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【2017年夏の旅 山陽・山陰PARTⅡ】<その2> 岡山&台風 [日本二周目]

3日目:8月6日(日)

泊まった牛窓のペンションは個人的にはイマイチ。食事も特に印象に残るものはなく、単に「夏休みの週末に泊まれたのだから、文句はないでしょ?」的な宿泊でした。確かに、ペンションなのに部屋にバストイレが付いているのですから、文句をつけたらバチがあたりますかね!?
でも、この旅の最初の2泊の宿泊が結果的に共に期待外れだったので、この段階では今回の旅のホテルチョイスについて少々自信喪失に陥りましたが、でも結果的に今回選んだ宿については「だんだん良くなる法華の太鼓」のようでした。

確度が増した天気予報によると、どうやら明日1日は台風5号の付近通過(最悪の場合直撃)らしいので、恐らく明日は1日観光にはならないであろうと考え、とりあえず明日の昼までを想定していた岡山市周辺の観光を、今日中にひととおり済ませてしまおうと考えて早めに宿を出ます。本来なら”日本のエーゲ海”牛窓と周辺を半日かけてゆっくりと見て回る予定でしたが、エーゲ海はその”さわり”だけで満足することにします。

最初に向かったのは”牛窓オリーブ園”。オリーブ園と言えば2年前に訪ねた小豆島のイメージが強いのですが、海を隔てた本州側にも同じようなオリーブ園があるようです。駐車場の端に身障者用Pの案内版があり、朝早いこともあり案内通り狭い坂道を登り、本来なら徒歩で登るべき道を車で登って楽をさせていただきます。上の駐車場からちょっとだけ歩くと雄大な瀬戸内海の絶景が見え、遥か先にはその小豆島が…
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「でも、小豆島のオリーブ園はこっち側ではなくて確か島の反対側だったなぁ…」なんて考えながらその景色を堪能しました。本来ならオリーブ園のあちこちを散策するのでしょうが、園の上の方に車を停めてしまったばかりに、どうにも歩いて下に降りる気にはなりません。上の方にある幸せの鐘を鳴らしてお土産屋さんを覗く程度で、オリーブ園の見学を終わることにします。
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”日本のエーゲ海”と呼ばれる所以の高級リゾートホテルや小豆島のように潮の干満で道が出来る観光地などは次回に回すことにして、牛窓ではもう一つ古い街並みを観光。海沿いに車を停め、一つ裏通りになる”しおまち唐琴通り”をぶらりと散策します。古くから”潮待ち、風待ち”の港として牛窓が栄えた面影がある通りとのことですが、大半のお店がまだ営業していないといういつものパターンで、結局この観光も中途半端。個人的には塔の見える風景にはちょっとグッと来たのですが、写真にすると電線が邪魔でそのいい雰囲気はほとんど伝わりませんね。
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妻は予告しておいた昼食”牛窓名物のアナゴ”が食べられずにちょっぴり不満顔、ここ牛窓には何周目かの旅でもう一度来る必要がありそうです。

とは言え今日は”一周目で未残した岡山市近辺”を明日の分も貪欲に回らなくてはなりません。”一周目の未残し”の最たるものとしては、恥ずかしくも駐車場がわからずに目の前まで来ながらも断念した備中国分寺の五重塔。(その時の投稿はこちら
一周目の旅行後に地図を確認したら、私は県道の五重塔側の細い道に迷い込み、「駐車場、どこ?」と必死に探していたようなのですが、何の事はない道路の反対側に大きな駐車場があったのです!
ということで、ここだけは絶対にリベンジしなければなりません。今回は下調べはバッチリだったので、全く迷わずに車を停めて、五重塔まで歩きます。
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(この道に車を乗り入れて、駐車場を探していた記憶が鮮明な道です!)

五重塔は羽黒山などでいくつも見てはいますが、やはり五重塔を間近にすると、改めて身が引き締まる思いがします。後で日本全国の五重塔と私が訪ねた五重塔とをリストアップしようと思いました。
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続いても五重塔周辺の吉備路のみどころを訪ねてみます。すぐ近くには日本有数の規模を持つ前方高円墳である「造山古墳」があります。
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駐車場から古墳付近を歩いてみますが、巨大な古墳の全景を見渡せる場所があるわけでもなく、古墳の上を歩こうとしても手すりなどもなく不安な私的には結局この古墳を楽しむ術はありません。誰だか判らないこの古墳のご主人に挨拶だけして立ち去ることにします。

そろそろ昼食の時間ですが、このあたりでの昼食は全く想定していなかったので、近くのファミレスにでも入ろうとお店を探すうちに、次のみどころである桃太郎のルーツとも言われる吉備津神社に着いてしまったので、仕方なく神社参道にあるお土産屋さん兼食堂へ。  やはり下調べの大切さを痛感しました。
吉備津神社はさまざまな建物のみどころがあるので楽しみにしていて、いきなり急な登り階段があるのでちょっとびっくりしましたが、手すりはちゃんとあるので何とか登ることができました。
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有名な回廊を周囲の建物の数々を眺めながらゆっくりと散歩します。
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ちょっとだけ、桃太郎の気分になった数十分でした!

次の見学地も似たような名前の吉備津彦神社。こんなすぐ近くに”彦”の有無だけの類似神社があるので、どうしても混同してしまいますよね!?
そういえばさっき行った造山古墳のすぐ近くには、同じような名前の作山古墳(共に読み方は”ツクリヤマコフン”?)があり、岡山の事情に明るくない私は、計画段階でパニックになってしまったこともありました。

吉備津神社と吉備津彦神社は名前こそそっくりですがその内容はすっかり違っています。吉備津神社はかなり広くて参拝後にもみどころがたくさんあったのですが、吉備津彦神社は参拝がメインイベントの神社でした。
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両神社では共に明日の台風が無事に通り過ぎるよう祈願し、結果的にはご利益があったようなので両神社には感謝しなければなりません。個人的には、今やすっかりマイコレクションとなった車に貼る交通安全のステッカーが両神社共に無かったのが、期待していただけにちょっとガッカリでした。結局、この旅で増えた交通安全のステッカーは、最初の赤穂大石神社のものだけでした。

これで明日行く予定の吉備路観光の主要観光地の見学を終え、本日午後の予定通り岡山市内のハイライトである後楽園と岡山城に向かいます。
「日本一周を達成した」と自慢げに言いながら、日本三名園すら全部見ていないのですから日本一周なんて全く怪しいものです。後楽園も兼六園や偕楽園に負けず劣らずみどころがたくさんあるようで、やはり庭園の向こうに岡山城が聳える風景は素敵です。
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でも、子供時代を昭和の東京で過ごした私的には、やっぱり後楽園と言えばONが躍動したV9巨人のホームグラウンドと、高校時代に熱中したボクシングの聖地である後楽園ホールのイメージが拭い去れずに、なんとなく変な気持ちでした。後楽園そのものは本当に素晴らしい庭園でしたが…
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後楽園からはそのままお堀を渡って岡山城へ。岡山城の私の先入観(予備知識)は、「大阪城、名古屋城と共に、天守閣にエレベーターがあるお城」。これで日本全国のエレベーター付きの名城を、三名園に続いて制覇したことになります!?
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エレベーターで最上階までは行けずに最後は階段があるのですが、何とか最上階から岡山の中心部と後楽園を見下ろします。
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この日の宿は岡山市内のビジネスホテル。ホテル内に駐車場がなく提携駐車場を利用するホテルですが、明日の大雨を予想し出来るだけ近くの駐車場を目指しましたが、皆考えることは同じのようで、結局徒歩5分のパーキングしかなく、明日に向けてやや不安が広がります。

明日には台風が通過とのことですが、雨は今夜半かららしいので、夕食は市電を使って岡山駅前の繁華街まで。100円で楽しめる市電をたった2駅だけでも楽しむところは、57歳にして昔の鉄道少年そのままです。
”日曜日夜に開いている居酒屋は少ない。”という情報を信じてごく普通の居酒屋っぽかったのですが念のため事前にホットペッパーで予約をしていたのですが、「平平平平」(ひらだいらへっぺい)というその店名のユニークさに魅せられた故の予約です。事前予約にお店では座敷を用意してくれていたのですが、足の悪い私が座敷は苦手なためカウンターに陣取り、さわらやママカリなど岡山の旨いものを次々と堪能し、満足の一夜でした。

4日目:8月7日(月)

この日は台風通過で1日台風を無事にやり過ごすことだけが主目的の1日になってしまいました。家にいればただ1日中ダラダラしていればいいのですが、旅先では10時になればホテルはチェックアウトしなければなりませんし、次の宿に入れるのは早くて15時です。
過去の旅でも、何回か台風にぶち当たっています。2年前の山陰の旅では朝のうちはまだ雨もなく天橋立と伊根の観光は何とか出来たものの、午後は危険な暴風雨の中を城崎温泉まで何とかたどり着く結構危険なドライブでした。去年の三陸の台風直撃の日には朝から予定通りの観光(記事はこちら)を試みますが、当然のことながら海岸風景が見える筈もなく、風雨が激しさを増した昼間には宮古の道の駅だかに数時間逃げ込むなど、我々も自然の脅威への接し方については、少しずつは学習しているつもりです。

10時のホテルチェックアウトまで部屋でおとなしくしていようかとも思ったのですが、朝のうちの方が雨も小降りという予報なので、意を決して早めにホテルを出ます。遠い駐車場まではやっぱり辛い歩きでしたが、車をホテル前に回せたお陰で妻と荷物は被害僅少で済みました。
本日の宿泊地は広島県に入ってすぐの鞆の浦。とりあえず目的地近くの都会福山に出ようと、豪雨の高速はやっぱり危険だし慣れない高速には恐怖心もあるので、国道2号線をワイパーの速度をMAXにしてひたすら安全運転第一で走ります。

岡山県の最南端で、広島と県境を接する街が笠岡市。ここには前職時代に本当にお世話になったビジネスパートナーの会社がありますので、ノーアポではありましたが埼玉からの土産を持って訪ねてみます。こんな天気なのでお目当ての社長がいればゆっくりと話が出来るかとも都合のいい想像をしていたのですが、そうはうまく行く筈もなく社長は不在。でもすぐに連絡が取れて明日会えることになりました。

この旅の前半のハイライトである真鍋島には、ここ笠岡の港から船で行きます。お目当ての食堂漁火の第一希望が今日8/7。もし、第一希望通り予約が取れていて、今日と明日の宿泊地をひっくり返していなかったら、いったいどうなっていたのでしょう? 念のため船着き場に行って状況を聞いてみますが、当然のことながら本日の船は全便欠航です。明日のことは誰にも判らないのですが窓口の親切なおじさん曰く、「予報通り台風が今日中に抜ければ、明日は運航の可能性が強い。」との嬉しい読み… 明日の回復をただただ祈るばかりです。

ところで、2009年に仕事で笠岡に来た時にも、空き時間を使ってこの港に散歩に来たことがあります。当時の港は本当にひなびていたというか旅情たっぷりで、訪ねた瞬間、「あ、この待合室。寅さんが昼寝していそう!?」と思わせるのに十分なノスタルジックな雰囲気で、この船着き場から小さな船で笠岡諸島に行くことが私の目標になったのですが、残念ながら船着き場は昔の場所からは移転していて、すっかりきれいになっていました。
「もう、いくら待っても寅さんは来ないから。」なのでしょうか?

とりあえず広島県の福山に入り、ネットで探したコインランドリーで洗濯しながらこれから行く場所をスマホで検索。福山でもちょっとは観光するつもりはあったのですが、この豪雨の中で福山城を見る気にはなりません。「こんな雨の日の観光は美術館か博物館に限る!」と、ふくやま美術館に狙いを定めますが、”月曜休館”とどうにもうまく行きません。

「じゃあ、仕方がないのでシネコンで映画でも見ようか…」と福山唯一らしいシネコンを目指し、途中”尾道ラーメン”という看板につられて昼食。チェーン店らしき店内で注文を終えた後に、「そういえば計画段階で試行錯誤したプランの中に、福山で尾道ラーメンを食べる」というプランを考え、美味しいと噂のお店を調べていたことを思い出しましたが、今ではそのお店の名前すら思い出せません。
でも、このチェーン店らしき尾道ラーメン、結構レベルが高く大満足でした。流石は本家のすぐ近く!?

シネコンに入ったものの、映画通ではないのでお目当ての映画があるわけではありません。「どの映画を見ようか?」と妻と迷いましたが、すぐ次に始まる映画が、”君の膵臓をたべたい”。タイトルはホラー映画みたいですが、出演者に北川景子さんの名前を見つけて、それだけでチケットを買ってしまいました。
「どうせ、いつもの私のパターンで、映画館の椅子は寝心地がいいのですぐに爆睡かな?」なんて考えながら映画を見始めましたが、何とこの私が一睡もせず映画の世界にグイグイと引き込まれて、最後にはいい年のおっさんとしては何とも恥ずかしながら、うっすらと涙ぐんでしまったほど素晴らしい映画でした。台風のお陰でこの映画に出会えて本当に神様に感謝したい気持ちになりました。
台風のやり過ごし方としては、過去最高の過ごし方です!

映画を見終えて車に戻ると、雨は幾分か小降りになっていますので、この映画に出会えた感動冷めやらぬうちに本日の宿鞆の浦の高級旅館に向かいます。
鞆の浦に着いても、雨は止んでくれる気配はありません。坂本龍馬にもゆかりがたっぷりある鞆の浦の観光も楽しみだったのですが、この雨ではやっぱり観光は厳しそうで、ここも次回の宿題になり、このままホテルに入ります。

本日の宿は、我々夫婦にはちょっとだけ分不相応な高級旅館”鴎風亭”。実はこの宿の跡取りが約10年前私の前職の旅行会社に入り、それから数年間大宮にあるオフィスで共に働いていたという縁がありました。今は彼も旅行会社を辞め故郷に戻って家業を継いでいるとの噂を聞いていたので、ノーアポですが訪ねてみようと思ったのです。
新入社員だったM君は今や”常務”として活躍していて、10年間という時の流れを感じました。それに比べて自分は… とちょっとだけ落ち込んでしまいますが、すぐに気を取り直します。
モットーは、”前向きに!”、’前向きに!”  です。

今回の旅では最高額である二人で約5万円の宿泊料金ですから、待遇や食事はそれなりで満足の宿泊です。でも、楽しみにしていたこのホテル自慢の”展望露天風呂”が、台風の影響でクローズだったことが何とも残念でした。

この日撮った写真はゼロ枚。やはり台風に備えて精神的にも余裕がなかったのですね!?


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