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【日本2周目開始!】韓国に一番近い島へ!<その4:博多どんたく、日田、黒川温泉> [日本二周目]

6日目:5月4日(木)続き

朝9時半、この旅二回目の福岡空港到着です。
”離島シリーズ”の第1回目が壱岐・対馬で無事に終了したので、今日は2周目の新シリーズの”離島”に並ぶ大きなテーマにすると決めていた取り組みの第一弾に早速切り換えようと考えています。
その2つ目の大テーマとは、「日本のお祭り」。

日本一周をしたとは言え、我々はその間に各地に残る伝統的なお祭りを見たとは全く言えません。日本一周の前から考えても、人ごみが好きではない私は、有名なお祭りを見たことは非常に数少ないのです。大学生までに見たお祭りとしては、高1の時の長崎の精霊流し、大学2年の弘前のねぷたと秋田の竿燈程度。会社に入ってからは、仙台に6年も住んでいたくせに、七夕はともかく青森のねぶたも山形の花笠も見たことはありません。

そうなると、「その土地の文化を形作るお祭りも見ずして、お前は本当に日本各地を見たと言えるのか?」という自問自答には全く反論の余地はありません。
とは言え、お祭りはお盆などの特定の時季に集中する傾向があるし、仕事を休めない時期も多いし、何より全てにおいて混みあうので交通機関や宿の確保が大変で旅費そのものが高騰するのは、一応元業界人なので痛いほど知ってはいます。

ということで、全ての有名なお祭りを見るのは難しいかも知れませんが、とりあえず可能な範囲で各地の有名なお祭りは見ようと決意を固め、その第一弾としてゴールデンウィークに日本で一番混みあうお祭りとして名高い、「博多どんたく」を選んだのです。
どうせなら昨日から博多に宿を取りお祭りを満喫しようとも考えたのですが、さすがに博多のホテルはほぼ満室で料金も高いので、対馬の宿泊+翌日(今日)朝イチの航空便にし、祭りを見た後の今晩はの宿は博多には留まらずに大分県の日田まで行って泊まるという、お祭り料金を極力避けるという元業界人のノウハウを活かしたアレンジにしました。

”博多どんたく”は午後3時からのメインイベントであるパレードまでは、福岡市内各地のイベント会場でさまざまな出し物が披露されるようです。私のプランでは最初は博多駅周辺のいくつかのイベントスペースを巡る計画にしていたのですが、満員の地下鉄の乗客がほぼ全員博多駅で降りるのを見て、急遽予定を変更してメイン会場近くの天神へ直行。どんたくはゴールデンウィークの中でも日本一混雑するイベントと聞いているので、少しでもその混雑を避けられるとあらば、予定の変更にはきわめて柔軟です。

天神で降り、最初からイベント会場の中でも一番大きい福岡市役所駐車場のメイン会場へ。
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入場する人は行列を作っていますが、まだ午前中の早い時間のためか、何とか最後列のパイプ椅子を確保できました。
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ステージでは、踊り、演奏、ダンスなどさまざまな演じ物の披露が次々と。お祭りのテーマに沿った出し物ではなく、とにかく何でもの発表の場といった感じ。和服での踊りや琴など和楽器の演奏から、AKBのようなアイドルグループまで。演じる人はアイドルを目指すセミプロからどう見ても素人や子供達までがいます。さすがに”市民祭り”で、昔旅行会社時代に、「唄や踊りなどを海外で披露しませんか!?」と言って、上手くないグループまでも含めてとにかく勧誘しまくった日本文化紹介イベントである”○×フェスティバル”を懐かしく思い出しました。

お祭りにつきものと言えば屋台。午前中だというのに九州ならでは焼酎の屋台が出ていて、一杯200円で飲めるというので、11時前だというのに購入して、一人で悦に入ります。つまみは中津名物の鶏の唐揚げ。2年前、中津で食べ損ねたので、ようやくリベンジが叶いました! 昼前から好物のから揚げでチビチビと呑めるなんて、旅の醍醐味でもあり至福の瞬間です。

ステージでは交代でさまざまな出し物が登場し、出演者の家族や友人中心に盛り上がっているようですが、午前中にこれ以上焼酎を飲んでしまうとこれからの1日が台無しになってしまう恐れもあるし、ある意味大人の学芸会みたいなイベントを酒も飲まずに見続ける元気もありません。お昼になればこの周辺のレストランは混みあうこと必至でしょうから、ちょっと早いけれど天神のデパートに入りお昼にします。12時ギリギリ前だったので並ばずに入ることができました。

この日は初夏というより夏のような日射し。昨日のどんたくパレードは途中で突然の雹が降って、パレードが中止になったその翌日とはとても思えません。午後もこのまま屋外でイベントを見続けるにはあまりに暑いので、天神地下街にもあるイベントスペースでの見学に切り換えます。

屋外に比べて小振りな地下イベントスペース、妻は早々に座席を確保できたのですが、私は立ち見での見学が続いたので、途中で少ししんどくなり隣の喫茶店に逃げて、少しまったりしていました。
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地下街の出し物もさまざま。大ステージの出し物と小ぶりなステージでの出し物のレベルは正比例するのかしら?と、興味を持って見ていましたが、どうもそうではないようででした。
でも地下街で一番盛り上がっていたのは、子供がたくさん登場するダンスサークル。この時ばかりは、幼稚園、小学生の出演者の親たちが凄い盛り上がりようでした。
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メインイベントのどんたくパレードを良い場所で見ようと、桟敷席のチケットを遠く離れた埼玉県のローソンで1ヶ月以上前に仕入れていたので、天神と中洲の中間にある桟敷席まで移動。福岡のお祭りのチケットが埼玉県で買えるなんて、本当に便利な時代になったものです。
ビールでも飲みながらのんびりとパレード見学するつもりでしたが、過去に見たことないほどのコンビニに溢れる大量のお客さんで、人の洪水をかき分けてビール売り場からレジまで行くのは、どう考えても無理そうなので、諦めてとりあえず自由席の桟敷に何とか空席を見つけて陣取ります。
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@3000円也の桟敷代を節約した(?)地元民たちは、ずっと前から通路にゴザを敷いて場所を確保し、すぐ近くでパレードが見られるようですが、パレードの全体が見えるスタンドのような桟敷席は、高さが程よくとっても良い眺め。パレードは子供や中学生・高校生から始まりますが、ブラスバンドは上手いし演技も思ったより上質。
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ビールが無いのが唯一の心残りではありましたが、さすがにどんたくのメインイベントだけはあるようです。
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前日のような雹は降らず、桟敷席の払い戻しも無くなりましたが、@3000円の価値は十分にありました。
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パレードは7時頃まで延々と続くようですが、我々は5時半過ぎにはどんたくの見学を切り上げ、高速バスで大分県の日田を目指すことに。天神の高速バスターミナルは、さすがは九州のハブという感じで、数分おきに九州各地を目指して高速バスが発車してゆきます。行き先の地名は、知ってはいるものの未訪の地も多く、あのバスにもこのバスにも飛び乗りたい衝動を抑えるのに苦労しました。

大分県の日田までは高速バスで1時間半。おおよそ40分おきに発車する高速バスの座席はほぼ半分程度埋まっています。ダイヤを気にせずに乗ることができ、日田まで1時間半で料金もJRより安いとあれば、JRに勝ち目はありませんね!?

高速の上には高速バス同士の乗り継ぎの便を考えた基山のターミナルもあり、未体験の”高速バスの乗り継ぎ”には興味津々で、猛烈に降りてみたくなりました。
日田が近づくとインター毎に高速を降りて料金所すぐ近くのバス停で少しずつ乗客が降りてゆきます。近所に何もないバス停で、"こんなところで降りてどうするの?"とも思いますが、まもなく迎えの車が来るのでしょう。

日田のホテルは、駅とバスターミナルに近いルートイン。ここでも”本日は韓国人の大型団体がご宿泊です。”と、対馬を出て以来すっかり忘れていた韓国の旅行熱を思い出させてくれました。

7日目:5月5日(金)

大分県は、2年前の九州一周で最初に訪ねた県で、たくさんのみどころを貪欲に見て回ったのですが、時間の関係で泣く泣く諦めたのがここ日田。そもそも、前日の日本一周のサブテーマが、「寅さんがいそうな街並みを探す」だった筈なのに、寅さん第43作のメインロケ地になった日田を見ていないなんて完全な本末転倒です。
その分も含めて、日田の昔ながらの街並みが残る中心地”豆田町”はじっくりと見たいと思い、10時~の「豆田町町歩きツアー」(@1700円也)を予約していました。

いつも通り、早めにホテルをチェックアウトした我々は、豆田町までゆっくりと散歩して風情を楽しみます。私的に日田と言えば、昔甲子園をたびたび沸かせた日田林工、中でもその後阪神のドラフト1位で、「怪我さえなければ阪神を代表する投手になっていたに違いない!」とまで言われていた源五郎丸洋投手を懐かしく思い出しながら日田散策をしていました。
源五郎丸投手、今はどうしているのでしょう?

ゴールデンウィークど真ん中のこの日ですから、「町歩きツアーの参加者は大勢いるのかなぁ?」とも予想していましたが、指定時間に集合したのは我々夫婦だけ。二人だけでベテランガイドさんを独占する贅沢な1時間半になりました。
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江戸時代、幕府直轄地の”天領”だった日田が、何故天領だったか?などはベテランガイドさんの話を聞かないとわからないところでした。それ以外にも街並みと家をとっても興味深く見られたのは、我々のペースで日田の街並みを丁寧にご案内いただいたベテランガイドさんのお陰です。
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子供の日だからなのか、この日醤油蔵がお雛様の無料公開をしています。無料で見せるにはいささか勿体ないぐらいの見事なコレクションで、特に外人さんたちが大盛り上がりでした。
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ガイドさんに、寅さんと満男たちが訪ねた薬屋さんのロケ地の場所を尋ねましたが、ここ豆田町のちょっと先とのこと。結局行けなかったのですが、日田はどこを見ても寅さんがいそうな街並みばかりです。
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90分の散策を終え、ガイドさんにこの近くで日田名物のB級グルメである”日田焼きそば”の食べられるお店を聞いたところ、豆田町内にある中華料理屋さんを紹介され、わざわざ道案内までいただくことに。
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夫婦だけでやっている本当に小さな田舎町のラーメン屋さんの風情でしたが、日田焼きそばはパリパリしてなかなかの味でした。
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豆田町を出て、日田らしい眺めとして寅さんにも登場した川沿いを見に行きます。タクシーを拾い簡単な案内を期待したものの、全く案内する気はないらしく、意味もなく川沿いでちょっと止まるのが運転手さんのお気に召さないようでした。
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午後は今回の旅の最終目的地である黒川温泉へ。黒川温泉は噂通りアクセスが悪く、路線バスでも日田を含め路線は本当に少なく、大半の人たちはレンタカーを含むマイカー利用のようです。我々の日程は日田と組み合わせることができたので、その点ではラッキーでした。
マイカーで来た2年前の九州一周の時に黒川温泉へも行ければ良かったのですが、あの時は主に予算面から九州を代表する名湯をスルーしており、今回はその”忘れ物”を取りに行く旅です。

でも、黒川温泉の各旅館の写真をネットで見ても、どの旅館の浴槽にも手すりが見つからず、手すりがなければ私が入れるお風呂はありません。なので黒川温泉の温泉組合にメールで問い合わせをしたところ、「黒川温泉に浴槽に手すりがある旅館は、たった3軒しかありません。」という回答がすぐに届きます。この手の問い合わせが多い故でしょうか?
黒川温泉は、湯巡り手形を持って各旅館自慢の温泉巡りが楽しいのでしょうが、もともとそこまでの温泉好きでもないし、一軒でも手すりがあればとりあえず黒川温泉には入れるということになるので、ちょっと予算オーバーだったものの、手すりがある黒川荘という宿を予約しました。
「ゴールデンウィーク真っ最中の5月5日に、人気の黒川温泉の宿がそんなに簡単に取れるの?」と疑問にお思いの方もいらっしゃるでしょうが、実はこの予約をしたのは1月のこと。古巣の旅行会社のプランで、1月に宿泊費もカード決済してしまいましたが、我が古巣はてるみくらぶのような心配はなく、間際取消でもなければ、キャンセルしたとしても決済金額は全額戻ってきます。

日田から黒川温泉までは1時間半強の筈なのですが、途中の杖立温泉に近づくと、田舎道で突然の大渋滞が始まります。
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杖立温泉ではどうやら鯉のぼりのイベントをやっているようで、それによる渋滞らしいのです。この渋滞を抜けるのに30分以上かかり、ホテルに黒川温泉バス停までの迎えを頼んでいた私は、ヤキモキしていたのですが、30分ディレイで着いた我々をニコニコと出迎えてくれたホテルの方によると、「このバスは到着予定がリアルタイムにネットに出ているので、30分遅れもわかってましたよ!」とのこと。ヤキモキしてイライラしていたのは、どうやら私だけだったようです。
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黒川荘のお風呂は、宿泊客専用と湯巡り客用がありましたが、我々は当然宿泊客専用に。この宿泊客専用の露天風呂、とにかく広くてお客さんも少なくて最高!さすがは九州を代表する黒川温泉だと、このお風呂だけで一瞬にして黒川温泉に心奪われてしまいました!
夕食もとっても美味で、とにかく黒川荘に大満足した九州最後の夜でした。
この日だけで、すっかりこの黒川荘のファンになり、初日に訪ねた友人と、”次回は、どっか九州の温泉に行こう!”と話していたので、「例の次の温泉旅行の話、黒川温泉にしましょう!」とすぐさま電話してしまいました。
旅館は、もちろん手すりがあるここ黒川荘です!!

8日目:5月6日(土)

朝風呂は宿泊客専用ではなく、湯巡りゲスト用の方へ。朝はまだ湯巡りのお客さんはいないので、ここも宿泊客だけで、朝イチなので私の貸切!
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(写真は、本当はダメなんでしょうが…)
宿泊客専用であの広さなのだから、湯巡り客用もさぞや広いのでしょう…と、思っていましたが、あにはからんや意外に広くはないのです。とはいえ、貸切状態は最後まで続き、大成功だった今回の旅をあれこれ回想しながら、名湯黒川温泉を30分は貸し切った最高の朝のひとときでした。

とは言え、今回のこの旅で唯一どうにも思うように行かなかったのが、この最終日。熊本に出て熊本辺りで少しでも復興支援になるよう観光をしたかったのですが、バスがうまい具合に繋がらず、おまけに帰りの飛行機も福岡発の夕方の便。その間行くところもなくかといってGWの航空機は全便満席で予約変更もできません。

仕方がないので、来た時と同じルートで日田を経由して福岡に戻ります。たっぷり3時間かかったとても長いバス旅で博多駅着が12時過ぎ。ここで、九州ラーメンが苦手な妻を説き伏せて、ようやく博多ラーメンの有名店へ。もう一つの博多名物である博多餃子とラーメンを大行列に並んでようやく味わうことができました!
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その後も何とか時間をつぶし、夕方の便で帰ることに。ところが、我々の予約している便がオーバーブックしているようで、「席を譲って次の便で帰ってくれた方には、御礼に7500マイル差し上げます。」との案内が出ているではありませんか。7500マイルあれば九州までの片道分ですし、二人分なら往復分が一気にGETできるので、「我々、特典(無料)航空券ですけど、7500マイル貰えるのなら次の便に振り替えますよ!」と宣言して結果を待ちましたが、ユナイテッド航空のように誰かが引きずり降ろされることもなく、私の甘い考えは一蹴されてしまいました。

これで日本2周目、最初の旅である九州のレポートを終わります。今回、足を踏み入れた県は、福岡県、長崎県、大分県、熊本県の4県。
次は今年の夏休みに、今の予定では「隠岐の島」に行く予定です!

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【日本2周目開始!】韓国に一番近い島へ!<その3:対馬> [日本二周目]

4日目:5月2日(火)つづき

壱岐から対馬まではジェットフォイルで1時間。壱岐まではほぼ満席だったジェットフォイルの半数以上の乗客が降り、壱岐から乗る乗客は我々含めパラパラだったので、対馬行きの便はGWとは思えないようながらがら状態。
シートベルト着用で島影も楽しめないジェットフォイルは、どうやら私的には1時間が限界のよう。対馬からの帰りは飛行機にして正解でした。

対馬のメイン玄関口である厳原(いづはら)の港と町は、思ったよりちょっと大きい感じ。港と船の出迎えの人たちは思ったより大人数で、我々を大歓迎してくれているかのよう。
我々の今日のホテルは”温泉”というキーワードにつられて選んだので、温泉がある分厳原の繁華街近くではなく郊外にある宿。GWを目一杯使った長旅なので、スーツケースはかなり重いのですが、タクシーを使った対馬観光は明日だし昼御飯を食べる前の今から郊外のホテルに行く訳にもいきません。
ということで、港には宿の送迎車に荷物を取りに来てもらうことにして、我々は近くの観光拠点までの短距離だけ乗せてもらうという超贅沢な送迎車の利用です。
運転手さんの話題は、ここでも昨日目撃されたというカールビンソン。でも、いくら対馬でも陸上から目撃された訳ではないとのことです。
「ここ対馬は、壱岐と比べても観光客は随分多いようですね!?」とみたままの感想を正直に述べると、「でも、日本の方は少ないんですよ~!」と言われているうちに観光拠点に到着し、スーツケースを運転手さんに託します。いきなり目に飛び込んできた看板を見て、「運転手さんが言いたかったのはこのことなんだ…!?」と、いうのが対馬の偽らざる第一印象でした。
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観光案内所、お土産屋さん、レストランがある観光拠点"ふれあい処つしま"で昼食にします。対馬の名物料理がさまざま味わえるレストランで、私は名物の"対州そば"が品切れだったのでこちらもガイドブックで見ていた"とんちゃん焼き"、妻は対馬名物のアナゴかつをオーダー。観光客用に名物がみんな食べられるお店ですから、味はさほど期待していなかったのですが、ほぼ想像通りでした。
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まもなく1時半になるというのに、お店にはチャリダーの団体さんがいて、ほぼ満席。日本のあちこちで普通に見るような普通の集団サイクリストなのですが、唯一の違いは全員が韓国語をしゃべっていること。そう、釜山からフェリーで来たらしいチャリダー達なのです! それ以外のお客さんの会話も少しずつ聞こえてきて、ようやく状況が少しずつ掴めて来たのですが、店員さんはともかくお客さんは我々以外全員が韓国語とおぼしき外国語を喋っているのです!

私は、この厳原繁華街の人の多さは、てっきりゴールデンウィーク故の観光客の多さだと思っていましたが、私の記憶が確かならば、韓国にはGWはない筈なので、この多くの韓国人観光客は"たまたま"ではなく、"いつものこと"なのでしょう。まぁ、竹島のように不法占拠されないレベルであれば、たくさん外国人が来て外貨を大量に落としてくれるのであれば、日本国民としては大いに歓迎するべきことなのでしょうが…

観光案内所ですぐ近くの観光地の情報を仕入れてから近くを見て回ろうと目論んでいましたが、最初は対馬の歴史をとりあえずにわか勉強すべく行くつもりにしていた歴史民俗資料館は、何と休館中とのこと。仕方なく金石城跡から対馬観光をスタート。
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壱岐では見なかった大型バスが数台止まっていて、観光業界にとっては悪いことではありませんが、やっぱりバスの団体名はみんなハングルです。
奥に進むと日韓の領主なのかの婚姻の記念碑らしきものがあり、韓国人団体はしきりに記念写真を撮っています。我々は、目論んでいた対馬の歴史の俄か勉強ができなかったので、この婚姻の経緯も背景も何もわからずにただ碑だけを見学する羽目に。何やらマヌケな観光客ですね…
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でも、その先の庭園は「本日休園」となっています。そうなると、あの数台のバスのお客さんは、一体どこに行ったのでしょう?

気を取り直して対馬厳原最大のみどころと言われる万松院に向かいます。
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この万松院は、対馬の領主であった宗家の歴代の当主などの墓が並び、厳かというか一種独特な感じです。
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普通の人ならその厳かな雰囲気を満喫しつつ散策が楽しめるのでしょうが、足の悪い私は手すりもない昔からの階段を昇るのに全勢力を傾注する必要があり、楽しむ余裕はほとんどありません。
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とりあえず、何とか昇れてたくさんのお墓の雰囲気で満足することにしました。
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厳原の観光地はこのくらいなので、後は繁華街を散策。でもお土産屋さんはみんなハングル中心で、何となく日本人観光客は"お呼びでない"と言われているようで入るのに少々躊躇します。今回、周囲の人々には「対馬に行く!!」と言い続けた手前、土産は"対馬のお菓子しかあり得ない!"と考えていたのですが、結局無難に"対馬"と書かれたお菓子を、お昼を食べた"ふれあい処つしま"で選ぶことになりました。

厳原で食べたかったものの一つが「対馬バーガー」。
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ひじきとイカが入ったパテのご当地ハンバーガー。ここでも入り口付近では外国語が飛び交っていて入りづらさを感じましたが、中に入ると日本語の落ち着いた調べが…
日本語がこれほど心地よいなんて、普段は感じたことがなく超新鮮でした!

ホテルの送迎車は荷物のためにその権利(?)を使ってしまっていたので、結局ホテルまではタクシーを奮発。「韓国のお客さんは、案外ケチであんまり外貨を落としてはくれないんですよ!」などの運転手さんのグチを聞きながら海の眺めの良いホテルに向かいました。ホテルのロビーからはきれいが海は眺められますが、カールビンソンは見える筈はありません。

"日本最果て"の温泉は、特に変わったところがないごく普通の温泉でした。料金がやや高いホテルの故か、対馬には珍しく韓国語が聞こえてこない一夜でした。

5日目:5月3日(水)

明け方、カールビンソンなどの国境らしい眺めが見られないかと温泉の一番風呂に入りますが、浴槽から見える景色はいつもながら穏やかで美しい対馬の海だけでした。

今日は対馬の北半分を1日タクシーで回ります。対馬は意外に大きな島なので、北と南の両方の島を見るにはタクシーを使っても丸2日以上はかかるらしいので、南半分の"塗りつぶし"は次回に取っておくことにします。
北半分だけと言っても、見所をタクシーで回るだけで予定の7時間は過ぎてしまうほど距離があり、寄り道する余裕はないとのこと。淡路島よりまだまだ大きい対馬は、我々の想像以上に大きな島らしいのです。お昼も"弁当を車の中で食べますか?"とはあまりに旅情もなし。「後は、手早く食べられるそばくらいですかね?」と言われたので、昨日食べ損ねた対州そばを迷わず選択。昨日、そばが売り切れで食べ損ねた幸運に、改めて感謝します。

最初のみどころは対馬の北と南の島をつなぐ万関橋。この橋の開通前は対馬は2つの島だったとのことで、写真でも何度も見る風景です。橋の上を歩いていると大型観光バスが着きますが、予想通り韓国人団体です。
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次は満潮時には厳島神社の鳥居のように海に沈む和多都美神社。満潮時なら雰囲気があったのでしょうが、干潮の今はイマイチです。
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ここでも2台の韓国人観光バスと重なり、参拝までかなり待たされることになりましたが、韓国語の参拝が終わるのを待って、対馬の神様にもご挨拶させていただきました。
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次は対馬というかこの旅のハイライトとしてずっと楽しみにしていた烏帽子岳展望台。対馬のポスターの図柄はほぼこの展望台で、「パラオみたい」とも言われている展望台です。
でも、展望台と言えばこの足の悪い私に常につきまとうのが、階段の恐怖。素晴らしい展望台には常に手すりが完璧ではない急階段の恐怖がつきまといます。このタクシーに乗った時から、運転手さんには、「烏帽子岳展望台、私でも昇れますかね?」と問いかけますが、「う~ん…」と、回答は微妙。でも、ここまで来ればトライしない手はなく、妻と運転手さんに助けて貰いながら、何とか展望台にたどり着くことができました!
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写真で見た通り、確かにリアス式のとにかく美しい海岸線で、あまり見たことがない感じの眺望です。パラオには行ったことはありませんが、確かに「パラオみたい」と言われれば、そうなのかも知れません。
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下りも昇り以上に苦労しましたが、何とか烏帽子岳展望台を制覇できて対馬最大の目的を果たし、とりあえずほっとしました。
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ここから先は、ひたすら北に向かったロングドライブ。途中一ヶ所の郷土資料館で対馬の歴史と埋葬物とを見た以外は、ただひたすら北に向かって国道をひた走ります。特に見るべき風景もない道だったので、かなりうとうとしてしまいました。

ようやく最北端に近づき、まずは対馬の象徴であるツシマヤマネコの保護センターへ。対馬の空港名が対馬やまねこ空港という名前であるくらい、対馬のやまねこは愛されている生き物とのことですが、その数は年々減っていて絶滅危惧種です。センターにはたった一匹だけツシマヤマネコがいて、ちょうどお昼ごはんを食べるところも見られましたが、近くで見ると大変失礼ながらただの野良猫と大きく変わらないように見えてしまいました。
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やまねこのご飯で空腹を覚えた我々のお昼は対州そば。10割そばの割にはコシがあるとのことで、空腹だったという要素を除いてもなかなかのそばだったように思います。
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こんな僻地(失礼!)に「そば打ち体験」があるようですが、「こんなところで、そば打ち体験する人なんているのかしら?」と、少々疑問でした。

対馬でもう一つ楽しみにしていたのは「韓国展望台」。運転手さんによると、肉眼で50キロ以上先の釜山が見えることは"年に数回程度"とのことですが、ともあれ日本の領土から肉眼で外国が見られるかもしれない数少ない場所です。
ところが駐車場は大型バスが7~8台停まっていて、駐車場に入れない状況。お土産屋さんもなく無料の駐車場にはバスを仕切る人もいずに秩序もありません。バスの運転手さんは皆日本人の筈ですが、その間を縫うように横入りしてくるレンタカーは、大半が右ハンドル左側通行に慣れないコリアンドライバーのようです。
タクシーに運転手さんを残したまま、展望台まで歩き釜山のある方角を眺望しますが、見えるのはどこまでも澄んだ青い海だけ。
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ここのために持参した双眼鏡を覗き、「釜山かカールビンソンが見えないかなぁ~!?」と念じるものの、そんな幸運が訪れることはありません。
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ここでも、ある意味我々よりすぐ近くから来ている外国人パワーに圧倒されっぱなしでした。

対馬北部玄関口比田勝の港と繁華街を過ぎると、後は長い道のりを厳原まで戻るだけ。途中、琴(きん)の大銀杏という大木が有名観光スポットのようですが、運転手さんの「やっぱり、黄葉の時に見ないとね!」というご意見に極めて同意です。
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本日の宿は1ヶ月前にオープンした厳原の東横INN。その新しさとリーズナブルな宿泊費用で、既に韓国人観光客に占拠されていることは、対馬に着いてから知ることになりました。確かに、チェックインを待つ行列は長く、そこに日本語はほぼありません。フロントスタッフは予想通り韓国の人で、彼らのチェックインは極めてスムーズでしたが、我々には片言の日本語での対応だったので、ソウルのホテルの(私が行くといつも何かしらのトラブルがあった)チェックインを懐かしく思い出しました。

対馬に来てから、新鮮な海産物をあまり食べていなかったので、夕食は運転手さんに新鮮なシーフードを味わえるお店を第一候補~第三候補までリストアップいただき、チェックイン後に早速予約電話。第一候補には「今日は満席」とつれなく断られ、第二候補は電話すら繋がらず、ようやく第三候補で予約が取れました。
カウンターに陣取り、板さんと会話を楽しみながら新鮮なイカ刺や対馬名物のアナゴや、なにやらよく分からない板さんおすすめの海の幸を満喫。板さんとの会話が楽しめる幸せを満喫した一夜でしたが、満席のお店の他のお客さんはほぼ全員韓国人だったようです。

5日目:5月4日(木)

今日は朝イチのANAで福岡に戻り、GW最高の人出という"どんたく祭り"を見に行きます。
対馬やまねこ空港までは地元民の足であるバスで。人々は挨拶を交わしあって、親しみのある田舎のどこにでもありそうな日常風景が展開されます。でもここにも韓国人観光客が大勢乗ってきているようです。片道2時間はかかるであろう比田勝の町まで行っても、バス1日乗り放題チケットはたったの1000円と格安だからなのだとか。

対馬の空港は国際線はなく乗客はほぼ全員日本人。さすがにどんたく祭りに遊びに行く人が多いのか、離島路線にしては結構大きい737も完全満席です。
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旅の数ヶ月前にはこの便の格安航空券をGETしていて、座席も窓際をちゃんと確保していたので、昨日烏帽子岳展望台から見えたあのパラオみたいな海岸風景を、もう一度満喫することができました。
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でも、私の興味は今日もカールビンソン。ANAの窓から30分弱の飛行中、ずっと海を眺めていましたが、やっぱりカールビンソンを見る夢は叶いませんでした!

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