すぎます。運転手さんは、「紅葉じゃぁ全然ないけど、三十三間堂にでも行きますか?」と提案してくれましたが、まだほんの僅か日没まで時間がありそうだったので、伏見稲荷に向かってもらうことにしました。
伏見稲荷は知ってはいたものの訪問経験はありません。昔はさほどメジャーな観光スポットではありませんでしたが、外国人から火がついてメジャー観光地化した代表例でしょう。有名になったあの千本鳥居を歩きたいための訪問で、紅葉スポットではないのでライトアップもありません。
ギリギリ日没直前の到着だったので、何とか真っ暗になる前にまず参拝だけは片付けます。
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秋の日はつるべ落としなので、あっという間に真っ暗になってしまいます。数分後、伏見稲荷目的地の千本鳥居に着いた時には、結構真っ暗になっていましたが、フラッシュで写真を撮った後、灯りが僅かにともる千本鳥居を歩きます。
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この時間、日本人はあまりいませんが、さすがに海外での有名観光地だけあって、外国人はたくさんいます。ここでも運転手さんの案内でとても興味深い見学ができました。

予定通り清水寺の参道まで送っていただき、大満足の貸切タクシーを終了します。大人気の清水寺のライトアップはオープン直後は激混みとの情報から、最初は運転手さんが電話で予約してくれた参道の京料理のお店に向かいます。この時間、清水寺に向かう人波は凄く、確かに今清水に行かない方が良さそうです。
私が修学旅行の添乗員としてしょっちゅう来ていた頃は、この参道のお店は修学旅行向けのお店ばかりだったので、今晩の夕食に大きな期待はしていません。4月に南禅寺で食べて以来の湯豆腐をいただきますが、期待していなかった分、4月の時とあまり変わらない印象でした。

夕食後、いよいよ清水寺に向かいます。予想通りこの時間は清水見学を終えて降りてくる人たちがとても多く、慌てて行っても相変わらずの人間渋滞に巻き込まれるだけだと思ったので、妻と参道のお店をゆっくりと覗きながらいつも以上に超スローペースで歩きます。7時半近くなって清水寺に着きましたが、想像通り人はかなり減っていて、これなら快適な見学ができそうです。
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清水の舞台上や、舞台と紅葉が見られる展望スポットでは、スタッフが、「立ち止まらないで下さい!」と連呼してはいましたが、それでも有名な風景の写真を撮る余裕は十分にありました。
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それにしても、先月買った新しいカメラ、夜景もバッチリで大満足です。思い切って買って大正解!
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今日の宿泊は京都駅の中のホテル。直前まで市内のビジネスホテルを押さえていたのですが、出発の数日前に”間際キャンセルの空室”を狙ってサイトを見てみると、期待通りの”直前割引”が出ています。半年前から、ずっと満室だったホテルなのに… です。

フロントで自宅から送った”京都分の荷物”を無事受け取ります。この旅のロジスティクスについては、荷物を持って観光することができない私の大きな課題でした。人気観光地故に連泊はできないし&京都のこの時期は寒いと言うし… 結局、荷物を2日分づつ2つに分けて京都と大阪のそれぞれのホテルに送ることにして、それぞれの翌日にも、荷物を持って観光をしない工夫を考えたのです。

1日観光してとにかく疲れた老夫婦は、部屋に入るなりあっという間に眠りに落ちてしまいました。

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