SSブログ

2019年夏の旅Ⅱ<京都・大阪>最終回:太陽の塔と仁徳天皇陵 [日本二周目]


4日目:8月17日(土)


今日からはいよいよ2泊3日で大阪。今日はいきなりの大阪のメインイベントである"太陽の塔内部見学。"

昨日、強引に銀閣寺の観光を追加してしまったため、昨日夕に今朝の朝食を仕入れることができなかったので、朝は2日連続の志津屋さんのパンなどを部屋でいただきます。朝食後は出発まで部屋でのんびり。


行きと帰りには大きな荷物(今回は、2人で1つのスーツケース)は宅急便で送れるからいいけれど、都市の移動にはスーツケースを持っていかなければいけません。3泊お世話になったAPAホテルを出ると目の前にタクシーが停まっていて、スーツケースを持った我々を見ると、すぐに運転手さんが出て来て荷物をトランクに入れてくれます。でも、実は今回だけはタクシーに乗るのは余りに近すぎてちょっと躊躇していて、バスで行こうかと考えていたのです… 我々の鉄道乗車駅は、すぐ近くの阪急河原町駅。京都のタクシーの初乗りは東京と同じ400円台(正確な金額は、たった2ヶ月前のことだというのに、もう思い出せないという痴呆性の進み具合!)で、歩いても行ける河原町駅までは、どう考えても基本料金なので、あまりにも運転手さんに悪いかなぁ~… という遠慮が働いたため。その点、女性にはそのあたりの遠慮はないようで、予想通り基本料金の会計をワンコインで支払った妻は、しっかりお釣りとレシートを受け取っています。


大阪梅田までは、JRと違って外国人が殆んどいない阪急の特急で40分ほど。大阪に入り、阪急の十三から梅田までは、同じ阪急の3路線が並走するとてもドラマチックな区間。複々線よりまだ多い”複複複線”、初めて乗った時、あの茶色の阪急電車3車輌が並走する姿を見て、とても感動したことを昨日のことのように覚えています。

終点梅田駅で降り、すぐ駅前の今回の大阪の宿である新阪急ホテルにスーツケースを預けて、いよいよ大阪の観光スタート。

DSC_0366.JPG

まずはすぐ近くの大型複合ビル”グランフロント大阪”で早速昼食。

今日のお昼は、このビルの人気店、” 近大水産研究所”の近大マグロを予約しています。予約時間は11時の開店時間と同じなのですが、11時5分頃に行ったら、もうすでに満席で行列ができています。勿論我々は予約なので、すぐに奥の個室感のある席にご案内いただき、まずはビールで喉を潤します。

DSC_0369.JPG

近大マグロの養殖場は紀伊半島の串本辺りだと思うのですが、前回の"紀伊半島グルメ旅"の時には、近大マグロを食べる日程を組み入れられなかったため、16日遅れの"紀伊半島グルメ:番外編"。

IMG_8591.JPG

マグロと紀州の旨いもんを満喫しました。

IMG_8592.JPG


いよいよ太陽の塔へ。また阪急電車に乗り、伊丹空港に行くときによく乗った懐かしの大阪モノレールに乗り継ぎ、万博記念公園駅まで。ここに降りるのは1970年以来49年振り!

IMG_8594.JPG

まずはすぐ近くで見るのは間違いなく49年振りの、太陽の塔にご挨拶。

IMG_8600.JPG

あの頃は、この辺りに大きな屋根が掛かっていて、万博のシンボル太陽の塔だけが屋根を突き抜けて聳えていたっけ!


太陽の塔内部見学の予約時間は3時なので、その前にEXPO70の記念館を訪ねます。

IMG_8610.JPG

万博が開かれた1970年には私は10歳の小学四年生、私は両親と記憶に残る最後の家族旅行で万博に来ているのですが、当時仙台にいた妻は連れて行ってもらえなかったのだとか。なので私は、様々な当時の写真を「懐かしい~!」とか「これ、覚えてる!」と言っていたものの、妻は常に無言。 ちょっと、申し訳ない観光でした。

万博で特に懐かしいかったのは、「ダイダラザウルス」という5本のジェットコースター。怖い順に1~5のコースターがあり、どのジェットコースターに乗るかを、家にいる時から楽しみにしていました。勿論、私が乗ったのは4と5!

反面、各パビリオンはあんまり楽しめなかった記憶が… 最初にパリのイメージと香り(?)に釣られてフランス館に入ったことを覚えていますが、フランス館の展示は映画の展示ばっかりで、フランス映画なんてハイソなものにはまるで縁のない我が貧乏一家には、全く楽しめなかったのが痛烈な印象。

それでもこの万博館、とっても楽しめました。でもあえて残念だったことを言えば、万博のテーマソングが聞けなかったこと。万博といってすぐに思い出すのは、あの三波春夫の”こんにちは~、こんにちは~”という”あの”テーマソング。(同世代以上の方ならわかっていただけますよね?)どっかでちょっとでもあの曲が掛かっていたら、懐かしさや感動が数倍いや数十倍になっていた気がします!


いよいよ太陽の塔の内部見学の時間です。

IMG_8612.JPG

(太陽の塔の裏側。さすがは岡本太郎、後ろにも顔があるのです!)

太陽の塔は、塔の中までもきちんと作りこまれていて、当時はVIPだけが観覧できたなんて、当時の小学校四年生には知る由もありません。やっぱり、さすがは岡本太郎!

子供時代から芸術、特に美術にはとんと縁がなかった私ですが、何故か岡本太郎さんだけは不思議と大好きでした。「芸術は、爆発だぁ!」などのCMに影響を受けた故なのか何故か大好きでした。「グラスの底に顔があってもいいじゃないか!」というCMに触発されて、未成年なのにウイスキーグラスを集めたこともあったっけ… (さすがは…テレビっ子!) その岡本太郎さんとのご対面は、随分と前に行った川崎の岡本太郎美術館以来かも!?

入口を入ると、どうにも太郎さんらしいモニュメントが現れます。

IMG_8621.JPG

50年前に岡本太郎さんが作った世界を忠実に再現してリメイクしてるのだとか。

DSC_0388.JPG

見学は、塔の下部から作品を見ながら階段を使って昇って行くのですが、足の悪い人や子供用にエレベーターもあり、我々夫婦の予約は当然エレベーター。「エレベーターは見られる場所が限られているので、全部見たい方は階段でどうぞ」とのこと。左右にしっかり手すりもあるので私的には階段に惹かれましたが、妻のことを思うと「階段で行きたい」とは言い出せません。因みに、写真撮影が許されているのは下だけ。上に昇ると’’カメラを落とすリスクがある”ために写真撮影は禁止なのだとか。

IMG_8634.JPG

岡本太郎さんが表現する海中の世界から海の上の世界まで。確かに徐々に昇って風景が少しずつ変わっていく動きは、エレベーターでいきなり上に来てしまうとそのストーリーは味わえませんね。

今度はやっぱり階段で見に来ようと思います。その頃には、今ほどには混雑していないと思うので…

IMG_8626.JPG


この日の夕食は、前職時代の知人がその後転職して、今は芦屋のお店のシェフをやっているというので、その人との4年振りの再会。知人は料理を作る人ですからお店が混んでくると(4年振りの)昔話をしている余裕はなくなります。知人はシェフに転職するだけあって、どの料理も美味しく、その味を求めてお店も結構な混雑。

とりあえず4年振りに元気な姿が見られたことにお互いに満足し、また何年後かの再会を約束して大阪に戻りました。


5日目:8月18日(日)


この日は大阪府の南部を訪ねる日。大阪には、仕事を含めて恐らく30回以上は来ていますが、その殆んどが大阪市内中心部のそれも主に北半分。(大阪駅から本町までの間) 大阪府の南部と言えば、関空には仕事で来たことはあるけれど、その周囲を見たことはなく、ほぼ"はじめて"と言い切っていいと思います。


昨日は阪急電車ばっかり乗っていたような気がしますが、大阪南部と言えば、乗るのは何と言っても南海電車。南海の”なんば”の駅は、阪急の梅田に負けず劣らず巨大ターミナル駅の貫禄十分。

IMG_8639_censored.jpg

そういえば、昔私は南海ホークスのファンでした。ノムさんにあぶさん(??)、ガラガラだった大阪球場を見て、「いつか必ず、あのガラガラの大阪球場に行って、外野席で寝そべってやるぞぉ~.!!」と、固く誓っていたので、ホークスが大阪を離れて福岡に行くと聞いた時には、激しいショックを受けて、その場でホークスファンを辞めてしまったのです。


南海電車に乗って行く今日の最初の目的地は堺。堺駅ではなく、市役所などがある南海高野山線の堺東駅で下車し、まずは駅ビルのロッテリアで朝ごはん。

IMG_8642.JPG

(堺東駅。 世界遺産決定を喜んでいますね!)

今日の午前中は、世界遺産になった仁徳天皇陵を始めとした堺のみどころを案内してくれるという堺市の定期観光バスに乗る予定。どうすればあの巨大な仁徳天皇陵の全貌を見られるかをネットで情報収集しているうちに、堺市博物館に仁徳天皇陵の全貌と歴史までもが見られるVR(バーチャルリアリティ)ツアーがあることを知り、そのVRをコースに含んだ半日の定期観光バスがたった@2500円だったので、すぐに予約した次第。でも、来たバスは小型で乗客は10人以下、それでも堺市のボランティアガイドさんと添乗員さんがつくサービスでは、どう考えてもこのツアーの赤字は間違いなし。


観光バスが最初に訪ねたのは、旧堺灯台。木造の灯台としては日本最古なのだとか。

IMG_8650.JPG

観光バスに乗らなければ見えない堺の海岸風景です。

IMG_8647.JPG

次は仁徳天皇陵ですが、予想通りとにかく巨大で、あの前方後円墳の雰囲気はすぐ近くからでは、微塵も感じられません。

IMG_8661.JPG

ここ仁徳天皇陵は、クフ王のピラミッド、秦の始皇帝陵と並ぶ世界三大墳墓だそうですが、横から見るだけではそのスケール・迫力は感じられません。

DSC_0427.JPG

次にVRを観に堺市博物館へ。堺といえば千利休ということで、まずは利休の像をパチリ。

IMG_8665.JPG

VRは、専用の部屋でヘッドセットと大きなメガネのような装置をつけられて観賞開始。結構大業な準備ですが、タイムマシンのように突如昔にタイムスリップしたり,まるでドローンに乗ったかのように仁徳天皇陵をいきなり上昇して上から見下ろしたりと、とても楽しい10分強の時間で、写真が撮れないのが、とても残念なほど。

その後は、博物館の展示を見ながら、ガイドさんが堺の歴史をたっぷりと解説してくれました。


最後は堺市役所の展望ロビーにご案内いただき、コスパ抜群の2500円のツアーは終了。21階の展望ロビーに上がっても、まだ仁徳天皇陵の全容は見えず、やっぱりVRで見たのは大正解でした!

IMG_8671.JPG

この日のお昼は堺高島屋にある鰻屋さんを予約しています。大阪の超人気店の鰻は食べられなかったけれど、旅行中一回は関西風の鰻が食べたいと考えていて、このお店はデパートの中にあるお店なのに、日曜日のお昼でも予約ができるので、ちょっと贅沢しようと予約しました。関西風の鰻はやっぱり美味で、いつもの関東風もいいけれど、たまには関西風の鰻もやっぱりいいですね!

DSC_0447.JPG

勿論、昼からビールと冷酒をいただき、すっかり夢見心地です。


午後は堺の観光をもう一つと、「さかい利晶の杜」までタクシーで。利晶の利は千利休で、利晶の晶は与謝野晶子、つまり堺が生んだ2人の偉人の記念館です。

IMG_8675.JPG

中の展示をゆっくり見て、その後利休なのでお茶をいただきます。堺がいかに古くから栄えていて、いかに偉人を数多く輩出しているかは、午前中のガイドさんから詳しく聞いていますので、それを確認するかのような午後のひととき。


意外にもタクシーが捕まらずに、路線バスで今度は堺駅に出て、今度は南海本線を更に南下。次の目的地は岸和田です。

IMG_8677.JPG

(南海のカッコイイ空港特急ラピード)

私の岸和田のイメージと言えば、”だんじり”と”清原和博”、そしてその両者に共通する先入観としては、”喧嘩っ早くて、強そう”。でも、一回だけ会ったことがある清原さんは、意外にも優しそうでした。巨人ファンではないけれど、早く復活して欲しいと密かに応援しているのです。


岸和田駅からは、まずはタクシーで岸和田城へ。今では宴会やウエディングなどでも使われているそうなのですが、我々は中には入らず外観と庭だけで満足します。

IMG_8682.JPG

すぐ近くにある「岸和田だんじり会館」が、岸和田観光のメインイベント。

IMG_8690.JPG

大きなスクリーンで、大迫力のだんじり祭が見られて我々も大満足。確かに、日本全国の全てのお祭りが見られるに越したことはないけれど、日本全国の全ての祭を見るなんて、寅さんでも無理なのですから…

こうやって、大きなスクリーンで見られるだけでも幸せだと考えなければいけませんね。


堺と岸和田が大阪府南部の全てではありませんが、丸一日でこの2つの街を見られた我々は、本当に満足してこの日三回目の南海電車で、大阪市内に戻りました。


この旅最後の夕食は、「鶴橋で焼肉」。"焼肉の聖地"鶴橋には、20年以上前に大阪の取引先に連れて行って貰ったことがあります。今ほどメジャーではなかったものの、カオスのような凄い世界で、「ここって、日本なの?」と思えるほどの異次元ワールドでした。その時のお店も場所ももう覚えてはいませんが、近年すっかりメジャーになった鶴橋の焼肉をもう一度食べたい&妻にも食べさせてあげたいと、予約ができるお店の中から、美味しそうなお店をチョイスして予約。

鶴橋の中心街は、まるでソウルの下町のようなところだった記憶がありますが、今回選んだお店は、ちょっとオフィス街っぽい鶴橋の雰囲気とはちょっと異質な場所。ところが、お店に着く直前、妻が「足が、痛い!」と言って、立ち止まります。今まで、妻の足には配慮してきたつもりでしたが、確かに今日は結構歩いたので… 最後の最後に大チョンボをやらかした気分です。

気を取り直して食べた焼肉は、「さすがは、鶴橋!」という味。

DSC_0453.JPG

久し振りに食べたとっても美味しい焼肉でした。

DSC_0456.JPG

調子に乗って肉をおかわりし、最後には久し振りに”〆の冷麺”まで、食べてしまいました。


夜景観光なども考えてはいたのですが、今日の観光はここまでとして、贅沢にも鶴橋から梅田のホテルまでタクシーを使って戻りました。


6日目:8月19日(月)


楽しかったこの夏2回の旅も、今日がついに最終日。午後のJALで帰る予定ですが、最後までコテコテの大阪をとことん味わおうと思います。宅急便でスーツケースを送って再び身軽になって向かったのは、「なんばグランド花月」。通常は、昼と夜の2回公演なのですが、夏休み期間中は午前の部も加わり3回公演。午前中から吉本で笑えるなんて、何と関西の人は贅沢なのでしょう!?

DSC_0461.JPG

勿論、チケットは事前にネットで予約してコンビニで発券済み。チケットを取るときに出演者を見ると、

西川きよし

桂文珍

ザぼんち

と、随分とオールドネームが並んでいましたので、大丈夫かな? と、ちょっとだけ心配になりましたが、この回で一番爆笑を取っていたのは、ロバートでもcowcowでもなく、誰あろう西川きよし師匠でした!

(年寄だから、朝が一番元気なのかも知れませんが…)

あの年にして、あのパワーは本当に凄い! 国会議員を12年も真面目に勤めていた人とはとっても思えずに、心から大爆笑してしまいました。おまけに、私が大好きだったやすし師匠もネタにして大いに笑わせ、そしてホロっとさせてくれます。 きよし師匠、やっさんの分まで長生きしてね!

吉本新喜劇を最初から最後までじっくりと見るのは初めてでした。やはり、”関西のお約束のギャグ”には一部ついていけませんでしたが、それでも十分に楽しめることがわかったことが、今回の収穫。


大笑いするとお腹も空きます。この旅最後の昼食は、やはりコテコテ大阪の定番「お好み焼き」。お店の候補は事前にネットで下調べしていましたが、行列だったり階段に手すりがなかったりとリストアップしていたお店は全滅。結局、近くのチェーン店に席を確保して、最後の午餐。

DSC_0464.JPG

チェーン店でも十分に美味しいのが、お好み焼きのいいところ!


なんばから伊丹空港まではバスで30分以内。ほろ酔いでうとうとするうちに、あっという間の到着です。伊丹空港からは、いつも通りにせっせとショッピングで貯めたJALのマイルで手にした無料航空券、大阪から羽田は、飛び立ってしまうともう到着って感じ。


家に帰ったら、二人で何もせずにグタ~っとして旅の疲れを取りたいところですが、今回ばかりはそうもいきません。というのは、この日から2泊の予定で娘が3歳とまもなく1歳になる二人の孫を連れて帰って来るのです!

ということで、この後の3日間は旅行以上に疲れた戦争のような日々でしたが、こんなに充実して楽しい日々が旅の後にもまだまだ続くなんて、自分たちの至高の幸福を心から実感することができました!


(後日談です)

実は、10月にもまた連休を利用して旅に出る予定でした。行き先はこの春に悲願の全線開通を果たした、三陸鉄道の全線完乗。全ての準備を整えて出発日を楽しみにしていたのですが、出発1週間前にまたもや台風発生のニュースが…

「2019年の3回目の旅で、3度目の台風??」と、今年のタイミングの悪さを恨みましたが、今回の台風19号はそれどころではなく、強さもルートも最悪の展開。ついては、3回目にして初めて旅行そのものを断念せざるを得なくなりました。でも日本全体に大きな被害をもたらした台風19号ですから、旅行の中止だけで済んだ我々はまだよかったと言えます。

東日本大震災から8年を経て、ようやく全線開通にこぎ着けた三陸鉄道は、この台風の影響でまたあちこちが不通になってしまったようなので、三鉄の乗りつぶしはまた来年以降に延期です。

2020年にも行きたいところがたくさんありすぎるのが、目下の最大の悩みなのです!!

コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

2019年夏の旅Ⅱ<京都・大阪>その2:台風と五山の送り火 [日本二周目]


2日目:8月15日(木)

この日は、この夏2回目の台風と激突する日。雨風が激しくなるのは午後以降との予報なので、行けるところまでは行ってみようと思います。
朝食は、次に乗るバスの関係もあり、四条烏丸付近で取ろうと思っていたのですが、念のため昨晩のうちに第一候補だったおばんざいの朝食処に電話すると、「明日は臨時休業します。」とのこと。この日は台風の影響で関西圏のデパートですら臨時休業を決めたお店が多かったくらいですから、臨時休業はやむを得ません。朝食の第二候補である"イノダコーヒー本店"に電話したところ、「とりあえず朝は開けるけど、何時に閉めるかはわかりまへんで!」とのことなので、朝食を取るためにタクシーでイノダコーヒー本店に向かいます。
IMG_8398.JPG
台風が接近している朝7時の開店直後だというのに、イノダコーヒー本店は噂通り結構な混雑。我々はノスタルジックな雰囲気の旧館に席を確保して、1000円を越える豪華な朝食と相変わらず美味しいコーヒーをいただきます。
DSC_0294.JPG
ここでコーヒー好きな妻は、コーヒー豆のお土産を購入。今から台風の中観光をするのだから、荷物は出来るだけ少ない方がいいにも関わらず…  実家へのお土産なのであれば送ればいいのに… と、思うのは私だけ?
DSC_0289.JPG
まだどこも開いていない錦市場を散策しながら、四条烏丸のバス停まで。台風の影響か風はかなり強いものの、雨はまだ降りだしてはいません。
IMG_8401.JPG
四条烏丸からは、今日午前中の目的地である「苔寺・すず虫寺」行きの京都バスをつかまえます。嵐山などを通って終点の苔寺・すず虫寺バス停までは結構遠く、バスでも50分以上は掛かります。

完全予約制である苔寺(正式名称は西芳寺です)には、数ヶ月前に往復ハガキで参拝を申し込み、この日の10時で予約OKになっています。まだ10時かなり前ですが、「今日は台風なので、早く始めて、出来るだけ早く閉門します。」とのことで、時間前に開門。
IMG_8427.JPG
参拝料金@3000円を払い。写経用紙を受け取りますが、片手の私は写経なんぞできないので、妻の横にただ座って見ているだけ。苔寺に来るのは43年振りで、高校1年生の時"まもなく完全予約制になる"という情報を聞いて、とりあえず来てみたことだけは覚えていますが、それ以外のことは情けないことに完全に忘れています。
IMG_8403.JPG
妻がようやく写経を終え、写経を奉納してようやくメインイベントの庭の見学になりますが、ここに来て係員さんが近づいて来て、"あなたの足では、庭園の見学は無理じゃない?"と、言い出します。「ここにきて、今頃言うなよぉ~!」って感じですが、今ここで諦めたら、何のために6000円も投資したか全くわからないので、粘って詳しくヒアリングしたところ、どうやらきついのは上りよりも下りで、手すりも十分ではないとのこと。でも、下りの階段は順路の最後で、反対側から見に行けるということなので逆行して見学に行き、確かにきついはきついけれど、後ろ向きに右側の手すりを持って慎重にゆっくり降りれば何とか行けそうです。「それなら、大丈夫かな?」と、係員も言うので、順路を歩き始めます。
IMG_8408.JPG
まだ雨は降りだしていないので、苔寺の苔は、何となく乾いている感じ。3000円も払った分かなり期待している妻も、「あれ、この程度?」って感じで、苔に感動する感じではありません。
IMG_8411.JPG
おまけに、散策路のバリアフリーは全くなく、私にはかなりの急坂や急階段を上り降り。逆方向に戻ることも出来ないなぁ~!と考えながらとぼとぼと歩きます。
IMG_8421.JPG
すると、順路のほぼ最後の頃に手すりが全くない上りの急階段が現れます!
妻と、「こりゃ、無理だ!」と話すものの、来た道を戻ることも出来ないし、台風で閉門時間は迫っているし… 
結局、上るしかないと覚悟を決め、慎重に慎重に一歩一歩必死の思い。自分的には本当に死ぬかとも思ったほど(さすがに大げさ?)ようやく上り切った時には苔寺の風景など完全に消しとんでしまいました!
IMG_8425.JPG
(これが私には死ぬほど辛かったのぼり階段を上から見たところ)
あまりにも我々が遅いからか、さっきの係員が様子を見に来ています。私は、怒る気にもなれずに「もう、二度と来ませんから!」と、こっそりと呟き。

苔寺のすぐ近くには、人気の鈴虫寺があります。普段は凄い人気で1・2時間待ちは当たり前のようですが、今日は行列が階段の上の方にちょっとあるだけなので、勇んで列に加わります。
IMG_8436.JPG
「今日の参拝は12時まで」と表記があり、鈴虫寺人気の法話は、12時前の我々がこの日の最後の回。評判通り真夏なのに鈴虫がリンリン鳴いていて、この涼しげな音色をFacebookにアップしたら喜ばれるかな? なんて思っていたら、「デジタル機器は鈴虫の音色は拾えないので、録音しても無駄ですよ!」なのだそうです。
鈴虫寺の敷地から台風寸前の京都市内を遠望。
DSC_0300.JPG
間もなく、暴風雨がやって来る、"嵐の前の静けさ"です。

2寺の見学を終え、とりあえず嵐山まで戻ることにして、バスに乗り込みます。渡月橋の辺りにいつもはたくさんいる人力車がいたら、風は強いけどまだ雨は降っていないので、 嵯峨野辺りの竹林を30分程度人力車で回ってもらおうと考えてバスを降りたのですが、さすがに人力車の影も形もありません。さすがに観光客も殆んどいなくって、数少ない観光客はみんな外国人です!
IMG_8439.JPG
さすがに嵐山付近の観光を諦め、まだ営業している数少ない観光用の食堂でランチ。もう、観光は終わりなので、勿論ビールと共に!
DSC_0301.JPG
昼食後は、出発前日に慌てて探した嵐山の日帰り温泉へ。「僅かしかいない観光客が、"全員外国人"ということは、おそらく日帰り温泉はガラガラに違いない!?」と予想していましたが、予想以上にガラガラというより入った時には男湯は貸切状態! 日帰り温泉の相場からするとかなり高額なお風呂でしたが、これだけの巨大風呂を貸し切れるのなら安いもの!?
(その後、若者のグループが入って来て、しばしの静寂は破られましたが…)
IMG_8444.JPG
外はまだ小雨状態ではありますが、風は益々強くなって来たので、今日の観光はここまで。鉄ちゃんのくせに、”嵐電”には区間乗車しかしたことがなかったので、この機会に嵐山から四条大宮まで全線を乗り潰し。
IMG_8456.JPG
ずっと最後尾に立って鉄ちゃん気分を満喫していました。
IMG_8458.JPG
四条大宮からはまたバスでホテルまで。台風は夜~夜半がピークらしいので、ホテルの部屋で大人しくするより方法はありません。

とは言え、夕食は食べなければなりません。今晩の夕食は、京都らしい風情のある鴨川沿いの料亭の、鴨川の上に設えられた床(ゆか)の席を予約していましたが、この豪雨の中では床の席で食べられる筈もありません。歩いても行けない距離ではないのですが、豪雨の中なので迷わずTAXI。
ちなみに、この辺りの鴨川の上の席は”とこ”ではなく”ゆか”と言います。よく言われる「川床(かわどこ)」とはもっと上流の貴船辺りを指すのだそうです。旅行会社の若手営業マンだった頃、この辺りを川床(とこ)と間違えて、先輩に叱られた記憶が甦りました。

料亭では、我々が座る筈だった大雨の床(ゆか)の席を見ながら、個室でいただきます。
DSC_0317.JPG
今日は雰囲気重視の夕食と考えていて、料理には殆んど期待をしていませんでしたが、意外にも美味。特に京都の夏の定番であるハモは、新鮮な和歌山のそれとは違って、熟練の技が光る美味しさでした。
DSC_0309.JPG
帰りもタクシーを呼んでもらい、豪雨暴風の中をホテルまで。台風は今夜がピークで、明日には通り過ぎる予報。一晩中荒天の中ですが、心地よい疲れからぐっすりと眠れました。

3日目:8月16日(金)

どうやら、予報通り台風は無事に通り過ぎていってくれたようです。これで今日は無事に念願の五山の送り火が見られそうです。
朝食は、ホテルすぐ前の京都では有名なパン屋さんのチェーンである志津屋さんでいただきます。京都はパン屋さんが多くどこも美味しいということで、朝食のパンの食べ歩きも楽しみのひとつ。
DSC_0318.JPG
美味しく朝ごはんを食べているうちに、予約していた貸切タクシーが到着。到着した車を見た瞬間、自分のやらかした大きなミスに気付きました。
そう、配車された車は、私が最も苦手とする車の”プリウス”だったのです! プリウスが苦手なその理由は、後部座席に乗るドアが異常に狭いこと。右足に大きな装具を着けている私は、いつもプリウスには足の装具が引っ掛かって乗り降りに一苦労するため、タクシーを捕まえるときにもプリウスタクシーには絶対手を挙げず、タクシー乗り場でプリウスに当たると先を譲るほどに、この車が大の苦手。タクシー予約の時に、「プリウスだけはやめてね!」と伝えるのを忘れた私のミスで、人のよさそうな運転手さんに罪はありません。
でも半日予約の観光タクシーですからこうなると断る訳には行かずに、毎回乗り降りに数分を費やすという効率の悪さ。運転手さんには毎回「狭くてすんませんなぁ~!」とお詫びされますが、自分のミスなので必死に右足を出し入れします。

今日のタクシー半日観光の目的地は大原。大原には全く行ったことがなかったので、せめて三千院と寂光院くらいは押さえておきたいと考えていたためです。途中、昨日の台風の名残なのか雨が降りだしますが、大原に着く頃には止んでくれます。台風一過とまではいきませんが、今日の天気は大丈夫そうです。
最初に訪ねるのは三千院。
IMG_8473.JPG
建物も庭もとってもいい感じ。特に、昨日の雨でしっぽりと雨を含んだ苔がとってもいい感じで、「苔寺より、ずっと苔の庭が素敵!」と、感激しきりです。
IMG_8490.JPG
確かに、苔寺以上かどうかはともかく、"匹敵する眺め"であることには間違いありません。
IMG_8499.JPG
続いては、寂光院。
IMG_8508.JPG
若くして子供(安徳天皇)を亡くして仏門に入った建礼門院さんが、この山奥で過ごした時の気持ちはどんなものだったのでしょう?
IMG_8512.JPG
寂光院の線香の香りがとっても印象に残る香りだったので、思わずお土産に線香を買って、時折寂光院を思いだしながら、今でもその香りを楽しんでいます。
DSC_05112.JPG
それにしても、大原には外国人は殆んどいません。外国では、"京都~、大原、三千院…"というあの歌が知られていないからなのでしょうか? "外国人がいない京都"が見たくなったら、大原がオススメかもしれませんよ。

大原はこの2つを満喫して大満足。タクシーチャーターの残り時間がまだあるので、私のリクエストは京都市内へ戻りながらの詩仙堂。「では、近くの曼殊院とセットで」ということでまずは曼殊院へ。
IMG_8514.JPG
この曼殊院、来た記憶は絶対にない筈ですが、何故か「デジャヴ感」があるのです!?
IMG_8519.JPG
同じく初めての筈の詩仙堂にもあったデジャヴ感。
IMG_8523.JPG
どうやら、JR東海のCM「そうだ、京都、行こう」をたくさん見すぎた故のデジャヴ感なのかも知れませんねl!?
IMG_8527.JPG
勿論、曼殊院も詩仙堂もその年のキャンペーンの主役を務めたことのある施設です。

ホテル近くの祇園でタクシー観光は終了。お目当ての昼食処は鯖寿司で有名な名店"いづう"。
IMG_8534.JPG
満席なら鯖寿司をテイクアウトしてホテルの部屋で食べようと思っていましたが、ありがたいことに丁度出るお客さんの席が空きます。"まずは、ビール"と言いたいところですが、このお店には日本酒はあるのにビールがありません。理由は「うちの味にビールはあいまへん。」なのだそうなので、それならばと昼から冷酒を注文。
DSC_0322.JPG
本店で食べる鯖寿司の味は、久し振りに美味ではありましたが、ビールに合わないかどうかはいささか疑問。
DSC_0326.JPG
合うかどうかを判断するのは、食べる我々だと思うのですが…
まぁ、それだけ味に自信とこだわりを持っているということで…

午後は妻はホテルで休息。私は祇園周辺の散策に出かけます。
まずはホテルそばのパン屋さん「グランマーブル祇園」に翌日の朝食を仕入に。
IMG_8536.JPG
ところが、美味しそうなパンはケーキのように箱に入っていて、切ることはできないのだそう。切れていないパンならホテルの部屋では食べられないので、明日の朝食は諦め、だけどパンなのに意外と日持ちがするということで急遽お土産として購入して帰宅後に娘にあげたところ、「これ、我々の結婚式の引出物(お土産)で、列席者に配ったお店のやつ!」と言われてびっくり。そういえば、倹約家の娘は親族にはお土産を配っていなかったことを思い出しました。

祇園の花見小路は、もうすっかりいつもの賑わいを取り戻していて、外国人・着物の観光客など大原とは違ってとてもインターナショナルな雰囲気。
IMG_8539.JPG
建仁寺の外環だけを眺めてから、祇園を出で昨日今日の夕食場所の木屋町通りまで散策。今日は、床での夕食も楽しめそうですね!
IMG_8545.JPG
その後、京阪電車に1区間だけ乗り、何故か突然無性に行きたくなった三十三間堂に凄く久し振りに行ってみます。
IMG_8551.JPG
自分に似た仏像が必ずあるということでしたが、昔から何度見てもそれは見つかりませんでしたが、今回も見つけることはできませんでした。どうやら、"年の功"は関係ないようです。(無駄に年を取っているだけ⁇)

祇園まで戻ろうと乗ったバスは、「急行 銀閣寺行」。乗っているうちに、突如銀閣寺にも行きたくなり、祇園では降りずに終点まで行くことに。でも、終点の銀閣寺までは意外と時間が掛かり、なおかつバス停から銀閣寺までは記憶以上に距離があったため、銀閣寺はかなり焦って観光をする羽目に。
IMG_8555.JPG
結局、帰りはタクシーの世話になってしまいました。

いよいよ五山の送り火を見る夕食。今日予約していた料亭は、昨日と同じ木屋町通りにある「鮒鶴」という伝統的なお店ですが、料理は京料理ではなくフレンチ。(なので、お店の名前も”FUNATSURU”。)  今日のメニューは"五山の送り火スペシャルメニュー"で、飲み物込みで@20000円。五山の送り火は席から眺めるのではなく、時間になったら屋上にご案内いただけるとのこと。
このレストラン、サービスも抜群で料理の味も良く、妻はすっかりお気に入り。私も気分良くワインを飲みすぎて、一瞬五山の送り火のことを忘れそうになりました。
IMG_8567.JPG
やがて屋上に案内され、五山の送り火を椅子に座ってゆっくりと見ることができました!
IMG_8572.JPG
「思ったより、小さい」とか、「やっぱり、一つしか見えない」などと贅沢を言い始めるときりがないけれど、これだけいい気分で体の負担なく五山の送り火を見られたのですから、十分に満足しなければ罰があたりますね。
でも、片手で操作する簡単カメラでは、この写真が限界です。本当に、片手ではカメラは難しい!
IMG_8578.JPG
妻は、「このお店、また来たい!」と言っています。今度は、送り火プランではなく、通常料金の時に来たいものです。

これで京都の3日間は全て終了。今回も本当にいろいろなことがありましたが、京都には必ず「また、来たくなる」不思議な魅力があるのです。
"3周目に!"なんて呑気なことは言わず、"来年も、また"来ようと思います。

コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

2019年夏の旅Ⅱ<京都・大阪>その1:京都へ [日本二周目]


紀伊半島の旅から埼玉県に帰って来て、その後1週間は何とか”旅ロス”にもならずに会社へ行き、普通に仕事をすることができました。その理由は、「また10日後には旅に出られる!」というワクワク感があったから。
今度の行き先は京都&大阪。前回の日本一周の時にもこの2府は一緒に片付けたのですが、今回もやはりペアを結成してもらいます。紀伊半島の時にはおかげさまで妻の足は何とか持ってくれたので、今回は更に図に乗って車ではなく列車の旅にしようと思っています。(というか、地理不案内の京都市内や大阪の中心街は、運転したくないので…)

日本二周目全体の主目的は、「離島」と「お祭り」。離島はともかくこの2府にはたくさんのお祭りがあり、どれも観たいお祭りばかりなのですが、今回はお祭りではないけれども伝統的な宗教行事である、「五山の送り火」を見るのが京都でのメインイベント。
”五山の送り火”、いわゆる”大文字焼き”は、毎年お盆の霊を送る8月16日に開催されるのだそうですが、その送り火を京都市内のどこから見るのかが悩みどころ。五山というくらいなので山を焼くところは合計6つもあり、その殆んどは京都タワーに上がれば見えるらしいのですが、6つの山はみんな京都市内を取り囲む反対側なので、見えるといっても非常に小さくしか見えなさそう。京都タワーでは五山の送り火に合わせてディナーと舞妓はんのショーなどの企画もあるようようですが、やっぱり何回地図を見てもどうみても双眼鏡でようやく小さい光が見える程度にしか思えず、予約には躊躇。

地元の人は「テレビで観る」以外は、鴨川の河原の公園や京都御所とかの広い場所で立って(もしくは折り畳み椅子持参で)観るようですが、足の悪い初老の夫婦は混んでるところで1時間以上立って見るのはとても無理。その他、定期観光バスにも見学コースがあるようですが、送り火を見学する場所は、やはり京都御所の広場だったり、西陣織会館のビルの屋上で立って見るのが殆んどで、我々がゆっくり座って送り火を見るのはどうやら難しそう。
ついては、今回は「近くで多くの」送り火を見ることは諦め、「ゆっくり夕食を食べながら、1つでも送り火が見られればいいや。」と、方針を転換することにして、鴨川のほとりのフレンチ料亭の「五山の送り火観賞プラン@20000円」を予約したのが5月中。
それでも、欲張りな私はその後ももっといい見学場所を探して、ネットの懸命な捜索を続けます。祇園のアパホテルの屋上のビアガーデンに五山の送り火観賞プランがあると知り、とりあえずアパホテルを3泊予約。結局、このビアガーデンは予約しなかったものの、アパホテルにはこの旅の3泊お世話になりました。その後も東山地区の人力車なども検討しましたが、結局最初に予約した鴨川のフレンチで観賞することにします。日程としては、送り火2日前に京都に行き、事前予約しないと見られない場所と、私が未訪だった大原へのタクシー観光を組み合わせ、京都での3日間の日程ができあがります。
その後に行く大阪のメインイベントは、昨年何度も予約して何度も行こうとしたのに、結局全部行けなかった”太陽の塔の復元された内部見学”。こちらも、満を持して4ヶ月前の受付開始当日に予約を完了。翌日には最近世界遺産に認定された仁徳天皇陵を見に行く予約や、最終日には吉本のなんばグランド花月のチケットを確保して、準備は万端。

ところが、紀伊半島から帰って来てからこの旅に出発するまでの間、以下の通り残念なことが立て続けに起きてしまいます。

その1:「鰻や」さんはお盆休み
大阪での初日のランチは、予約ができない鰻の名店に11時前から並ぶ覚悟をしていたのですが、やっぱりお盆休みが気になります。さすがに紀伊半島に行く前に確認して早くからがっかりしたくはなかったので、紀伊半島から帰った翌日にお店に電話してみたのですが、やっぱりお盆休みにドンピシャ遭遇で、「大阪の美味しい鰻」の夢は叶いませんでした!

その2:ノロノロ台風が迎え撃ち
随分前に発生した台風で、当初は我々が旅行に行く前に通り過ぎる予報だったのに、何故か異常にノロノロと日本周辺に居座り続けた台風10号。本州直撃の予報日も徐々に遅れてきて、まさしく我々と京都で正面衝突の予報にまでずれ込みます。まだまだ遅れるようならば、最悪の場合五山の送り火の日が台風なんてこともあるかも??  五山の送り火はお祭りではなくあくまで宗教行事なので、滅多なことでは中止になることはないらしく、ここ50年でも1度しか中止になっていないようなのですが、強い台風直撃ならば2度目もあり得るかも… いずれにしてもこの旅行中に台風とのニアミスは避けられそうになく、影響が最小限で済むようにひたすら祈るだけの小市民でした。

その3:宮内庁からの電話
どうやら、日程2日目の台風直撃は避けられそうもなく、とは言え翌日の送り火直撃は避けられそうなことが判り、予定通り明日の出発を控え全ての準備を整えて家でまったりしていた夕方、突然京都の見知らぬ番号から携帯に着信があります。
「もしもし、こちら宮内庁ですが…」
生まれてから59年、"宮内庁"から私に電話が来るなんて人生初の経験なので、一瞬で嫌な予感が脳裏を駆け巡ります。 電話は予想通り
「明後日予約されていた桂離宮ですが、台風のため見学中止になりました!」
その後は、2日目の午後の代案探し。でも予報ではその時間が一番台風の影響が強そうなので、嵐山の日帰り温泉を探すのが精一杯でした。

1日目:8月14日(水)

指定席を確保している新幹線の東京駅発は8時半。いつも仕事は都内の飯田橋で8時半業務開始なので、自宅発はいつもと同じ時間だったのですが、お盆の真っ最中なのでいつもの通勤列車はガラガラ 。普通車でも余裕で座れそうですが、我々は既にグリーン券を買っていたので、更に殆んど人がいないグリーン車へ。「私がいつも乗っている列車」であることを知った妻は、「へぇ~、こんな楽な通勤してるんだ!?」と思ったようですが、これはお盆だけの特殊な状況。
東京駅ではいつも通りに駅弁を仕入れます。今日の昼はスイーツだけの予定なので、列車内でお弁当でも食べてね! と言っておいたので、妻はいつもの駅弁屋"祭"で大好物の海鮮寿司系。私はと言えば今度の旅は何より運転から解放される喜びを爆発させるべく、朝からビールとおつまみ。
DSC_0275.JPG
(特に意味がない北海道のビールと、先日アクアイグニスで行けなかった”賛否両論”のおつまみ)
朝からほろ酔い気分が何より嬉しい、8時代の"のぞみ"の車内でした。
DSC_0270.JPG
それにしても、我々は相変わらず富士山ビューには縁がありません。直前の紀伊半島の旅でも、往復の新東名高速ですぐ近くを走っていたにも関わらず、富士山には会えずじまい。今日も新幹線車窓をずっと見ていたのに… 車窓には曇天が広がるだけ!

相変わらず新幹線のダイヤは正確無比で、定時に京都駅に滑り込みます。今日は久し振りに宇治に行ってみる予定なので、そのままJR奈良線へ乗り継ぎ。ところが奈良線の快速列車は激混み。混雑の理由は外国人観光客で、乗客の8割以上というか殆んどは外人の感じ。これは、JRが海外で販売しているJR全線乗り放題切符の影響なのでしょう。この後、京阪神でたくさんの私鉄に乗りましたが、外国人は殆んどいなかったのとは対照的ですね。

宇治で降りて、最初に目指したのはスイーツ屋さん。宇治といえば宇治茶、宇治茶と言えば抹茶スイーツというのが私の単純な発想。なので宇治駅前のスイーツ屋さん”伊藤久右衛門”が、我々この旅最初の目的地。
IMG_8351.JPG
混雑しているお土産売り場の奥の、飲食スペースも順番待ち。相変わらずお土産には興味がない我々は、椅子に座って順番を待ち、ようやく席に着くと妻も私もランチではなくスイーツを選択。私は、1000円を越える豪華な抹茶パフェ。この日も8月らしい猛暑日なので、お店に入ってスイーツをオーダーするまでは冷たいものを食べる気マンマンでしたが、お店の冷房が非常にキツく、おまけにスイーツが供されるまでかなりの時間がかかったため、我々がアイスになったが如くキンキンに冷やされた状態になり、パフェを味わうどころか寒さに耐える我慢比べの様相に… 暑い中、入ってすぐは天国でしたが、合計1時間も待たされると、そこはもう地獄!でした。
IMG_8353.JPG
宇治と言えば平等院。平等院には主に昭和の添乗員時代には必ずと言って良いほどバスで来た場所ですが、自分の意思で来るのは初めてです。
IMG_8359_censored.jpg
妻も初訪問なので、「10円玉の場所だよ」と言ってもピンと来ていないよう。確かに最近は(特に片手が不自由な私は)現金を使うことが殆んどなく、10円玉なんてもう何十年もじっくりとは見ていない気がします。昭和以来30年以上振りに見た平等院鳳凰堂、やっぱりあの時の記憶とおんなじで、10円玉でした!
DSC_0279.JPG
その後、宝物館を見学。由緒ある仏像を見ると、いつもながら何故か優しい気持ちになれますよね。
その後、院内のお茶カフェ(?)で本場の宇治茶をいただきます。
IMG_8370.JPG
ここで天気予報通りに雨が降り始めます。台風は明日の筈なのに… でも、最近の天気予報は本当によく当たります。今回、降り始める時間まで5分以内の誤差という正確さです。
帰りは京阪宇治駅まで散策。"宇治と言えば"の紫式部像と有名な宇治橋を雨天でも見学。
IMG_8373.JPG
宇治川もなんか素敵です。
IMG_8379.JPG
京都まではJRではなく京阪で戻ります。
DSC_0286.JPG
京阪の車内では、この旅の直前にこの付近で起きた京アニ放火事件があまりにも痛ましかったため、鉄ちゃんには珍しく、車窓を見ることが出来ずに、ずっと頭を垂れていました。(合掌)

京阪を祇園四条駅で降りると、これも天気予報通り雨は止んでいます。駅からは、今回の宿アパホテルはすぐ近くです。今回の宿をここに決めた理由は、祇園の中心にあり、バス停は目の前でどこへ行くにも便利だから。部屋はビジネスホテルサイズですが、値段も安いので3泊お世話になりました。今回は、前回の反動かホテルでの朝食を全く頼んでいないので、とりあえず近くのコンビニで3日分のドリンクや明日の台風に備えて頑丈な傘を仕入れます。

今日の夕食は二条城のそばのレストランを予約しているので、どうせなら久し振りに二条城を見学しようと、ホテル目の前のバス停からバスに乗車。二条城前のバス停も本当に世界遺産のすぐ前まで我々を連れて行ってくれるので、歩きたくない我々には、とてもありがたいことです。
IMG_8381.JPG
二条城には娘の高校入学祝いの家族旅行で来ているので、およそ17年振り。あの時は私も妻も元気一杯で老いた母親をエスコートして京都を歩き回った記憶がありますが、我々がエスコートされるのも、もうそんなに先の話でもないのかも??
IMG_8392.JPG
(二条城内は撮影禁止なので、庭園の風景です)

夕食は、「天ぷら食べ放題&飲み放題」で@4000円という値段に釣られての予約。京の天ぷらの名店はコースで@1万円以上のところが多く、天ぷら好きの妻には天ぷらは食べさせたいし、とは言え1万円以上は高過ぎるし… と悩んでいた時に見つけた救世主的なお店。昼がスイーツだけの我々は腹を空かせて6時前にお店に入ったので、天ぷらの他にもあるという"おばんざい"の品数はまだまだ少なかったものの、好きなネタを好きなだけ揚げてくれる天ぷらは、揚げたて熱々でとっても"まいう~!"
飲み放題も込みで4千円(税別)は、コスト抜群で幸先の良いスタート。
帰りはタクシーがすぐにつかまって、無事に宿に帰り着きました。

コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。