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【2018年東北夏祭り】<その1:準備編> [日本二周目]


8月1日~7日まで2018年夏の旅に行っていました。
旅行先は北東北。「日本2周目」のメインテーマで『離島』と並ぶもう一つのメインである『日本のお祭り』が今回の唯一最大の目的でした。6泊7日の日程で毎日日本有数の有名な6つのお祭りを見るという何とも贅沢な旅でしたが、贅沢とはいってもホテルはお祭り開催地市内にあるビジネスホテルを泊まり歩いたし、「夕食の時間=お祭りの本番の時間」なので、グルメにもお金を掛けなかった(掛けられなかった)ので、全旅行費用は2人で20万円をやや上回るという2015年ニート時代の旅行費用に匹敵するとてもリーズナブルな旅でした。
この、「お金を掛けずに東北の夏祭りを満喫する!」というのは、もしかしたら興味のある方には大変興味があることだと思いますので、今回の旅のレポートの前にそのノウハウを大公開(!?)したいと思いますので、今回は「準備編」をお届けします。

1、計画編その①<いつから計画を始めるか>
 今年の夏、青森のねぶたをはじめとした「東北のお祭りをまとめて見たい」と考え始めたのは昨年のGWに福岡で「どんたく」を見ている時。とは言え、昨年5月にその年の8月のお祭りを計画するのでは既にもう遅いことは元旅行会社にいた経験で充分にわかっていたのでので、「では来年、2018年度に行こう!」と考え、実際のプランニングは去年の夏の旅が終わった8月後半から始めたのです。

2.計画編その②<どのお祭りを見に行くか>
 今回のメインイベントは、旅行業界に32年もいながら(東北の仙台に6年間もいながら)恥ずかしながら一度も見たことがなかった「青森のねぶた」を見に行くことでしたが、何人かの東北在住の友人から「ねぶたはともかく、五所川原の立佞武多は凄いよ! 一度は見に行くべき!」というアドバイスを受けていたたので、この2つをメインにすることは最初から決めていました。
その他のお祭りについては、「昔はともかく、最近は凄く勢いのある盛岡の『さんさ踊り』、個人的には大学2年の夏の旅で見たことはあるけれど妻は見たことがないらしい『秋田竿燈』、同じく大学2年の時に参加したことがある『弘前のねぷた』」の3つに行くことはすぐに決まったのですが、地元に長い知人から「八戸の三社大祭は是非行くべき!」というアドバイスがあり、確かに調べてみると迫力が凄そうです。これ以外にもこの時期に東北の祭りはまだまだあるようですが、とりあえずこれだけで見たいお祭りは6つになります。お祭りはほぼ同じ時間に開催されるため1日に2つのお祭りを見ることは「どこでもドア」でもない限りは無理で、有給休暇を取って行く旅としては6泊7日が限度と考え、今回はこの6つのお祭りにすることを決めたのです。
その他にも、例えば能代にも”絶対に見るべき”と言われた「能代七夕 天空の不夜城」などのお祭りもあるのですが、お祭り期間が8/3・4と短いし、他のお祭りと組み合わせるのは難しそうなので今回は断念したのと、日程だけで考えれば帰りに山形の花笠(や、仙台の七夕)には寄れそうなのですが、さすがに有給だけを使った8連休(以上)は長すぎる気もしたので、この6つのお祭りに絞ることにしたのです。(昭和の時代ですが仙台には6年間住んでいたので、七夕はさんざん見ているので私的には対象外でした。)

3.計画編その③<日程の決定>
 行くべきお祭りが決まると、日程を作るのは簡単です。多くのお祭りが曜日にかかわらず日程は毎年同じとHP等に掲載されていますので、まずは2018年のお祭りの開催日をすべてカレンダーに落とし込みます。
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(私のメモの抜粋)
それを地図の順番に廻ろうとすると、おのずと日程は以下のパターンがこの6つのお祭りを見るためにはベストであることが判ります。
その日程とは
8/1 盛岡
8/2 八戸
8/3 青森
8/4 弘前(または五所川原)
8/5 五所川原(または弘前)
8/6 秋田
8/7 帰宅

勿論、お祭りは毎日同じ内容ではなくどのお祭りにも「一番盛り上がる日」はあるようなのですが、それを加味すると残念ながら7日間でこの6つのお祭りに行くのは難しそうなので、「とりあえずお祭り本番日にかかればOK」ということにしました。
ということで、昨年10月にはこの日程が決定し、これに沿って休むことを早々と決めてしまいました!

4.ホテル予約編その①
 今回の旅行は当初車ではなく新幹線で行くつもりにしていました。どのお祭りも終わるのは21時頃になるので、ホテルは何としても市内に取ろうと決めていました。(車で行くとしても、夜知らない道を走るのは正直怖いので、これは絶対に止めようと思っていました。)そうなると、お祭り当日に人気の市内のホテル確保が必要です。
 さすがにねぶたの時期の青森市内のホテルの予約は困難であることは昔の経験からよく知っていたので、私が32年間働いていた旅行会社の同期で長年青森県内で働いていた同期にメールで相談してみますが、今は彼も青森市内ではなく青森にいたのも随分前のことなのでコネも効きそうもない…とのこと。藁をも縋るつもりで青森県内に住む知人にも相談してみますが、どうもよい回答は得られません。こうなると、もうホテルチェーンの予約開始日に賭けるしかないと腹を決めました。

目を付けたホテルチェーンは「東横イン」。東横インなら、今回の6都市の中では五所川原以外のすべてにホテルがあります。ニート時代の2015年からしばしば利用させていただいていて会員登録もしているので、会員は6か月前から予約を受け付けるようなので、その6カ月前に賭けることにしました。
とは言え、年明け早々楽天・じゃらんなどのホテルサイトを時折覗くと、盛岡・八戸・秋田のホテルがそんなに高くない料金(ツインで二人で1万円~1万5千円程度)で予約可能になっていますのですかさず予約。残るはやはり青森・弘前・五所川原の3都市のホテルだけになりました。

5.ホテル予約編その②<深夜の激闘>
 東横インの予約開始は「会員の予約開始は6か月前から」とは書かれているものの、6か月前の何時からとは書かれていないので、東横イン本社に問い合わせて「日付が変わった0時から発売開始」という情報を入手します。ついては、今回8月3日の青森市内のホテル予約が必要なので、その発売日はまだ真冬の2月3日00:00が、その勝負の瞬間です。普段ならば寝ている時間ですが、「真夏の感動」を味わうためには、この「真冬の激闘」を勝ち抜かなければならず、恐らく「この1分以内」が勝負です。いきなり、2月3日本番日に勝負を挑むにはいささか不安があったので、前日の2月2日にねぶたの初日である8月2日の予約で練習してみようと思い、その10分前からパソコンの前に待機します。
旅行会社時代に何度もやった発売日の売り出しを彷彿とさせる瞬間です。時報(117)でタイミングを合わせ、00:00ジャストに予約をクリックすると、さすが東横イン。瞬時に8/2の予約がオープンし、その後予約データを入力して約40秒後に「予約」をクリックすると、アクセス集中も起こさずに、すぐに帰ってきた答えはやはり「満室!」。やはり、日本全国で同じことを考え、この瞬間に勝負を挑んで来る人はたくさんいるのでしょう!?

翌日(2/3)の本番を前に対策を再検討します。東横インはビジネスホテルなのでツインが少なく、今回のようにねぶたの発売に賭ける人はツイン希望が多いだろうから、ここはツインを希望せず夫婦とは言えシングル×2ルームを希望した方が万一のことを考えると安心ではないか?と考え、最初にシングル×2ルームを予約して、取れたらもう1つのブラウザでツインにチャレンジしてみようと方針を改め、そうなると会員のアカウントが2つ必要になるので、今までは妻の名前で会員登録していたのに私のアカウントを追加することを決意、一番近いさいたま新都心の東横インまで出向いて、私の会員登録を済ませました。自宅に戻って再度東横インのサイトで入力のシミュレーションを行い、電話番号等を簡単にコピペできるように工夫を凝らし、勝負の時を迎えます。
2/3の00:00、前日同様117でジャスト00時00分00秒に予約サイトにアクセスでき、練習の成果通り素早く予約を入力することができ、20秒後には「予約」ボタンをクリックすると、すぐに「予約OK」の回答が! すぐにブラウザを切り替えてその20秒後にはツインを申し込みましたが、さすがにこちらは前日同様「満室」でした。でも、とりあえず最大の懸案である青森のホテルが取れたことで正直ホッとしました。
調子に乗って翌日、翌々日と弘前の東横インを予約。弘前のお祭りだけではなくホテルが極端に少ない五所川原のお祭りを見てからJRで帰ってこれるのも弘前駅前にある東横インならではなので、この弘前の2連泊は弘前のねぷたと五所川原の立佞武多のどっちでも対応できるための2連泊です。今度は前2日の経験値を生かしてツインで勝負に出て、ダメならシングル×2に切り替えようと考えていましたが、こちらは両日とも無事にツインを確保できました。その翌日には秋田の東横インのツインも確保でき、これで(半年前に)この旅の最大の懸念である各地のホテルがすべて揃ったことになります! 因みに、東横インには「お祭り料金」はなく、ねぶた期間中でも同料金。青森のシングル2ルームは@5,000円強×2部屋、弘前のツインは1万円未満でした!

とは言え、五所川原のお祭りを見てからJRで弘前駅まで帰ってくるというのはこの年の病人にとってはあまり歓迎されることではありません。とは言え、五所川原付近には駅前(お祭り会場近く)にサンルートがある程度なのですが、「できれば、五所川原市内に泊まりたい!」という思いは強くなるばかりなので、2月のある日に雪深いであろう五所川原のサンルートに直接電話してみました。
私「立佞武多期間中のホテルはどうしたら予約できますか?」
ホテル「お祭り期間中のホテルは、すべて旅行会社に販売を任せていますので、旅行会社に申し込んでください。」
というやり取りがあったので、古巣でまだカウンターで働いている同期に聞いてみたところ、「東北夏祭りの一斉発売は4月に入ってから。特別扱いは一切できないけど申し込むのならどうぞ。但し、ホテルの多い青森と違ってホテルが二つしかない五所川原は厳しいと思うよ!」と言われたので、ダメもとで申し込んでおきました。
殆ど諦めていて、発売日のことも忘れていたのですが、ある日見知らぬ番号から電話が入り、「8月5日の五所川原のサンルートホテルが無事に予約できました!」という嬉し連絡が!
これで本当に(奇跡的に)全てのホテルが揃ったのです!但し、この五所川原のホテルは流石に「お祭り料金」でした。(2人で朝食付きで3万円弱)

6.観覧席の予約
 お祭りといえばやっぱり参加したり一緒に踊ったりするのがその最大の醍醐味です。また、沿道で見るにしても一番いい場所を当日じっくりロケハンして確保するのがベストであることは十分に判ってはいるのですが、今の我々には立ったままで2時間のお祭りを見る体力はとてもないので、各お祭りで準備されている有料観覧席を予約することにしました。この点では、今は昔と違って現地に行かずとも遠く離れた埼玉県内のコンビニなどで予約・発見ができるので非常に便利です。
最初の有料観覧席発売開始は五所川原。ホテルが取れて日程が確定した5月には早速有料観覧席を申し込み、無事に埼玉のセブンイレブンで観覧席のチケットを入手しました。
その後「秋田の竿燈」はメールのやり取り。いい席が既に満員だったためA席を申し込み、「盛岡のさんさ踊り」も6月の発売日に職場近くのセブンイレブンで座席を確保しました。
八戸の三社大祭の有料観覧席は発売開始とは書いてあったものの詳細がHPに書かれていなかったのと、当日会う予定にしていた八戸在住の友人との連絡の関係で申し込みを保留していましたが、6月になり思い立って電話してみたものの、「8月2日の観覧席は既に満席です。キャンセル待ちなら承りますが…」という意外な回答が… とりあえずキャンセル待ちをしますが、これは八戸三社大祭を甘く見ていた私のミス。でも、7月になって八戸から携帯に着信があり、「観覧席、用意できます!」ということで、立って観覧する最悪の事態だけは回避することができました。

青森ねぶたの有料観覧席販売は6/30の10:00~。自宅パソコンからでも予約はできるようなのですが、手数料200円(だったかな?)が余分に掛かるので、発売当日10時過ぎまでリハビリを受けた後すぐに近所のローソンに向かいます。ところがLOPPIで操作を進んでねぶたの画面に行くと、そこから先は「アクセス集中で動かず」の状態が10分以上続きます。何度も繰り返し申し込みをしていましたがダメで、そのうちLOPPI待ちの行列もでき始めます。やむなくLOPPIでの予約・購入を諦めて急ぎ自宅に戻りパソコンを立ち上げますが、ねぶたのアクセス集中は相変わらずで、ようやくアクセスできた10:40過ぎには第一希望の場所は既に「満席」。その後も何度か操作を繰り返して、ようやく座席を確保できたのは11時過ぎでした。
弘前ねぷたの発売はその翌日。弘前は青森ほど人気集中しないのは判っていたのですが、偶々同日同時刻には青森ねぶたが「夏祭りの東の横綱」だとすれば間違いなく「西の横綱」である「徳島阿波踊り」の発売があるため、昨日の青森ねぶたに匹敵するアクセス集中があることを予測して、今回は200円の節約のためにコンビニに行くことはせずに家でパソコンに向かいます。(少なくとも弘前ねぷたが原因ではなく、恐らくは)阿波踊りによると思われるアクセス集中は予想通りあったものの、無事に弘前のねぷたのチケットを確保することができ、これで全ての観覧席の予約が揃ったのです!
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7.交通機関について
 今回の旅は計画段階からJRで行こうと決めていました。1か月前には早めにJRの指定券を確保し往復には快適なグリーン車にも乗ろうと、ビューカードのポイント特典である「グリーン車利用券」も早々と入手していたのです。
 ところが、6月を過ぎると妻の足の調子がますます悪くなり、旅行の実現が危ぶまれる事態になりました。種々検討の結果、「旅行に行けるとしても、足への負担を考えるとJRではなく車で行くのがベター。」という結論になります。車で行くとは言え、途中の観光はほとんどせずにあくまで移動手段としての車利用です。お祭りの時期は道路も混みあうし、祭り時間が近づくと交通規制もかかることが危惧されますが、早めに宿に入れば何とかなりそうだし、幸いなことに予約した各ホテルにもちゃんと駐車場がありそうですし、夜お祭り会場には車では行かずタクシーを使うことにすればいいわけです。
ということで1か月前にJR指定券を予約せずに、車で行くことにして昼間の僅かな観光やささやかな観光的ランチについてプランニングの練り直しを行いました。

8.夕食について
 今回の6泊は全てお祭り観光がメイン。お祭りは19:00~21:00頃の時間帯なので、夕食をどうするかは少々悩みどころです。旅行会社時代はと言えばお祭りの時には弁当を手配して、有料観覧席で缶ビールと一緒に食べるのが定番でしたが、旅行全日の6日間がそれでは何となく味気がありません。お祭り前に食べてしまうのも一案ですが、そうなるとあんまりお酒は飲めませんし、時間も気になります。
ついては、この旅での方向性については、「昼食をやや遅めに取り、お祭り終了後にできるだけホテル近くまで戻って居酒屋で夕食を取る。郷土料理色が強い居酒屋が予約できればベスト。」と方針を決めました。お祭り終了後の居酒屋の混雑状況が全く分からなかったので、とりあえず夕食難民にならないためには予約しておくのがベストと考えた次第です。
結果的には、友人とお祭りの前に食事をした八戸とネット予約できる店が1軒もなかった五所川原以外の各都市では全てホテルすぐ近くの居酒屋で21時以降に予約が取れて、どの居酒屋でもご当地メニューが楽しめ、満足することができました。

以上が、この旅の計画です。事前の綿密な計画のお陰で、結果的にこの旅は大成功になりました。普段の旅は「ぶらり旅」でもいいけれど、やっぱり最混雑期の夏祭り時期の成功の秘訣は、1にも2にも早めの計画が絶対に必要です!
このブログがこれから東北夏祭りを計画する方の参考になれば幸いです。

それでは、これからは旅のレポートを少しづつお届けします!
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【静岡県鉄ちゃんの旅】<その2:大井川鐡道> [日本二周目]


2日目:6月17日(日)

今日はついに憧れの大井川鐵道を満喫する日。今日の日程では昼食をいつ食べられるのか予想がつかなかったので、前の晩にコンビニで仕入れたパンとヨーグルトをビジネスホテルのシングルルームで味わうという味気ない朝食を済ませて、6時には浜松駅に向かいます。
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浜松からは東海道線の各駅停車で大井川鐵道の始発駅金谷を目指します。あと30分遅い各駅停車でも目指す大井川鐵道の列車には十分に間に合うのですが、とにかく先を急ぐのはいつもの私の癖。
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(昔の宇都宮線も、こんな色だったなぁ~と懐かしくなってパチリ)
今日の東海道線も昨日と同じように窓が汚れていて車窓が十分に楽しめないため、最前の運転手さんのすぐ後ろに立って運転席からの風景を楽しむことにします。運転席の前だけはワイパーを使った様子があり、そこだけ景色が当然のようにクリアに見えますが、昨日のお酒がまだ少し残っている私は、金谷までの30分以上立っているのはしんどいのでどうしよう? と少々悩んでいるうちに運転手さんが真後ろの私をキッと睨んで、ブラインドを降ろしてしまったのです!
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「JR東海、そんなに見られたくないんだったら窓ぐらい拭いとけよ!」と毒づきたくもなりました。

金谷駅では停まった場所のすぐ目の前に「大井川鐵道乗り換え口」があります。
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(写真は駅舎の入り口。乗り換え口ではありません)
有名私鉄の始発駅にしてはとても小さな駅ですが、SLなどが発着する大井川鐵道の実質的な始発駅は次の新金谷なのです。一人しかいない駅員さんに「フリーきっぷください」と、4400円を払い全線に乗れる切符を受け取ったのですが…
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直後に駅員さんが、
「ところで、今終点の井川まで行けないことはご存知ですか?」
「はぁ? 何それ~??」
「5月に崖崩れがあって、閑蔵駅から井川駅までの一駅だけ不通になっているのです!」
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たった一駅だけとはいえ、全線完乗を目指す鉄ちゃんにとっては大問題ですが、今日大井川鐵道の旅を止めても今更他にすることもないので、とりあえず今のところの終着駅である閑蔵に行き先を変更せざるを得ず、何もなく誰もいないたった一人ぼっちの待合室で、沿線の情報収集をしながら、千頭行きの大井川本線の列車を待ちます。
やって来た大井川鐵道の列車には何となく懐かしいデジャヴ感があります。
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「これって、40~50年前の東急(目蒲線?)じゃない?」とおぼろげに記憶を辿ります。でも、列車のつり革には「タカシマヤ」の広告があったので、どうも東急ではないのでは?と、自分の中でも情報が錯綜。
(東急電車だったら、渋谷にはないライバルのデパートのつり革がある筈がない!!)
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後で改めて調べると南海電車だったとのこと。それならば乗車経験はない筈で、鉄道雑誌などでの印象が強かっただけなのかもしれません。

金谷から市街地を走り新金谷へ。たくさんある車庫を通りすぎ、すぐ目の前にはSLやトーマスが停まっているのとすれ違いますが、油断していたためカメラが間に合いません!
大井川鐵道は、その名の通り大井川に寄り添ったり時に離れたりしながらその上流を目指します。今年1月3日に大井川の木造橋「蓬莱橋」を歩いた時に、その上流方面に向かって「いつかずっと上流まで遡ってみたいなぁ~!?」と思ったことが、こんなに早く実現できるなんて、何だか無上の喜びです。
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周囲は昨日を上回るくらい茶畑が続きます。このあたりは「かわね茶」の本場の筈で、窓を開けたらお茶のいい香りがしそう!?
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勿論、そんなことがある筈はありませんが。

大井川鐵道はSL以外にも鉄ちゃんには嬉しい車両のオンパレード。すれ違ったこの車両は確か近鉄。乗車経験は少ないものの、昔の鉄ちゃん雑誌では散々見ていました。
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沿線には時折吊り橋も見えます。静岡県で一番有名な吊り橋"夢の吊り橋"は大井川線沿いではなくもっと奥の寸又峡の近くのよう。いずれにしても今の私の片手・片足では揺れる吊り橋を渡るのは無理なので、遠くから眺めるだけで満足することにします。
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大井川本線の終点千頭で旧南海電車を降り、車体がぐっと小さくなった井川線に乗り換えます。
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いよいよ大井川鐵道のメインイベントの始まりです。井川線は、以前の貨物運搬路線をそのまま客車に転換し、トンネルを広げたりしなかったため、室内は大江戸線以上の狭さです。
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大井川鐵道井川線と言えば、急勾配を昇るアプト式鉄道として名高いのですが、急勾配を昇るのはごく1区画だけで、後は大井川に沿ってのんびりと走ります。周囲の景色も渓谷のような風景を想像していましたが、相変わらず茶畑が多いのどかな風景が続きます。でも、大井川の川幅は徐々に狭くなり、息をのむような風景も時折見えるように。
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大井川本線は生活路線のイメージですが、この井川線は完全に観光路線のよう。車掌さんは駅に停まるたびに車両を移動しながら、マイクでの観光案内とお客さんへの案内に大忙し。私は列車の一番前の車両に早々に乗ったので気が付かなかったのですが、思いの外長いこの列車は6輌編成ぐらいのかなりの長さ。途中駅に人がたくさん待っていて、「こりゃ、この列車混むな!!」と覚悟したのに、車掌さんが「後ろ、空いてますよ!」と誘導すると、結局ホームにいたたくさんの乗客は、誰一人先頭号車には来ませんでした。
各温泉行きのバスへの乗り換え駅には、毎回予想以上のお客さんが。不通区間のお陰でもう一回来なくてはいけなくなったのですから、次回は温泉も楽しむ旅にすることに決めました!

いよいよ急勾配のアプト式区間の入口であるアプトいちしろ駅。ここで最後尾にアプト式機関車を連結するので、鉄ちゃん的にはその連結作業は必見なのですが、乗車したのが一番前で連結するのは最後尾なので、私の足で向かったところ連結の瞬間には間に合わず。おまけに他の鉄ちゃん、鉄子さん、ちびっこがたくさんいて、写真すらまともに撮れませんでした。
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アプト式の急勾配は、確かに乗っていても勾配がわかるくらいの角度。後ろを振り返るとあっという間に前に走っていた区間がすぐ下に見えます。
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平成になってからできたという、長島ダムが見えます。このダムが出来た時にいくつかの部落や大井川鐵道の旧路線もダムに沈んだのだとか。
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車掌さんの沿線観光案内では何度も
「今の終点である閑蔵での折り返し列車までの時間は1時間以上」
「閑蔵駅の周りは、何にもないですよ!」
と、今の終点閑蔵までは行って欲しくなさそうな案内を繰り返しています。私のプランでも終点の井川駅周辺を散策する予定でしたが、確かにその隣駅閑蔵にはパンフレットを見ても何の情報もありません。どうせ未乗区間が残ってしまうのだったら、1区画でもそれ以上でももう一回来なくてはいけないことにかわりはないので、車掌さんのオススメに従い別の駅での途中下車を検討。ダム湖上の駅「奥大井湖上駅」で途中下車しようとも考えましたが、金谷駅で入手したパンフレットによると、「出口急階段」という記載があったので、親切な車掌さんに質問。
「お客さんの足だったら、止めた方がいい。」というアドバイスだったので、奥大井湖上駅での下車を断念。
ダム湖上の駅である奥大井湖上駅は、もっとダム湖が見えるスリリングな駅かなと想像していましたがそうでもなく、階段にはちゃんと手すりがあり、これなら私でも十分に行けた感じ。でも湖上の遊歩道を通って次の接岨峡温泉駅までのハイキングコースは1時間以上の距離で私にはややしんどそうです。この駅に降りるのも、次回の宿題になりました。
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次の接岨峡温泉駅でぶらり途中下車。この駅を今回の旅の折り返し地点にします。
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1時間以上あるので、パンフレットに記載がある散策コースをゆっくりと歩いてみます。 ちょっと高台にある駅からの道を下るとのどかな田園風景が広がります。特にあてはなく、部落をうろうろと散歩。人がいたら不審者と間違われそうですが、住民は誰もいません。
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接岨峡温泉の日帰り温泉にも目もくれず、さらに散歩。パンフレットにあった7つの吊り橋がある遊歩道まで行ってみますが、入口が結構急な坂で手すりも十分ではないので、散歩のゴールをここにしてちょっと休憩。
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すぐ近くに地蔵堂があったので、自分はともかく3人の家族それぞれの願いごとをお祈り。でも賽銭箱もなかったのでお賽銭も入れずですから、ご利益はどうでしょうか?
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ベンチに座ってぼんやりとある空想をしました。
4年前の10月、日本一周のスタートは沖縄。行きの飛行機の窓から富士山のすぐそばの山地と川と部落が見え、「こんなところにもいつかは行くぞぉ~!!」と誓った場所(その時のブログはこちら)こそが、「神様のお導き!? もしかしたら、ここがあの時にJALの窓から見た場所??」そう考えたら、何だかとっても嬉しくなりました。真偽の程は定かではありませんが(というより99%違うとは思いますが…)、自分的にはそう信じることに決めました。
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暑い中ぶらぶらと散歩を続けると、国道沿いに1軒の茶屋があり、この暑さなのに「おでん」というのぼりがはためいています。
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「この時期におでん?」とも思いましたが、静岡と言えば”しぞ~かおでん”ですから、迷わず立ち寄ってみます。静岡名物の黒はんぺんはなく、どうやらしぞ~かおでんとはちょっと違う感じ。4つ取って「いくら?」と聞くと「280円」。観光地値段ではなさそうです。
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カラシではなく七味唐辛子をかけて味噌のタレで食べる”大井川おでん”。いい経験をさせてもらいました。

ゆっくりと駅に戻り、のどかな田園風景の中、今日の終着駅閑蔵方面から来る帰りの列車を待ちます。
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ここからはさっき来た道なので、特に何も考えずに最後尾の車両に乗車。ドカンとボックス席に座った直後に思い出しました!
「アプト式機関車の連結は帰りは一番前に連結される筈。しまった、乗る場所を間違えた!!」でももう後の祭り。結局、帰りもアプト式機関車の勇姿は我がカメラには収まりませんでした。

再び乗り換え駅の千頭に戻ったのは1時過ぎ。千頭からは大井川鐵道もう一つのメインイベントSLに乗る予定で、事前に指定席を予約しています。無事に800円也の今どき座席番号が手書きの指定券をまずは無事にGET。
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近年、大井川鐵道と言えば何といっても(きかんしゃ)トーマス。井川線のすぐ横で、そのトーマスの展示イベントがあるというので、写真で孫の喜ぶ顔が見られるかも?と考え行こうとしましたが、入場料が500円と聞いて入る気をなくします。でもフェンスに囲まれているだけなので、「ずっと端まで行ったらちょっとだけでも見られるかも?」と思い、線路の端まで。予想通りフェンス越しに仲間の顔が見られましたが、トーマスではないので孫は喜ばないかな?
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そのトーマスはSLより1時間前の発車。私がSLの指定席を入手した段階では、このトーマスにはまだ空席があるようでしたが、ちびっこ人気は相変わらずのようなので静かに旅を楽しみたい老人はトーマスは敬遠。でもホーム先頭まで行けばトーマスに会え、孫の喜びそうな写真が撮れるだろうと考え、先頭まで。
でも、トーマスはホームからはみ出て停車しており、後ろ姿だけであの顔は撮れません。
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いかにもちびっこが喜びそうな車内。やはり今日も満席のようです。
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(早くから乗っている人たちは、みんなご年配の方のようですが…)
先頭から500円の有料エリアを望遠でパチリ
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SLまではまだ時間があるので駅を出て昼食。午前中のおでんのお陰で空腹ではないので、蕎麦屋に入り山菜そば。相棒は勿論ビールです!
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今度はSLの勇姿をちゃんと撮影。まずはこっちに向かって走ってきた愛称”ポニー”のC56。
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運がいいことにSLの切り離しから移動、ちょっと先の転車台の風景まで見ることが出来たので、鉄ちゃんとしては乗る以上の高揚感&満足感を乗る前に得てしまいました!
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だからなのでしょうか、SLが動き出した途端に猛烈な睡魔に襲われます。昨日の飲み疲れとさっきの蕎麦屋のビールが効いたのです。
結局、せっかく800円也の指定券を買ったというのに、ず~っとうとうとしていた1時間20分でした。

ウトウトから目覚めた新金谷駅では他のSLも
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SL乗車も満喫(?)して、最後の新金谷~金谷の一駅では近鉄風の列車にも乗れたので、本日の大井川鐵道第1回目の旅は大満足で終了。金谷からは相変わらず窓が汚れた東海道線で静岡駅まで。静岡からはこれも懐かしい"ひかり号"に乗車。
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ところで、最近の東海道新幹線は来る列車がどれもN700系ばかりなので鉄ちゃんとしてはあまり面白くはありません。まぁ、どの列車に乗ってもスマホが充電できるのだけはありがたいですが。
その意味では、7~8年前の山陽新幹線は楽しかったなぁ~ と、改めて感じます。毎回ワクワクしながら新幹線を待てたので…

仙台から帰って来る妻と帰りの時間をあわせていたのですが、何と東北新幹線は昼からずっと全線ストップのようです。新幹線車内ではそのニュースが散々流れていましたが、JR東海の東海道新幹線は、"我関せず"という感じですいすい走っていました。

静岡県に2日もいたのに、結局富士山は全く見られませんでした!


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【静岡県鉄ちゃんの旅】<その1:天竜浜名湖鉄道> [日本二周目]


週末を使って、また旅に出てしまいました。GWの旅からまだ1ヶ月強、その時の費用の過去最大級のクレジットカードの支払がようやく終わったばかりだというのに… 「全く何を考えているのだか…?」と、自分でも自分に呆れてしまいますが、昔からのこの浪費癖は、58歳にもなって(今月、めでたく58歳の誕生日を迎えることができました!)治る気配は微塵もありません。


今回のきっかけは、この土日に妻が1泊2日で仙台に行くことになったこと。最初はのんびり一人で留守番をするつもりでしたが、徐々に「一人で2日間も家にいるのも何となくつまらないなぁ~!?」という気持ちが強くなってきて、近場の旅の資料を見始めるともういけません。自分の気持ちも「行きたいなぁ~!?」から「行こうかな?」に変わり、まもなく「絶対、行くぞぉ~!!」に変化したその日に帰りの新幹線のチケットを購入してしまうと、もう後戻りはできません。

今回は一人旅ですので、車で行くという選択肢はありません。であれば一人旅が当たり前だった学生時代に戻って「鉄ちゃん」になってみることにしました。今回の「鉄旅」の目的地は、大井川鐵道をメインにした”静岡県鉄道の旅”。静岡県には今年1月に行き富士山と伊豆半島を満喫しており今年2回目ですので、塗りつぶしが究極の目標である私としては、極力前回とは異なる場所に行くつもりです。

大井川鐵道は以前から何度か日帰りでの旅行を計画したことがあったのですが、意外と遠く最低でも一泊しないと全線完乗は出来ない(私の足では乗り換えにリスクを伴う)ため、断念していた経緯がありますので、鉄ちゃんに戻っての2日間の旅としては最適です。


1日目:6月16日(土)


6月16日と言えば、私にとっては決して忘れられないこの病気を発病した(記念)日。脳卒中を発病し右半身麻痺になったのが8年前のこの日なのです。1年目・2年目あたりには毎年厳かに6月16日を迎え、毎年その次の1年の回復目標を決めていた自分的にはとても重要な日でしたが、5年目を過ぎて以降、特に「その年の回復テーマ」を決めなくなってからは、6月16日の重みが以前ほどではなくなりました。毎週土曜日の午前中にはリハビリを受けていて、いつもリハビリをしてくれる理学療法士さんとは毎回他愛ない会話をしているのですが、この日の会話の中にはこの"記念日"の話は全くなし。というか、完全に失念していました!!


リハビリを終え、10時過ぎに自宅出発。とは言っても東京駅までは毎日通勤で利用している宇都宮線、いつものように定位置に乗っても旅としては全く面白くも何ともないので、今日は鉄ちゃんらしく運転手さんのすぐ後ろから線路を眺めながら行こうと、最前部で列車の到着を待ちます。  

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ところが10:30という中途半端な時間の割には宇都宮は結構混雑していて、運転手さんのすぐ後ろどころかとりあえず乗るだけで精一杯。結局、いつもの通勤の方がずっと楽な姿勢で電車に乗れたなぁ~… と、いきなりの後悔が今回の旅のスタート。


東京駅ではまず今晩会う浜松の友人への土産を。東京駅の売店は名物が選び放題だなぁと、いつも売店の前を通るたびに思っていたのですが、いざ買う段になるとどれにしようかすっかり迷ってしまい、結果あんまり気の利いたようなものでもなく、ごく通常のお菓子を選んでしまうのが、我々一般人の性。

その後、鉄ちゃんには欠かせないビールを買い、駅弁も… と思っていましたが、選択肢がたくさんありすぎる東京駅地下街の誘惑に負けて、駅弁ではなく美味しそうな寿司を選んでしまう意志が弱い私がいます。

鉄ちゃんの相棒は駅弁とビールなのに… !?


東京駅からはこだま号で静岡県を目指します。こだまに乗るのなんて、本当に何年振りでしょう? 

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ガラガラかと思いきや、こだま号の自由度もかなりの乗車率。私はお目当てのE席を確保でき、横もずっと空いたままでしたが、品川や新横浜で乗って来た人が結構真剣に空席を探す必要があるくらいの混雑。

「オールド鉄ちゃん」は発車前から早速ビールを味わいながら、車窓に見入ります。昔見慣れた新橋のネオン街、3年間勤めたことがある大崎のビル街、母校のキャンパスに掘られたトンネルを一瞬で過ぎ、平成の初期に住んでいた横浜の社宅付近の懐かしい町並み… 

こだま号は相変わらず各駅にゆっくり停車して、急ぎ足の"のぞみ"に「お先にどうぞ」と先を譲ります。まるで「仕事でも人に手柄を譲る誰かさんのようだな。」と、缶ビールを傾けながらの年寄の空想の時間。

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東海道新幹線車窓のハイライトである富士山は今日は全く見えず。そもそも梅雨真っ盛りのこの時期に、晴天の景色を期待する方が間違いです。今日の天気予報も前日までは雨予報だったものの、埼玉でも雨は朝のうちに止んだことを感謝しなければいけません。

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(晴天なら、このあたり富士山が大きく見える筈…)


こだま号を降りた駅は掛川。ここからローカル私鉄"天竜浜名湖鉄道"に乗り、鉄ちゃん旅1日目のメインイベントが始まります。

通称"天浜線"は、昔は国鉄のローカル線である二俣線でした。子供の頃、時刻表が愛読書だった私、浜松や浜名湖を取り囲むローカル線の地図を見るたびに"二俣線に乗って浜名湖を逆側から見てみたい!"という憧れを抱くようになりました。その憧れは叶わぬままに月日は経って、いつしかそんな憧れすら完全に忘れ去っていたのですが、今回の旅のために久し振りに見た時刻表の地図を見て、その記憶が蘇ったのです。

ところで、久し振りに見た時刻表、地図のレイアウトまでがすっかり変わっていたことに大きく驚き、見慣れた地図が懐かしく&猛烈に欲しくなりました。出来れば、鉄道網が最大だった昭和50年代に地図と共に戻りたい!!


掛川駅の天浜線ホームはJR線のはじっこに居候している雰囲気。自販機で全線1450円の切符を買い、ローカル線の相棒であるお酒を探しますが、たった一両の天浜線のホームに売店や自販機がある筈もありません。

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天浜線はのんびりと走り出します。掛川城が見えないかと注意して眺めますが、他の地元民ばかりに見える乗客には、私以外には外の景色なんか見る人は誰もいません。

次の駅は「掛川市役所前」。駅名も運賃表もまるで路線バスみたいです。

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(運賃表は、写っていませんが…)

しばらく走ると新東名高速道路をくぐります。今までは一度も新東名を運転しながらこのあたり(地域)のことなんぞを考えたことはありませんでしたが、次回(この夏)には天浜線のことを考えながら運転して、キョロキョロしちゃうんでしょうねぇ!? きっと。

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単線の天浜線は、時折駅で反対行きの列車とすれ違います。でもこの天浜線、珍しい列車やユニークなペインティングなどもないので、どの列車も一両でみんな同じ顔。その意味では単調といえばきわめて単調。

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見知った駅名も少ない中で、遠州森駅だけは降りたかった駅。”森の石松”の故郷で見所もそれなりにあるようなのですが、見所が駅から遠いので1時間程度下車したところで観光は出来なそうなので下車を断念したのです。

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沿線は”さすが静岡県!”というくらい茶畑が結構多く、旅情たっぷり。茶摘みの時期はとっくに過ぎている筈なのに、茶葉が繁ったゾーンと禿げたゾーンがあるのは、茶摘みのビフォー・アフターなのでしょうか?

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この列車の終着はちょうど天浜線の真ん中あたりの天竜二俣。昔の路線名二俣と今の天浜線のどちらにもいわれがありそうな魅力的な駅名なれど、到着ホームの向かい側には既に先を急ぐ一両編成が待っていて、途中下車どころか駅舎にも行く時間はなさそう。(またしてもアルコールが買えない!?) この駅には転車台などもあるようなので、このあたりには森の石松巡りと併せてもう一回来る必要がありそうです。

2つ先の駅西鹿島にはモダンな列車がたくさん停まっています。ここから浜松駅近くの”’新浜松”を目指す遠州鉄道で、天浜線と違って都会の香りがします。

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すぐ近くの都会浜松も堂々と無視する天浜線は、たった一両だけど孤高を保っているようでとても格好良く見えます。

「やっぱり、乗りに来て、良かった!」


列車は間もなく浜名湖の沿岸を走ります。浜名湖の奥側はリアス式の海岸線のようなので、ずっとその海岸線に沿って走る訳ではなく、海岸線との短いランデブーを繰り返します。

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湖の大きさベスト10に入る浜名湖ですが、こっち側から見える風景はいつも途中に入りくんだ土地に遮られ、広い湖という風には感じられない景色が続きます。

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三ヶ日に到着。三ヶ日と言えば三ヶ日人やみかんなどで馴染みがある地名。ここにあったことを恥ずかしくも今更ながらに知りました。

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終点の新所原まで天浜線の旅は約2時間程度でしたが、久し振りに鉄ちゃん魂を大いに満足させてくれた時間でした。最近流行りの観光列車もないけれど、これぞ正に「ザ・ローカル線」でした。

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新所原からは東海道線で浜松へ。最後に琵琶湖の大きさを味わおうと思って窓の外を凝視していたのですが、東海道線からの景色は新幹線の線路が邪魔で新幹線からと違って浜名湖がよく見えないことを初めて知りました!

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それから、JR東海の各駅停車は東日本に比べて皆窓が汚れているような気がします。

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大半の乗客は窓の外なんて関係なさそうに、皆乗車するや否やスマホに夢中ですが、一人だけ外の景色に熱中する私には、どうも窓の汚れが気になって仕方がないのです。これは、翌日乗った2回の東海道線でも同じで、梅雨時だから雨の跡があるのは仕方がないのでしょうが、この旅から帰ってJR東日本の列車の窓をを見ると、どの列車も窓がすごくきれいなことに改めて気付きます。

これからは、もっとJR東日本に感謝しながら毎日の車窓を楽しもうと思います。

「JR東日本さん、(今更ですが)ありがとうございます!」


今晩は日本一周を始めて以来未宿泊の浜松にて、当地在住の大学時代の友人と晩飯を共にする約束でしたが、その前に浜松名物を味わうことにします。その浜松名物とは”うなぎ”でも「ウナギパイ」でもなく、"浜松餃子"。「餃子なんて浜松でも宇都宮でも大して違いはないんじゃん!?」という気もしますが、餃子好きが浜松に来て餃子を食べないのは何となく餃子の神様に失礼な気がします!?

浜松にも餃子有名店はいくつかあるようですが、友人との待ち合わせまであまり時間のない私は、駅ビルにある有名店"石松"を目指します。

この石松は新東名の浜松サービスエリアにもお店があり、3年前奈良からの帰り道でも味わっています。野菜中心のあっさりした餃子のイメージです。

まだ5時前なのですぐにカウンター席に案内され、来る前から決めていた注文"生ビール中と餃子10ケ"をオーダーするつもりでしたが、美味しそうな餃子の匂いの誘惑に負け、「生ビールと餃子15ケ!!」とついつい食いしん坊の本領発揮です。運ばれて来た餃子は浜松餃子の象徴ともいえる丸型にはなっていませんでしたが、浜松餃子のシンボル"もやし"はたくさん着いていました。

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味は… 前回の味の記憶が何となく正しかったことが証明された感じ。美味しかったのですが、次回は別のお店の丸い浜松餃子に是非チャレンジします!!

さすがに人気店、お店を出る時には行列ができていました!


夜飲んだ友人とは、数十年会う機会がなく、2年前にOB会で会って以来ですから、二人で飲むのは紛れもなく学生時代以来です。彼の下宿近くにあった(当時はまだ多くはなかった)カウンター席だけしかないカラオケ居酒屋によく二人で行き、深夜まで騒音を撒き散らしていたものです。

彼も旅好きで、学生時代に北海道の霧多布で待ち合わせしたことなどを、彼に言われて数十年振りに思いだしました。

時間を忘れた楽しい飲み会で、お店には迷惑だったでしょうが4時間以上も居座ってしまいました。

明日も、朝早いのに…

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【2018年GWの旅】道南&桜紀行<最終回:下北半島と仏ケ浦> [日本二周目]


9日目:5月4日(金)

今日は悲しいけれどもう北海道を去らなければならない日。3年前と同じ函館発9時半のフェリーに乗り、最も近い本州である大間崎を目指します。

函館での最後の朝ごはんは当然のように函館朝市にて。3年前にも朝市をぶらりと散策して、特にあてもなくよくある食堂に適当に飛び込んでそれなりに満足した記憶があるのですが、今回ばかりはGWど真ん中の日なので"ぶらぶら"なんて贅沢は出来ずに、6時にはさっさと店を決めて入ってしまわなければ、「北海道最後の朝ごはんを食べ損ねる!?」なんて危険性すらありそうです。
なので今回は「函館朝市どんぶり横丁市場」に狙いを定めて、6時前には市場に到着。ここには海鮮丼などを出すお店が十数軒並んでいますが、当然評判のいい店もそうでない店もあるのでしょうが、GWの人出は想像以上で食べログ高評価のお店にはまだ6時なのに既に大行列が!!
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(これでまだ、朝の6時!)
とは言え、食べログでほんの0.1点も変わらないすぐ横のお店に席があったので、迷わずに入店。あの混雑のお店が人気の原因は謎のまま。(TVででも紹介されたのかな?)
我々が入店したお店も、食べログ3.4点台なので人気店の筈。その証拠に我々が出る頃には行列が出来ていました。北海道最後の食事は定番の海鮮丼。私のオーダーはウニとホタテとイクラ。どれもとれとれの最高級品質とはいかないけれど、最後の朝ごはんとしては十分に満足。
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ホテルに戻って休憩する妻と別れて、鉄ちゃんの血が騒ぎだした私は函館駅へ。入場券を買い求めてホームに立ってみます。
今の時代、「新幹線リレー号(列車)」はここにあったのですね!?
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私が仙台に赴任したのは昭和58年、まだ東北新幹線は大宮始発で、上野からはいつも「新幹線リレー号」に乗車していたことを、懐かしく思い出しました。
サラキ岬でちょっとだけその元気な姿を見せてくれた「道南いさりび鉄道」。さまざまな経営努力をしていると聞いています。
"次こそ、乗りに来るぞぉ~!!"
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北海道を出るとなると、やっぱりいつもの定番のお土産が欲しくなるもの。土産は奥尻で十分に買った筈なのに、結局いつも通りの六花亭やロイズを函館駅の売店で買ってしまいました。

これで今回の旅の北海道でのすべての予定は終了。今回の旅で訪問することができた観光地などをGoogleマップで塗りつぶしてみたのがこの地図です。
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「道南(渡島半島)塗りつぶしの旅」見事達成と言っても良いですよね!?

大間崎行きのフェリーを選んだ理由は、とにかく価格。本州~北海道間のフェリーがこぞってGW期間中の価格が高騰するのに、この「津軽海峡フェリー」だけにはGWでも通常期と同じ"海割"という割引があり、大間崎までなら何と奥尻への片道分よりもずっと安いのです!! 
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車を降りずに自動チェックインができるところも、この津軽海峡フェリーが日本有数の進歩系フェリーである証。おまけに駐車場から船内にはエスカレーターがあり、足の悪い私には何とも嬉しい限りです。 1時間半の船旅は地上波TVも見られて全く退屈せず、大間崎から関東までの距離が遥かに遠いのが大きなマイナスポイントですが、長距離運転が苦にならない運転好きな私にとってはベストのフェリーなのです。

この旅のプラン作りに没頭し、このフェリーの予約をしたのが3ヶ月前。その段階では桜前線の予報はまだ出ておらず、例年であればGWには下北半島と十和田市の桜が正に見頃な筈でしたので、大間崎到着後の観光こそが”桜紀行”のもう1つのメインイベントと考えていましたが、今年の桜前線は例年より大分早かったため、そのお陰で北海道では本当に満開の桜と出会えた訳ですが、さすがに下北半島や青森の桜はもうすっかり散ってしまっているようです。
ということで下北半島の桜観光はきっぱりと諦めて、今回はこちらも悲願だった「仏ケ浦」に行くプランを選択。下北半島をはじめて訪れたのは、19才の大学1年生の夏。尻屋崎や恐山を満喫し、当時はまだマグロでなんか全く有名じゃなかったただの最果ての岬である大間に立ち、すぐ目の前に”憧れの大地”北海道が見えた瞬間、19才に少しだけあった理性を完全に失い、その後のプランも何もかも忘れて函館行きのフェリーに飛び乗ってしまったのです!!
その時に19才が忘れた翌日のメインイベントこそが、この"仏ケ浦の遊覧船"。"秘境中の秘境"と言われるように本当になかなか行けない地なのですから、よ~く冷静に考えてみればあの時に函館に行ったのは絶対に愚かな誤手だったと後で激しく後悔しても後の祭り。正しく"若気の至り"でした。
今回、ようやくその39年前の忘れ物を取りに行きます。

3年前にも来ているものの、やはりここに来たからには大間崎の地に立つのが観光客の最低限のマナーと考え、大間崎のマグロのモニュメントを見に行きますが、さすがにGW。凄いマイカーの行列で、駐車場に車を停めるまでには数十分はかかりそうです。もとよりここに来た目的はさっき車の中からちょっと眺めた大間崎に立つだけなので、とりあえず最低限のマナーを守らないことを神様にお許しいただき、方向転換して仏ケ浦への船が出る佐井村を目指します。
仏ケ浦への遊覧船はこんな僻地(失礼!)からでも人気が高いらしく、満員になることもあるのだとか。次の船は1時間ちょっと先の1時発なので、まずは船の乗車券売り場へ。ところが係員の女性曰く、「波が荒いので、1時の便の運航は未定。30分前に出航が決定するので、その時間にもう一度来て下さい。」と言われ、とりあえず昼食を。北海道ではずっとラーメンを食べたい気持ちもあったので、迷わずラーメン屋さんの暖簾をくぐりますが、「やはり、ここは近くても北海道じゃない!」ということを今さらながらに思い知らされました!?
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ところが、予定通り12時25分に再度船の乗車券売り場に行ったところ、さっきとは別の係員さんが「1時の船は出航はするけれど、満席です!!」と冷たい一言。「さっきは満席とは言われずに、12:30に来いと言われた!!」と猛抗議します。「ここで引き下がったら、一生仏ケ浦には行けないかも??」と思い、39年前の宿題を抱えた私も必死。すると裏からさっきの女性が現れ、抗議している我々の顔を見て"ヤバい"という顔になり、慌てて船長に連絡、結果何とか乗れることになり、一件落着。

ところがこの船の揺れが想像を遥かに越えた凄まじい揺れ。
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乗船前に「今日は波が高いので、仏ケ浦に上陸できないかもしれません。」とは言われていたものの。予想を遥かに上回るスピードと高い波で、「この小さな船、本当に沈没するかも??」なんて真剣に思える程の恐怖の時間が続きます。外の写真を撮るなんて余裕は微塵もなく、体が持っていかれないように掴まるだけで必死。満員の客席のあちこちからは「ビニール袋ください!!」という叫び声が。今回もトラベルミンを飲み忘れた私ですが、この激しい揺れには酔う余裕もないのか奥尻へのフェリーとは違って大丈夫だったのが摩訶不思議。

ようやく仏ケ浦付近に着いたのでスピードダウン。窓が開けられて凄い景観が目の前に!
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残念ながら「やはり今日の上陸は無理です。」ということで仏ケ浦には上陸出来ずに海からその偉容を眺めることに。 
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「あの39年前に、函館に行かずに仏ケ浦の遊覧船に乗っていたら、果たして上陸出来ていたのだろうか?」なんてことをぼんぼりと考えていました。
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帰りも、激しい波と揺れは相変わらず。でも、慣れたからなのか帰りは行き程の恐怖はなく、少しずつですが外の景観を楽しむ余裕も。いずれ、仏ケ浦には「三度目の正直」でリベンジしようと思います。
いつか、必ず!!

再び大間を経由して、下北半島をドライブ。大畑地区にある「来さまい桜ロード」。完全に葉桜になっていましたが、噂通りずっと立派な桜並木が続いていて、「ここが満開だったらさぞかし壮観だろうなぁ!?」ということが容易に想像できる凄い場所でした。ここも今度こそ桜の時期に来なければ… ですね!?

横浜町の菜の花の観光もプランには入っていたのですが、朝5時代からの疲れが出てしまってスルー。でも、高速道路から一瞬だけ見事な菜の花畑が見えて、スルーしたことを激しく後悔しました。
やっぱり下北半島は北海道の行き帰りにちょっと立ち寄るのではなく、それ自体をメインイベントにしなくては超一級の観光地下北半島に対して失礼ですよね!?

この日の泊まりは十和田湖ではなく十和田市。ここを選んだ理由も桜なのですが、当然のように桜はもう終わっています。宿泊地の変更も考えましたが、さすがに5月4日の宿泊を間際に変更が出来るほどGWの日本列島は甘くはありません。
でも、十和田市には是非一度は本場で食べたいB級グルメ「十和田バラ焼き」があります。何かのイベントでバラ焼きを食べて、その美味しさの虜になった私、「いつかは本場十和田市に行って食べたい!!」と決意していて、今回桜はなくても十和田市に宿泊する大きなモチベーションがここにあったのです。
向かったお店はこのB級グルメの代表店である「司バラ焼き大衆食堂」。混む前にと思い6時前に行ったのですが、既に待ち客が数組。でも案内がとても丁寧で好印象。待っている我々をオープンテラスの席に案内してくれて、一杯500円の生ビールを飲みながら,中の席が空くのを待ちます。「もう少しです。すみません。」などとフレンドリーな応対で待つ苦痛を全く感じさせない素晴らしい対応。
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「函館のあの高級旅館の接客訓練、ここでやったらどう?」と、クチコミに書こうか真剣に考えてしまいました。

ちょうど生ビール一杯を飲み終わったタイミングで席に案内いただきます。メインディッシュに行く前に、まずは地元の名産品を居酒屋のように何品か味わいます。
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"B級グルメの同士"である「なみえ焼きそば」もメニューにあったので注文。うどんのような太い麺を久しぶりに懐かしく・美味しく味わいました。
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次は、復興後に浪江にも必ず食べに行きますね。頑張れ!福島!

いよいよメインディッシュである十和田バラ焼きの登場。
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北海道では魚介類ばっかり食べていて肉に餓えていたからという訳ではないのでしょうが、このバラ焼きは本当に美味。
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個人的には日本中に数多あるB級グルメのグランプリは、この十和田バラ焼きではないかと真剣に思っている程です!
十和田市の宿泊、大正解でした!

10日目:5月5日(土)

ここまでで、この旅の観光的なレポートはすべて終了です。後は自分の備忘録として記載しますのであしからず。

このホテルでも朝食は頼んでいません。何となく"たまにはマックで朝ごはん"という気分になるような予感がしていたので、一応近くにマクドナルドがあることは調査済。当然の如く予感通りの展開で、久しぶりの朝マックをいただきます。
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そのマクドナルドのすぐそばに、朝からやっている銭湯のような温泉も見つけて、ここも十和田市最後の観光として楽しみます。
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約400円と値段も銭湯並みで嬉しい限りなのですが、シャンプーやボディーソープの備え付けがないのが、旅行客には不便。とは言え、お客さんはほぼ全員地元民で朝からローカルの話題で盛り上がっています。我々だけが完全な異邦人というかエトランジェ。

十和田市を抜けて八戸方面へ。高速道路に乗るまでの時間は意外とないようであります。今日1日で埼玉に帰ろうと思えば全然OKな距離ですが、渋滞予想では連休最終日の明日よりも今日の午後の方が混雑するという予測が出ているので、今日のドライブは渋滞を回避して仙台までの予定。

一時間程度走って八戸道へ。この八戸道が開通した当初の1980年代後半には、まだ存在していた私の青春の地であった岩手県野田村のユースホステルに行くために何度も利用した経験があるのですが、当時は本当に交通量が少なく、追い越す・追い越される車が全く無いのは当たり前で、対向車線の車でさえ5分に1台程度しかすれ違うことはありませんでした。
その後交通量が順調に増えた故なのか今日がGW渋滞のピーク日なのかは不明(恐らくは後者)なのですが、下手をすれば渋滞になるくらいの交通量。
野田村に一番近い軽米ICが思い出の地。"降りちゃおうぜ!?"という誘惑の声を振り払ってドライブを続け、9日振りの東北道に合流。
今日も曇天ではあるのですが、岩手山は何とか見えそう。岩手山のビュースポットである岩手山SAで休憩しようと考えていたのですが、岩手山SAに入る車で渋滞が起きています。私がスルーしたのは言うまでもありません。
渋滞が起きそうで起きない程度の交通量の東北道。サービスエリアはどこもかなりの混雑のため、トイレだけ小さなパーキングエリアで済ませて、ひたすら仙台を目指します。勿論お昼ごはんも高速道路では取らずに我慢。

泉ICで東北道を降り、早速レストラン探し。我々の胃袋が求めたのは昨晩に続いて"肉"。インター近くのステーキファミレスに飛び込みました。よっぽど、北海道では肉に餓えていたのでしょうか?
午後はお見舞いと妻の実家でのんびり。夕方、次の夏の旅行に大きな貢献をしてくれた友人を呼び出し、奥尻土産のワインを手渡します。前の会社の同期であるこの友人が、「さすがに無理だろう…!?」という町の超特定日の宿を取ってくれたのです!
詳しくは、夏の旅の後のブログにてご報告ができると思います。

11日目:5月6日(日)

GW最終日のこの日は、少しでも早く帰らないと渋滞に巻き込まれる可能性が高いので、仙台は8時前には出発。
昨日の高速に比べると渋滞の香りは少しは薄らいだものの、(さすがに最近の渋滞予測は正確?)相変わらずちょっとすると今にも前の車のブレーキランプが点きそうな感じがずっと続くドライブでしたが、結局一度も渋滞に巻き込まれることなく、昼前には埼玉に帰ることができました。
今回の走行距離は2356キロ。前回、北海道を一周した時には4000キロ走った記憶があるのですが、やはり道南だけなのでその半分。GWの旅の割には,結局渋滞に巻き込まれたのは北海道の大沼公園近くだけ… というプランニングの優秀さが実証される結果になりました。(という自己満足でした。)
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これで、今回の旅行のレポートを終わります。次回は「夏の旅」の予定で、今年の夏は個人的なあることがなければ贅沢にも2回旅に出る予定です。旅行とブログのタイトルだけはすでに決めています。
”2018年熱い夏”です。。

でも、来週プチトリップに出るかもしれません!?


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【2018年GWの旅】道南&桜紀行<その4:桜三昧の2日間> [日本二周目]


7日目:5月2日(水)

本日からの2日間は、今回の旅のメインイベント”桜紀行”として道南の桜を見倒す日。走行距離もかなりある上にみどころもたくさん、加えて楽しみにしていた本日の宿である高級温泉旅館を満喫すべくこの日だけは早めに宿にも入りたいため、この2日間とりわけこの日のスケジュールはかなりタイトで、ゆっくり観光する時間は本当にあまりありません。GW前半の天気は、曇り空が続いた道南地区はともかく全国的には好天続きだったらしいのですが、GW後半は一転して全国的に大荒れ。今日から行く函館地区は今夜半から激しい雨の予想。せめて今日1日、何とか天気はもって欲しいものです。
朝から少しの時間も無駄にはしたくないので、寿司屋民宿を朝の8時には早々にチェックアウト。
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(朝、出る前に撮った1軒宿寿司屋民宿)
上ノ国周辺にもいくつかあるらしい観光スポットを「次回のお楽しみ」とスルーして、今回の桜紀行の最大の目的地である松前に向かいます。

松前までは渡島半島の左側外周を地図通り走ることおよそ1時間。松前城周辺の桜スポットは広く、より近い駐車場を効率よく探すために事前に観光協会に「身障者用駐車場」の場所を訪ねていて、その案内に従ったお陰で超一等地と言える光善寺というお寺横に設けられた身障者専用駐車場に迷わずスムーズに駐車することが出来ました。
松前は松前城を中心に早咲き・遅咲きの桜がたくさん見られるので、約1ヶ月に渡って桜が楽しめるという北海道屈指の桜スポット。中でも三大名木という桜が有名で、車を停めさせてもらった光善寺にも三大名木の1つがあるので"松前の桜観光"はまずはここから。
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血脈桜と名付けられたその名木は、まさに今日が満開のような最高のタイミングでした!
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隣の龍雲寺にも蝦夷霞桜というもう1つの三大名木があるようですが、こちらは事前の情報通り遅咲きなのでまだやや早い感じ。
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松前桜観光のメインは何と言っても「松前城と桜」。まさに”This is 日本”という「日本に生まれて良かった!」と実感できる日本にしかない最高の組み合わせです。
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三大名木の最後の1つ夫婦桜へ行く道を間違えて一旦場外へ出てしまうというお粗末もありましたが、2つの異なる桜が1つの木から枝分かれしている"夫婦桜"もまさに夫婦共に満開!
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GW合間の平日の午前中で、まだ人も多くはない今日が、「桜を見るには最高の1日!」と信じることにしましょう。
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その後城の有料エリアに入って、城と桜のコントラストを楽しみます。
城内はバリアフリーが整備されていないようで、足の悪い私は城の建物内には全く入れないようなのですが、そのお城を眺めの良い場所から見るだけでも入場料を取るという方針には、いささか釈然としませんが…
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この付近での松前の桜のみどころもまだまだたくさんあるらしいのですが、たとえば「松前桜のトンネル」などは遅咲きの桜中心でまだまだ咲いていないのだとか… 
松前、まだまだ奥が深そうです。
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松前城付近の桜見学を切り上げて、松前藩屋敷に向かいます。
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ここは江戸時代の町並みを再現した日光江戸村のミニチュア版のような場所だと思っていて、施設はともかくここにも有名なあの”松前の桜”があるだろうと信じての訪問でしたが、私の思い違いで桜はあまりなく、江戸時代の日光と松前にはさほど大きな違いはありそうもないので、先を急ぐために早々に退散します。
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滞在僅か数時間で松前を出なければいけないのですが、泣く泣くアクセルを踏む私に「もう少し見ていようよ!」とばかりに沿道の桜はまだまだ我々を引き留めに掛かります。
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途中にたくさんあるみどころも”次回こそ!”と決意しながら通過。2横綱の記念館がある福島町、さすがに千代の山の記憶は活躍が私の生まれる前なのであるわけがありませんが、千代の富士の記憶は鮮明。
ここ福島町には青函トンネルの出入口もあり、2年前に津軽半島で青森側に出る新幹線をパチリとカメラに収めた私は、2匹目のドジョウを狙って新幹線の出入り時間もちゃんと控えて来ていたのですが、今回は時間が合わずに断念。

この日のお昼は数日振りに再びカキ小屋。でも「この日の中心は、カキではなくその他の貝類!」と妻にも宣言していた割には思ったよりカキ以外の貝類のメニューが多くはなく、中心はやっぱりカキ。
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夫婦共にカキ好きなので問題は無いのですが、こんなことなら前回の寿都でもっとカキ以外の貝類も食べておけば良かったと少しばかり反省。

新幹線の駅がある木古内には、あの咸臨丸が沈んだサラキ岬があります。
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「船のレプリカもあってチューリップも!」という情報で、一級の観光地として楽しみに立ち寄ってみましたが、思った以上に小さな咸臨丸に妻はちょっと憮然としていると、思いがけず「道南いさりび鉄道」がすぐそばを通過。?
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チューリップも鯉のぼりもあるにはありましたが…

次の見学はトラピスト修道院。ちょうど我々が帰って来たタイミングで吉永小百合さんの「大人の休日倶楽部」のCMが始まり、このトラピストの外観はTVで毎日のように見ています。
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男子修道院は女子禁制ですが、妻は勿論女子なのに「大昔(結婚前)、教会のツアーで来て入ったことがある」のだとか。
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今回は当然外観だけの見学ですが、私の目論見は、奥尻で休んでいた(すっかり忘れていた)「1日1ソフト」。トラピストのソフトクリームは想像通りの美味。

函館の隣の「北斗市の桜」が今日午後の”桜紀行”のもう1つのメインイベント。まずは桜スポットに向かう途中の道路の桜並木に圧倒されます。駐停車禁止の通行量の多い道路ですが、強引に停まってパチリ。
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松前藩戸切地陣屋跡では見事な満開のソメイヨシノがずっと続きます。10分以上歩いても全く見きれません。全く見事な規模の桜です。
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近くの法亀寺のしだれ桜は、見事な一本桜スポット。ここは満開をちょっとだけ過ぎている感じでしたが、でもまだ十分に見頃です。
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すぐ近くの大野川沿いの散歩道にも、北斗市自慢の桜スポットがあります。
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この桜並木は天皇皇后のご成婚記念に植樹した桜並木らしいので、2才違いですがほぼ同世代というか、「同期の桜」。何となく場違いな軍歌を口ずさみながらの散歩を楽しみました。

今年の旅から、「旅の中でも1泊は高級宿に泊まる」という方針にしていて、この日がまさにその日。今回のチョイスは函館市内の湯の川温泉の高級温泉旅館。湯の川温泉には大型高級旅館も数多あり、仕事で大半の高級旅館には泊まっているので、今回はやや小さめの”割烹旅館”を名乗る高級旅館にしたのですが…
ところが、「高級旅館で平日に一人三万円以上を払っても、いい滞在が出来ないことがある。」という見事な失敗例に!
受付から他のお客様が周りにたくさんいる場所で受付され、高級感&プライベート感はゼロ。たくさんいるスタッフは大半が手持ちぶさたで正直雑談がうるさい。案内してくれた方にフレンドリー感は全くなく、私が一言で表現すると「慇懃無礼」。妻の印象は「上から目線」。

夕食は部屋食でないことは判っていましたが、個室食事処ではなくまさかの大部屋。繰り返しますが一人3万円以上払って、隣の人と目が合い会話が丸聞こえです。食事も割烹と名乗る分、器などに高級感はあるのでしょうが、肝心な味には激しく絶望。北海道らしい食材もダイナミックさも皆無で、関東の2万円以内の旅館のレベルも下回ります。刺身の新鮮さでも翌日の函館市内の居酒屋に完敗でした。

そしてこれは旅館のせいではありませんが、函館には本当に中国人が多いことは3年前に来た時から感じていましたが、3万円を越えるこの旅館も三國志さながらに中国に征服されそうな勢い。1985年に初めて中国に行った時にはあんなに貧しい国だったのに、今や隔世の感があります。
当然、大浴場にも中国人はいて、TVのロケのようにバスタオルを巻いて浴槽に入って来て、持ち込んだスマホで遠慮なくパチパチと温泉の写真を撮っています。その後そのスマホに着信があり、バスタオルごと湯船に浸かりながら中国人特有の大声での電話が始まり、数分経ってもその会話は終わりそうにないので、呆れて温泉入浴を諦めました。
「高いお金を払っても、こういうこともある。」といういい勉強でした。今後、貧乏人らしく高いお金を払う前にはもうちょっと研究しなければいけませんね。

8日目:5月3日(木)

「早朝から中国人が風呂に来て、傍若無人な振る舞いをされる前に…」と、朝5時から無人の温泉を楽しんだのですが、脱衣場でちょっとでも音が鳴るたびにドキッとしていたので、温泉を満喫したとは言えないのかもしれませんね!?
でも、朝食は何とか満足できるギリギリのレベル。夕食同様他のお客様と相席なのは朝も同じで、この旅館を楽天トラベル・じゃらん等と同様に5点満点で評価すると、2点代前半ですかね??(これでも、誉めすぎ?)
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今日は天気予報通り朝から激しい雨。とは言え旅館に長居するつもりもなく、8時半には車をスタートさせまずは湯の川温泉近くのコインランドリーでこの旅2回目のお洗濯。コインランドリーも連休と雨で予想通りかなりの混雑。

洗濯・乾燥時間を利用してすぐ近くのトラピスチヌ女子修道院へ。函館市内から近いトラピスチヌ修道院は妻も私も何度か来たことがありますが、今回のメインは”トラピスチヌの桜”。激しい雨の中でしたが、今日はこの後の”桜紀行”がどうなるかわからなかったので、とりあえず1箇所だけでも”名所の桜”が見られたことで、少しだけホッとしました。
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コインランドリーで無事に洗濯物を引き上げ、予定通りに渡島半島の右側半分を塗りつぶす観光のスタート。

ドライブしながらも雨は次第にその激しさを増してゆきます。渡島半島を走る道路は、本当に地図通りに外周を走るルートなのですが、ワイパーを最速にしても視界は十分に確保できない運転手泣かせのドライブが続きます。
最初の観光スポット「旧戸井線コンクリートアーチ橋」も激しい雨の中なので、勿論妻は降りずに決死の(!?)私だけがカメラを構えます。
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噂通り古代ローマの水道橋のような趣のある橋… なんでしょうね!? 晴れていれば… !?

最初の目的地は恵山の登山口。活火山の白煙が眺められて、無理のない範囲で散策を楽しもうというプランは、この天気ではどう考えても無理そうです。津軽海峡も下北半島も拝めそうにもないので、断腸の思いで恵山を断念、とは言えこの辺りに全く足跡を記せないのもあまりに悔しいので、道の駅にだけは立ち寄り、建物の中からの津軽海峡パチリだけで我慢。
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恵山登山口を諦め、今度は恵山岬灯台を目指しますが、この時間帯雨は益々激しさを増し、車を運転するだけでも恐怖を感じる状態が続いたため、結局恵山岬も断念することになり、3周目に宿題を残すことになりました。

渡島半島東側海岸を北上し、今日のお昼にと計画していた鹿部の道の駅には丁度12時前に到着。おまけに何とも嬉しいことに、このタイミングで雨は小降りになってきてくれています!
鹿部道の駅の目的は2つ。1つは鹿部名物のたらこがまるごと一腹乗った「浜のかあさん食堂」でのランチ。今日からGW後半戦に突入したので大行列も覚悟していましたが、あの激しい雨のお陰なのかすぐに席が空き、念願の大きくて立派なたらこがすぐに目の前に!
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おかずがなくてもたらこだけでご飯一杯は食べられそうで、これで1000円とはとても幸せ!
「昨日の割烹旅館より全然美味しい」という妻の本音に激しく同意でした。

2つ目は鹿部の間欠泉を見ること。道の駅で料金を払い、足湯を楽しみながら10~15分毎に吹き上がる間欠泉が見られるのですが、足に装具を着けている私は足湯に入るのがいささか面倒なため、普通に立ったままで吹き上がるのを待ちます。
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(吹き上がる前)
間欠泉はどこもそうですが、音が鳴ったと思うとすぐに噴水のように勢いよく吹き上がります。
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意外にも妻は間欠泉が初めてだったらしく、満足してくれたようなのでこの場所を案内した添乗員&ガイド冥利に尽きます!

この後はもう少しだけ北上して森町まで。森と言えば何と言っても「いかめし」。いかめしは駅弁フェアや東京駅の駅弁コーナーで比較的簡単に手に入るのですが、やはりここ森駅で買うのが旅の醍醐味。
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とは言え、正確には森駅にいかめしは売ってはおらず、すぐ横の「柴田商店」さんで売っています。
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たらこで満腹になったばかりの我々には、いくらいかめしがスモールサイズの駅弁とは言え、一人1つを食べる元気はなく、この後3時のおやつとして二人で1つが精一杯でした。

森町に来た目的も桜。嬉しいことに天気予報よりも早く雨は上がってくれて、森町役場近くの桜の名所「青葉ケ丘公園」を傘を持たずに散策出来るなんて… 数時間前にはとても信じられない僥倖。
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ここ森町には世界でここにしかない桜の品種があるとのことで、この「森小町」もその1つ。正しく"一期一会"の出会いですね!?
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森町でも桜を満喫して、再び函館市内を目指します。ところが、さすがに国道5号線。大沼公園の手前から大渋滞が始まり、北海道にしては珍しく全く動きません。埼玉ではいつも煩いくらいに渋滞の事前告知をしてくれる有能なナビも、さすがに北海道なので油断しているのでしょうか、渋滞情報を一言も発しません。結局この渋滞を抜けるのに40分強、GWだからなのかいつものことなのかは結局謎のままで、北海道のドライブとしては、人生最初の渋滞体験でした!

人気の大沼公園に向かう車が渋滞の元凶ではなかったようなので、気を取り直して大沼公園でこの旅(北海道では)最後のソフトクリームへ。さすがに人気の大沼公園、アイスも行列でしたが、濃厚なミルクたっぷりの最後のアイスにも満足。
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この付近、眺めの良い展望スポットもいくつかありリストアップしていたのですが、雨こそ止んだものの展望が望めそうな天気ではなく、この辺りのビュースポットも次回の宿題に。

今日の泊まりは函館駅前のビジネスホテル。昨日の宿湯の川温泉の近くですが、今日と明朝は趣向を変えて、函館市内のグルメを満喫する予定。決して昨日の旅館の食事に落胆した故ではなく、昨日の湯の川温泉と今日の函館市内居酒屋の組み合わせは黄金の組み合わせだと(昨日までは)自分に酔っていたのですが… ホテルの駐車場は混雑すると予想していたので早めにチェックインするつもりでしたが、渋滞等で4時半を過ぎたら、駐車場も最後の一台に。

この旅北海道最後の観光は「五稜郭の桜」。でも、ここで私は自分のミスに気付きます。ネットだったか何かのメディアだったかの記憶は曖昧なのですが、「五稜郭の桜にはライトアップがあり、五稜郭タワーの入場は7時までなので、タワーの上から桜を見てからライトアップを楽しもう!」という北海道最後の夜の完璧なプランが出来上がっていた筈でした。ところが、まだ時間があるので函館駅にある観光局に寄ってみたところ、「五稜郭では桜のライトアップは実施していません!」という”断り”がご丁寧にも掲載されています。わざわざ断りが出ているということは、私と同じように勘違いする人が多いのでしょうが、ライトアップがないのであれば、ホテルで休憩する理由はなく、すぐに次のバスで五稜郭を目指します。因みに五稜郭行きのバス停の隣は函館山行きのバス停で、相変わらず凄い数の中国人らしき人たちが… 三年前同様、夜景も上海のバンド以上に中国人だらけなのでしょうね??
五稜郭タワーの上から見る桜は噂通りの絶景。
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松前から始まった桜紀行、2日間かけて道南の名所はすべて満開の桜が見られて、これ以上ない程の旅になりました。
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タワーを降りて五稜郭の中を少しだけ散策。「間もなく7時なのでクローズ」の案内が流れる中を、最後の桜と最後の名残を惜しみます。
「桜さん、また来年会おうね!」
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五稜郭のお堀のほとりにはライトアップではないけれどぼんぼりの灯りがあるので、名残が尽きない我々は最後まで散策を続けます。
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函館市内での夕食は居酒屋を予約済。三連休で居酒屋探しに苦労した高知や松江での経験があるので、そこはしっかりと学習しています。今回予約していたのは友人のオススメで3年前にも来た居酒屋「いか太郎」。その凄い刺身のボリュームに圧倒され、前回は刺身だけで満腹になったのですが、今回「北海道最後の晩だから、刺身に加えてジンギスカンと旨いアスパラがどうしても食べたい!」という我々のワガママを叶えてくれそうなお店として、この「いか太郎」を選んだのです。
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予約時間は8時、予約のお陰ですぐにテーブル席にご案内いただきましたが、この時間でも10名以上が席の空くのを待っています。やはり、事前予約は大正解!
まずは前回同様の刺身盛り合わせ。これで2000円ですから前回同様信じられないコスパ。
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今回、季節ではないとは言え一度もお目にかからなかった"イカ刺し"。ここでも"時価"なのですが、最後の晩なので躊躇なくオーダー。
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それ以外にも海産物中心に料理を頼み、予約者へのサービスの懐かしい"鯨ベーコン"までいただくと、もうかなり満腹に。
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期待していたアスパラのメニューは残念ながらなかった上にすっかり満腹になってしまった我々。
3年前に続いて今回も、ジンギスカンを諦めることになってしまいました。


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【2018年GWの旅】道南&桜紀行<その3:長万部・江差と奥尻島> [日本二周目]


4日目:4月29日(日)


この日の予定は、日本海側のせたなとその周辺をちょっと見た後に太平洋側に移動、地名に馴染みのある2つの町を見てから再び日本海側に戻るという、1日で太平洋と日本海をどっちも満喫しようという超贅沢な1日。太平洋と日本海との間が日本一狭いこのあたりだからこそ出来るスゴ技です。

まずは宿泊したせたな町に敬意を表して2つの公園を訪ねてみます。どちらも花が咲いていればきれいなのでしょうが、北海道の4月ですからそこは計画段階から期待薄。

最初の浮島公園は、池を取り囲む公園ですが、やはり花はまだ。

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そのかわりという訳ではありませんが、たくさんの野鳥が競って鳴いていて、野鳥の会の会員の皆さんには堪らないスポットなのかも知れませんね!?

次の玉川公園には水仙は咲いていますが、その他にはこれといった特徴がない公園。

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かなり公園は広そうですが、我々はさわりだけを見て先を急ぎます。


ここせたな周辺も、岩内あたり同様ガイドブックには殆んど載っていない町ですが、"塗りつぶし"を目論む我々は、ネットで観光スポットを探して訪ね歩いてゆきます。次のスポットは日本初の女医さん達が明治時代に理想郷を目指して建てた「今金インマヌエル教会」。

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失礼ながら理想郷にはほど遠い気がしますが、当時はこんなところに夢を託したのでしょうか? GWとは言え、勿論こんなところに来る物好きな観光客は我々だけのようです。


ここ今金にも鉄道遺産があるというので立ち寄ってみます。岩内線と同じく函館本線から分岐して日本海を目指した瀬棚線の今金駅跡。

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前日に訪ねた幌似駅のように駅舎がある訳ではなく、少しの線路と周辺の駅も含めた駅名標だけが残っています。

隣には巨大な風車のあるビルがありますが、近づいてみても何に使われているのかが皆目見当がつきません。

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太平洋沿いに出て、40年以上名前はずっと知っていたのに一度も行ったことがない町の代表格とも言える町「長万部」に行きます。まずは駅に行き北海道新幹線の停車駅にもなるらしい長万部駅にご挨拶。

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この駅にも何年後かには新幹線が停まるのですね… その時には、降りてみたいと思いました。


ここ長万部、せたなや岩内以上に観光スポットが見当たらず、観光案内を見ても温泉ばかり。なので、ここでは私には珍しく大学を訪ねてみようと思います。長万部駅にも看板があるように、ここには東京理科大学の長万部キャンパスがあるとのこと。

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基礎工学部という学部の一年生全員は、ここ長万部で全員寮生活を送るのだとか…? 高校生時代、猛烈に北海道移住に憧れ、北大の学生寮に憧れていた私。せめてここ長万部で憧れの巨大な田舎キャンパスライフと寮生活に夢を馳せることで、長年名前を見知った街、長万部の観光にすることとします。

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車で想像通り広大なキャンパスに入り、メインらしい建物の中の受付に名前を書いて図々しくも見学させていただきます。

食堂には立派な絵が掛かっています。明治時代に前身の東京物理学園を作った創始者たちなのだとか。

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たくさんある教室には、PCなども完備。この日は日曜日なのに一生懸命PCに向かっている学生さんもいました。

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体育館にはスキー用具もたくさん。全て学校の備品で学生は自由に使えるらしいというとても羨ましい環境。

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ゴルフクラブ(アイアン)を持って外に行く学生の後をついていくと、そこにはいわゆる"打ちっぱなし"のゴルフ練習場まであります。

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受付で貰った案内によると、すぐ裏のここが学生寮らしいのですが、さすがにそこまでは入れません。

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長万部の一風変わった観光を楽しみました。


長万部と言えば有名なのは駅弁の「かにめし」。高2で初めて北海道に行った時にも、この駅弁を食べたらしく40年前の包装紙が残っています。(実はあんまり記憶にはありません。)当然この日の昼食はこのかにめし。駅弁ではありませんが、駅弁の会社「かなや」のドライブインでいただきます。

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その後、北海道に来るたびに何度か食べてはいるので、懐かしい味でした。


太平洋沿いのもう1つの町は八雲。乗っていた急行や特急が何度か停まった記憶がある町なので、ここも塗りつぶしを試みます。1つ目の観光は八雲神社。この八雲神社は愛知県にある熱田神宮の分社という由緒ある神社とのことなので、ここでもステッカーがあるのを期待しての訪問。でも、反対側からアプローチしたせいで駐車場すら見つけられず、路駐して慌てて参拝したものの無人の神社でお札等の売店もありません。

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もう1つの八雲のみどころは、高速道路のサービスエリアと一体になった、「噴火湾パノラマパーク」。子供と遊べる広大な公園と噴火湾が見渡せるビュースポットなのですが、今回北海道に来て以来雨こそ降らないもののずっとパッとしない天気が続いており、この日もPM2.5を疑いたくなるようなすっきりしない曇り空。噴火湾の絶景はお預けでした。

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ここ噴火湾パノラマパークの「白い恋人ソフトクリーム」というのが最近かなりの人気らしく行列が出来ていましたが、"1日1ソフト"の我々が目指したのはすぐ横にあるソフトクリーム有名店。こっちも行列でしたが、白い恋人の方に並ばなかったのを後悔しないハイレベルな味でした。


八雲から日本海側に戻る雲石国道は、旅行前に毎日見ていた北海道峠道のライブカメラでは、最後の方まで雪が残っていた場所。出発数日前に路面の雪はなくなったようなので、真狩村の恐怖を思い出しながら結構急な峠道を走ります。峠付近にはまだかなりの残雪がありましたが、路面には雪はなく真狩村のように降りて写真を撮る程でもなく、無事に日本海側にたどり着きました。

再び日本海側のビュースポットへ。まずはせたな町の親子熊岩までちょっと戻って観光。

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桜の名所でもあるらしい「鮪(しび)の岬」では車を停めて散策してみましたが、早咲きの桜がちらほら咲いていて、今回北海道で最初に見られた桜になりました。

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ネットには「東洋のグランドキャニオン」と紹介されている「館の岬」。さすがに、”グランドキャニオン”と名乗るのはどうなのでしょう?

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江差に入り、このルートでは数少ないコインランドリーに洗濯物を放り込み、洗濯と乾燥が出来るまでの時間を使って、近くのホテルで日帰り入浴を楽しみます。

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こんな場所(失礼!?)で、バリアフリーを標榜している宿に大いに興味があり、敬意を表して"せめて日帰り温泉だけでも"と体験させていただきます。ロビーには、車椅子の方も何人かいらっしゃいましたが、皆さん温泉に入れるからかとても嬉しそうでした。車椅子で入れるスロープ付きの温泉は、写真で見るより若干小さめでしたが、車椅子で温泉に入る夢を与えてくれることに、障がい者のはしくれに連なる者としてただただ感謝でいっぱいです。


今日の宿は江差のビジネスホテル。繁華街にあるホテルなので居酒屋での夕食には困らない筈なのですが、今日は日曜日なので開いている居酒屋がとっても少なく事前には候補を絞り込めませんでした。ホテルのフロントで相談してみましたが、経験が浅そうなスタッフは全く頼りになりそうになく、「日曜日だからなぁ~!?」を繰り返しています。案の定、ホテルに紹介された唯一のお店は日曜定休。何十年もここ江差で営業しているレストランもないホテルなのに、夕食ガイドマップの1つもないなんて、やっぱり競合がない地域のホテルはダメですね!?

次に来る時までに、「東横イン」できないでしょうか?


そんなケースも薄々予想していたので日曜日でも開いている居酒屋をリストアップしていた抜かりのない我々は、そのうちの1つの小さな居酒屋に無事に入ります。この居酒屋の情報はネットでもあまりありませんでしたが、さすがに江差なので刺身は新鮮。

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小さいお店なのでメニューは少なく、好きなものをたらふく… とはいかなかったものの、それなりに満足してホテルに戻りました。


5日目:4月30日(月)


今日は午前中は江差の観光をして、昼過ぎのフェリーで奥尻島に渡る予定。朝食はこの旅唯一前日にコンビニ(北海道ですから、勿論セイコーマート)でパンを仕入れて、部屋でいただきます。失業中の日本一周の時には大半がこんな朝食だったのですが、今回は11日間でたった1回だけ! 全く贅沢になったものです。

8時過ぎにホテルを出て、まずは江差の町と観光スポットの距離感を掴みそれぞれのスポットにほど近い駐車場を下見。

観光のスタートは、まずは入場するつもりのないところから。旧檜山爾志郡役所は、資料館があるようなのですが我々は開館に関係なく写真に納めるのみ。

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入口横には、開陽丸沈没を嘆いた土方歳三が悔しがって叩いたら松がぐにゃっと曲がったという伝説の「土方歳三嘆きの松」もあります。昔の怪力は桁外れというより大袈裟ですね!?

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すぐ近くには法華寺が。ここの絵は有名らしく9時以降@300円を払えば見学出来るようなのですが、我々の興味はこのお寺の桜。ちらほらと咲いているのが見えましたが、まだ数日早かった感じでしょうか?

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次は「江差はここから始まった」とも言われるかもめ島を少し散策してみます。江差のシンボルにもなっている瓶子岩、根本が削られていて倒れないかどうかが少し心配です。

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このそばにはその沈んだ開陽丸が復元展示されていて、HPでは入場出来るように書いてあったのですが、どうやら外観だけのようです。

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江差観光のメインは昔の町並みが保存されている「いにしえ街道」。まずは江差のお祭りの時には主役になる小さな神社、姥神大神宮。

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下見のお陰でみどころの一番真ん中に金融機関の駐車場があることがわかり、今日は祝日なので停めさせていただきぶらりと散策します。

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こういう昔ながらの町並みが私は本当に大好きなのです!

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旧中村家住宅は、鰊番屋ではなく鰊で栄えた江差きっての近江商人の旧宅。狭くて急な階段を2階には上がれないので、1階と地下だけを楽しみます。

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江差のもう1つのメインは江差追分。江差追分会館では11時から実演があるのにあわせて入場。

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追分会館は山車会館(江差では"やま"かいかんと読むらしい)も併設していて、江差にはゆかりがない偉人(例えば水戸黄門)などのお祭りの山車(やま)が展示されています。

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江差追分は昔日本一になった名人の唄を聞きましたが、正直あまり違いはわかりません。

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フェリーのチェックインは12時20分までには行う必要があると言われていたので、急ぎお昼を。江差での昼食は名物のニシンそばと決めていたので、旧中村家と並ぶ旧家のニシンそば専門店の横山家に入ります。ここのメニューはニシンそばたった一品だけ(大盛すらない)だし、いくらGWだからとは言え11時半に席に着いた(=オーダー完了)のだから楽勝だろうと甘く考えていましたが、30分経って12時を越えても我々のニシンそばは一向に運ばれてくる気配はありません。断って席を立とうと真剣に考えていた12時10分頃ようやく我々のニシンそばが運ばれて来ます。

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忙しかった営業マン時代に急ぎ駅の立ち食いそばをかきこんだことを彷彿とさせる必死の昼食。これでは@1000円のニシンそばを味わう余裕は全くありません。


奥尻島へのフェリーには愛車を積み込みます。この自動車輸送料金は片道15000円を越える金額なので、当初は江差に車を置いて奥尻に渡ろうと目論んでいたのですが、2ヶ月程前に奥尻に1つしかないというタクシー会社に貸し切り観光のことを聞こうと電話したところ、「今、申し込んだ以降は、代金全額がキャンセル料としてかかります!」と、まるで詐欺のような超あくどい条件を突き付けられました。普通のタクシー観光で2ヶ月以上前に申し込んだ直後からフルチャージなんて、30年以上旅行業界にいた私も聞いたことがありません。独占企業だからこそ出来る常識外の条件がのめる筈もなく、怒りにうち震えながら「奥尻になんか行くものか!」と電話をブチ切りました。

少し経って冷静になると、「たったこれだけのことで奥尻を諦めることはない。」という気持ちになり、とは言え奥尻では絶対にあんなタクシーは使いたくないので、3万円の出費はとても痛いけれど、愛車を積み込むことにしたのです。

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つまり奥尻に行くのなら、普通の旅行者ならば絶対にレンタカーがオススメ。片手片足運転の私はレンタカーを運動出来ないのが本当に悔しいです!!

今日も風が強く、そのためか波も高くフェリーもかなり揺れています。念のため酔い止め薬のトラベルミンを埼玉から持っては来たものの、肝心な時に車の中に忘れてきたという失態を犯した私は結構酔ってしまい、酔いに苦しむ我慢の2時間でした。


奥尻島着は3時過ぎ。奥尻島滞在はたったの24時間なので、せっかく愛車を持ち込んだのですから、この日の3時以降の時間も無駄にはしません。まずは島を横断して奥尻ワイナリーに向かいます。

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島で栽培したブドウでしか作らないという奥尻ワインは、島で採れるそのブドウには塩気があり、「これがワインとしては意外に旨い!」という噂を何人かの知人から聞いていて、ワインはそれほど好きではない私も興味津々。ワイナリーでワインが買えればいいのですが、見学は事前予約が必要とのことなので、ちゃんと予約を済ませています。

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「ワインはブドウが採れただけしか作らない。」などの説明を受けた後はお待ちかねの試飲。とは言え、運転手の私は試飲できないので、試飲役はワイン好きの妻にお願いし、土産で仕入れるワインのチョイスは妻に委ねます。

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地域活性化などと偉そうな事を言うつもりはありませんが、今回の旅のお土産はせめてもの気持ちを込めてその大半を奥尻島で買うつもりにしていたので、奥尻ワインをそれなりに仕入れて車に積み込むのを手伝っていただきました。

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(埼玉に持ち帰って美味しくいただいた奥尻ワインです。)


ワイナリーのすぐそばには、奥尻島でも有名な神威脇温泉があります。

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地元民に愛される銭湯のような雰囲気の温泉は、「一階は熱いけど二階に上がれるならばそんなに熱くはないよ!」と受付のおばあさんに言われましたが、もとより事前情報収集で"展望風呂"の二階に上るつもり。何とか二階に上がっれましたが、眺望はともかく二階のお風呂もかなり熱く、これ以上という一階のお風呂がとても気になりました。次回は必ず一階に入ります!


奥尻の宿は旅館と民宿の中間ぐらいで、"御宿"と名乗る宿。料理の評判で選んだ宿なので夕食の時間6時半には間に合うように宿に向かいます。まだウニの季節ではなく、イカにも少し早いけれど、奥尻の海鮮をたらふく食べ、それなりに満足しました。ここで初めて奥尻ワインを味わいましたが、ワインをたくさん仕入れたことが間違っていなかったことがとても嬉しい一夜でもありました。

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6日目:5月1日(火)


毎年、5月1日には奥尻フェリーのせたな航路がオープンし、港では海開きならぬ「島開き」のイベントが開催されるという記事をネットで読み、楽しみにしていたのですが、今年の開催告知等はどこにも記載されていなかったので宿の方に聞いてみたのですが、「島開きは10年開催したので、昨年からはもうやっていない。」とのこと。フェリーの割引キャンペーンも繁忙期だけの取り組みだったり、どうも奥尻の観光行政は(GWなのに)繁忙期でない時期に来る観光客には極めて素っ気ないようです。


気を取り直して、今日は午後のフェリー出航まで奥尻を一周してその魅力を見倒す予定。まずは宿すぐ近くにある宮津弁天宮へ。

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駐車場から見るとほぼ同じ高さにある弁天宮なのですが、そこまでのアプローチは急な階段を下って昇ることは事前のリサーチで知ってはいたのですが、手すりはあるものの想像通りの急階段なので、予定通り対面から写真を撮るだけで満足することにします。


ちょっと右に曲がったラグビーボールのような奥尻島を時計周りに観光。数時間後にはまた来なくてはいけないフェリーターミナルを過ぎ、奥尻の象徴ともいえる「なべつる岩」へ。

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ネットや写真で散々見た奥尻島のシンボルですが、やはりこの場に立つと感無量。「色々あったけど、奥尻に来て良かった??」と思った瞬間。


奥尻のもう1つのシンボルは「うにまる」。ゆるキャラのうにまる君に会えるかどうかはともかく、うにまるモニュメントは車で走っていると見落としそうな場所にあります。

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向かい側のうにまる公園の中には、我々古いプロ野球ファンにはとっても懐かしい、奥尻島出身の阪急ブレーブスの背番号11番佐藤義則投手の記念館があります。妻には全然知らない人なので全く興味はなさそうですが、強引に入口まで連れて行ったものの何故か無期限の休館中。妻はほっとしていましたが…

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奥尻島最下部は青苗地区。ここには奥尻観光の際に避けては通れないと言われる「奥尻島津波館」があります。 まずは入口近くにあるモニュメント「時空翔」。

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地震・津波の日である7月12日には、この窪みにちょうど夕陽が沈むように設計されているのだとか。


北海道南西沖地震と奥尻島の津波被害については、勿論一般的な知識としては知ってはいたのですが、その後東日本大震災をリアルタイムに報道で見て、その後の惨状も見ている者としては、どうしても「あれ程ではないでしょ?」的に考えてしまっていたことも事実です。奥尻島津波館に入り、「時間があれば、説明します」との申し出を素直に受け、その時の状況をご説明いただいた途端、私の持っていた一般的な常識などでは計り知れない、その状況が映像を見る以上のリアリティをもって、我々に迫り来たのです!


1993年7月12日夜10時17分、突然来たその地震の揺れは1分半続き、早いところでは揺れが収まってからたった1分半後に、10メートルを越える津波が押し寄せたとのことですから、その恐怖を比べることは出来ないものの、ある意味逃げる時間を与えない突然の深夜(朝が早い奥尻の町民にとっては、10時過ぎは深夜!!)の津波の恐怖は想像出来ないくらいだったのでしょう。話を聞き始めてからは、我々夫婦も唖然として一言の言葉も発することができずに、ただただ目に涙を浮かべながら展示物を凝視することしかできない約1時間でした。

「奥尻観光には絶対に欠かせない場所」の意味が十分に理解出来ました。


青苗岬は津波館のすぐそば。こんな低い土地には、いつ来るやも知れない津波に備えてあれ以来住居は作りません。

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気分を切り換えて奥尻島の観光を再開。青苗地区のすぐそばには奥尻空港があり、函館から1日1本の小型機が来ているのですが、時間が合わない今は全く航空機もいないただの野原?? この後、奇岩が連なる西海岸を観光。対向車も殆んど来ないので、眺めがいい場所で遠慮なく車を停め、パチリ。

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北追岬公園にはらしくないモニュメントが… よくよく探すと、作者の名前が極めて控えめに表示されています。

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この辺りには、昨日来たワイナリーと神威脇温泉がありますが、今日は勿論通過。


奥尻観光のもう1つのハイライトは、球島山。頂上すぐ近くまで車で来られて、ほんの僅か手すりのある階段を登れば頂上に着き奥尻の雄大な景色が見下ろせる私にも嬉しい風景です。

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この日も天気は何となくすっきりしない1日でしたが、ここで晴れた絶景が見えてしまうともう一度奥尻に来る理由が無くなってしまう気がしたので、これでいいのです。

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奥尻島には観光で立ち寄れるレストランもさほど多くはなく、この日の昼食は最北部のドライブイン。名物のうに丼はまだその季節でないのは判っていたのですが、店員さんの挨拶代わりのフレーズは「すみません。うに丼はまだ出来ないのです」 。一縷の望みは抱いていたものの、諦めてここでしか食べられない「なべつるカレー」と焼いたツブ貝を注文。

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海産物がたくさん入った奥尻らしいカレーと言えなくもないのですが、レトルトカレーに海産物をたくさん入れて煮込んだような味。最近、レトルトカレーのクオリティが上がっているので、決して悪口ではありません。

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最北部のみどころは賽の河原。海難者などの幼少者を祀る道南五霊場の1つなのだとか。

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我々も将来ある筈だった幼少者の鎮魂のために、線香を上げます。

ちなみに、この辺りが地震の揺れが収まった僅か90秒後に津波が押し寄せた場所とのこと。その時の犠牲者の方々にも鎮魂します。

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これで、奥尻島一周観光を終えてフェリー乗り場へ。タクシー観光では僅か3時間のコースらしいのですが、我々はゆっくり6時間楽しみました。

最後は島最大のお土産屋さんで、今回の旅のお土産を揃えます。奥尻復興祈念のささやかな気持ちです。


折り返しのフェリー到着に会わせて、埠頭にはうにまる君がお出迎え。

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うにまる君に再訪を誓って奥尻港を後にします。

帰りのフェリーにはトラベルミンを飲んで備えたのですが、行きほど揺れず快適な船旅。就航1年目の新型船の実力はさすがのようです。


6時過ぎに江差港に戻り、今日の宿であるすぐ近くの「寿司屋民宿」に向かいます。

上ノ国の岬に建つこの日一軒宿民宿のウリは、日本海に沈む夕陽。私の計画では夕陽が沈む5分前に宿に着き感動的な夕陽ショーが見られる完璧な予定でしたが、くもり空のこの日太陽が顔を出すことはありませんでした。


夕食は当然のようにお寿司。(首都圏の)デパート物産展の常連らしいご主人ですが、昨年私と同じ病気で同じく右半身に麻痺が残ったらしく、現在寿司は若いお弟子さんらしい女性が握っていました。

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病気に負けず、お互いに頑張りましょう!!

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【2018年GWの旅】道南&桜紀行<その2:雪景色と積丹とせたな> [日本二周目]


2日目:4月27日(金)


何度もフェリーで旅をしたお蔭なのか、フェリーにも大分慣れたので爆睡することができ、9時前に床に着いて以降全く目覚めずに4時半頃に目覚めます。そういえば昨日フェリーのインフォメーションに今朝の日の出時刻が4時半過ぎと書いてあった記憶があったので、ロビーに出て外を眺めてみます。残念ながら既に太陽は雄大な太平洋から顔を出していますが、「おはよう!良い旅を!!」と言ってくれているようで気分のいい朝のひとときでした。でも、船の窓越しの写真はやっぱりダメですね!?

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フェリーの朝食代金@800円は個人的には少し高い気がしているので、前2回は朝食用にパンを仕入れて乗船し、船室で小さな窓から海を見ながら食べたのですが、今回のスイートルームは朝食付きなので、初体験の朝のレストランに向かいます。"朝は洋食派"になった私には、パンの種類が少なく朝の内容はちょっと不満。やっぱり次の時には朝食は持ち込むことになると思います。

船室のTVで退屈しなかったお蔭で、毎回楽しんでいたロビーでのピアノコンサートにも行くのが面倒になり、結局パス。くだらない長年のささやかな疑問に答えを出すチャンスだったのですが…


苫小牧着は定刻11:00。下船はいつも通りとてもスムーズで、あっという間に苫小牧の地を走ります。でも、毎度のことながらナビにはなかなかこの状況が理解できないようで、仙台市内を表示したりだだっ広い海の上を走ったりを繰り返し、5分ぐらい経ってようやく「北海道に入りました!」と高らかに宣言。でも、ナビが本調子になるまでには、この後まだ10分程度は時間が必要です。


苫小牧での昼食は北海道最初のお楽しみ。前々回はネットで見つけた定食屋さん弐七(ニイナナ)で美味しい海鮮を味わい、前回は超有名店マルトマ食堂にトライしたものの行列1時間以上でしたので、今回は行列に並ぶ気はないので、もう一度弐七でもいいけれど出来ればお店のレパートリーを増やしたくなって苫小牧唯一の高級回転寿司と言われる店を目指します。この旅では、この日以外には回転寿司の昼食は食べられそうにないこともあり、このチョイスになりました。

高級回転寿司店「旬楽」は、まだ12時前なのでガラガラ。

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「人気ないのかな?」と一瞬不安がよぎりますが、気にせずにまずは苫小牧と言えばホッキですから、何はともあれホッキから。

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(生のホッキと炙りのホッキ)

その後も、「北海道、来たぞぉ~!!」という勢いで値段を気にせず名物を食べたので、会計は予想通りそれなりの額に。

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北海道で、はじめて回転寿司で感動した「なごやか亭」に匹敵する(上回る)お店にはなかなか巡り会えません。


過去2回の苫小牧では、お昼を食べたらすぐに先を急いで苫小牧では何も見なかったので、1箇所くらいは観光地を見て行こうと思い選んだ場所は「樽前山神社」。これから8日間の北海道ドライブの安全を祈願しようと思ったのと、前回の北海道ドライブでは殆んど神社に行かなかったため、マイカー後部の安全祈願ステッカーが北海道だけは一つもありません。仕方なく北海道に上陸した証として「宗谷岬」のステッカーを貼っているのですが、もしかしたら交通安全のステッカーが手に入るかも?と思っての訪問です。

樽前山神社のかなり大きな鳥居が遠くからでも見え、ステッカーへの期待が高まります。まずは鳥居同様予想外に立派な神社に交通安全を祈願。

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お札等の販売所には何となく見覚えのあるオレンジの交通安全ステッカーがあり、嬉々として購入します。

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「でも、このオレンジ色のステッカー、絶対どっかで見覚えがあるぞ!?」とずっと考えていたのですが、昭和の時代北海道のバス会社(確か中央バスだったと記憶しています)の何台もの大型バスに漏れなく貼ってあったことを、その日のうちに思い出しました。

この旅の目標の1つを、2日目にして早くもクリアです!


予定ではこの日、久し振りに白老のアイヌ民俗村に行くつもりでしたが、3月末をもって2020年までの長期改修に入った情報を直前まで知らず、4月になってHPで知りいささか慌てました。やっぱり業界を離れて早3年、情報にはめっきり疎くなりましたね。

ということで白老もスルーして高速道路で一路洞爺湖を目指します。今回北海道最初で最後の高速を降りて、最初の目的地は「道の駅とようら」。今回の旅でソフトクリーム好きの我々夫婦のささやかな目標は、「1日1つソフトクリームを食べる!」という日頃ダイエットに取り組んでいる高齢者夫婦とはとても思えないものなのですが、「この旅行期間はダイエットはお休み」ということにしています。洞爺湖付近のソフトクリームと言えば、2回連続で行った「レイクヒルファーム」を思い出すのですが、3回連続というのはいささか芸がない気もして、イチゴで有名な豊浦町の名物を選択。写真を見る限り、大きなイチゴがゴロゴロとソフトに載っているイメージでしたが、実際は小さくカットされておりいささか期待外れ。

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この後レイクヒルファームを通り過ぎた時、「やっぱりここにしておけばよかったね!?」と反省しきり。さすがにダイエット休憩中とは言え、1日2個のソフトはこの年齢では無理です。

ところでここ豊浦は、ボクシングの元世界王者内藤大助さんの出身地だそうです。

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洞爺湖畔に立ち寄り3年振りの洞爺湖にご挨拶。この日というかこの旅行全般で何となく視界がぼやけているようなはっきりしない天気で、いつもならはっきりと見える中島もぼやけています。

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洞爺湖の全景を楽しむべくいつものサイロ展望台まで昇って見ましたが、展望台からの洞爺湖もやっぱりぼんやり。

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この後は羊蹄山のビュースポットをいくつか回り、日本海側の宿泊地までドライブの予定なのですが、実は今回の旅行を計画するにあたり、一番悩んだのは4月とは言え「峠道に雪が残っていないかどうか…」。例年であればこの時期なら大丈夫なことが大半のようなのですが、それでも天気のことですから「絶対に大丈夫」はありません。関東の軟弱ドライバーでノーマルタイヤしか持っていない私は、結構直前までこのために「4月に北海道に行くべきかどうか」を実は大いに悩んだのです。フェリー代金を支払い覚悟を決めた後も、毎日北海道の峠道のライブカメラを見ながら一喜一憂していました。洞爺湖からルスツに抜ける道には危惧した残雪は全くなく、安心してナビに道案内を任せて運転していたのですが、そのうち徐々に高度が上がって行き、豪雪地帯として有名な細川たかしの故郷「真狩村」に入ると路肩に残雪がポツポツと現れ、嫌な予感が…  徐々に路肩の雪は増え始め、あっという間に道路以外は一面の銀世界になり、大いに慌てます。

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でも、一番雪深いエリアでも路面には雪はなく、高度も徐々に下がると路肩の雪もどんどん減ってゆきます。結果だけ見ればスリリングでいい体験をさせていただきました。


そんな思いをしてまで拘った羊蹄山のビュースポットですが、曇りがちの天気で雲はかかっていないのに羊蹄山がはっきりとは見えないのです! いくつか訪ねたビュースポットからのベストショットがこれだなんて、すぐ近くまで来ているのに好きな人に会えないようなとってももどかしい気持ちで、悲しくなってしまいます。

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この旅の北海道最初の宿泊地は日本海に面した町岩内。昭和の時代には函館本線から分岐したローカル線「岩内線」があったので知ってはいたのですが、結局このローカル線にも乗らずに廃線になってしまいました。まだ近くの山にも雪が残る岩内の宿は温泉。この日と翌日は有名な温泉旅館ではなく、地元の人たち向けの銭湯というか健康ランドを兼ねたような温泉ホテルで、両日共に値段は高くはない旅館の中では最高級の料理を頼んでいます。


確かに風呂は地元の人たちで混んでいましたが、夕食を食べている宿泊客は我々ともう一組だけ?

でも、さすがに夕食は豪華でした。

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3日目:4月28日(土)


朝風呂は予想通り貸切。明け方の露天風呂を堪能しますが、やっぱりまだ北海道は寒い! 露天風呂は寒すぎてすぐ出てしまいました。

人数が少ない寂しい宿の朝食を食べると、ホテルではもうすることがないので8時半前にはチェックアウトしてこの日の観光の開始。


まずはホテルすぐ近くの円山展望台を目指します。展望台への道は車で昇れる道だったのですが、坂の途中に雪が残っています。昇り(下り)の道で雪によりスリップした時の展開が予想できず、ビビった私は歩いて登るのも大変そうなので、あっさりこの展望台をパスしました。各地で次に来る理由を残しておくことで、"3周目"のモチベーションにするためではありませんが、どうしても来たかった場所でもないので、旅の最初に無理は禁物と考えた故です。ホテル駐車場から撮った写真はこれです。無理してここに上ればもう少しいいダイナミックな風景が見られたのかも知れませんね?

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岩内町内で見たかったお寺はまだ9時前なのでちょっと後回しにして、昨日岩内の観光案内所で貰ったパンフレットで見つけた隣町の鉄道遺産へ。幌似鉄道記念公園というその場所は、旧岩内線幌似駅の駅舎や駅名標がそのまま保存されています。

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「大学生時代、仮にこの岩内線に乗っていたとしてもこの駅には絶対降りなかっただろうなぁ!?」なんてことを思いながら、列車と駅舎をパチリ。

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残雪ながら駅舎には入れません。駅舎の公開は5月からなのだそうです。今日からGWなのに!?


岩内町内に戻って、帰厚院という「東日本以北では最大級」という大仏さまを見に行きます。ごく普通のお寺に入場料も払わずに入ると、すぐにお寺の建物内にしては意外に大きな大仏さまとご対面。

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お寺の中では、法要の準備をしている感じで何人かが忙しそうにしています。クチコミでは「親切に由来等を案内してくれた」こともあったようですが、我々には親しげに「どこから来たの?」などと話しかけてはくれたものの、期待した由来等には一切触れずに終始雑談ばかりでした。


この日午前中は、積丹半島西海岸のドライブがメイン。積丹半島には何回も来ていますが、いつも小樽側より東海岸を神威岬までが定番で、西海岸に私の足跡はありません。西海岸には東海岸ほどの有名観光地も遊覧船もないのですが、ここにも足跡を残して塗りつぶします。

岩内から積丹半島に入って最初の村は泊村。泊と言えば原発が有名ですが、原発を見ても仕方がないので我々は唯一の観光資源に近い「鰊御殿とまり」を訪ねます。

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今回の旅では、日本海各地でかっての鰊漁の栄華と鰊が取れなくなってからの衰退をたくさん目の当たりにしましたが、「本当に華やかだったんだろうなぁ~!? 」と在りし往時をしばし夢想します。

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その後もネットで懸命に調べた積丹西海岸の観光スポットを探しながらのドライブが続きますが、案内看板が殆んどなく、"見たい!"と考えていたビュースポットがどうにも見つかりません。確かに我々ドライブ観光者は 地元自治体に殆んどお金を落としませんから、そんな通りすがりのツーリスト用に案内看板を出すのはお金の無駄とお考えかもしれませんが、そうなるとここ積丹西海岸がメジャーな観光地になる日はいつまでも来ないのではないでしょうか? そうは思いませんか? 神恵内村さん??
案内看板も何もないので、いい景色をたくさん見逃したことと思います。ネットにもパンフレットにも力を入れて紹介している展望台なんて、往復2回必死に探しても昇り口さえ見つからないのです。


積丹西海岸の終点は神威岬。ここ神威岬には小樽方面から何度か来ていて、ここは4年振りです。徒歩10分程度歩き、前回同様女人禁制の門あたりまでは行こうと考えていたのですが、駐車場に着くと信じられないくらいの激しい強風が吹いていて、大袈裟ではなく車のドアが開けられない状態。(開けても強風ですぐにバタンと閉まってしまうのです。) 数分経ってどうにか車からは出られたものの、今度は強風にこの巨体が持っていかれそうになり、さすがにこの状態では岬への歩行を断念します。思えばこれが日本海側の強風に悩まされ続けたこの旅の、最初の強風の洗練でした!


積丹西海岸を戻りながら、「あの時の襟裳岬と今日とでは、どっちの風が強かったか?」を妻と議論。普段はともかく、この日の風はあの時の襟裳岬以上だったと思います!帰りもいい景色を見ながらのドライブが続きますが、いい景色だからと止まるタイミングも駐車スペースもなかなかありません。この景色が関東あたりにあれば看板も駐車場もすぐに出来るのでしょうが、ここは北海道ですからいちいちそこまでの対応をしていたら、看板や駐車場がいくつあっても足りない… からなのでしょうか?

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宿泊した岩内を過ぎて寿都の町へ。本日の行程のメインイベントである寿都名物のカキの昼食に向かいます。ところがナビが示した地点にレストランはなく、よくよく見ると「2キロ先に移転しました。」という小さな案内看板を発見して、急ぎ向かいます。着いたところにはバラックのような建物が建っていますが、大きな駐車場はほぼ満車状態で係員が交通整理にあたっています。もう1時を過ぎた時間ですが、カキ小屋には待っている人が10人以上。勿論、我々も迷わずその仲間に加わります。

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この「吉野カキ小屋」の名物は蒸しカキの食べ放題らしいのですが、今や食べ放題で元が取れる程の食欲は我々老夫婦にはとてもないので、カキは二人で3キロ(約15個)をオーダー。カキめしも頼んでカキが蒸し上がるのを待ちます。

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さすがに寿都のカキは有名なだけあって、とっても美味。レモンを絞ったり味変でタバスコをかけたりすることを薦められましたが、どうやって食べても抜群のその美味しさは変わりませんでした。

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昼食ですっかり満足した後は、せたなまで日本海沿いをドライブ。このルートでもいくつかのみどころをチェックしていたのですが、ちゃんと寄れたのはここ弁慶岬ぐらい。でも、ここも凄く風が強かった!!

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実際には一度も北海道には渡っていないはずの弁慶。一度も来ていないこんな岬に自分の名前が付き、(本当に似ているかどうかはともかく)自分の銅像が建っていることを弁慶が知ったら、いったいどういう気分なのでしょうか?


せたなが近づき、いくつかの観光地では車を降りて写真を撮りながらのドライブを続けます。

突然見えた「横滝」に慌てて車を停めて、シャッターを切ります。

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ここにも積丹と同じ名前の岩がある「窓岩」。積丹との違いはちゃんと案内看板があるかどうか…

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せたなが近づくと、せたなを象徴する三本杉岩が見えます。でも、「三本杉岩」と言っても3つの岩のうち一つだけは少し離れていて、1枚の写真に収めるのは私の腕では無理でした。

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近くからパチリと撮った後、全体が見渡せる展望スポットから眺めますが、ここでも1つの岩は隠れてしまいます。

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せたなには、風海鳥(かざみどり)という日本唯一の海上の風力発電があります。

「ここもやっぱり風が強いんだろうなぁ~!?」と思わせる風景でした。

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今日の「1日1ソフトクリーム」はここせたなでリストアップしていたのですが、4時までの営業時間はもう過ぎてしまい、仕方なく宿に向かいます。ソフトクリーム屋さんの営業時間は明日は11時かららしいので、せたなでのソフトクリームも"3周目の宿題"になりました。


本日のせたなの宿も健康ランド的な温泉。ローマ風のお風呂は、子連れや試合終わりらしい中学生運動部などで大混雑でした。でも、予想通り翌日の朝にはこの大きいローマ風呂を独占できたのですから満足です。


夕食は、最高級メニューを頼んだだけあり、すごい品数で大満足でした。

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(夕食のメイン 鮑のしゃぶしゃぶ)




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【2018年GWの旅】道南&桜紀行<その1:宮城県とフェリー> [日本二周目]


すごく久し振りの投稿です。前回の投稿は正月明けの静岡県の旅行記でしたからおよそ4ヶ月振りとなります。
以前は病状の回復&リハビリの様子を、「ブログ作成もリハビリの1つ」というコンセプトで、病気になった2010年から数年間はほぼ毎日投稿していたのですが、次第に病状も固定化するとともにこのブログに書くこともなくなり、徐々に投稿も減ってゆきました。2015年に32年間勤めた会社を退職してからは日本一周の夢を追いかけるようになり、このブログはその日本一周のレポートというより「自身の備忘録」的なために投稿しておくだけになりました。なのでこのブログは人に読んでいただくというより、自分とごく親しい人だけに(あとで)読んで貰えればいいと考えていますので、たまたま訪れた方には退屈極まりないと思います。(申し訳ありません。)

今回の旅行記は2018年ゴールデンウイーク、北海道道南地方への11日間の旅です。高校2年生の時の夏休みに、バイトで貯めた僅かなお金と当時の旅行者の必需品「北海道ワイド周遊券」をショイコに担いで、津軽海峡を青函連絡船で渡ったのは今から41年前。情報の少ない当時、数少ないガイドブック「ブルーガイドパック」と新宿の紀伊国屋書店にだけ売っていた「北海道時刻表」を擦り切れるほど読んで綿密に計画を立てたにもかかわらず、ユースホステルや列車で知り合った人の「クチコミ」により、半年以上掛けたプランはたった3日で全く別のプランと化してしまいました。
それでも、17歳の高校生はその日から完全に北の大地の虜となり、その後は大学4年間だけでも5回は北海道に渡り、冬を中心にのべ半年近くは北海道で過ごしました。

旅行会社に入って以降も北海道に行く機会は多く、最初の頃は主には添乗員として、40歳を過ぎた頃からは会議や販売促進などで合計すると数十回は北海道に来ており、その折には仕事の前後に休みを入れてちゃっかりプライベートな旅行も楽しんだりもしたものです。(勿論、添乗員の時ではありません。)病気になる前年には1週間の休暇を取って、妻と道東をレンタカーでぐるりとドライブもしています。

病気になってからは、2013年に片手片足での運転に復帰し、翌年にはその改造車で1週間の道央のドライブを決行。(記事はこちら)その時に美瑛の美しい丘を眺めながら、「そうだ、会社を辞めよう。」と決心した思い出深い旅になったのです。(ブログにはそんな決心のことはひとことも書いていませんが…)
翌年、会社を辞めて取り組んだ日本一周の時には、フェリーで苫小牧に上陸し反時計回りに2週間掛けて北海道をぐるりと回っています。(記事はこちら

それら私の北海道に残した足跡を改めてじっくりと眺めてみると、ほとんど道東や道北が中心だったことに気付き、道南エリアがあまり塗りつぶされていないことに今更ながらに気づきます。勿論、函館には何度も行っていますし、洞爺湖・支笏湖や登別温泉などには特に前職の仕事では何度となく行ってはいますが、特に北海道の入口であり有名な観光地や温泉が他のエリアと比べても決して多いとはいえない渡島半島の部分が殆んど塗りつぶされていません。そういえば前回の北海道一周の時にも、登別温泉で高速に乗り次の見学地は大沼公園、その日の泊りはこの時も函館でした。

ということで、今年のGWの旅は渡島半島を中心にと半年前に目標を定め、今回もプランニングに没頭する楽しい時間をたっぷりと。今はネットのお陰で関東でも十分に情報収集はできるし、現地で旅行者同士が会話をすることも殆んどないので、基本的にプランの変更をすることもなく、極めて計画通りの旅行になることは他の旅行と同じです。
今回も、まるで綿密なる旅行計画を検証するようなサプライズやハプニングのない,ある意味では退屈な旅でしたが、プランナーとしては十分に満足できる旅でした。
いつものように、健忘症が進んだ私が忘れてしまう前に、急いでだらだらと綴ることにします!

1日目:4月26日(木)

ゴールデンウィークの旅といいながら、出発は少し前の木曜日から。GWになるとフェリーの料金が繁忙期料金になり2万円近くも高くなるため、会社にわがままを言って2日前から休暇をもらいこの日の出発になりました。
今回も片手片足運転の私はレンタカーは運転出来ないため、マイカーをフェリーに積み込みます。往路のフェリーは迷わず今回で3回連続となる仙台発苫小牧行きの太平洋フェリー。妻の実家がある仙台でお見舞いに行く必要があったのと、このフェリーの運航スケジュールが夜発午前中着でクルーズを楽しむにはほどよい時間であること、GW期間中以外は料金がリーズナブルなこと等が3回連続でこのフェリーを選んだ理由です。

自宅から仙台までは東北道を走れば4時間程度。フェリーの出航時刻は19:40なので、仙台市内での見舞の時間を入れても埼玉県の自宅をお昼に出れば十分に間に合うのですが、私(と妻)が「旅行当日になるとのんびりしたり他の用事を済ませることができず、結局朝から出発してしまう。」という習性であることは十分に判っているので、フェリーの時間まではいつも通り仙台付近での観光を考えます。前回は福島に行ったので、今回は宮城県内で探そうと試みましたが、ここだけ間際までプランが決まらなかったのですが、10日ほど前にたまたま見たTVの花の情報がヒントになり、プランを決めることができました。

マイカーに万一のためのダウンなどの防寒具までいつも通りたくさんの荷物を積み込み、出発は8時半。まだGWなんて雰囲気は全くないいつも通りの東北道を快適にドライブします。今年のGWの天気は前半は悪くないという予報で、この日もまずまずのドライブ日和です。

宮城県に入り、寄り道というか(時間潰しの)観光をするために山形道へ。宮城川崎インターで降りたら、蔵王方面に向かい最初の目的地である地元で有名なピザ屋さん"森のピザ工房ルヴォワール"を目指します。このピザ屋さんは、廃校になった分校をそのまま使って営業をしていることをTVで何度となく紹介された影響で、週末は2時間待ちは最低でも覚悟しなくてはいけないという超人気店なのだとか。地元仙台では大変有名で、後で話したら妻の妹も北海道よりこのピザ屋さんの方が何だか羨ましそうでした。
周囲に何も無さそうな店に近づきながら、「本当に、こんな場所(田舎)に行列が出来るの? 今日は平日で、しかもまだ12時前だよ?」なんて考えていましたが、旧分校の校庭だった駐車場には情報通りかなりの自動車が…
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何とか車を止め、学校らしく下駄箱で靴を脱いで校舎に入ると、意外と狭いお店の1テーブルだけあたかも我々を待っていてくれたかのように空いています。今回の旅の幸先は、何となく良さそうです。
一番の名物である「蔵王のお釜ピザ」とデザート感覚の「りんごのピザ」を頼み、妻とシェアして味わいます。
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味は確かに美味しかったのですが「でも、2時間は並ばないかも!?」というのが偽らざる感想。
私には小さな分校の経験もないので、校舎を見ても懐かしさも感慨もありませんでした。
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校庭の片隅にはまだ桜が咲いています。今回の旅のテーマの一つが「桜紀行」なので、最初の目的地でいきなり桜が見られてとてもラッキー。
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ここからもう少し進めば2年前の夏の旅でガスがかかっていて全く見えずに悔しい思いをした蔵王のお釜があり、所要時間を計算するとお釜に行ってもフェリーの時間には十分に間に合うのですが、出発初日から慌てたり焦ったりするのは嫌なので、お釜は次の機会にして昔営業で何度となく通った川崎町の懐かしい風景に密かに感動しながら、次の目的地「国立みちのく杜の湖畔公園」を目指します。
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釜房湖すぐ近くに広がる公園に着いた途端、妻が「ここ、来たことある!」と予想外の一言。どうやらまだ1歳だった娘を連れて、妻と妹とで来たらしいのです。当時1歳だった娘には、今や2歳の息子(つまり私たちにとっては孫)がいるのですから、紛れもなく昭和の時代の記憶です。
でも入場してみると、やはり昭和の時代とは大きく変わっているようです。最近流行りの芝桜が写真に載っていたので芝桜の広大な景色を期待したのですが、スケールは今一つ。
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でも、それなりにきれいな公園で来た価値はありました。
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ここの広場にはまだ桜が満開の木もあり、ここでも「桜紀行1日目」としてはこの旅の幸運を予感させてくれます。
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仙台に向かいながら、懐かしの釜房湖に感動し、車を停めて思わずパチリ。
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30年前は、年に5~6回はセールスで通っていた記憶にある景色です。

仙台市内でお見舞いをした後は、前回も行ったフェリー乗り場近くの日帰り温泉で入浴を楽しみます。今回の旅では日帰り温泉も数ヶ所楽しむ予定ですが、この日帰り温泉施設「仙台コロナの湯」はフェリー乗り場にも近く前回も時間調整を兼ねてゆっくりと楽しんでいます。今回、仙台市近郊の秋保や作並の有名温泉ホテルの日帰り入浴も検討したのですが、快適なお湯にのんびり浸かると、そこが有名温泉でも健康ランド的な日帰り温泉でもどうでもよくなるから不思議です。(つまり、私はそこまで温泉通ではないということでしょうか…!?)

仙台でのフェリーチェックインは、ここ5年間で3度目ですから勝手知った手続きに抜かりはなくスムーズ。この日の船もこの路線では一番ベテラン船の「きたかみ」。フェリーオブザイヤーを受賞した新しい他の2船に乗りたいところですが、そのために予定を変えたりGWの高い運賃に変えるほどフェリー好きではないので、3年振りの「きたかみ」に"久し振りだね!"とご挨拶。
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しかし、今回は前2回とは少し違いがあります。それは船室。前回はツインルーム(それでもこの船の中ではかなり贅沢なのですが)に泊まったのですが、今回は妻と侃々諤々の議論の結果、セミスイートを奮発したのです!!
「自分や妻へのご褒美」というつもりではありません。"今までとは、少し違った体験がしたい"という気持ちでした。「それならば、"セミ"なんて言わずに船最上級のスイートにすればいいじゃん!?」とも思ったのですが、スイートルームに入るには階段を昇る必要があるということで、階段が苦手な私は断念した経緯があります。
乗船すると船のスタッフが荷物を持ってくれて船室まで案内してくれる高級旅館のような対応は、さすがにツインルームとは異なる「スイートのおもてなし」。部屋そのものは想像通りだったのですが、やはりバスルームなどを含めて全体的に余裕のある作りです。
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何とも嬉しかったのは大型を含めてTVが2台あり、航海中でも地上波の放送がほぼ途切れることなくずっと見られたこと。お蔭で、退屈せずに済みました。
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船室は船の前側に位置していて、船の進行方向が見える窓があるのですが、「夜の航海には光が邪魔なので、夜は必ずカーテンを閉めて下さい」との案内があり、そこだけはいささか残念ではありました。

セミスイートの部屋代金には船でのビュッフェの食事(夕・朝)が含まれているので、19:40の出港を待たずに夕食へ。船の夕食はいつも混むのでオープン直後にレストランに行きます。夕朝食無料以外には、スイートの特別待遇は当然のことながらありませんが、何とか窓際のテーブルを確保したものの、船はまだ出港前なので港の作業風景しか見えません。
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ビュッフェ代金を下げた代わりなのかアルコールのサービスはセルフになったので、料理を取る前にまずは自販機のハイボールで旅の成功と無事を祈念して乾杯。
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そういえば、ここ仙台って"ニッカの町"だったことを今更ながら思い出しました。昭和の時代には、"熊襲発言"でサントリーの不買運動もあったっけ。
でも、自動販売機にない日本酒などを飲むのは結構大変でした。一旦レストランを出て、お土産やお酒・つまみ等を売っている売店に行き、レジの行列に並ばなければいけないのです。
ビュッフェは昔と違って寿司やデザートはなくなっていましたが、値下がりした@1500という値段にしては、船会社の経営努力が見てとれる十分な内容でした。
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夕食後にはコンサートなどもあるのがこのフェリーの魅力なのですが、久し振りのアルコールと運転疲れでゴロンと横になった途端すぐに眠りについてしまいました。
寝心地はスイートもあまり関係ないようでした。

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【2018年最初の旅】静岡・伊豆<その3:西伊豆と伊豆の高級旅館> [日本二周目]


3日目:1月5日(金)

バリアフリー完璧な畑毛温泉大仙家の温泉は大満足。私は温泉宿では毎回夕食前と朝イチの2回大浴場を楽しむのですが、今回も同じ2回の入浴とは言えその入浴時間と満足度は普段とは大きく異なり、本当に至福のお風呂でした。今晩泊まる高級旅館に向けて昨日の宿は伊豆の温泉宿にしてはややコストを下げ節約したことなどすっかり忘れる程の満足度でした。加えて、朝食に洋食が選べる配慮も嬉しい限り 。朝、ヨーグルトが食べられると、初老のこの体は本当に喜ぶのです。

今日は、伊豆半島の中で私がずっと未訪だった西伊豆エリアを塗りつぶす予定。元旅行会社社員として西伊豆に関わった(販売した)経験はそれなり数多くあるのですが、不思議と仕事でもプライベートでも西伊豆には行く機会がなく、私の心の中にある伊豆半島白地図の東伊豆・中伊豆&南伊豆エリアはそれなりに黒く塗りつぶされているのに、西伊豆エリアは真っ白。なのでこの日は私の伊豆半島の地図をちゃんとした形に塗る1日の予定。それならば当然宿も西伊豆に設定するべきなのですが、今年から、「他の宿泊ホテルのレベルを下げてでも、1回の旅行中に、せめて1泊はいい宿に泊まる」ことに方針を転換したのですが、その候補となるべき「泊まりたい!」宿が西伊豆ではなかったため、今回は単に西伊豆を走り、観光することで満足することにします。

今日の天気は天気予報の段階からこの4日間唯一の雨予報。前日の予報で雨⇒曇りに変わったものの、「傘の出番」というコメントに変りはありません。予報通り泣き出しそうな空を見上げながらのドライブスタートです。
伊豆半島付け根の畑毛温泉から、駿河湾沿い西側に出て、海沿いを伊豆半島の地図の通りにドライブするプラン。この辺りの観光施設、散々その名前を日程表に書き込んだ経験はあるのに、実はその場所を見ることすらはじめてなのです。(昔のお客様、大変申し訳ありません!)
道が海沿いになるとまず、”あわしまマリンパーク”が現れます。この施設にご満足いただけなかった昔のお客様だった社長の顔が突然クローズアップされます。すぐ次にもっとたくさん送客した”伊豆・三津シーパラダイス”の入口が見え、思わず車のブレーキを踏みたくなります。ここを含む旅行に大変ご満足いただいた企業の課長の顔がまた突如浮かびます。40歳過ぎだったその課長は当時としては我々より大先輩だったのですが、考えてみれば今の私より15歳は年下なのですから、なんかちょっと変な感じ。そんな事をあれこれ考え、ニヤニヤと思い出し笑いしながらハンドルを器用に操っている私が余程奇妙に見えたようで、妻は運転席を不思議そうに眺めては訝しがっています。この思い出し笑いを説明するのも大変なので、しばらくは"不思議な夫"のままでいることにします。

ずっと海沿いを走っていた道が左にカーブしたので、いよいよ伊豆半島西海岸の地図通りの南下が始まります。伊豆西海岸は崖が多く、海沿いの平坦な道はあまりないことは以前から知識としては知っていて、その分時折絶景が見える展望スポットがあるらしいことも知っていたのですが、今日の曇天ではその絶景の主役である富士山のお出ましは期待できません。

最初の絶景スポットは"煌めきの丘"。
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富士山は見えないだろうけれど、一応来た記念として1枚くらいは写真を撮っておこうと車を停めて外に出てみたところ、何とこの悪天候なのに富士山はその頂上辺りだけその姿を見せてくれています!まるで天気が悪いのに運転してここまで来た我々へのスペシャルサービスのよう。だとしたら、富士山なかなか粋ですよね!?
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とは言え、全体的に景色を楽しめる日ではなく、この後もいくつかの展望スポットで車を停めてみたものの、やがて富士の秀峰も見えなくなり、どんよりとした海の景色も同じようだったので、その他の展望スポットのレポートは割愛させていただきます。

車はやがて戸田(へだ)の街へ。戸田と言えば巨大な足を持つ”タカアシガニ”で有名で、昔から食いしん坊な私の憧れの地でしたが、今は正直そこまでの関心はなく、まだ10時なのでスルーします。お店の看板には巨大なカニのイラストが描かれていて、それなりに興味はそそられるのですが…
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(戸田の町の遠望です)

戸田の次の街は土肥。昔から何度も仕事で関わって来た土肥は、少し観光しようと思います。まずはある意味西伊豆のシンボルとも言える花時計。想像通りと言えばきわめて想像通りの花時計でした。
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土肥と言えば何と言っても土肥金山。名所に敬意を表して入場。
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入口で記念写真を撮られ、すぐにプリントして表紙も付けられたその鮮やかな手順に、妻は”いらない”と断るタイミングを完全に逸してしまい仕方なく財布を取り出しています。
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金山の見学ルートもおおよそ想像通りでした。
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子供連れファミリーには、砂金採り体験が人気のようでかなり賑わっていましたが、初老夫婦が砂金採りに参加する筈もなく、お土産屋さんがメインの博物館では、世界最大とか言う金塊に触れらるので、ここでお金の神様にお祈りするのが我々の初詣になってしまいました!
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そういえば、ここでたくさん売っている金塊チョコ、昔はお土産として何回もいただいたことを懐かしく思い出しました!

昼食の前の腹ごなしとして、恋人岬まで散歩してみることにします。恋人岬の鐘は2つあるらしく、駐車場から500メートルと700メートルの距離とのこと。当然700メートルの方を目指して歩き始めますが、最悪のタイミングで雨が降り始めます。? 戻る訳にもいかず濡れるのを覚悟して歩き続けて、まずは500メートルの鐘を鳴らします。
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ところがこの先700メートルの鐘までは私の苦手な階段が続くようで、降り続く雨と共に私のモチベーションを急速に奪ってゆきます。
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結局、500メートルの鐘だけで満足することにして、引き返すことにしました。

今日のお昼は地元の友人から推薦されていた漁協直営の”沖あがり食堂”。「
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愛想はないけど、イカは新鮮!」という友人の講評通り、「イカ様丼」は安くてとっても美味でした!
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午後の観光は西伊豆観光のメインである堂ヶ島。
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堂ヶ島と言えば洞窟めぐり遊覧船が名物アトラクションなのですが、今日の我々のプランは約20分の短い洞窟めぐり遊覧船ではなく、約1時間の長い「千貫門クルーズ」への乗船。ところが、いくつかある洞窟めぐり遊覧船駐車場に駐車しようとすると、「会社が違う!」と追い帰されてしまい、ちょっと面倒でした。

遊覧船の時間までまだ少しあるので、このクルーズ船でも最後に立ち寄る堂ヶ島最大で名所である洞窟を上から眺めることに。丁度他社の船が洞窟めぐりをするところを眺めることができたのです。
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千貫門クルーズは思っていたより小型の船。本来ならこの後西伊豆をずっと下の方まで走りたいところなのですが、今日は早めに宿に入りたいのでこの後は今日の宿泊地まで直行するため、西伊豆の周遊はこの船に任せることに。ところが雨は益々激しくなり、船の窓ガラスには大量の水滴が付いて写真どころではありません。
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でも西伊豆の海岸線もそれなりに十分美しく遊覧船を楽しむことができました!
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そして、遊覧船の最後はあの洞窟めぐり。水滴と暗い洞窟内での写真は、片手フォトグラファーの私にはやはり難敵でした。
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遊覧船を楽しんだ後は本日の宿がある稲取温泉に向かいます。伊豆東海岸の稲取温泉には何度も行っていて、日本一周初期の河津桜を見に来た3年前にも同じ稲取温泉に泊まっています。今回の宿に稲取温泉を選んだのは、温泉地で宿を選んだのではなく、温泉地にこだわらずに泊まりたい宿を先に選んだため。上にも書いた通り、今年の旅行から宿泊施設にメリハリをつけ、”1回の旅の何泊かのうち、1回だけ分不相応な高級な宿に泊まる”ことに方針転換した第1回目として、”伊豆らしい食事が食べられる高級旅館”を探し、私のイメージにジャストフィットしそうな宿があったためです。
その宿の名前は「食べるお宿 浜の湯」。旅行会社にいた頃の私の情報網には全く引っかからなかった宿で、2日前に会った旅行会社でまだ現役としてカウンターにいる方もご存知ではなかった宿ですが、HPを見る限り食事は本当に美味しそうです。この宿の宿泊プランには一人一泊10万円近いものまでありますが、いくら”1旅1回”と言えども我々の予算では精一杯の1泊一人3万円超のプランを予約したのです。”3万円の旅館なら、出来るだけ早く着いて、その旅館のサービスを目一杯味わわなきゃ損!”との貧乏人根性丸出しの我々は、西伊豆からの道を急ぎ、早めに宿にチェックイン。

稲取の海が目の前の”展望露天風呂”も絶景。外の露天風呂に入るには階段を昇らなければいけないのですが、私はこの景色のためならと右側の手すりを左手で持ち、カニのようなスタイルでゆっくり慎重に階段を上がり、8階にある大露天風呂から太平洋が見渡せる絶景を満喫します。高級旅館にしては人が(特に子連れも!)多いのですが、浴槽もとっても広いので、太平洋に向かって両手両足を存分に広げても他のお客様とは全く異なる別世界にいることが出来るのです。露天風呂で1時間以上のんびりさせていただきました!(写真が無いのが、本当に残念。)

お待ちかねの夕食は部屋でいただきます。宿のHPに、「お昼は出来るだけ軽く済ませて来てください。」」と書いてある宿ですから期待しない筈がありません。上品な前菜たちから始まって、最初の主役はアワビの踊り焼き。予想より大きくて元気に動き回るアワビは柔らかくて絶品でした。
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第2の主役は舟盛り。
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そして3番目の主役が、私が一番期待していたキンメの煮付け。私の大好物であるキンメ、信じられないくらい大きなキンメが一人一匹提供され、 思わず空腹の熊になったかのようにキンメにしゃぶりつくのです。
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その後にもキンメのしゃぶしゃぶなどが出て、2時間食べ続けた老夫婦の胃袋は破裂寸前!半年前に瀬戸内海真鍋島で食べた拷問のようなボリュームの海産物オンパレードまではいかないものの、ここ数年で2番目に食べ過ぎた夜でした!

4日目:1月6日(土)

温泉旅館での朝はいつも通りに目覚めてすぐに温泉大浴場に向かいます。まだ5時で当然のように外は真っ暗な中でも外の露天風呂に入るのです。伊豆の東海岸ですから展望露天風呂からはあと1時間もすると感動的なサンライズが眺められる筈なのですが、昨夕の大浴場の混雑状況からすると浴槽からの朝日見学者で露天風呂は混み合うこと必至と考えて、朝日よりも空いているお風呂を選択した結果の早朝入浴です。

朝日を眺めるには、気持ち良くガラガラの大浴場を満喫した後の部屋のバルコニーが特等席。
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朝日のすぐ横には19歳の時以来約40年行っていない伊豆大島が。「近々、行きますからヨロシク!」と三原山にも挨拶を忘れません。
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昨日の夕食の続きのような雰囲気で朝食も部屋で。本当に夕食の続きと錯覚してお酒を飲みたくなりますが、今日中に埼玉県に帰らなくてはいけないドライバーなので我慢、我慢。
朝食にも主役がしっかりいます。朝から好物のキンメの刺身が(朝から出る!)舟盛りの主人公で、キンメ好きの私には何とも嬉しい限り。
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伊豆朝食の超定番であるアジの開きも抜群の味で、おまけに最後デザートとしてヨーグルトも出て来るという、本当に私の大好物オンパレードで、すっかり高級旅館を満喫しました。平日でも3万円超の価値は、十分にあったと思います。

旅館を早めに出発できれば、下田まで戻ってこの時期ならではの水仙でも見ようと考えていましたが、朝から旅館のサービスに圧倒され、部屋ですっかり寛いでしまったので、下田の水仙は次回に回すことにします。伊東市内在住の友人と道の駅で久しぶりにお茶を飲む約束をして、その前に少しだけ伊豆高原付近を観光します。
名前は知っていたのですが、一度も見たことがない湖である一碧湖。ナビ通り駐車場に車を停めて湖岸を目指して歩き始めたのですが、湖は見えるものの湖岸への道は一向に見つかりません。まあ今回の目的が塗りつぶしなので、遠くから一碧湖の写真を撮ればここも塗りつぶしたということにして、立ち去りました。
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次に「ステンドグラス博物館」なる施設を訪ねてみます。チケットを買うとすぐに、「まもなくパイプオルガンの演奏が始まります!」という案内があり、とりあえず順路を無視して一番奥にある教会風の建物へ行き、馴染みのある曲を何曲か拝聴。美術館、教会の中は全て写真撮影禁止なので、唯一写真が許されているバルコニーからパチリ。
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私の認識からすると、ステンドグラスといえばフランス・イタリアやスペインの教会のイメージが強いのですが、この美術館は何故か大半がイギリスのもの。正直イギリスとステンドグラスが私的には結びつきませんが、それは私の中途半端な知識の故なのでしょう!?

伊東市内にある道の駅の駐車場は大混雑。道の駅に車を停めるのに約15分のタイムロスをしたので、友人との待ち合わせには10分遅刻。元同じ会社の同僚だった彼は、私より少し前の5年くらい前に会社を辞めて、今は故郷の伊東で伊豆の情報発信をする会社を立ち上げています。そう、今回の”地元の情報”は殆ど彼からの情報だったのです!前の会社のOB同士の会話は、やっぱり前の会社の人たちの噂話。懐かしい名前がたくさん出て来た楽しい数十分でした。

最後には伊東で回転寿司を食べるというのが私(&友人のオススメ)のプランでしたが、おススメのお店はみんな伊東中心部から遠く、方向的には下田方面に戻らなければなりません。でも、今日からは今年最初の3連休で下田方面に行く道路は交通渋滞の可能性がありますし、人気のお店は大混雑していそうです。まだまだ日が短い1月のはじめなのですが、暗くなる前に家に帰りたいという我儘な運転手の思いも強かったので、「下田方面の回転寿司は諦めよう。でも、何か海産物が食べられるお店はないかしら?」と考えながら市内を走っていたら、大きな「はま寿司」の看板が… 埼玉にもたくさんある100円寿司のチェーンですが、伊東店なら鮮度も違うかしら? とささやかな期待をして入ってみましたが、「はま寿司」はやっぱり「はま寿司」でした…

帰りは伊豆半島内では若干渋滞しましたが、その先は極めて順調。でも反対側車線は伊東から熱海を経由して西湘バイパスあたりまで、ずっと渋滞していました。さすがは3連休ですね!

これで正月の旅の投稿を終わります。次の旅はまたゴールデンウィークを予定しています。行先は、3年振りに津軽海峡を渡る予定です!

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【2018年最初の旅】静岡・伊豆<その2:富士山満喫の1日> [日本二周目]


2日目:1月4日(木)

この日はいよいよ富士山を満喫する1日。経費節約のためビジネスホテルでの朝食は取らずに、前の晩コンビニで仕入れたヨーグルトを食べたら早速車をスタートさせます。
静岡市周辺の観光地は、前回一周目で訪ねているのでスルーが基本。久能山東照宮のすぐ横を通り、初詣には絶好のタイミングなのですが、今回は前回車の安全ステッカーも授かった家康公にはご挨拶しない無礼を詫びながら先を急ぎます。

今日最初に向かう先は、一周目の時には天気が悪く、今回どうしてもリベンジしたいという思いが今回の静岡を訪ねる大きなモチベーションにもなった場所でもある「三保の松原」。前回の訪問は大雨の中、勿論その見事な松林は見られて散歩もしたのですが、三保の松原に今これだけの観光客が押し寄せている理由は、「世界遺産富士山の構成要素に認定された。」ことですから、雨天でその富士山が松原から全く望めなかった前回については、「行ったことには間違いないものの、世界遺産三保の松原を見たとは言えない!?」という状況だったため、「富士山を望んでこその三保の松原!」というこだわりが私の中で強くあったためです。前回も清水のホテルから日程の都合上悪天候を承知で朝イチに訪ねたのですが、今日の晴れは確信できていたので「観光客がたくさん来て混雑する前に」と前回とは違う理由で前回とほぼ同じ時間に勝手知った駐車場に到着。前回駐車場は貸切状態でしたが、この段階でもうかなりの車が停まっています。
見覚えのある入口の階段を上ると、これも見覚えのあるたくさんの松と三保の松原のシンボル"羽衣の松"が見えるのは前回通り。
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でも今回は松林を抜け、砂浜をそのままずんずんと進むと、やがてその左手に見事な富士山がその勇姿を惜し気もなく見せてくれます!
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3年越しの念願がようやく叶いました!静岡県側から見る富士山は右中腹の宝永火山がはっきりと見えるのがその特徴ですが、後から見た三島に比べて、ここからの眺めのほうが宝永火山がよりはっきりと見えるようです。
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松林に戻り、前回も散歩した道を歩きます。この先にもう少し大きく(?)富士山が見えるというスポットがあるらしいのです。傘をさしながらの寂しい気分の前回の散策とは違い、スキップしたくなるようなルンルン気分の今日は、あっという間に目的地に着き、心いくまで富士をパチパチと写真に撮りまくりました!
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次の富士ビュー観光はちょっと場所を変えて静岡県東部の三島まで東名高速で1時間半のドライブ。沼津で東名高速を降り、昨日も静岡でお世話になった国道1号線=東海道を箱根方面に向かって走り、高度も徐々に上がって行き「このまま、箱根まで行っちゃうんじゃない?」といささか心配になった頃に三島の新しい観光スポットである日本最長の吊り橋「三島スカイウォーク」に到着しました。
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この新しい三島スカイウォークは、2015年12月にオープンした日本最長の歩行者専用の吊り橋なのだとか。我々が訪ねた長い吊り橋といえば、2015年5月に訪ねた茨城県の"竜神大吊橋"の当時の謳い文句は、"東日本最大級"。2015年の9月に九州大分の"九重夢大吊橋"を訪ねた時には、そこが間違いなく"日本最長の吊橋"だったようですが、我々が訪ねたたった3ヶ月後には、僅か10メートルでその"日本一"の称号をここ三島に奪われてしまったらしいのです。
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とはいえ、今日の我々の関心事はまずは吊り橋より富士山。橋の手前のビュースポットからは、見事な富士が威風堂々と聳えていて、この風景だけで入場料を払った甲斐があると思わせるぐらいの圧倒的迫力の富士山でした。このあたりから見ると、宝永火口は富士山のど真ん中に見えて、そのなだらかな山の稜線には影響を与えないことに今更ながら気が付きました。毎日、様々なところから富士山を眺めたお陰ですね!
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とはいえ、日本一の大吊り橋を渡らずに帰る筈はありません。平日であっても私の職場同様まだ休みの人が多いらしく大混雑の大吊り橋は、右麻痺の私にとってはありがたいことに"左側通行"で渡るルール。はじめは富士山を左前に仰ぎながらの快適な散歩でしたが、橋の真ん中に近づくにつれて予想以上の突然の揺れが来て結構スリリング。次第に富士を見る余裕はなくなり、とにかく前へ前へと先を急ぎます。ようやく橋を渡りきり、高台にある展望所に行き、改めて富士と周囲の風景をゆっくりと落ち着いて満喫することができました。
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帰りもひたすら早く歩くことに集中して、富士を眺める余裕は完全に失われています。昨日、大井川の橋を渡った時には強風がもっと凄かったのですが、「この日は昨日みたいに風が強くなくて本当に良かった。もし、吊り橋中央部で昨日のような強風に煽られたら、我々老夫婦は渡り切れたかどうか… 」と、妻と二人で強運を喜び合いました。
長さはともかく、3つの橋の中では最もスリルがある吊り橋だというのが私の印象です。もっとも、他の2つの橋へ行ったのは2年半以上も前なので、恐怖感を忘れてしまった可能性はありますので信憑性は??ですが…

この日の昼食は沼津漁港近くで。20年ほど前、伊豆家族旅行の帰り道にまだ幼かった娘と息子を連れて沼津港に来た時には、観光施設はおろか食堂も何もなかった淋しい漁港だったのですが、この20年でアミューズメント地区として劇的な変貌を遂げているらしいので驚きです!

エリアに近づくに連れて交通量が増えてきて、渋滞の中でナビが目的地を宣言した時には、周囲にたくさんある駐車場にはどこも行列が出来ています。一応今日1/4は仕事始めで平日の筈なのに… 私の認識が甘かった!
大きな駐車場であれば順番待ちの列に並べばいいのでしょうが、ここ沼津港付近には十数台規模の小さな 駐車場がたくさんあり、特にお昼前のこの時間にす出庫する車を期待して並ぶのはギャンブル。近くをうろうろと走り回り、ようやく少し離れた場所に駐車場を確保するのに30分近くも要してしまいました。

漁港付近のランチですから、やはり海産物がメイン。ところが、事前に地元の友人から情報収集していたおすすめのレストランには、全て長~い行列が… また、よく見ずに駐車した駐車場から渡されたパンフを改めてよく見てみると、「地図に記載がある店で食事&買い物をすれば駐車料金は無料!」とあり、私が狙いをつけていた行列の出来ているお店は、見事に全部対象から外れています。
結局、空腹に耐えられなかった我々は、駐車場地図にあった行列の少ないお店に入ったのですが、味は漁港近くのお店としてはごく普通のギリギリ合格点レベル。後で食べログを見たら評価は3.05程度でしたが、別注した沼津名物(?)アジフライはさすがに美味でした。

沼津漁港付近発展の中心となった施設は、「沼津深海魚水族館」。観光客特に子連れの多さに嫌な予感はあったのですが、ここまで来て行かない選択肢はありません。ところが入場料を払って中に入ると、中には結構な行列が出来ていて最初の魚が見られるまでに10分以上。そもそも暗黒の世界に棲む深海魚を明るい環境で見ることにやや無理があるのかも知れませんね。
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他の人気水族館のような巨大水槽もなく、ウリの「世界唯一のシーラカンス剥製」も所詮は剥製です。
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この日3度目&最後の富士ビュー観光は、伊豆パノラマパークのロープウェイ。3年前の伊豆旅行では、曇天の中で入口までは来たものの、どう考えてもこの天候ではロープウェイで上に行く意味がないと諦めて先を急いだ因縁の観光地。
でも今日の富士山はその全身を惜し気もなく見せてくれることを露ほども疑わずにロープウェイに乗り込みます。

2人でも貸切状態で運航してくれる気分がいいロープウェイで快適な上昇中に、「さぁ、富士山だ!」と満を持して後ろを振り向くと、何と富士山山頂部にだけ意地悪な雲が掛かっているではありませんか!
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他は全て殆んど雲がない絶好の天気なのに…  大混雑の沼津でぶらぶらせず、三島からまっすぐ来れば… と反省しても後の祭りです。

展望台の頂上まで登ってみたものの、意地悪な雲が遠慮してくれる気配はありません。
駿河湾はとっても綺麗なのに…
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「好事魔多し」「今年も、そんなに甘くはないぞぉ~!」「今年も、あんまり調子に乗るなよ!」など今年も慎重に十分に注意しようと改めて肝に銘じた2018年最初の出来事でした。

今日の宿は伊豆の温泉の中では、かなりマイナーな温泉ではないかと思われる畑毛温泉という温泉の宿。知人がこのホテルチェーンに関係していて、予約してくれたのです。
この畑毛温泉、32年間旅行会社で仕事してきた私も、販売などに関わった経験が殆んどありません。でも温泉と旅館の名前には微かな記憶があり、記憶を辿るとどうも20年以上前に職場の仲間と遊びに来た(もしくは職場旅行で来た?)のかも知れません。
施設を見たら思い出すかも?と期待しましたが、私の老いぼれはじめた脳はピクリとも動かず、全く思い出す気配はありませんでした。もっとも当時の職場旅行だったら行きのバスの中からすでに大宴会が始まっていて、宿に着く頃にはすでに泥酔状態だったことも数知れないので、もしそうだったならば覚えていないのは私の老朽化し始めた脳細胞だけのせいではないのかも知れませんが…

このホテルで感動したのは大浴場。右半身(手と足と頭!?)に麻痺がある私は、大浴場の浴槽に手すりがついていないとお風呂には入れません。温泉旅館などは大浴場の写真をネットで探せるので、候補の旅館のお風呂をネットで散々調べた上で予約します。離島や小さい町の旅館などには浴槽に手すりがない旅館や民宿なども多いのですが、そういう宿に泊まらざるを得ない時にはシャワーだけで済ませることもありますが、温泉旅館はお風呂に入るのが醍醐味ですから、大浴場の写真が見つからない場合には現地まで電話して聞くこともあります。
そういった経験から最近は大浴場の手すりは増えてきていてるように感じられ、私のイメージでは日本の温泉旅館の60%ぐらいには手すりがあるように感じられます。
手すりがあればお風呂には入れるものの、洗い場に高い椅子がないと体を洗うのに苦労する(特に座る時と立ち上がる時)などがありますが、そういう椅子が置いてある宿は更にその半数ぐらいで、ない宿では何とか工夫して凌いでいるのです。

この日の宿、大仙家さんにも手すりがあることは確認した上で予約したのですが、何とこの宿の洗い場の隅には手すりがついた障がい者用と思われる専用スペースがあり、当然のように高い椅子がセットになっているのです!  
病気になって7年、温泉に復帰してから5年、それからでも手すりがある50件程度の温泉に入らせて貰いましたが、温泉旅館の大浴場でここまで設備が揃っているところは初めてで、一瞬ですっかりこの大仙家の大ファンになってしまいました!


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