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【2018年東北夏祭り】<最終回:秋田竿燈祭り> [日本二周目]


6日目:8月6日(月)

この日は、八戸、青森、弘前、五所川原と4泊して各地のお祭りを存分に満喫した青森県を離れ、秋田県に向かう日。五所川原から秋田までは高速等を使えば早く着けるのでしょうが、昔から五能線ファンだった私は、迷わず五能線に沿って海沿いを走るちょっと遠回りなドライブルートを選択。
2年前にも(反対側から)走ったこの道(五能線国道??)で、今回の途中下車予定は一ヶ所のみ、2年前にも訪ねた青森県最西端の複合型リゾート施設「ウェスパ椿山」がその目的地です。今回、「ウェスパ椿山」訪問には、3つの目的がありました。

その① 展望モノレール"しらかみ号"
2年前には「整備のため、運休中」だったスロープカーというか展望モノレール。世界遺産白神山地も広大な日本海も眺められるので、2年前から"次回こそ!!"と決めていて、待望の初乗車です。このモノレールは往復がセットになっていて、その所要時間(往復+見学)はおおよそ1時間なので、10時半前に到着した我々は11時発の便を予約。しばらく時間があるので、そろそろお土産が気になる妻と売店で時間を潰します。すると、五能線のホームに人が集まり出してきたので、「もしかしたら?」と、私もホームに向かってみます。間もなく、予想通り"リゾートしらかみ"がやって来ます。2011年に乗車して以来の、7年振りの再会です!!
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(とは言え、7年前には乗っていない”ブナ”編成ですが…)

モノレール出発時間が近づくと、前の時間のモノレールがのんびりと帰って来ます。2輛編成の本当に小さい乗り物で、モノレールと呼ぶよりは、スロープカーと呼ぶ方がやはりしっくりときます。
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定刻に10名程度の乗客を乗せたそのスロープカーは、道路をやっとこさと跨いで、徐々に高度を上げてゆきます。
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この日は雨こそ降ってはいないものの晴れ間は見えず、日本海はいつものような曇天で、波は相変わらず激しく打ち付けています。でも、世界遺産白神山地と日本海は、やっぱり素晴らしい景観!
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頂上での時間は約40分。最上階の展望台で世界遺産に夢を馳せます。
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ここ白神山地や熊野古道など、舗装されていない道を歩くことが観光のメインとなる世界遺産は、足が悪くなった私にはなかなか楽しむ方法が見つかりません。でも、諦めたわけでは絶対にないので、次回こそ必ずチャレンジします!
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日本海は相変わらずの景観。大学生時代、初めてゆっくりと日本海を見たのが五能線から眺めたこの辺りだったので、やっぱりこの辺は私にとっての"日本海の原風景"のような気がしています。
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頂上での40分はやや長い気もしますが、満足してウェスパ椿山まで戻ります。

その② 展望風呂を満喫!
五能線沿線の露天風呂と言えば、海辺にポツンとある”不老不死温泉”があまりにも有名。でもその不老不死温泉には手すりがないようなので、今の私には無理… という事で2年前にもここウェスパ椿山の展望風呂に入ったのですが、ここのお風呂の大きな開け放された窓から日本海の絶景が見え、とても気に入ったので、この旅最後の日帰り温泉にします。ところが、この日は「メンテナンスのため、12時から営業」と書かれていたのに12時を回ってもオープンする気配がありません。でも我々は辛抱強くオープンを待ち続け、その結果ようやくオープンした絶景風呂を10分以上はひとり占めすることができました! 日本海の潮騒をぼんやり眺めながらの温泉… やっぱり、ウェスパ椿山は最高! 今度は泊まらなきゃ!… ですね!!

その③深浦マグロステーキ丼
この日の昼食は近年この辺りで話題を呼んでいる「深浦マグロステーキ丼」の予定。公認のマグロステーキ丼が、ここウェスパ椿山のレストランでも食べられるというので、風呂上がりにお城のようなレストランに向かってみます。
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ところが、入口に「本日、マグロステーキ丼は売り切れ」の表示が…  空腹で他の店に行く元気もなかったので、深浦マグロステーキ丼は次回の楽しみに取っておくことにします。風呂を後にして、先にマグロステーキ丼にしておけばよかったのでしょうが、そうすればあの10分間の展望風呂独占という珠玉の時間は味わえなかった訳で、その意味ではどっちもどっちですかね!? 
深浦マグロステーキ丼は次回に取っておくことにして、ここでは海鮮丼をいただきました。
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青森県最後の観光をウェスパ椿山で満喫して、秋田県に入ります。秋田県では特に観光&途中下車予定はなく、このまま秋田市内まで走る予定です。
途中、能代市内を通過。今回は行けなかった能代の夏祭り「能代七夕 天空の不夜城」のことをぼんやり想像しながらドライブしていたのですが、ここで神様が思いもかけないプレゼントをくれます。我々の走る道路沿いの空き地に、あの"天空の不夜城"のものと思われる山車らしきものが2つあるではありませんか!?
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慌てて車を止めて、写真をパチリ。
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何年後かに来るための"予告編"を見せてくれて本当にありがとう。能代七夕、今度はちゃんとお祭り期間中に来ますね!

秋田駅前のこの日の宿は"ホテルアルファーワン"。秋田駅前なのに駐車場無料のこの宿は、竿燈祭り期間中なのに二人で約1万円と格安。半年前に突然"じゃらん"で売り出されていたのを発見して慌てて予約したのですが、翌日にはもう売り切れていたのです。安くいい旅をしようと思う人には、”ネットをこまめにチェックすることは本当に大切!”と改めて痛感させられた予約だったのです。無事に契約駐車場に車を停め、この旅では一番広いマッサージチェア付きのツインルームに収まります。
その後、この日だけは妻と連れ添って外出。私はいつも通り情報収集、妻は秋田駅にお土産を仕入に行くためです。妻を秋田駅ビルのお土産コーナーに案内してから、私はいつも通り観光案内所に竿燈見学後のタクシーについて聞きに行きます。ここでもさまざまな情報収集をして本番に臨みましたが、結局「この件(タクシーを拾える場所)に関しては観光局の情報はあてにならない。でも、我慢して15分程度歩くと歩くと何とかタクシーは拾えた!」という、前2回と同様の"結果オーライ"となりました。
秋田駅構内にはあちこちに「頑張れ、金足農業高校」の看板が目立ちます。この時はまだ甲子園は始まったばかりで、金足農業のあの活躍は私にも大半の秋田県民にも想像ができませんでした。
さすがは秋田の駅ビル、妻も無事にさまざまお土産を心ゆくまで仕入れられたようでした。

いよいよこの旅最後のお祭り、秋田竿燈に向かいます。竿燈の会場は縦に長い一本の道路なので、交通規制が始まる前に、我々の予約した場所をタクシーで目指します。でも、竿燈の有料観覧席は道路の中央分離帯に作られるため、交通規制が始まらないと座ることができずに、結局立ったまま待つことに。交通規制が始まるまで、30分以上はぼけーっと立って待っていたのです。

秋田の竿燈祭りは、大学2年の時の夏に来た記憶があります。沿道にずっと立って、竿燈の妙技を見た記憶は鮮明なのですが、その日の宿泊の記憶が全くありません。ユースホステルにでも泊まっていたのであれば、同宿の人と何人かで連れ立ってお祭りを見るのが当時のごく普通の流れだったので、一人で見ていたということはユースホステルではなかったのでしょう。当時はまだ寝袋をリュックに縛り付けて旅していたので、秋田の駅にでも寝たのでしょうか? 秋田駅はすっかり新しくなっていたので、駅や秋田の繁華街を見ても、その記憶は全く甦りません。

この日は雨は降りそうにないのですが、我々夫妻は3日間連続で雨ガッパを着ています。理由は、雨対策ではなく寒さ対策。半袖の衣類しか持ってきていなかった我々、2日前の弘前以降、夜の寒さ対策には旅行前にカインズホームで買ったこの数百円の雨ガッパが大いに役立ったのです!でも、周囲の人には雨も降っていないのにお揃いの雨ガッパを着た初老の夫婦は、恐らく奇異に写ったことでしょう!?

パレードに続いてたくさんの竿燈と使い手が入場し、いよいよ竿燈祭り本番が始まります。
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竿燈のやり方は昔の記憶通り。"ドッコイショ、ドッコイショ"の掛け声の元、持ち手は頻繁に交代しながら大きな竿燈を手だけではなく時には顔などに乗せてバランスをとったりの妙技を披露します。
昔の微かな記憶には、そんなに頻繁に持ち手が変わった記憶はなかったのですが、実際は一人一回の演技時間は10~30秒ぐらいで、すぐにバトンタッチしていました。でも持ち手は5~6人なので、またすぐに順番が回って来るので、1クール10分程度の時間はずっと緊張しっぱなしでしょう。
10分位で演技は一旦終了し、演団は前進して再び"止まれ"の合図があった時に我々の前に来ていた演団が、我々に次の妙技を披露してくれます。
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とはいえ、青森ねぶたとは違って竿燈は所詮提灯ですから、プリントされている企業のロゴ以外は前の団と違いがある訳ではありません。演者もこの日のために1年間練習を続けているのでしょうが、中国の雑技団のようにアクロバティックなことができる訳ではないので、本当に前の団との違いはあまりありません。
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でも、やっぱり上手い下手はあるし、何より演者の一生懸命さはひしひしと伝わって来ます!
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この日は上空の風が強かったらしく、何度も竿燈が倒れてしまうアクシデントが続出しますが、その都度みんなで竿燈を直して再び立ち上げて演技を再開するその懸命さには、心をうたれました。
東北の6つのお祭りのフィナーレを飾るに相応しい時間でした!
予定通り9時前には”平成最後の竿燈祭り”も無事終了して、15分以上もさまよった挙げ句、ようやく捕まえることができたタクシーで、ホテルすぐ隣の予約してあった居酒屋へ。4人用個室が"かまくら"のこのお店は、やはり秋田県全県が売り物のよう。
東北最後の夜は、楽しかった6つのお祭りの思い出話であっという間に更けて行きました。

7日目:8月7日(火)

楽しかった1週間の旅も今日で終わり。明日からは仕事なので、今日中に埼玉の家に帰らなくてはなりません。
8時前にホテルを出て、高速道路に乗る前にまずは朝ごはん。朝からやっているファミレスを探したものの見つからずに、「間もなくインターチェンジ」の案内が出てきて、ちょっと焦り出した時に「モスバーガー」の看板が!! 
久しぶりのモスに満足し、高速道路で帰宅の途につきます。
途中、仙台で高速を降りてまた野暮用に。野暮用の場所から15分も歩けば、仙台七夕祭りの会場に行けて今回見た東北のお祭りが6つ→7つになることは判っていたのですが、私も妻も昔散々見た仙台七夕には興味もなく、駐車場を探すのすら億劫なので、結局今回のお祭りは6つのままで帰ることにしたのです。

お陰で、渋滞もなく夕方には無事に埼玉の自宅に帰り着くことができました。

〈後日談です〉

実は8月10日からも旅に出るつもりで、さまざまな予約を完了していました。行き先は、「太陽の塔」(内部見学)と「阿波踊り」。しかし、妻の足の状態が益々悪化し、結局旅行そのものを中止せざるを得なくなってしまいました。
そして、当分は療養に専念することになったので、次の旅については今現在全く目処が立たない状態です。来年の夏以降の再開を目指すことにしています。

という訳でこの旅行記もしばらくは休むことになりそうです。
でも、病気以来「絶対に諦めない」というのが私の人生のテーマになったので、この「日本二周目」も絶対に諦めませんから!


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【2018年東北夏祭り】<その6:五所川原 立佞武多> [日本二周目]


5日目:8月5日(日)


この日は、私的にこの旅最大の楽しみであった五所川原の立佞武多を見に行く日。生憎、この日も前日に続いて小雨模様、でも天気予報を信じれば、夕方には止むとのことです。

弘前から五所川原までは僅かにJRでも30分、という事で真っ直ぐ五所川原に向かっても仕方がないので、津軽半島を少しだけ観光することに。

津軽半島で、今私がもっとも訪れたい場所は見事な千本鳥居がある高山稲荷神社。2年前にはその存在は認知していたものの、そこまで見事な千本鳥居であるとは知らなかったので、迷いなくスルーした場所。でもいろいろと調べると、この千本鳥居に行くまでにはかなりの急階段があるらしいことが判ります。スロープの迂回路や手すりはあるようなのですが、今の妻の体調では無理と判断。次回(3周目)に回すことにします。

そうなれば、龍飛崎まで行くほどの時間はないし、津軽半島付け根辺りの観光地としては、私が避けて通ってきた金木くらいしかありません。


私がずっと金木に行かなかったその理由は、高校時代の私は金木出身の小説家太宰治に異常なまでに心酔していて、今でも金木に行ったら、自分でも全く抑制が効かなくなってしまう気がしていたためです。高校時代には太宰の全作品を何度も読み返し、太宰が入水自殺した玉川上水に自分も死に場所を求めて行ったこともありました。(勿論、そんな勇気は私にはありませんでしたが…)

 やがて流行り病のような太宰熱は徐々に醒めてゆき、最後に太宰の文に触れたのはもう35年以上も前のことです。

大学1年生の夏に初めて東北に来た私は、何はともあれ小説「津軽」を持って、太宰の生家がある金木に降り立ち、当時は旅館として営業していた生家「斜陽館」をただ外から1時間以上ボーッと眺めていたのです。

でも、とりあえず今回は金木に行ってみようと思います。もう35年も経っているのだから、"太宰病、もう再発はしないだろう!?"という思いがあったからです。


弘前をゆっくりスタートして、金木を目指します。この道をちょっと寄り道すれば、2年前にも訪ねた「鶴の舞橋」に行けるのですが、この曇天では岩木山の眺望も望めそうにないため、立ち寄りません。金木での観光目的地は、今は旅館を辞めて記念館になっている生家「斜陽館」と、すぐ近くにあるという「津軽三味線会館」の2ヶ所。道すがらは、ず~っとごく普通のいなか道でしたが、その2つが近づくと大型バスはじめたくさんの車が詰まっています。2つの施設の共通駐車場は、たくさんの車と何台もの大型バスでものすごい混雑! 何とか駐車場は確保できましたが、斜陽館にも三味線会館にも人々が行列を作っています! さすがはお祭り効果、普段は人もまばらなところだろうに… こんなに人が多く、おまけに外国人も凄くたくさんいます! 外人さんが太宰治を知っているとはとても思えないのですが…  太宰さんも、あの世で「え~!? 外国人??」とビックリしているのかも知れませんね?


まずは、意を決して斜陽館に入場してみます。

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この混雑により、感傷に浸る余裕もないことが却って私には好都合だったようです。次々と人が来るので、のんびり見ることなんか出来ないし、展示物も太宰治の関連というより、地方の名家であった”旧津島家”としての展示が中心だったので、ノスタルジーに浸る暇も余裕もありませんでした。

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でも、在りし日の太宰を彷彿とさせる展示を見て、涙が溢れて止まらなくなった瞬間もあるにはありました。

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遠くを見ている振りをして、妻には泣いているところを何とか見られずに済みましたが… 

やっぱり、斜陽館は私にとっては鬼門で、いつまでたっても冷静に見学できそうにはありません。


津軽三味線会館の実演時間は11時。ちょっと前に行ったのでは、座る場所がなくなる恐れがあったので、早めに入り座席を確保。津軽三味線の実演が始まるまでは、外の歴代津軽三味線の名人の展示を見学。その中に、とても懐かしい名前を発見。三橋美智也と言えば、私の子供時代にヒット曲を多く輩出した超有名歌手ですが、実は私が懐かしいと思うのは、この人の家が千歳烏山で、私が中学生時代に住んでいたところのすぐ近く。時折散歩している三橋さん(と思われる老人)とすれ違い、「こんにちは~!」と、言葉を交わした記憶があるからなのです。

有名歌手であることは当時からよく知っていましたが、津軽三味線界でもこんな有名人だったなんて… 恥ずかしながら、この時初めて知りました!

ほぼ満員の会場で、津軽三味線の演奏を満喫。これだけ観客が多いと、演者も力が入るのでしょう。

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津軽三味線と聞いて私が思い出すのは、昭和60年頃に「帰ってこいよ」がヒットした歌手松村和子。津軽に来ると必ず何度も口ずさむ、私の大好きな曲です。松村和子さん、今はどうしているのでしょう?


今日のお昼は十三湖で。十三湖名物と言えば”しじみ”ですから、"しじみラーメン"で名高い民宿兼食堂を目指します。金木より更に北まで来たし、途中の道では車に殆んどすれ違わなかったので、"ここまで来る人はさすがに少ないかな?"と思っていましたが、中に入ると意外に大きなお店なのに席が空くのを待っている人は10人以上!

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15分程の待ち時間で席を確保し、名物しじみラーメンに加えてアサリバターならぬ「しじみバター焼き」を注文。十三湖のしじみはとにかく大きいことで有名で、このしじみバター焼きもアサリに負けないくらいの大きさです。

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個人的にはしじみと言えば食べたときの味わいよりも汁などに沁み出す出汁というかエキスが美味しいので、貝そのものの味だけで言えば、アサリの方が上だと思っています。ここ十三湖でしじみがアサリのサイズになったところで、それは変わらない印象でした。勿論バター焼きの汁もラーメンのスープもしじみのエキスが沁み出て、とても美味だったのですが… (食べるのに夢中で、ラーメンの写真撮るのを忘れました!)


いよいよこの旅のメインの街である五所川原に向かいます。太宰治が小説「津軽」で、「東京で言えば”浅草”」と例えた五所川原ですが、その「津軽」を持ち歩いた最初の旅でも、五所川原の印象は殆んどありません。その後も津軽鉄道への乗り換え駅として何度か下車しましたが、津軽鉄道の”ストーブ列車”などのインパクトが強すぎて、乗り換え駅の五所川原は殆んど記憶には残っていないのです。

ということで、私の五所川原の圧倒的なイメージはと言えば、「吉幾三」。 デビュー曲「俺は田舎のプレスリー」で、”生まれ青森、五所川原”というフレーズが、この日も運転中に私の頭の中を何度もぐるぐると駆け回ります。久し振りに聞きたいところですが、私の音楽コレクションに”雪国”や”酒よ”はあっても、このデビュー曲はありません。


五所川原の宿泊は古巣の旅行会社で予約できたサンルート。ビジネスホテルとシティホテルの中間と言えるサンルートが、今回の旅で一番豪華で高いホテルです。ビジネスホテルに慣れたので、サンルートのサービスがとても心地よく感じられます。


チェックイン後は、この旅恒例となった”妻をホテルに残しての街歩き”。今回、まずは今晩の主役、巨大な五所川原立佞武多に会いに行きます。巨大な立佞武多は3台、普段は”五所川原立佞武多の館”という施設に置かれていて、普段からそこに行けば館内に展示されている立佞武多は見られるのですが、その館から出て五所川原の街を闊歩するのは、このお祭り期間中だけ。

巨大な立佞武多を収用する建物だけあって、立佞武多の館は巨大なビルのような田舎町にはいささか不似合いな佇まい。

中に入ると、そこには正に巨大な立佞武多が!!

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文字通り、「デ、デ、デカイ!!」いきなり、度肝を抜かれてしまいます。

館にはエレベーターがあり、順路はそのエレベーターで最上階の4階まで昇ると、ようやくその立佞武多達を、上から眺められます。

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その後、3台の立佞武多を囲んだスロープを徐々に下りながら、近くからじっくり見学することができます。間近で眺めたイメージは、巨大な山車というより、私的には子供時代によく見ていた"ジャイアント・ロボ"みたいな感じ。

途中、解説も聞けます。立佞武多、私はずっと"たちねぶた"だと勝手に思っていたのですが、実は"たちねぷた"でした。サイト等はみんな漢字表記だし、ねぶたとねぷたは方言の微妙な違いだとは知ってはいたのですが、ここ五所川原は弘前に近いので、"ねぷた"なのだとか… よく考えたら当然のことなのに、やっぱり思い込みって恐ろしい…

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巨大な立佞武多は3台あり、1年に1台づつ作って入れ替えるのだそうです。つまり、3年後にまた来れば今年の立佞武多はすべて入れ替わるようです。

昨日はここ五所川原も雨だったようですが、ねぶたやねぷたと違ってビニールは掛けません。巨大過ぎて掛けられるビニールがないので、最初から防水仕様で作られているのだそうです。

そういえば、お陰様で雨はあがった模様! 天気予報に感謝ですね。

この3台のジャイアントロボが出動するところも是非見たいのですが、既に場所取りの人が館をすっかり取り囲んでいます。この、ガラスの部分が開くのだそうです。何となく、昔の"サンダーバード"みたい??

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五所川原のもう1つの観光スポットは、「吉幾三コレクションミュージアム」。

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私のイメージが、ずっと”五所川原=吉幾三”なのですから、行かない訳には行きません。入口でまずはスタッフの方と雑談

私「吉さんは毎年、立佞武多には帰って来て参加しているのですよね?」

スタッフ「そうなんですが、今年は"参加できない"という連結があったんですよ。」

"もしかしたら、ここで吉幾三に会えるかも??"という期待は、儚い夢でした。

展示は吉幾三のステージ衣装や今までに貰ったゴールドディスクなどの表彰など。

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見学を終えると「カラオケ&名曲コーナー」があり、先ほどのスタッフから「何か歌いたい(または聞きたい)吉幾三の曲はありますか?」と尋ねられたので、迷わず「"俺は田舎のプレスリー"をお願いします!」とリクエスト。

他のお客さん達は知らない曲だったのか、怪訝そうな顔をしていました!


いよいよ立佞武多の本番。結構大きい有料観覧席の我々の席は前の方の3列目ですが、前の方とはいいながら一番端っこの席。この有料観覧席からは立佞武多が館を出る瞬間は見えないことは判っていたので、すぐ近くのホテルをゆっくり出たのですが、早くも1台の立佞武多は有料観覧席に程近いスタート地点にスタンバイしています。

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3台の立佞武多は、周回コースのそれぞれ違う場所からスタートするようなのです。それにしても、改めて立佞武多は兎に角デカイ! 五所川原駅前のどのビルよりも高いところに顔があるのです。立佞武多を初めて見た妻も、その巨大さに唖然としているよう… 当然ですが、立佞武多の動きはとてもゆっくり。ねぶたやねぷたのように回転したりこっちを向いたりは、あの巨大なジャイアントロボには無理なのでしょう。



その代わり、巨大な立佞武多の間には青森ねぶたのような山車が行進。立佞武多と比較するからでしょうが、とても可愛らしく見えてしまいます。

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その合間には跳ねる人達の行進が…「ヤッテマ~レ・ヤッテマ~レ」の掛け声は、ねぶたともねぷたとも違うのです。



やがて2つ目の立佞武多がやって来ます。今年で引退する(3年目の)出雲阿国です。


スタートしてしばらくすると、山車も跳ね人の来るペースが落ち、はじめの頃と比べるとやや間延びした印象。復活したばかりで、まだまだ若いお祭りなので、今後の運営の課題でしょう。

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3つ目の立佞武多が来ると、フィナーレも間近。


とにかく、今まででこんなにどデカくてかつ動くものは飛行機ぐらいしか見たことがありません。本当に驚愕の体験でした。


3台の立佞武多が館に格納されるのを待つ元気もなく、有料観覧席を後にします。今回、立佞武多を見るベストポジションは、立佞武多の館すぐ近くのお店で@1000円で貸し出される椅子に座って見るのが、立佞武多の出入りからパレードまで全てが見られるベスポジであることが判ったので、3年後は絶対そこで見ます!3年後も、サンルート取れればいいけれど… でも、これだけのお祭りなのだから人気は益々加熱するのでしょうね!?


この日は、この旅で唯一夕食の予約がない日。先ほど、五所川原の飲み屋街の下見は済ませてはいましたが、ホテルもすぐ近いので何となく飲み屋街まで歩くのが億劫になり、結局近くのローソンで弁当と酒を買い込み、部屋での晩餐となりました。


五所川原の立佞武多が見られて、本当に幸せでした!立佞武多を見ることができたのは、本当に色々な皆様のお陰。本当に心から感謝申し上げます! ほろ酔いの中、幸せいっぱいで眠りにつきました。

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【2018年東北夏祭り】<その5:弘前ねぷた> [日本二周目]


4日目:8月4日(土)

昨日までは絶好の天気で、昼はほどよく暑く夜には心地よい風が吹く… という絶好の旅行日和だったのですが、今日からの2日間は旅行出発前にはそうでもなかったにもかかわらず、出発して以降は徐々に天気予報が悪化に向かい、今朝は予報通り小雨模様。
この日はすぐ近くの弘前まで移動して”弘前ねぷた”を楽しむ予定ですが、まずは”2年前の忘れ物”を取りに、8時過ぎには青森駅前の東横インを出発。
”2年前の忘れ物”とは、2年前の夏に東北一周の旅をした時にスケジュールの関係で断念した観光地である、「田舎館村の田んぼアート」。今では日本全国各地ーにある”田んぼアート”発祥の地であり、今でも最も有名で人気があるのはここ田舎館村。田んぼアートによる村おこしの成功例であるこの村の田んぼアート、噂によるとピーク時には2時間待ちもあり、整理券が配布されることもあるのだとか… そしてこの日は、夏祭り真っ最中でしかも土曜日、「この日がピーク日でなければ、一体いつがピークなのか??」というほどの日。なのでもとより混雑は覚悟の上ですが、少しでも並ぶ時間を減らしたいと思えば少しでも早く田舎館村に着く必要があると考えた故の、早めの出発なのです。

青森には東北道の起点があり、先を急ぐ我々はその起点から東北道を黒石ICまでの短かい区間だけ利用。黒石といえば2012年に病気後初めての旅で、弘前から一人で"つゆ焼きそば"を食べに来た記憶が甦ります。(そのブログはこちら)

田舎館村の田んぼアートは2つあり、まずは混雑が激しいという噂の田舎館村役場の「第一田んぼアート」へ。田舎館村役場はお城のような外観、今日は土曜日ですが役場前にはすでに車が溢れています。でも、中にはもう見学を終えて出る車もあるので、入口すぐ近くに駐車場を確保でき、役場前から続いている行列の最後尾へ。まだ朝9時過ぎなので待ち時間は僅か15分程度で、庁舎にあるごくごく普通のエレベーターに案内されます。観光バスの予約があるとかなり待たされるのだそうですが、まだ観光バスが来る時間でもなく、ここでも我々はラッキーでした。
4階の展望スポットから眺める今年の田んぼアートは、”ローマの休日”。
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確かに見事ではありますが、この4階の展望スポットからの眺めでは、いささか高度不足のような気がします。この上に更に階段で昇る展望台があるのですが、”階段”と聞くと妻も私もどうも尻込みしてしまいます。
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結局、4階からの景色だけを楽しみ下へ降り、過去20年超の田んぼアート作品を写真で観賞。どれも見事な作品ばかりで、さすがに人気が出るのも頷けますね。

駐車場には屋台などもたくさん出ていましたが、我々は次の目的地へ先を急ぎます。次の目的地は「第二田んぼアート」で、展望できる場所は「道の駅いなかだて」。道の駅だから駐車場はたくさんありそうですが、意外にも空きスペースを見つけるのに一苦労。ようやく車を停め、目指す田んぼアートの展望台までは少し歩きます。
第二田んぼアートのテーマは手塚治虫の漫画。
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鉄腕アトムやらブラックジャックが見事です。
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カラフルさだけで比べると、第一田んぼアートよりも、こっちの方が見事ですが、第一にはより細かい細工もあり、どっちがいいかは比べようがありませんね。

展望台の別の角度からは「石のアート」が見られます。この石のアートのテーマは「惜しまれる人」。
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このダイアナ妃は去年からあるようですが、もう一つは今年出来た美空ひばり。
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確かに「惜しまれる人」に間違いはないのですが、ダイアナ妃が亡くなってから20年は経ってるし、美空ひばりに至っては、亡くなったのって確か平成元年のはず… もう30年も経つのに、いまだに「惜しまれる人」って、本当に凄い!

田舎館村の田んぼアートを満喫し、次は日帰り温泉に入りに行きます。弘前近辺の有名温泉地といえば、大鰐温泉。仙台に勤務していた昭和の時代に、雪深い温泉を満喫しに来た記憶が甦ります。大鰐温泉の日帰り温泉施設地域交流センター"鰐come"で、この日も温泉を満喫、まだ午前中だったので人が少ない温泉はやっぱり最高でした!

この日はここ大鰐温泉で昼食。実はここの名物とそれを使った料理が大いに気になっていて、「是非、食べてみたい!」と随分前から願っていたのです。
その大鰐温泉名物とは、何と「もやし」。もやし、勿論嫌いじゃないけれど、私の固定観念では、「どこで食べても一緒でしょ??」そんなもやしを堂々と「大鰐温泉名物」と謳うことにまず感心したのと、「果たして、名物に値するような本当に旨いもやしなんてあるのか?」を確かめたいと考えた故です。
鰐comeの中にある食堂、日帰り温泉は空いていたのに食堂はほぼ満席状態。この人たち、ひょっとしてみんなここにもやしを食べに来ているの? メニューには吉野家や松屋にはどんなに美味でも絶対にないであろう「もやしうまか丼」があり、私はこのもやしうまか丼と地元産のシャモロックそばのセットである”大鰐御膳”を注文。待ち時間にいろいろ調べると、大鰐温泉もやしは冬野菜で、このお店でも仕入ができない日もあるのだとか。
もやしを夏野菜とか冬野菜とかとして考えたこともないし、「もやしの仕入が出来なかったので、今日はもやしがありません!」なんて看板、とても想像ができません!
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もやしはかなりシャキシャキしていて、スーパーで30円程度で売っているもやしとはさすがに全く別物の感じです。でも、シャキシャキ感はともかく、味についてはグルメじゃない私にはスーパーで売っている高いほうのもやしと比べても、その差がイマイチわかりませんでした。

いよいよ弘前に向かいます。早く着いたら岩木山が見えるビュースポットにでも行く積もりにしていましたが、降ったり止んだりのこの天気ですから、お岩木山はどこからでも全く見えません。
ホテルチェックインまでの時間つぶしに、「津軽藩ねぷた村」に立ち寄ってみますが、意外に混雑していてたくさんの観光バスが停まっています。この人たち、恐らくはここでちょっとだけ弘前ねぷたにも触れて、夜には青森のねぶたに行くのでしょうね!?
弘前ねぷたに思い入れがある私としては、ちょっと淋しい気もします。

観光客のお陰で弘前ねぷたの説明は大盛況。ねぷたの山車の前にはたくさんの人だかりがあり、近づくことさえ困難な状態。我々は今晩たっぷり見る予定だからいいけれど、他の人たちはこれが最初で最後のねぷたなのでしょうね!?
その他津軽三味線の実演も、椅子に座れない程の大盛況。お土産屋さんも驚く程に混んでます。

今日の宿は弘前駅前の東横イン。ここも半年前に真冬の深夜の激闘を勝ち抜いて確保した宿で、しかも今日はツインルームです。
この日も休養する妻を残して弘前駅前を散策。この日もまず観光協会に行き、ねぷた終了後の帰りのタクシーについての相談です。弘前は青森の観光協会よりも相談者が少ないからなのかずっと親切で、いくつかの候補地と地元のタクシー会社を紹介してくれました。

弘前には、学生時代にねぷたの時期も含めて4~5回は来ています。特に大学2年の時には行きつけの弘前ユースホステルをベースに、ねぷた祭りに2日間参加させていただいたという凄くいい・楽しかった思い出があるので、私の弘前ねぷたに対する思い入れが強いのも、この思い出があるからなのです。その時の思い出を辿って、懐かしい土手町なども散歩したかったのですが、そこまで時間もないので駅前周辺をちょっとだけ散歩してから、弘前駅に行ってみます。
今日は弘前ねぷたの本番の日であるにも関わらず、駅では弘前に来る人の対応というより、青森にねぶたを見に行く人たちのために、青森往復切符の販売コーナーまで作って、懸命に販売しています。
確かに弘前で降りる人はまばら。(写真はたまたま来た特急列車ですが)
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それに比べて青森行き列車は、立っている人も多い混雑振り。加えて五所川原方面に向かう五能線も、五能線にしては何と(!?)3輌も連結している(私の記憶ではいつも一輌)のに、立っている人も多い大混雑。みんな、五所川原の立佞武多祭りに行くのでしょう。
「弘前でも、ねぷた祭りやってるよ!」みんな知っているのでしょうが、大声でそう叫びたくなりました。

お祭り時間が近づいたので、タクシーで弘前城近くの有料観覧席へ。この席も発売当日にGETしていたので、今日は嬉しいことにようやく最前列です。
弘前ねぷたの有料観覧席はスタート地点で、午前中のラジオにも出ていた地元ラジオのアナウンサーが分かりやすく詳細にお祭りをレポートしてくれるので、我々にはとってもありがたい限り。始まる前からとても大きな太鼓を叩かせてくれるなど、観客へのサービス精神は今回見たお祭りの中では今までで一番です。

ただ、今は雨は止んでいるものの、今日はずっと降ったり止んだりの天気なのが心配。雨が降った時用に、我々は雨ガッパを埼玉から持って来ています。「こういう観覧席で傘をさすのは、周囲の人への配慮から絶対にNG。傘の代わりにカッパを持って行くのは、やっぱり旅の最低限のマナー。」だと思うからです。でも、すぐに傘をさす心ない観光客が意外に多くて、ちょっとだけ日本の観光客のマナーに失望した今回の旅でした。

いよいよねぷたがスタート。
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一つ一つの山車が青森程に規模は大きくないねぷたの山車は扇形。規模も小さいし扇に絵を描いてあるので、1台あたりの山車の価格は青森よりはずっと安いのでしょう。
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だから山車はひっきりなしにたくさんスタートして行くし、企業が中心の山車は少なく、大半は弘前の町内会。
青森ねぶたと比べても、企業名がほとんどありません。
なので「ヤ~ヤド~」の私にはとっても懐かしい掛け声で行進する人たちは、見事に老若男女混合なのです!
扇形ねぷたは決まって前には勇壮な男性が描かれていて、裏には美しい女性が描かれています。
有料観覧席はスタート地点のすぐ先なので、昨日の青森のように休みながらただ歩いている人はなく、みんな大声で"ヤ~ヤド~"を繰り返していて、とても心地よい響き。
38年前には、この行列に加わって、"ヤ~ヤド~"を2時間怒鳴り続けたっけ!!(若かったなぁ~!!)

38年前には絶対になかった山車は、時折小さくなれる一回り大きな山車。信号等があると、小さくなれるハイテクな山車です。さすがは平成!
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これも弘前ねぷたの進歩なのか、扇型だけではなく、青森ねぶたのような山車も登場しています。
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でも、残念ながら時折雨が降って来ます。雨が降ると大切なねぷたの保護のためにビニールを掛ける団体もあります。やむを得ないとは思いますが、ビニールを掛けたねぷたは残念ながらこの通りイマイチ。
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でも、小雨をものともせずビニールも掛けずに演じている団体には、「頑張れ~!」と応援したくなります!
ちなみに、この日青森はもっと激しい雨に降られたらしく、あの大きなねぶたもみんなビニールが掛けられていたのだとか。我々は小雨で済んだ弘前にいて、今日もとてもラッキー!!

弘前ねぷたがスタートしてから間もなく2時間半、途中空白の時間もなく興奮と感動の時間が続き、いよいよ最後の山車が出陣。
今スタートしたこの人たちは、今から2時間”ヤ~ヤド~”を謳い続けるのでしょうが、スタート地点の見学はこれにて終了です。親切な観光協会に教えられた飲み屋街まで10分程度歩いたのですが、足が遅い我々、地元をよく知る人たちに完全に先を越されています。でも周辺を引き続き歩くと、戻ってくるタクシーを何とか掴まえることができ、予約より30分も早く9時には駅前の居酒屋に入ることができました。

この居酒屋でも青森のお酒と肴を充分に満喫!
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やっぱり、弘前は昔から私の大好きな街です!
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弘前よ、また来るからな!
今度は、桜の時期に!!


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【2018年東北夏祭り】<その4:青森ねぶた> [日本二周目]

3日目:8月3日(金)


今日は今回の旅最初のメインイベント青森のねぶた祭りを見る日。旅行が一番の趣味(&うち32年は仕事)と自認するようになってから40年以上は経っているのに、恥ずかしながら青森のねぶた祭りは58年目にして初めての体験なのです。


八戸での朝食と言えばやっぱり市場でいただきます。早々にホテルをチェックアウトして、2年前にも行った陸奥湊駅前の朝市へ。相変わらず観光客は多くその割には魚のチョイスはあまり多くはなくイマイチでしたが、何とか豪華な刺身定食を作り上げ、席は相席ながら何とか確保します。

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料金は2年前同様二人で2000円程度。130円也のシメサバを食べながら、昨日800円を越えるシメサバに目を白黒させていた友人夫妻を思い出し笑いしてしまいました。勿論、その内容は比ぶべくもありませんでしたが…


八戸から青森までは有料道路がとぎれとぎれにあります。ナビを信じて運転していたのですが、どうも八戸~青森という大都市相互を結ぶ道とも思えない農道などにも案内されながら、何とか無事に青森に到着。

青森市内で行きたい観光地と言えば個人的には三内丸山遺跡なのですが、足の調子が相変わらずの妻には今は無理そうです。とりあえずちょっと前にTVで見て、妻が行きたがっていた「棟方志功記念館」をゆっくりと見学。

さすがにねぶたの時期の青森市内観光地はどこもかなりの混雑です。棟方志功のビデオを座って見るだけでも、一回待たなければいけないくらいの混みようでした!

棟方志功さんは、確か私が中学生の頃までまだご存命だったと記憶していて、その姿には微かな記憶があります。作品も何となく親しみがありますね!


青森での昼食は、テレビなどで有名になり、「話のタネに、一度ぐらいは食べてみたい!」と願っていた”味噌カレー牛乳ラーメン”。”青森のソウルフード”という割には、この”味が想像できないラーメン”を青森市内で出すお店はたった6軒とのこと。市内中心部の一番の有名店はこのねぶたの時期には大混雑だろうと予想し、できるだけ混雑が少なそうな郊外のお店を選択したのですが、さすがにこの時期なので駐車場から大混雑です。でも何とか車を停められると意外と大きい店内には辛うじて空席があります。

初めて体験した"味噌カレー牛乳ラーメン"は味噌の味があんまりせずに、しっかりカレーの味がする牛乳のお陰でややマイルドなラーメン。

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個人的には好みでもないけれど不味いというレベルでもなく、次回は一番の有名店にもう一度チャレンジしてみたいと思いました。


まだ時間は1時過ぎですが特に行きたいところもないので、本日の宿東横インに「ちょっと早いけれど、車停められますか?」と聞きOKをもらったので、駅前の東横インに車を停め、とはいえ部屋には3時までは入れないので、青森駅周辺をブラブラしてからスタバでひと休み。

ここで妻をスタバに残して、私は今日最大の懸案事項の調査について、駅周辺にある観光局等で聞き込みを開始。

その最大の懸案事項とは、青森、弘前、秋田の3つのお祭り共通の懸案事項なのですが、"お祭りを見た後、どうすればタクシーがつかまるか?"です。

今日の青森もねぶた祭りの有料観覧席までは、駅前のホテルからは我々の足で歩けば30分以上はかかりそうです。行きは交通規制が始まる前ならばタクシーは簡単につかまりそうですが、お祭りが終わった後はしばらく交通規制は解除されないだろうし、そんな中でタクシーを拾うのは至難の業のような気がします。車で行くにしても会場近くの駐車場を探すのは大変そうだし、何より戻って来てからせっかく確保できたホテルの駐車場が「満車」となればシャレになりません。とは言え、30分以上歩くのは私にも妻にもかなりしんどいのです!

いくつかの窓口で相談してみますが、予想通り有効と思われる手段はありません。「お祭りが終わっても、その場所を動かずに待っていればやがてタクシーは来ますよ!」というアドバイスを今日はとりあえず信じてみることにします。

でも、歩くのが辛い我々老夫婦にとっては、このことが旅行出発前からの最大の心配事だったのです!


会員のチェックイン時間である3時ジャストに東横インへ。半年前の”真冬の深夜の激闘”の勝利を噛み締められる感動の瞬間です。でも、他にチェックインしているお客さんたちを見ても、あの2月3日の00:00に同じく深夜の激闘を共に闘ったような人々にはどうしても見えないから不思議です!?

初めて妻と二人なのにシングルルーム×2の宿泊ですが、ありがたいことに妻の部屋はすぐ向かい側。東横インのシングルルームは思ったよりも広く、昨日の八戸のツインルームよりも広いんじゃない?と思える程。ねぶた当日なのに、こんなに広いシングルが朝食付でたったの5000円強だなんて、お祭り料金がない東横インならではです!半年前に真冬の深夜の激戦を勝ち抜いて本当によかった!


妻は早速自分の部屋で休憩するようですが、私はこの時間を使って付近の散歩に。

まずは本番のねぶた祭りを見る前に、お祭りの日以外でもねぶたが常設展示されている「ねぶたの家 ワ・ラッセ」へ。迫力のあるねぶたの山車がいくつか展示されています。

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お祭りの日以外に来ればそれなりに満足するのでしょうが、あと数時間で本物が見られるとなると、正直感動はあまりありません。

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海沿いを散歩。向こう側には豪華客船が停泊中のようです。船には詳しくないので日本船なのか外国船なのかは私にはわかりませんでしたが、どちらにせよこの幸運な船客たちも今晩はねぶたに酔いしれるのでしょうね!?

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向こうに見えるは懐かしの青森駅からの青函連絡船の接続口。初めて北海道に渡って以降10年間は、ここ青森駅から毎回ワクワク・ドキドキしながら青函連絡船に乗り込んだものです。もっとも、大学1年の時の初めての冬の北海道の旅では、青函連絡船待合室で連絡船を待つ間に先輩と共に泥酔してしまい、唯一全く記憶がない青函連絡船だったという苦い記憶もあったっけ…

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保存されている青函連絡船は"八甲田丸"。

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船内をちょっとだけ覗いてみますが、意外と階段が急で今の私には辛そうなので見学を断念。昔は急な階段なんて全く気にせず、それこそスキップの勢いでかけ上がった筈なのに…  昔大好きだった青函連絡船の人気メニュー「いか尽くし定食」をもう一度、食べたいなぁ~!!


青森駅前にあるお土産屋さんには、たくさんの大型バスが停まっていて大盛況。さすが日本でも有数な人気のお祭りだけあって、観光客の数も本当に半端ないって!!

広場には屋台がたくさん出ていて、大道芸人もいます。こういう場所ではいつも同じ空想をしてしまいます。

「寅さん、いないかな~??」

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休養十分な妻と合流して、交通規制が始まる前にタクシーにて指定されたねぶたの有料観覧席へ。我々が発売日にアクセス集中にあった挙げ句ようやく確保できた席は、「東北大進学会」という学習塾の本部ビルの前。

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青森のねぶた祭りの規模は凄く、さすがに他のお祭りとは桁が違います。今回楽しんだ他のお祭りの有料観覧席は、お祭りのコースのほんの一部(で、恐らくベストポジション)に設けられていたのですが、ここ青森のねぶたは、その広~いコース全体が全て有料観覧席のようなのです! 私がネットでねぶたの有料観覧席を予約した時に観覧席の表示がなかった場所にも、ほとんど全てに団体用の観覧席が用意されているのです!


自分たちの予約席に座っても、まだねぶた祭り開始までは1時間以上あるので、私はこのねぶた祭りに来ているという友人を探しに行きます。私のFacebookに「東北の祭りに来ています。」と投稿すると、友人から「俺も3日に青森のねぶたに行くよ!」と書き込みを貰ったので、お互いの観覧席のブロック番号を教えあっていたのです。

観覧席は反対側で、私の足では10分程度かかってたどり着きましたが、お目当ての席にそれらしい団体はいるものの友人は見当たりません。連絡を取ると早めに着いたらしい彼も私の席まで行ってくれていたらしく、彼も私の席のそばでうろうろしていたのだとか。その結果、東京でも半年以上会っていなかった友人に、ここ青森の路上で会うことができたのです! お互いの席に行きパートナーを紹介しあい、お互いの旅の安全と東京(の居酒屋)での再開を約束しました。


ここで昼の散歩時につい手を出してしまったビールのせいで俄に尿意をもよおします。トイレを尋ねると近所のコンビニを教えられますが、目指すコンビニの入口前からトイレ待ちの大行列が始まっていて、ねぶた祭り開始時間に間に合うか? と、一瞬ヒヤリとしましたが、何とかギリギリで間に合いました。「年なんだから、やっぱり水分には気を付けなきゃ!」と、いい勉強になりました。


ねぶた祭りは7時の号砲と共に始まります。ねぶたにはスタート地点もゴール地点もなく、一周できる四角いコースの指定された各地点からスタートして、2時間後の9時までそのコースを周回するのだとか。おおよそ2時間で一周するので、ほぼ全ての演じ物はどこでも見られるという極めて公平な設定。確かにこれならば反対側の観覧席であってもその日に出演する山車は公平にどちらでも見られる訳です。


我々の観覧席あたりからのスタートは、何台かある「子どもねぶた」。失礼ながら大きなねぶたの途中や後半に来ると、いささか興ざめしそうな演じ物ですが、最初に見ると何となく"前座"のようで、これからの期待感を高める効果もあり、このあたりの席になった我々にはちょうどいい感じ。

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ただ、我々の席は3列目で、有料観覧席の最後列。発売開始1時間後に予約したのに… です。でも大きな格好いい山車が来ると、前の席の人たちが突然立ち上がるのだけは本当に勘弁して欲しかった。

いくつもの折角撮った動画や写真が台無しになってしまいました。

子どもねぶたが終わると、しばらく何も来ない時間が続きます。さんさ踊りや八戸三社大祭にはなかった間で、ちょっとだけ拍子抜け。やっぱりこれだけ広いねぶた会場なので、ずっと途切れずにねぶたが来るのはさすがに無理なようです。


いよいよ待望の大型ねぶたがやって来ます。


大型ねぶたは前や後ろに子分のように小さなねぶたを連れて、時に急いで、時にゆっくりと行進。我々の目の前で一周してくれるねぶたもあれば、反対側ばかりに目が行っていてこちらには見向きもしないねぶたもあります。

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暗くなった青森の町に中から煌々と光を放つねぶたは本当に豪奢で、そして美しい!

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いきいきとした表情も、ホントにリアリティがあって、本当にうっとり魅入ってしまうのです!

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でも、その大きなねぶたはたくさんの人たちによって引っ張られているのですが、これだけ暗くなるとあんまり見えません。


殆んどのねぶたは企業の出すねぶただったりして、会社名が何よりも目立っところに書かれています。まぁ、とにかくお金が掛かるでしょうから、企業に頼るのは已む無しとは思いますが、昔のお祭りにあった"地域のつながり"だとか"町内会"だとかとはどうも縁遠い感じです。

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私のイメージは青森ねぶたといえば、巨大なねぶたの回りにたくさんの人が"ラッセラ~、ラッセラ~"の掛け声にあわせて跳ねて(踊って)いると思っていたのですが、実際にはただ歩いている人が多いようです。確かに、ずっとラッセラ~と言いながら踊っていると、2時間は持たないだろうから、踊る時間と休む時間をうまく調整しているのかも知れませんね。この日はTVの生放送も入っていたので、そっちで目一杯跳ねた人たちは、我々の前では休んでいたのでしょうか?

でも、こんな風に私のイメージ通りの集団も多少はありました。


散々大型ねぶたを楽しみ、再び子どもねぶたが来たということは間もなく終わりの時間。9時に開始の時と同じ号砲が鳴ると、この日のねぶた祭りは終了になります。多くの団体観光客は、添乗員さんの号令の元、バス駐車場まで向かうようです。ちなみに今日会った友人の参加している団体の今晩の宿は、岩手県にある温泉地。折角の温泉でも、ホテル着は間違いなく12時を回ってしまうのでしょうね!?


さて、次は我々の大問題。ここから、何とかして青森駅前のホテルのすぐ横にある居酒屋までたどり着かなければなりません。最初は案内所のアドバイス通り、「お祭りが終わっても、そのまま椅子に座って交通規制が解除になるのを待って」いたのですが、有料観覧席の椅子席は毎晩撤去するらしく、「お祭りは終わったので、出て下さい!」

何て観光局の情報はいい加減なことか!

仕方がないので駅方向を目指し、ゆっくりと歩き出します。10分は歩いた頃にようやく交通規制が解除になり、待ちに待った車のライトが見え始めます。とは言え、タクシーのランプはまだ殆んどなく、時折実車のランプがついたタクシーが見えるだけ。15分以上歩いた大通りで歩くのを止め、タクシーを待つことに専念することにします。

目の前で空車を他の人にさらわれることも数回、ようやく奇跡的にタクシーを止めることができ、駅前の居酒屋「日本海庄や」に予約時間21:30に少し遅れただけでたどり着くことができました!!

帰りのタクシー代も1000円弱。あのままタクシーがつかまらなかったら…  そう考えると、空恐ろしくなりました。


チェーン店居酒屋でも、地のものはしっかりと味わえるお店で、青森の地酒と刺身を満喫。我々が美味しいお酒と肴を満喫しているこの瞬間も、ねぶたで会った友人たちはまだまだ高速をひたすら宿に向かって走っているのかと思うと、何となく申し訳ない気持ちになりました。


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【2018年東北夏祭り】<その3:八戸三社大祭> [日本二周目]


2日目:8月2日(木)

いつもの旅では9時頃には寝てしまうので、朝の目覚めは5時前というパターンが大半なのですが、昨日は9時から旧友と会食したため部屋に戻って床についたのが12時頃だったのと、今回の旅は急ぐ旅でもないことから、「よ~し、8時過ぎまではぐっすり寝るぞぉ~!」と勇んで(??)寝た筈なのですが、やはり寄る年波には勝てずに、7時前には目が覚めてしまいます。
ホテルエース盛岡の朝食は結構豪華で、普段はほとんど朝食を取らない私なのですが、ビュッフェ2皿を食べてすっかり満腹。盛岡の朝食と言えば2年前、ホテルで朝食を取らずに地元のパンの有名店「福田パン」に1時間以上並んだことを思い出します。(その時の記事はこちら)今回は、ホテルの朝食で大正解。

ホテルでのんびりしていても特にする事もないので、9時前にはホテルを出て本日の目的地八戸まで走ります。途中、岩手山サービスエリアで岩手山の眺望が期待できるかな(?) と立ち寄ってみますが、天気に関わらず東北道下りのSAでは、岩手山が望めるビュースポットはエリア内には見つけられませんでした。旅情を誘うのは名前だけなのでしょうか? 
八戸道は反対方向ですがGW北海道の帰り道に走り、その交通量の激増振りにいささか衝撃を受けたのですが、この日の交通量も私の予備知識を遥かに凌ぐもの。これはもうGWとか夏休みだからという訳ではなく、八戸道の知名度が上がって利用者が安定したのだろう… と、ちょっとだけ嬉しくなったりしました。

今回の旅では盛岡と八戸の間に立ち寄る予定の観光地も特にはなく、八戸の観光もお祭り以外は予定がありません。その代わり、今回の旅では温泉での宿泊が1回もないので、「2日に1回はせめて日帰り温泉には入ろう!」と決めていたので、実は意外と日帰り温泉が多い八戸でまずは第1湯。目指す温泉は、まだ11時前なので凄く空いていて、かなり大きなお風呂をほぼ独占状態で楽しむことができたのです! やっぱり、日帰り温泉は午前中に行くのが最高ですね!

八戸で土産を買う定番スポットといえば、海産物のお店が並ぶ「八食センター」。でも今回はお土産ショッピングが目当てではなく、ここ八食センターでのランチが次の目的地。行例を覚悟して行った回転寿司「八食市場寿司」でしたが、予想に反して行列はなくすぐにカウンター席に案内されます。お祭り人気、さほどでもないのでしょうか?
回転寿司のネタは豪華でそれなりに新鮮そうなのですが、やはり八食センター内のお店なのでさすがの観光地値段。1000円を越える皿が次々に流れてくると、貧乏性の夫婦は”食べたい”と触手が動くとはいえすぐには手を出すのを躊躇してしまい、値段表を確認してから取ったり、食べたい気持ちを堪えて諦めたりを繰り返します。
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こっちは観光客なので「八戸産の地のもの」を期待しているのに、メニューの半分くらいに「九州産」があると、観光客の我々としてはやはり興ざめしてしまいます。
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なので、北海道の回転寿司のようには楽しめませんでした。

昼食の待ち時間等をある程度覚悟していたため、予想より1時間は早く次の予定に向かうことができました。次の予定は14時から開催される八戸三社大祭のイベントの1つで、長者山新羅神社で開催される「加賀美流騎馬打毬」。
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12時半には新羅神社に着いたため、心配していた駐車場も会場のすぐそばに確保でき、イベント会場最前列にあった椅子席に陣取ることができました。でもまだイベントの開始には1時間半もあり、妻はしきりに「退屈だぁ~!」と言っていますが、待つことを嫌がったらお祭りは楽しめないので、長椅子にボケッと座りながらその時をじっと待ちます。
私は妻の機嫌を取りながらも神社内を散歩。念願の車に貼る交通安全のステッカーを入手したりと散策を楽しみます。すぐそばでは昔風の袴に身を包んだ意外と若い選手らしき人々が、長い棒の先に毬を取るものがある道具を使ってウォーミングアップらしきキャッチボールをしています。
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今日も暑い1日なのですが、猛暑の関東とは違って耐えられない程の暑さではなく、吹きわたる風が心地よい東北の気持ちいい暑い夏。「埼玉もこのくらいの暑さだといいのにね!?」とはいささか贅沢!?

開始時間が近づくと、人出は大変多くなり、我々が座る長椅子を羨ましそうに睨む人々が二重三重に我々の後ろに立ちます。下から上がってくる車の数は益々増えて、会場近くにはもう車は停められそうにありません。1時間半前に来てすぐそばに車を停め、最前列の長椅子を確保できた我々は、やっぱりとてもラッキーでした。
入場料などは掛からないのですが、集まった我々ギャラリーを目がけて、「伝統行事保存のため、寄付として小物を買って下さい!」という人たちがひっきりなしにやって来て、そのたびに1000円程度を気前よく出していたら、結構出費が嵩んでしまいます。まぁ、これで迫力ある伝統芸能を特等席で見られたと思えば安いものかも知れませんが…

ようやく1時間半が過ぎ、いよいよイベントが始まるようです。
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「騎馬打毬というのは、イギリスのポロのような競技」なのだそうですが、ポロのルールもろくに知らないので、初めは何が何だかさっぱりわかりませんでした。おまけに場内アナウンスはあり解説はしてくれているようなのですが、角度が悪いのか我々の場所からは放送の内容は全く聞こえません。
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競技は馬に乗った競技者が例の長いグローブのような器具で毬を投げ合い、取り合って相手の陣地まで投げ入れた方が勝ちであることが、見ているうちに少しずつ判ってきました。
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何と言っても、騎馬同士がぶつかり合うところがとても迫力があって、ようやくその面白さが少しずつ判ってきて、やがて勝ったチームには万雷の拍手が来るようになりました。
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お祭りのまた違った一面を楽しむことができてとても満足しました。

今日のホテルは八戸中心街にあるスマイルホテル。中心街にあるホテルだからかホテルに契約駐車場すらないので、あたりをつけていた近隣にあるデパートの駐車場(デパートの駐車場といっても、一泊の駐車料は僅か600円!)に何とか車を停め、ここ数年の旅でもずっと経験したことのないくらいに狭いツインルームにチェックイン。今までの経験上八戸のホテル代はどの宿も他の町と比べると破格というくらい安いのですが、これだけ狭いツインルームで1万5千円というのは、紛れもなく「お祭り料金」なのでしょうね!?

いつも通り部屋で休憩している妻を残して、私は街へ出ます。私の目的はすぐ近くの八戸市役所で開催されている"お祭り広場"。この日の夕方には今年の山車の審査・表彰があるため、市役所前の広場に全ての山車が一堂に会するという情報を得ていたためです!
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一堂に揃った山車はさすがに迫力満点。じっくりと眺めながら広場を散策すると、特に豪華っぽい山車の横には「◯◯賞」などたくさんの表彰が飾られています。
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今日は、八戸三社大祭唯一の夜のパレードで、この全ての山車が有料観覧席の我々の前をその姿を誇示しながらパレードしてくれるのですからとても楽しみです!
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今日だけはパレード見学の前に、5時半から八戸在住の友人夫妻と夕食。2年前の夏に八戸に来た時に私がリクエストしていたことを覚えていてくれて、その時は予約が取れなかった"サバの駅"という有名店を予約しておいてくれていたのです。(友人と食事をする時はどうしても写真を撮るのを忘れてしまうのです。申し訳ありません。)
さすがに八戸名物の前沖サバのオンパレードの料理はどれも美味。でも八戸でサバと言えばどこでもかなり安いのにこのお店の値段は東京並みなので、八戸在住なのに初めて来たという友人夫妻はいささか目を丸くしたようです。ご馳走していただいた友人夫妻に散財をさせてしまい、とても申し訳ない気持ちでした。このお店名物のサバのハンバーガーである”サバーガー”も話のタネにいただきましたが、サバにはやっぱりご飯か日本酒ですかね!?

この後のメインイベントである山車パレードのため、残念ですがお酒はやや控えめにしてパレードの通過予定である7時半にはメイン道路に3列ただパイプ椅子を並べただけの有料観覧席に座ります。当初「有料観覧席は満席」と言われて大いに焦ったのですが、どうやら満席の理由は凄い人気だからではなく、「単に有料観覧席が少ないだけ!?」だっただけのようです。八戸のパレードは、メイン道路だけでなく狭い道路も通るので、山車にはさまざまな細工がしてあり、通る場所によって巨大化したり小さくなったりすることができるのだとか。勿論、有料観覧席がある場所は一番メインの場所なので、八戸に50年以上住んでいる友人によれば全ての山車の最大なった最高潮のところが見られる筈…とのことで、否応なしに期待が高まります!

日が落ちて、いよいよ最初の山車がやって来ます。市役所前で窮屈そうにしていた時とは違い、「どうだぁ!!」とその勇姿を誇示しているような威風堂々とした姿は、やっぱり市役所前で見た時より全然格好いい!
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山車は20台以上はあるそうで、一台づつゆっくりとやって来るので、その細かいところにまで拘って作られた作品を間近でたっぷり見ることができます。
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山車に乗って太鼓をたたいたりする大人や子供も懸命に頑張っている姿が印象的です。
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山車によっては煙を出したり動いたりする山車もあり、我々を飽きさせません。どの山車にも物語とその場面の説明があるのでしょうが、残念ながら私にはそこまでは判りません。

どうやら我々がいる有料観覧席を過ぎると、山車は撤収に入るらしくそのハイテクを駆使してあっという間に小さくなってしまいます。勿論、大きくなる瞬間が一番見たい風景であることは間違いありませんが、この小さくなる瞬間もかなり興味深いのは間違いありません!
この山車は小さくなるタイミングが早すぎて、我々の目の前でもう撤収に入っています!? 「早く家に帰りたい」のでしょうか!?
市役所で記憶に残っていた山車も、あまり覚えていない山車も全て満喫できて、パレードは終わりになります。
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ねぶたの山車のように、夜用に作られた山車ではないので中から光らないので夜見るとねぶたほど鮮やかではないのですが、特に完全に日が暮れる前の夕暮れにライトアップされた山車は本当に見事でした。
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青森を代表する夏祭りの1つにカウントするべき素晴らしいお祭り。さすがはユネスコの無形文化遺産!

狭くて決して安くないホテルですが、この有料観覧席のすぐ裏がホテルでお祭り終了5分後にはもう部屋でくつろぐことができました。
その意味でこの宿も最高のチョイスでした!


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【2018年東北夏祭り】<その2:盛岡さんさ踊り> [日本二周目]


1日目:8月1日(水)

今年2回目のロングトリップも、前回(GWに行った道南の旅)同様北を目指して朝8時には埼玉県を出発しました。今回の初日の日程は仙台でちょっとだけ所用を済ませてから盛岡に向かうだけで、ドライブ時間としては6時間程度なので、9時頃家を出ても十分に間に合うのですが、旅行出発日はどうしても早く目が覚めてしまう私の(年寄らしい)習性により、この日も7時にはすべての準備が整ってしまっていたのです。
家を出て20分後にはいつもの通り東北道へ。この日の東北道はいつになく混んでいて、前の車がブレーキを踏んだら渋滞しそうなくらいの交通量です。「まさか、みんな東北のお祭りを見に行くの?」なんてちょっとだけ不吉な予感が頭をよぎりますが、さすがに那須辺りまで来ると交通量は減り普段の東北道のようになり、まずは一安心。

順調に関東を過ぎて東北に入ります。この日はこの時期の関東ではずっと続いていた好天というか猛暑天気が継続。「東北なんだから、やっぱり涼しいよね!?」とは思いたいものの、家を出る前の天気予報によると盛岡の最高気温も30℃を越えるとの予報。35年以上昔、8月の間ずっと岩手県野田村に滞在していた時には半袖では耐えられずに厚手の服を近くの町まで買いに行って、滞在中ほぼずっとその服を着ていたことを思い出します。やっぱり確実に温暖化は進んでいますね!? とは言え、天気予報と十分ににらめっこをして、今回の旅は悩んだ挙句全て半そでで、長袖の衣類は持たずに出発… でも、東北を甘く見たことで、後で激しく後悔することになるのです!

この旅最初の昼食は仙台直前の菅生PAにて。私は好物の仙台牛タンが食べたいのですが妻は仙台出身なのに牛タンが苦手…ということで、パーキングエリアのフードコートという時間も節約出来て好きなものも食べられるという地元でのランチとしてはいささか安易なチョイス。
でも、ここの牛タン定食って1700円(をちょっと越える)もするんですね!? 私が仙台にいた頃の牛タン定食、仙台市内の牛タン屋さんの統一価格は1000円だったのですが… もっとも、30年前の昭和の時代の話ですが…
妻のお目当ては「仙台直送の海鮮丼」だったのですが、見た目もちょっと貧相な海鮮丼に失望したことが見え見えの表情で箸を動かしています。
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最近、高速道路上のレストランやフードコートは昔に比べて充実していて十分に楽しめることが多くなって来たのですが、この日は夫婦共々いささか期待外れでした。

仙台で野暮用を済ませ、再び東北道を盛岡に向かいます。一ノ関までは、昔よく営業で走った"勝手知った高速道路"の筈なのですが、新しいインターが出来ていたり、驚きの連続でした。この道、2年前にも走っている筈なのに… です。
予定通り3時過ぎには盛岡南インターで高速を降り、一路盛岡市内中心部に向かいます。実はあまり車では来たくはなかった今回の旅、夕方になればなるほど駐車場が満車になるリスクを恐れたことがその理由の一つでしたが、さすがに3時代なので何とかホテルの立体駐車場に、無事に今晩の愛車の宿を確保することができました。

今回の盛岡のホテルは繁華街ど真ん中に位置する「ホテルエース盛岡」。今回のお祭りの旅の6都市のホテルの中では、ここ盛岡のホテルだけは他のホテルも最後まで空いていたようなのですが、二人で朝食付き11000円也のレートと、何より最高の立地条件のここエース盛岡を半年以上前に予約して、一度の浮気もせずに半年以上の思いを込めたチェックインした瞬間、感慨無量なものがありました。(大げさ!)

ホテルで休暇する妻を残して、私は今晩のお祭り会場など周辺の下見に行きます。セブンイレブンで確保していたお祭りの指定席までのアクセス時間は、ホテルのフロントによると「歩いて10分弱」とのことですが、まずはその確認から。お祭りのメインストリートは交通量も多く、お祭りが始まる雰囲気はまだ。
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でも、3時間前にも関わらず既に場所取りをしている地元民(?)も多く、人々の期待が伺えます。
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有料観覧席のすぐ横には盛岡の観光名所"石割桜"が。この石割桜を見るのは平成最初で最後かも?
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これが今日の我々の観覧席です。飯田橋のセブンイレブンで遠く離れた盛岡の指定席が買えて本当に嬉しい限りです!!
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周りを見学しながらの散歩は、私の足ではやっぱり15分強。現在足が痛い妻の足ではもっとかかりそうなので、往路は交通規制がかかる前にタクシーで行くことに決めたのですが、帰りはタクシーはつかまりそうにないので、その後に予約している居酒屋まで歩く必要がありそうです。でもネット予約していた居酒屋は嬉しいことにちょうど会場とホテルの間にあり、おまけに酔っ払ってもすぐに帰れるホテルのすぐ近く。自分の、お店チョイスの正確さに、我ながら自分にうっとり。

交通規制が始まる前に、ホテルでタクシーを呼んでもらってお祭りの有料観覧席へ。早めに指定座席に座ってお祭りの開始を待ちます。私はビールでも飲みながら見学しようと周囲の売店を探しますが、周辺にはたくさんあった売店が有料観覧席付近には全くなく、ようやく見つけた売店のビールはコップに注がれているので、片手で杖を持っている私には席まで運ぶことができません!! その後も缶ビールを探しますが、結局断念せざるを得ませんでした。

いよいよ「さんさ踊り」パレードが始まります。まだ日が暮れる前からお祭りのスタートは偉い人のパレードから静かに始まります。
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小中学校時代に盛岡市内に数年住んでいた妻が、当時はその存在すら知らなかったという「盛岡さんさ踊り」。四十数年前に始まり、徐々に大きくなってきたお祭りということから、「大したお祭りじゃないかな?」という先入観があったからかも知れませんが、そのダイナミックさにいきなり圧倒されてしまいました!!
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今回、自分で撮った動画をこのブログにアップロードすることにチャレンジしてみます!



「世界一の太鼓パレード」と銘打っていることが決して大げさではなく、すぐ近くで見ていてもこのパレードの踊りと太鼓の迫力は本当に凄い! 完全に圧倒されてしまいます。
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地域・自治体、企業や学校別に次々と登場してきます。特に一番迫力が凄かったのは自衛隊! 地声の大きい若い男性が本当に大声で歌い踊ります。みんな迷彩色風の衣装をまとい、全員が坊主頭の集団は、誰がどう見ても”自衛隊”でした!
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1時間以上が経過し、徐々に日が暮れてきますが、参加者の列は減るどころかどんどん増えてゆきます。一体、どこからこんな人たちが湧き出てくるのかが本当に不思議です。”岩手県中の人が踊り出している”と言ったら流石に大袈裟ですが、そのくらいの勢いを感じてしまいます。
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列車の山車とともに登場したのはJR東日本の踊り手たち。凄い数の踊り手が山車の後ろに続きます。
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(JR東日本のパレードです)


7時を過ぎ、盛岡は暑いどころか涼しい風が吹き、とっても心地よい8月最初の晩。「この気候、やっぱり東北は涼しくていいね!」と盛岡の夏の夜に感謝です!
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迫力があってとても素晴らしい踊りと太鼓の2時間以上のパレードも間もなく終わりが近づきます。最後は、舞台である道路を開放して「みんなで踊りましょう!」というアレンジですが、我々はそろそろお腹も空いたので帰りの大行列の中を必死に歩いて予約していた居酒屋に向かいます。
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やはりこの大群衆の中でタクシーを拾うことはとても無理で、妻とはぐれないように必死に歩き、盛岡市内繁華街中心地の居酒屋まで。今日の居酒屋は、「ここ1軒で岩手県」という売り文句の岩手県のローカル色が強い居酒屋。でもこの日は盛岡の知人とこのお店で会う約束をしていて、入った早々旧友と再会ができたのでメニュー選びはもっぱら妻に任せて私は旧友との再会から昔話で盛り上がってしまったので、正直何を食べたのかは殆ど記憶にありません。
この居酒屋のウリは従業員による”さんさ踊り”。とはいえ散々さんさ踊りを楽しんだ後なので、旧友との昔話ができないさんさの大音量は、正直邪魔でした。
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でも、もう一度岩手県を味わいに来たいと思いました!

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