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【静岡県鉄ちゃんの旅】<その1:天竜浜名湖鉄道> [日本二周目]


週末を使って、また旅に出てしまいました。GWの旅からまだ1ヶ月強、その時の費用の過去最大級のクレジットカードの支払がようやく終わったばかりだというのに… 「全く何を考えているのだか…?」と、自分でも自分に呆れてしまいますが、昔からのこの浪費癖は、58歳にもなって(今月、めでたく58歳の誕生日を迎えることができました!)治る気配は微塵もありません。


今回のきっかけは、この土日に妻が1泊2日で仙台に行くことになったこと。最初はのんびり一人で留守番をするつもりでしたが、徐々に「一人で2日間も家にいるのも何となくつまらないなぁ~!?」という気持ちが強くなってきて、近場の旅の資料を見始めるともういけません。自分の気持ちも「行きたいなぁ~!?」から「行こうかな?」に変わり、まもなく「絶対、行くぞぉ~!!」に変化したその日に帰りの新幹線のチケットを購入してしまうと、もう後戻りはできません。

今回は一人旅ですので、車で行くという選択肢はありません。であれば一人旅が当たり前だった学生時代に戻って「鉄ちゃん」になってみることにしました。今回の「鉄旅」の目的地は、大井川鐵道をメインにした”静岡県鉄道の旅”。静岡県には今年1月に行き富士山と伊豆半島を満喫しており今年2回目ですので、塗りつぶしが究極の目標である私としては、極力前回とは異なる場所に行くつもりです。

大井川鐵道は以前から何度か日帰りでの旅行を計画したことがあったのですが、意外と遠く最低でも一泊しないと全線完乗は出来ない(私の足では乗り換えにリスクを伴う)ため、断念していた経緯がありますので、鉄ちゃんに戻っての2日間の旅としては最適です。


1日目:6月16日(土)


6月16日と言えば、私にとっては決して忘れられないこの病気を発病した(記念)日。脳卒中を発病し右半身麻痺になったのが8年前のこの日なのです。1年目・2年目あたりには毎年厳かに6月16日を迎え、毎年その次の1年の回復目標を決めていた自分的にはとても重要な日でしたが、5年目を過ぎて以降、特に「その年の回復テーマ」を決めなくなってからは、6月16日の重みが以前ほどではなくなりました。毎週土曜日の午前中にはリハビリを受けていて、いつもリハビリをしてくれる理学療法士さんとは毎回他愛ない会話をしているのですが、この日の会話の中にはこの"記念日"の話は全くなし。というか、完全に失念していました!!


リハビリを終え、10時過ぎに自宅出発。とは言っても東京駅までは毎日通勤で利用している宇都宮線、いつものように定位置に乗っても旅としては全く面白くも何ともないので、今日は鉄ちゃんらしく運転手さんのすぐ後ろから線路を眺めながら行こうと、最前部で列車の到着を待ちます。  

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ところが10:30という中途半端な時間の割には宇都宮は結構混雑していて、運転手さんのすぐ後ろどころかとりあえず乗るだけで精一杯。結局、いつもの通勤の方がずっと楽な姿勢で電車に乗れたなぁ~… と、いきなりの後悔が今回の旅のスタート。


東京駅ではまず今晩会う浜松の友人への土産を。東京駅の売店は名物が選び放題だなぁと、いつも売店の前を通るたびに思っていたのですが、いざ買う段になるとどれにしようかすっかり迷ってしまい、結果あんまり気の利いたようなものでもなく、ごく通常のお菓子を選んでしまうのが、我々一般人の性。

その後、鉄ちゃんには欠かせないビールを買い、駅弁も… と思っていましたが、選択肢がたくさんありすぎる東京駅地下街の誘惑に負けて、駅弁ではなく美味しそうな寿司を選んでしまう意志が弱い私がいます。

鉄ちゃんの相棒は駅弁とビールなのに… !?


東京駅からはこだま号で静岡県を目指します。こだまに乗るのなんて、本当に何年振りでしょう? 

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ガラガラかと思いきや、こだま号の自由度もかなりの乗車率。私はお目当てのE席を確保でき、横もずっと空いたままでしたが、品川や新横浜で乗って来た人が結構真剣に空席を探す必要があるくらいの混雑。

「オールド鉄ちゃん」は発車前から早速ビールを味わいながら、車窓に見入ります。昔見慣れた新橋のネオン街、3年間勤めたことがある大崎のビル街、母校のキャンパスに掘られたトンネルを一瞬で過ぎ、平成の初期に住んでいた横浜の社宅付近の懐かしい町並み… 

こだま号は相変わらず各駅にゆっくり停車して、急ぎ足の"のぞみ"に「お先にどうぞ」と先を譲ります。まるで「仕事でも人に手柄を譲る誰かさんのようだな。」と、缶ビールを傾けながらの年寄の空想の時間。

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東海道新幹線車窓のハイライトである富士山は今日は全く見えず。そもそも梅雨真っ盛りのこの時期に、晴天の景色を期待する方が間違いです。今日の天気予報も前日までは雨予報だったものの、埼玉でも雨は朝のうちに止んだことを感謝しなければいけません。

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(晴天なら、このあたり富士山が大きく見える筈…)


こだま号を降りた駅は掛川。ここからローカル私鉄"天竜浜名湖鉄道"に乗り、鉄ちゃん旅1日目のメインイベントが始まります。

通称"天浜線"は、昔は国鉄のローカル線である二俣線でした。子供の頃、時刻表が愛読書だった私、浜松や浜名湖を取り囲むローカル線の地図を見るたびに"二俣線に乗って浜名湖を逆側から見てみたい!"という憧れを抱くようになりました。その憧れは叶わぬままに月日は経って、いつしかそんな憧れすら完全に忘れ去っていたのですが、今回の旅のために久し振りに見た時刻表の地図を見て、その記憶が蘇ったのです。

ところで、久し振りに見た時刻表、地図のレイアウトまでがすっかり変わっていたことに大きく驚き、見慣れた地図が懐かしく&猛烈に欲しくなりました。出来れば、鉄道網が最大だった昭和50年代に地図と共に戻りたい!!


掛川駅の天浜線ホームはJR線のはじっこに居候している雰囲気。自販機で全線1450円の切符を買い、ローカル線の相棒であるお酒を探しますが、たった一両の天浜線のホームに売店や自販機がある筈もありません。

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天浜線はのんびりと走り出します。掛川城が見えないかと注意して眺めますが、他の地元民ばかりに見える乗客には、私以外には外の景色なんか見る人は誰もいません。

次の駅は「掛川市役所前」。駅名も運賃表もまるで路線バスみたいです。

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(運賃表は、写っていませんが…)

しばらく走ると新東名高速道路をくぐります。今までは一度も新東名を運転しながらこのあたり(地域)のことなんぞを考えたことはありませんでしたが、次回(この夏)には天浜線のことを考えながら運転して、キョロキョロしちゃうんでしょうねぇ!? きっと。

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単線の天浜線は、時折駅で反対行きの列車とすれ違います。でもこの天浜線、珍しい列車やユニークなペインティングなどもないので、どの列車も一両でみんな同じ顔。その意味では単調といえばきわめて単調。

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見知った駅名も少ない中で、遠州森駅だけは降りたかった駅。”森の石松”の故郷で見所もそれなりにあるようなのですが、見所が駅から遠いので1時間程度下車したところで観光は出来なそうなので下車を断念したのです。

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沿線は”さすが静岡県!”というくらい茶畑が結構多く、旅情たっぷり。茶摘みの時期はとっくに過ぎている筈なのに、茶葉が繁ったゾーンと禿げたゾーンがあるのは、茶摘みのビフォー・アフターなのでしょうか?

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この列車の終着はちょうど天浜線の真ん中あたりの天竜二俣。昔の路線名二俣と今の天浜線のどちらにもいわれがありそうな魅力的な駅名なれど、到着ホームの向かい側には既に先を急ぐ一両編成が待っていて、途中下車どころか駅舎にも行く時間はなさそう。(またしてもアルコールが買えない!?) この駅には転車台などもあるようなので、このあたりには森の石松巡りと併せてもう一回来る必要がありそうです。

2つ先の駅西鹿島にはモダンな列車がたくさん停まっています。ここから浜松駅近くの”’新浜松”を目指す遠州鉄道で、天浜線と違って都会の香りがします。

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すぐ近くの都会浜松も堂々と無視する天浜線は、たった一両だけど孤高を保っているようでとても格好良く見えます。

「やっぱり、乗りに来て、良かった!」


列車は間もなく浜名湖の沿岸を走ります。浜名湖の奥側はリアス式の海岸線のようなので、ずっとその海岸線に沿って走る訳ではなく、海岸線との短いランデブーを繰り返します。

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湖の大きさベスト10に入る浜名湖ですが、こっち側から見える風景はいつも途中に入りくんだ土地に遮られ、広い湖という風には感じられない景色が続きます。

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三ヶ日に到着。三ヶ日と言えば三ヶ日人やみかんなどで馴染みがある地名。ここにあったことを恥ずかしくも今更ながらに知りました。

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終点の新所原まで天浜線の旅は約2時間程度でしたが、久し振りに鉄ちゃん魂を大いに満足させてくれた時間でした。最近流行りの観光列車もないけれど、これぞ正に「ザ・ローカル線」でした。

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新所原からは東海道線で浜松へ。最後に琵琶湖の大きさを味わおうと思って窓の外を凝視していたのですが、東海道線からの景色は新幹線の線路が邪魔で新幹線からと違って浜名湖がよく見えないことを初めて知りました!

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それから、JR東海の各駅停車は東日本に比べて皆窓が汚れているような気がします。

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大半の乗客は窓の外なんて関係なさそうに、皆乗車するや否やスマホに夢中ですが、一人だけ外の景色に熱中する私には、どうも窓の汚れが気になって仕方がないのです。これは、翌日乗った2回の東海道線でも同じで、梅雨時だから雨の跡があるのは仕方がないのでしょうが、この旅から帰ってJR東日本の列車の窓をを見ると、どの列車も窓がすごくきれいなことに改めて気付きます。

これからは、もっとJR東日本に感謝しながら毎日の車窓を楽しもうと思います。

「JR東日本さん、(今更ですが)ありがとうございます!」


今晩は日本一周を始めて以来未宿泊の浜松にて、当地在住の大学時代の友人と晩飯を共にする約束でしたが、その前に浜松名物を味わうことにします。その浜松名物とは”うなぎ”でも「ウナギパイ」でもなく、"浜松餃子"。「餃子なんて浜松でも宇都宮でも大して違いはないんじゃん!?」という気もしますが、餃子好きが浜松に来て餃子を食べないのは何となく餃子の神様に失礼な気がします!?

浜松にも餃子有名店はいくつかあるようですが、友人との待ち合わせまであまり時間のない私は、駅ビルにある有名店"石松"を目指します。

この石松は新東名の浜松サービスエリアにもお店があり、3年前奈良からの帰り道でも味わっています。野菜中心のあっさりした餃子のイメージです。

まだ5時前なのですぐにカウンター席に案内され、来る前から決めていた注文"生ビール中と餃子10ケ"をオーダーするつもりでしたが、美味しそうな餃子の匂いの誘惑に負け、「生ビールと餃子15ケ!!」とついつい食いしん坊の本領発揮です。運ばれて来た餃子は浜松餃子の象徴ともいえる丸型にはなっていませんでしたが、浜松餃子のシンボル"もやし"はたくさん着いていました。

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味は… 前回の味の記憶が何となく正しかったことが証明された感じ。美味しかったのですが、次回は別のお店の丸い浜松餃子に是非チャレンジします!!

さすがに人気店、お店を出る時には行列ができていました!


夜飲んだ友人とは、数十年会う機会がなく、2年前にOB会で会って以来ですから、二人で飲むのは紛れもなく学生時代以来です。彼の下宿近くにあった(当時はまだ多くはなかった)カウンター席だけしかないカラオケ居酒屋によく二人で行き、深夜まで騒音を撒き散らしていたものです。

彼も旅好きで、学生時代に北海道の霧多布で待ち合わせしたことなどを、彼に言われて数十年振りに思いだしました。

時間を忘れた楽しい飲み会で、お店には迷惑だったでしょうが4時間以上も居座ってしまいました。

明日も、朝早いのに…

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